冬の車で絶対やってはいけない『NG行為』8つ!知らずにやると大事故に…

冬は車のトラブルが頻発する季節。積雪や凍結により、普段の運転では考えられない危険が潜んでいます。間違った対応をすると、大事故や高額な修理費につながることも。本記事では、冬に絶対に避けるべきNG行為8つと、それぞれの対策を詳しく解説します。

冬の運転はいつもと違う!気を抜くと大事故につながる

雪で渋滞

冬になると、「いつも通り運転すれば大丈夫」と油断してしまいがち。しかし、気温が氷点下になると、路面はスケートリンクのように滑りやすくなり、タイヤのグリップ力も著しく低下します。さらに、気づかないうちに車の各部品が凍結し、トラブルを引き起こすことも。

例えば、急ブレーキを踏んでもまったく止まらず、そのまま滑ってしまった経験はありませんか?それは、普段なら確実に止まる距離でも、冬の路面では制動距離が大幅に伸びるためです。こうした危険を回避するためにも、冬特有の「やってはいけない行動」をしっかり理解しておきましょう。

次の章では、冬の運転で絶対に避けるべきNG行為を8つ紹介します。

冬の車でやってはいけない8つのNG行為

寒さや雪の影響で、冬は車のトラブルが起こりやすい季節。では、どのような行動が危険を招くのか?ここからは、冬場に絶対に避けるべきNG行為と、その対策を詳しく解説していきます。

1. 古いスタッドレスタイヤを装着する

「スタッドレスタイヤを履いていれば安心」と思っていませんか?実は、それだけでは不十分です。スタッドレスタイヤは、ゴムが柔らかく、氷や雪の路面でもグリップを発揮するように設計されています。しかし、使い続けることでゴムが硬化し、十分な性能を発揮できなくなります。

特に注意すべきポイントは以下の2つです。

  • 溝の深さ:4mm以下になると性能が著しく低下する。
  • 使用年数:一般的に3〜5年が交換の目安。

冬道での安全運転のためには、タイヤの溝が十分に残っているかを事前にチェックし、必要なら新品に交換しましょう。

2. 凍結している道路での「急」操作

冬道では「急」のつく操作が命取りになります。たとえば、急ブレーキをかけるとタイヤがロックし、そのまま制御不能になることも。急ハンドルを切ると、車がスピンしてしまう危険性もあります。

特に気をつけるべき「急」操作は以下の3つです。

  • 急ブレーキ:ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が作動しても、凍結路では止まりづらい。
  • 急ハンドル:タイヤがグリップを失い、スピンや横滑りを引き起こす。
  • 急発進:タイヤが空回りし、その場から動けなくなることも。

凍結路では「ゆっくり」「やさしく」「時間に余裕を持つ」ことが重要。特に橋の上や日陰のカーブは凍結しやすいため、速度を落として慎重に運転しましょう。

3. 凍ったフロントガラスに熱湯をかける

朝、フロントガラスがカチカチに凍っていると、「早く溶かしたい!」と熱湯をかけたくなりますよね。しかし、それは絶対にやってはいけない行為です。急激な温度変化により、ガラスが割れるリスクがあるためです。

適切な対処法は以下の通り。

  • エンジンをかけて暖気運転し、自然に溶かす。
  • 解氷スプレーを使う。
  • フロントガラスカバーを使用し、前日のうちに凍結を防ぐ。

急いでいる朝こそ、焦らずに安全な方法で視界を確保しましょう。

4. 雪道で立ち往生したときにエンジンを切る

大雪で動けなくなったとき、ガソリン節約のためにエンジンを切るのは危険です。車内は想像以上に早く冷え込み、低体温症のリスクが高まります。

さらに、寒冷地ではエンジンを再始動できなくなることも。特に、バッテリーが古い場合は、気温が低いとエンジンがかからなくなる可能性があるため要注意です。

では、どうすればいいのか?

