洗濯機から異音がするのは寿命のサイン?音の種類でわかるトラブル診断

洗濯機から異音がして不安に感じた経験はありませんか?本記事では、「ゴンゴン」「ガリガリ」など音の種類別に原因と対処法を詳しく解説。修理や買い替え判断のポイント、異音を防ぐ使い方も紹介します。

洗濯機から異音がする原因とは?

洗濯機から異音がすると、「故障かも…」と焦ってしまいます。特に「ゴンゴン」「ガリガリ」「カラカラ」など明らかに異常な音がすると、不安になって当然です。

ですが、ご安心ください。実は、異音にはそれぞれ原因と対処法があります。ここでは代表的な異音別に、その原因と具体的な対策を分かりやすく解説します。

自宅の洗濯機から聞こえる異音と照らし合わせながら、原因を特定して素早く対処しましょう。

「ゴンゴン」「ガタガタ」洗濯機が激しく揺れる音

洗濯中に洗濯機が「ゴンゴン」や「ガタガタ」と激しく揺れる場合、その主な原因は洗濯物の偏りや入れすぎです。洗濯物が偏って入っていると、脱水時の遠心力で洗濯機のバランスが崩れます。

特に厚手で水を多く含む衣類や、サイズが大きいものをまとめて洗う場合には、重さに偏りが生じやすく、洗濯機に強い負荷がかかります。

《主な対策》
対策としては、洗濯物をできるだけ均等に入れるよう意識しましょう。厚手の毛布のような大きな洗濯物を洗う際は、同じような大きさ・重さのものをバランスよく組み合わせると、洗濯槽内の荷重が偏りにくくなります。

また、洗濯機の足元に防振ゴムを設置したり、本体の水平を調整したりすることで、振動を効果的に抑えることができます。防振ゴムは家電量販店やネット通販で手軽に購入できるので、気になる方は一度試してみてください。

「ガリガリ」と何かが削れるような音

「ガリガリ」と何かが削れるような金属音がするとき、洗濯槽の内部やパルセーター(洗濯機の底にある円盤状の羽根部分)に異物が混入している可能性があります。小銭やヘアピンなどが衣類のポケットから出て洗濯槽に入り込み、回転時に部品を削ってしまっているのです。

また、長年の使用でパルセーターが劣化・破損している場合も、回転時に洗濯槽を削る異音が発生します。

《主な対策》
異音がしたら、まず洗濯槽を空にして手で内部を丁寧に触り、異物がないかを確かめてください。見つかった場合は速やかに取り除きましょう。

パルセーターが破損している場合、専門知識がない状態での修理は難しいため、メーカーや専門業者に修理を依頼しましょう。パルセーターは、洗濯機を動かす重要な部品ですから、早めに対処することが大切です。

「カラカラ」「ガラガラ」軽いものが中で回っている音

洗濯機を回していると、「カラカラ」や「ガラガラ」と軽い物が中で転がっているような音がする場合があります。この異音の主な原因は、小さな異物(コイン、ボタン、ジッパーの引き手)が洗濯槽に混入したり、内部の部品が緩んでいることです。

例えば、ズボンのポケットに入っていた小銭や、シャツから外れたボタンなどが洗濯槽内に入り込むことがよくあります。

《主な対策》
まず洗濯槽内を確認し、手で触れる範囲で異物を探します。洗濯槽の底やドラムの穴部分に異物がないか丁寧に確認してください。

内部の部品が緩んでいる場合は自力での対処が難しいため、専門業者に点検や修理を依頼することをおすすめします。

「キーキー」「キュッキュッ」と軋むような高い音

洗濯機から「キーキー」や「キュッキュッ」といった、耳障りな軋むような高い音がすることがあります。この原因として多いのは、洗濯機内部の軸受け(ベアリング)の劣化や潤滑油の不足です。

軸受けとは、洗濯槽をスムーズに回転させるための部品で、自転車の車輪の中心にあるベアリングをイメージすると分かりやすいでしょう。これが劣化すると、金属同士が摩擦し合い、「キーキー」という音を発生させます。

《主な対策》
潤滑油不足も同じく摩擦を引き起こす原因となりますが、どちらにしても専門知識や工具が必要なため、自力での修理や調整は難しいでしょう。

無理に自分で直そうとすると、かえって洗濯機が故障するリスクが高まります。異音が継続的に発生するようであれば、速やかに専門の修理業者やメーカーに依頼してください。放置すると軸受けが完全に破損し、最悪の場合、洗濯機そのものが使用不能になる恐れもあります。

