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家の中に出る小さな虫の正体
家の中でよく見かける小さな虫には、主に次のような種類があります。虫ごとに特徴や好む場所が違うので、まずは正体を確認することが大切です。
コバエ
コバエと呼ばれる小さいハエにはいくつかの種類がいます。
- ショウジョウバエ:生ごみや果物、飲み物の残りが大好きで、キッチンに集まりやすい。
- チョウバエ:排水溝や浴室など、水回りのヌメリが多い場所に発生する。
- クロバネキノコバエ:観葉植物の土や排水口周りの湿った場所を好む。
シバンムシ
体長2~3mmで茶色っぽく、ミニチュアのカブトムシのような形をしている虫です。小麦粉、乾燥パスタ、乾燥した食品類や畳を好み、キッチンや押し入れなどに多く現れます。
チャタテムシ
体長1mm程度の薄い茶色の小さな虫で、カビやホコリを餌にしています。湿度の高い押し入れ、本棚、段ボール箱などに多く見られます。小さすぎてダニと間違えられることもあります。
紙魚(シミ)
銀色で細長く、魚のような動きをする虫です。本や新聞、段ボール、壁紙などの紙製品を好み、湿気の多い場所に出現します。
コクゾウムシ
お米や小麦粉など穀類の袋に穴をあけて、中に卵を産んで増殖します。キッチンの食品庫で見かけることが多い虫です。
コナダニ
肉眼では小さな粉のようにしか見えませんが、食品をよく見ると白い粒が動いていることがあります。小麦粉や砂糖などの乾燥食品を好みます。
小さい虫が家の中で増える5つの原因
家の中で虫が増える理由を知り、原因をなくしていくことで虫の発生を防げます。
1. 生ごみや食べかすの放置
食べかすや生ごみを放置すると、ショウジョウバエがすぐに集まります。ゴミ箱や空き缶の中に虫が繁殖することもあります。生ごみや食べかすは密閉して早めに処分しましょう。また、ゴミ箱自体も定期的に掃除することが大切です。
2. 排水口や水回りの掃除不足
浴室や台所の排水口にはヌメリが溜まりやすく、チョウバエが繁殖します。定期的な掃除が不足すると虫が増える原因になります。週に一度は排水口を掃除し、熱湯や重曹と酢で汚れを落としましょう。
3. 家の小さな隙間からの虫の侵入
窓や網戸の小さな隙間、エアコンのホースや換気扇からも虫は簡単に侵入します。網戸や窓枠の隙間を専用のテープやパテで埋めたり、エアコンホースに防虫ネットを取り付けたりして、侵入経路を防ぎましょう。
4. 湿気が多い環境や新築の水分
湿度が高い環境はカビやホコリが溜まり、チャタテムシや紙魚などの虫が繁殖します。特に新築の住宅では、木材やコンクリートに含まれる水分が徐々に蒸発し、湿気が溜まりやすくなっています。湿度を55%以下に保つため、除湿機を使ったり、換気扇を定期的に回したりしましょう。
5. ペットが虫を運んでくる
犬や猫などのペットは散歩などでダニやノミを室内に持ち込みます。またペットのフケや毛が家の中に落ちることで、虫の餌となり繁殖の原因になります。ペットの寝具や敷物はこまめに洗濯し、乾燥機で60℃以上に加熱することで虫の繁殖を防げます。また、駆虫薬を定期的に使い、散歩後はブラッシングを習慣づけましょう。
家の中の小さい虫を退治する方法
家の中に発生した小さい虫は、正しい方法で退治していく必要があります。虫の種類に合った駆除法を選び、安全に退治しましょう。
湿気を減らして虫を追い出す
虫の多くは湿度が高い環境を好みます。特にチャタテムシや紙魚、コナダニは湿気がある限り繁殖します。家の中の湿度を55%以下に保つように除湿機やエアコンの除湿機能を活用し、湿気を追い出すことで虫が住みにくい環境になります。浴室やキッチンなど湿度の高い場所は、換気扇を常に回しておくのも効果的です。
食べ物や食品保管場所を見直す
乾燥食品を好むシバンムシやコクゾウムシ、コナダニの繁殖を防ぐには、食品を密閉容器で保存しましょう。また、粉物や穀物は開封後すぐに使い切るか、小分けにして冷蔵庫で保存することで虫が繁殖するリスクを減らせます。食品庫や棚の掃除をこまめに行い、落ちた食べかすを放置しないように注意してください。
水回りや排水口をこまめに掃除する
チョウバエやクロバネキノコバエは排水口や観葉植物の土から大量発生します。排水口は定期的に掃除してヌメリを落とし、週に1回は50℃以上のお湯や重曹と酢を使ってしっかり洗浄しましょう。観葉植物の土が原因の場合は表面の土を無機質の石や砂に入れ替えると、虫の繁殖を抑えることができます。
侵入経路を防ぐ対策をする
窓や網戸の小さな隙間、エアコンの配管ホース、換気扇から虫が侵入します。網戸や窓の隙間はテープや防虫パテで埋め、エアコンの配管には専用の防虫キャップをつけましょう。特に夜間は虫が光に集まるので、LEDの防虫ランプに変える、紫外線カットフィルムを窓に貼るなどの対策も効果的です。
ペットが運ぶ虫を防ぐ
ペットが外から運んでくるノミやダニなどの虫は、人にも害を与えることがあります。散歩の後は必ずブラッシングし、寝具やマットはこまめに60℃以上の熱で乾燥させましょう。定期的な駆虫薬の使用も欠かせません。
ライトトラップや粘着シートで虫を捕獲する
薬剤を使いたくない場合や小さな子供、ペットがいる家庭では、薬剤を使わないライトトラップや粘着捕虫シートが安全で効果的です。虫を誘引する特殊な光やシートで、飛んでいる虫や潜んでいる虫を効率よく捕獲できます。
大量発生したら「くん煙剤」を使って一掃する
小さな虫が大量発生した場合は、くん煙剤での一掃が効果的です。家具や家電にカバーをして、水タイプのくん煙剤を使います。2時間ほど部屋を閉め切り、その後1時間以上換気して安全に使用しましょう。2~3週間後に再度使うと、虫の再発防止につながります。
安全に駆除剤を使うための注意点
虫を駆除するための殺虫剤やくん煙剤は正しく使わないと、人やペットに害を及ぼすこともあります。スプレー式殺虫剤を使う際は、使用後は十分換気を行い、ペットや小さい子供が触れないよう注意してください。またホウ酸を使った虫除けは、ペットや幼児が誤飲しないように注意しましょう。
タカラダニという赤い小さなダニは、潰すと赤い体液が出て皮膚に刺激を与えたり、シミが残ったりします。発見した場合はティッシュや掃除機で優しく取り除き、潰さないように注意しましょう。
まとめ
虫が全くいない家というのは難しいですが、日頃から清潔で乾燥した環境を作れば虫は自然と減っていきます。虫が嫌がるハーブ類(ラベンダーやユーカリ)を植えたり、虫除けの効果があるヒバ油を掃除のときに活用したりするのも有効です。虫を必要以上に恐れず、虫が増えにくい環境づくりを楽しむくらいの気持ちで、心地よい住環境を整えていきましょう。