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子どもは親の言動をよく見ている
子どもはたとえ幼くても、親の普段の言動や態度をしっかりと観察しています。「まだ小さいから理解できないだろう」と子どもの観察力を甘く見てしまうと、いつの間にか親子の信頼関係が崩れてしまうことがあります。
親が無意識にしてしまいがちな行動の中には、子どもの信頼を失わせるものも少なくありません。日頃の自分の振る舞いを振り返り、該当する点がないかを確認しましょう。
子どもの信頼を損なう行動は多くありますが、特に避けるべき代表的な5つの行動について詳しく見ていきます。
子どもが親を信頼できなくなる5つの問題行動
親子関係の中で子どもが親への信頼感を失いやすい代表的な行動を以下に挙げました。具体例とともにその理由を理解し、日常での改善につなげていきましょう。
1. 子どもに対して嘘をつく
嘘をつくという行動は、相手が大人でも子どもでも不信感を招きます。特に子どもは親の言葉を信じようとする傾向が強いため、親が一度でも嘘をついてしまうと、その影響は深刻になりがちです。小さな嘘であっても繰り返されると、子どもは親の言葉を信用しなくなり、親子間のコミュニケーションが徐々に破綻してしまうことがあります。 子どもが安心して親を信頼できる環境を作るためには、普段から正直で誠実な態度を示すことが重要です。
2. 子どもとの約束を簡単に破る
子どもとの約束を親の都合で簡単に破ってしまうことも、信頼関係にひびを入れる原因となります。特に以下のような行動は避けるべきです。
- 仕事を理由に、子どもと楽しみにしていた外出の約束を直前でキャンセルする
- 子どもが心待ちにしていたイベントへの参加を突然中止する
- 子どもに約束したプレゼントを買い忘れて、渡すのを先延ばしにする
- 子どもとの約束を軽視し、他人との約束を優先させてしまう
「子どもだから」と軽く考えず、冠婚葬祭など絶対に避けられない用事を除いては、できる限り子どもとの約束を優先しましょう。 子どもとの約束を守ることは、信頼を築くための基礎となります。
3. 子どもを他人と比べてしまう
子どもを他人と比較する行為は、子どもの自尊心を深く傷つけ、親への信頼感を失わせる要因になります。比較対象としては、例えば以下のような場合があります。
- 兄弟姉妹
- 親戚や知り合いの子ども
- 親自身の子どもの頃の姿
- 子どもの友達
子どもを誰かと比較する行為は、子どもの中に「自分は親にとって劣っている存在だ」という劣等感を植えつけるだけでなく、親への反感や不信感を招きかねません。子ども一人ひとりの個性を尊重し、ありのままを認めてあげることが大切です。
4. 親自身ができないことを子どもに押し付ける
親自身が達成できなかった夢や目標、あるいは面倒だと感じることを、子どもに押し付けてしまうことは珍しくありません。しかし、これもまた子どもとの信頼関係を壊す原因になりやすい行動です。具体的には以下のようなケースが挙げられます。
- 親が果たせなかった夢を無理やり子どもに背負わせる
- 親自身が行っていない家事や役割を、子どもに強いる
- 面倒なことを子どもに押し付け、自分は楽をしようとする
親自身が行っていないことを子どもに求める行動は、子どもに不公平感や強いプレッシャーを与え、親子間に感情的な溝を作ります。子どもには自分らしく成長できる環境を提供し、無理に自分の理想を押し付けないよう注意しましょう。
5. 親に大切にされていないと子どもが感じる態度をとる
子どもは、自分が親にとって大切な存在であると感じることを強く求めています。親が無意識にとる以下のような態度や行動は、子どもに「大切にされていない」と感じさせ、深い不信感につながります。
- 相談されたことを軽く受け流したり無視したりする
- 子どもと向き合って真剣に話を聞かない
- スマホやテレビに集中しながら子どもと接する
- 子どもの話を退屈そうに聞く
- 子どもの努力を認めず、結果だけを叱る
- 虐待や否定的な言葉で傷つける
子どもは親に真剣に向き合ってもらえないと感じると、親への信頼だけでなく自己肯定感まで失ってしまいます。子どもが小さなことであっても真剣に耳を傾け、日常のやり取りを通して「あなたが大切である」という気持ちをしっかりと伝えましょう。
子どもに信頼されるためには、こうしたNG行動を避けるだけでなく、日常の中で積極的に信頼関係を育む行動を実践していくことが求められます。
親子の信頼を築くために心がけたい行動
親子間の信頼関係を築き、維持するためには日々の小さな積み重ねが重要です。特に意識したいのは以下のポイントです。
- 親子で決めた約束をきちんと守る
- 親子間で小さな秘密や特別な出来事を共有する
- 子どもを信頼し、簡単な頼みごとをして任せる
- 子どもの失敗を過剰に責めず、成長の機会と捉える
- 子どものわがままに、可能な範囲で寄り添う
- 良いことと悪いことの区別を明確に伝える
- 他人に迷惑をかける行動には毅然と叱る
- 親子で過ごす時間を大切にし、共通の趣味や話題を楽しむ
- 子どもの存在を常に肯定し、愛情を言葉や態度で伝える
親子間の信頼関係は一朝一夕には築けませんが、毎日のささいなやり取りや態度によって着実に育まれていきます。子どもを自分とは異なる人格を持つ一人の人間として認め、誠意ある態度で接していくことが大切です。
日常の行動を見直して親子の絆を深めよう
子どもは日々の生活の中で、親の行動や言葉を細かく観察しています。親が自覚していない些細な態度や言動が、子どもの信頼を築くこともあれば、逆に崩してしまうこともあります。
親が子どもの観察力を意識し、自分自身の日常的な態度や振る舞いを振り返ることが、健全な親子関係を築く第一歩となります。日々のコミュニケーションを丁寧に行い、子どもとの信頼関係を深めていきましょう。