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IQとは「知能指数」を表す指標
日常会話の中で「IQが高い」「IQが低い」という表現を耳にすることがあるでしょう。しかし、実際にIQが何を数値化しているのか、具体的には知らない人も多いかもしれません。
IQとは、「Intelligence Quotient(知能指数)」を省略した言葉です。
IQの数値は実年齢と精神年齢を基に算出されるもので、具体的には、言語能力、論理的思考力、記憶力、数学的能力、空間認知能力などを総合的に判断して導き出されています。
最近では、AIを活用した診断法や、WISC-Vなどの精密な知能検査ツールが登場し、より正確に知能を測定することが可能になっています。
IQがどのような仕組みで算出されているのか、詳しい測定方法や一般的な基準についても見ていきましょう。
IQの測定方法と一般的な数値の目安
IQは、専門家が開発した知能テストを用いて測定されるのが一般的です。
筆記試験のほか、近年ではコンピュータを用いたテストも増えてきました。測定方法としては、精神年齢を実年齢(暦年齢)で割った数値を基本として算出します。
一般的なIQの数値は85〜115の範囲内が平均とされています。85未満の場合はIQが低いとされ、120を超えるとIQが高く、知的能力に優れていると評価されます。
特に130を超える人は非常に稀で、世界的にも優秀な才能を持つ「ギフテッド」と呼ばれています。世界的にはIQ上位者だけが参加できる国際組織「メンサ」もあり、現在は約10万人の会員が所属しています。
IQの数値が高いか低いかによって、実際の生活でどのような違いが現れるのか、その特徴を具体的に確認していきましょう。
IQが高い人の特徴は?低い人との違いを解説
IQという数値が日常生活の中でどのように影響を与えているのか、IQが高い人に共通する特徴と、IQが低い人に見られる特徴を比較しながら詳しく解説します。
物覚えがよく、一度得た情報を忘れにくい
IQが高い人の特徴として、優れた情報処理能力を持つことが挙げられます。
特に一度得た知識をなかなか忘れない傾向があり、情報を記憶する際にその構造や意味を整理しながらインプットしているため、長期間記憶に残りやすいのです。
反対にIQが低い場合は、情報を構造的に理解することが難しく、丸暗記になりがちです。そのため一度覚えた情報でもすぐに忘れてしまったり、理解が浅いために応用できなかったりすることが多くなります。
記憶力の良さ以外にも、IQが高い人には、相手に伝わりやすく会話を進める能力が高いという特徴もあります。
話の要点を整理し、相手に分かりやすく伝えられる
IQが高い人は情報処理能力に優れているため、会話や説明の際に必要な情報を的確に選び出し、相手に分かりやすく伝えることができます。伝えるべきことを論理的に整理し、順序立てて話を進められるため、聞き手も話の要点を理解しやすくなります。
一方、IQが低い人は、話をする際に情報の取捨選択がうまくできず、話題が曖昧になったり、重要ではないことに長く時間を費やしてしまったりすることがあります。そのため、会話が長くなりがちで、聞き手が要点を掴みにくくなることも少なくありません。
情報処理やコミュニケーションのほか、IQの違いによって問題解決能力にも明確な差が生じることが分かっています。
論理的に物事を考え、問題解決が得意
IQが高い人の多くは、感情的な側面を切り離して論理的に物事を考える傾向があります。自身の感情をコントロールし、客観的な視点で問題を分析できるため、何らかの課題に直面したときも、最適なアプローチや適切な解決方法を冷静に選択することが可能です。
対照的にIQが低い場合、問題が起きた際に感情に左右されやすく、冷静な分析が苦手な傾向があります。その結果として、問題への対処が遅れたり、衝動的な行動で状況を悪化させたりすることも珍しくありません。
論理的思考や冷静な判断力以外にも、IQの高さは探求心や物事への粘り強さとも関係があります。
好奇心が旺盛で、納得するまでやり遂げる探求心
IQが高い人に共通しているのが、知的好奇心が強く、関心を持ったことに対して深く掘り下げて探求する姿勢です。自分が納得できるまで諦めず、集中力を維持して物事を遂行するため、新しい知識や技能を効率的に吸収しやすく、結果としてさらに知的能力が高まるという良循環が生まれます。
これに対して、IQが低い場合は、何かを掘り下げて取り組むことが苦手で、興味を持っても早い段階で諦める傾向があります。努力を続ける粘り強さが不足しているため、新しい知識やスキルが定着しにくく、知的能力の向上につながりにくい状況になってしまいます。
IQを向上させる日常的な意識と習慣
日常的に論理的な思考や好奇心を持つ習慣を意識して身につけることで、大人になってからでも知的能力を向上させることは可能です。
日頃から物事を深く考える癖をつけたり、自分が理解できないことをそのままにせず、納得いくまで追求したりする姿勢が、IQを伸ばすことにつながります。また、普段のコミュニケーションの中で、情報を整理し相手に伝わりやすく話す意識を持つことも効果的でしょう。
もし周囲にIQが高いと感じる人がいるならば、その人の行動や考え方を観察して、自分との違いを比較してみることをおすすめします。たとえば、問題に直面したときの対応方法や、感情的にならず論理的に物事を捉える姿勢など、具体的な行動を真似ることが知的能力の向上に役立ちます。
こうした小さな積み重ねが、やがて情報処理能力や論理的思考力を磨くことにつながり、結果的にIQの向上に結びついていくのです。