「キュルキュル」とベルトが滑る・擦れる音

洗濯機の運転中に「キュルキュル」とベルトが滑るような音がした場合、主な原因は駆動ベルトの劣化・摩耗、または緩みによるものです。洗濯機のベルトは、モーターの回転力を洗濯槽に伝えるために重要な役割を担っています。

このベルトが劣化すると、自動車のエンジンベルトが滑ったときに鳴るのと同じような摩擦音が発生します。

《主な対策》
この音が出た場合、ベルトの交換が必要です。駆動ベルトの交換費用の目安は、だいたい5,000円〜10,000円程度とされています。ベルト自体の交換作業は専門技術が必要であり、自分で行うのはおすすめしません。

洗濯機を分解してベルト交換を試みると、組み立て時に不具合を起こす可能性があります。安全のためにも、メーカーや専門修理業者への依頼を推奨します。

「ブーン」「ウィーン」とモーターがうなる音

洗濯機から「ブーン」や「ウィーン」とモーターが唸るような低い音が大きく響いてくる場合、モーターの劣化や排水ポンプの詰まりが考えられます。

特に排水ポンプやホースにゴミや衣類の糸くずなどが詰まっていると、水を送るためにモーターが過剰に負担を強いられ、「ブーン」という強い音が出やすくなります。

《主な対策》
まずは排水ホースの詰まりをチェックしましょう。ホースを本体から外し、中にゴミや糸くずが詰まっていないか確認してください。詰まりが見つかれば取り除きます。

それでも異音が改善されない場合、モーター自体に問題が生じている可能性があります。この場合、修理費用はおよそ10,000円〜30,000円程度が目安となります。自分での修理は困難なので、専門業者への依頼が現実的な選択肢です。

「カタカタ」「カチカチ」と一定のリズムで鳴る音

洗濯機から「カタカタ」「カチカチ」と一定のリズムで鳴る音がする場合、内部のネジや部品が緩んでいる可能性があります。洗濯機は使用しているうちに細かな振動でネジや部品が徐々に緩み、部品同士が小刻みに触れ合い音が鳴るようになります。

《主な対策》
確認するには、まず洗濯機の電源を抜き、安全を確保します。その後、本体の外側から触れる範囲でネジや接合部分を確認しましょう。緩んでいる場合は、ドライバーなどで軽く締め直します。

しかし、洗濯機内部の部品やネジを自分で調整しようとするのは危険な場合もあります。特に機械内部に触れることに不安があるならば、無理をせず専門業者に依頼しましょう。

洗濯機の寿命と買い替えを考えるタイミング

洗濯機の寿命は一般的に6〜8年と言われています。ただし、この期間はあくまで目安であり、使用頻度やメンテナンスの有無によって大きく変わります。

家族が多く毎日何度も洗濯機を回す家庭と、週に数回しか使わない家庭では、当然ながら寿命の訪れ方も異なります。また、洗濯槽の定期的なクリーニングや適切な使い方をしていれば、10年以上問題なく使えることもあります。

異音は寿命のサイン?気づきやすい変化とは

寿命に近づくにつれて「変な音がする」「脱水の音がうるさい」「洗濯機がうるさくなった」など、明らかな異音や異常が頻繁に現れ始めます。

このような異音は、内部部品の劣化やバランスの崩れによって起こることが多く、放置するとさらなるトラブルに発展する可能性があります。

買い替えの判断は「修理費用が新品の3割」が目安

特に購入から6年以上経った洗濯機は、修理を検討しても部品供給が停止されている場合が多く、修理そのものが難しいこともあります。

具体的な買い替えの判断基準としては、修理費用が新品価格の3割を超えるかどうかを目安にしましょう。例えば、6万円で購入した洗濯機で、修理費用が2万円以上かかる場合、新しい機種に買い替えるほうが結果的にお得になることがほとんどです。

洗濯機の故障や異音が多発しはじめたら、購入からの経過年数と修理コストを比較して、買い替えを検討するのが賢明な選択です。

異音の種類で判断する!修理と買い替えの基準

洗濯機の異音がする場合、「修理に出すべきか」「買い替えるべきか」で迷ってしまう方も多いでしょう。実際には、異音の種類によって修理費用や難易度が大きく変わります。

例えば、ベルトの摩耗による「キュルキュル音」や軸受け(ベアリング)の劣化による「キーキー音」は、部品の交換が必要であるため、費用が比較的高額になることがあります。

一方で、小さな異物混入による「カラカラ音」やネジの緩みによる「カタカタ音」などは、自分で簡単に対処できる場合も多く、高額な修理を必要としません。

修理が高額になりやすい異音の特徴とは

洗濯機の内部に深刻なダメージが及んでいる場合、特にモーターや軸受けの修理は10,000円〜30,000円前後と比較的高額になりがちです。こうした場合、購入から6年以上経過している機種なら修理費用を考えて買い替えるほうが、長期的に見ると経済的と言えます。

修理費用が安いかどうかだけで判断するのではなく、「今後どのくらい使いたいか」「再発の可能性はあるか」といった視点もあわせて検討しましょう。

バランスを考えて最適な判断を

もし、修理しても再度故障する可能性が高ければ、買い替えを検討したほうが満足度も高まります。異音の原因を正確に把握したうえで、修理コストや使用年数とのバランスをよく考えて判断することをおすすめします。

買い替えや修理に迷ったときは、「費用」「耐用年数」「故障頻度」の3つを軸に、冷静に判断することが失敗しないポイントです。

洗濯機を長持ちさせる正しい使い方

洗濯機の中の洗濯物

洗濯機をできるだけ長持ちさせるためには、普段からちょっとした使い方の工夫が必要です。洗濯機の異音が再発しないためにも、次のポイントをしっかりと守りましょう。

洗濯物は入れすぎない、均等に配置する

まず一番重要なのは、洗濯物の適切な入れ方です。ついついまとめて洗濯したくなりますが、洗濯槽の許容量を超えた過積載は厳禁です。詰め込みすぎると洗濯機のモーターに余計な負荷がかかり、「ゴーゴー」と異常に音が大きくなったり、故障の原因になります。

また、洗濯物を投入する際は、重量が偏らないように均等に配置しましょう。厚手の毛布のように水を吸って重くなりやすい物は、単独で洗うか、タオルや小物類をバランスよく混ぜると、脱水時に「ゴンゴン」や「ガタガタ」といった騒音を防げます。

洗濯槽の掃除で性能と清潔さを保つ

次に重要なのが、洗濯槽の定期的な掃除です。洗濯槽は、見えない部分でカビや汚れが溜まりやすく、これが蓄積すると「洗えてない気がする」と感じる原因になります。月に1回程度、市販の洗濯槽クリーナーを使って掃除を行うことで、洗濯機の性能を維持できます。

ホースの劣化や詰まりにも注意する

さらに給排水ホースの状態を定期的にチェックすることも忘れないでください。給水ホースが劣化すると給水音がうるさくなり、排水ホースが詰まると「ザーザー」と水の流れが悪くなります。定期的な確認と清掃を心掛けましょう。

洗濯機の異音トラブルを繰り返さないために

洗濯機のメンテナンスをする女性

せっかく洗濯機を修理したり、新しく買い替えた場合でも、再び同じような異音が発生してしまうことがあります。こうしたトラブルを繰り返さないためには、使用開始時からの対策が大切です。

設置時の水平調整は最重要ポイント

まず、新しい洗濯機を設置する際は、必ず洗濯機本体の水平調整を入念に行いましょう。設置が少しでも斜めになると、脱水時の振動が大きくなり、機械内部が傷んで「カタカタ音がする」ようになります。水平器を使い、洗濯機をしっかり水平に設置しましょう。

防振ゴムで揺れやすい床をサポート

洗濯機を置く場所の床が滑りやすい場合や振動が気になる場合は、防振ゴムを活用するのも効果的です。防振ゴムは1000円程度から購入でき、洗濯機の揺れ対策としては費用対効果が高いのでおすすめです。

ポケットの中身は必ずチェックする習慣を

また、洗濯を始める前に衣類や洗濯物のポケットを必ず確認し、異物混入を防ぐ習慣をつけることも重要です。特にズボンやシャツのポケットに入った小銭やヘアピンは、洗濯槽やパルセーターに「ガリガリ」と傷をつける原因となります。

初めて使うときは空回しを忘れずに

さらに、初めて使う時には必ず一度空回し(何も入れないで回す)を行いましょう。こうすることで、新品の洗濯機内部の汚れやニオイを除去し、以後の洗濯物に汚れがつくのを防げます。

異音を感じたら即対応するのが鉄則

最後に、もし洗濯機が変な音を出し始めたら、絶対に放置しないことです。「まだ大丈夫」と異音を見過ごしてしまうと、故障が深刻化して修理費用が高くついてしまいます。

ちょっとした異常でもすぐに原因を確認し、早めの対応を心掛けることが、洗濯機を長く快適に使うコツと言えるでしょう。

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る