  • エンジンは定期的にかけ、車内の温度を保つ。
  • マフラー周りの雪を除去し、一酸化炭素中毒を防ぐ。
  • ブランケットやカイロを常備し、体温を維持する。

冬の道路では、いつどこで立ち往生するかわかりません。長時間の待機に備え、防寒対策を万全にしておきましょう。

5. 数年使い続けているバッテリーで寒冷地に向かう

冬の寒さは、バッテリーにとって最大の敵です。特に3年以上使っているバッテリーは、寒冷地で突然エンジンがかからなくなるリスクが高まります。気温が下がると、バッテリー内の化学反応が鈍くなり、電力供給が不安定になるためです。

寒冷地に向かう際、以下のポイントをチェックしましょう。

  • バッテリーの使用年数を確認する(3年以上なら交換を検討)
  • 電圧を測定し、寿命が近づいていないか確認する。
  • ブースターケーブルやジャンプスターターを常備する(万が一のときに役立つ)

「昨日まで普通に使えていたのに、朝になったら動かない!」という事態を避けるためにも、バッテリーの点検は出発前に必ず行いましょう。

6. 雪を落とさずに運転する

「少しの雪くらい大丈夫」と思って出発すると、思わぬトラブルに見舞われることがあります。屋根の雪を落とさずに走ると、ブレーキをかけた瞬間にフロントガラスへドサッと落ちてきて、視界を完全にふさいでしまうことがあるのです。

また、後続車にも危険が及びます。走行中に車体から飛び散った雪や氷が、後ろの車のフロントガラスを直撃することがあるためです。特に高速道路では、氷の塊が飛び、重大な事故につながるケースもあります。

安全のために、出発前には以下の点を確認しましょう。

  • 屋根・ボンネット・リアガラスの雪を確実に落とす。
  • 雪用のブラシやスクレーパーを車に常備する。
  • エンジンをかけて少し暖め、雪を落としやすくする。

「たかが雪」と思わず、しっかり除去してから運転を始めることが重要です。

7. ワイパーを立てずに放置する

雪が降った翌朝、「ワイパーがフロントガラスに張り付いて動かない…!」という経験をしたことはありませんか?これは、ワイパーのゴム部分が凍りついてしまい、動かすと破損するリスクがあるからです。

ワイパーが凍結すると、以下のトラブルが発生します。

  • 無理に動かすとゴムが切れてしまう。
  • ワイパーモーターに負荷がかかり、故障の原因になる。
  • 視界を確保できず、運転が非常に危険になる。

これを防ぐために、駐車時にはワイパーを立てておくのが鉄則です。また、寒冷地では「冬用ワイパー」への交換を検討すると、凍結しにくくなり、スムーズな運転が可能になります。

「ちょっとの手間で防げること」は、早めに対策しておくのがベストです。

8. 燃料の凍結対策をしない

寒冷地に行く際、燃料の管理を怠ると、エンジンがかからなくなる原因になります。特に軽油を使用するディーゼル車は、気温が低くなると燃料が凍りやすく、エンジンが動かなくなるリスクが高まります。

寒さで燃料が凍結するのを防ぐには、以下の対策が効果的です。

  • 寒冷地仕様の燃料を入れる(軽油は「冬用軽油」を使用)。
  • 燃料タンクを常に半分以上に保つ(空になると凍結しやすい)。
  • 燃料添加剤を使用する(燃料の流動性を保つ)。

「ガソリンなら大丈夫」と思われがちですが、極寒地ではガソリン車も燃料供給が不安定になることがあります。寒冷地に行く前に、燃料のチェックは忘れずに行いましょう。

冬の運転を安全にするための必須装備

タイヤにチェーン

冬の道路は普段とは違い、滑りやすく、視界も悪くなりがちです。さらに、思わぬトラブルで立ち往生する可能性もあるため、事前の準備が非常に重要です。

ここでは、冬に安全運転をするために必要な装備を紹介します。これらを揃えておけば、いざという時も安心です。

必ず用意しておきたい装備

冬のドライブに備えて、以下のアイテムを準備しましょう。

  • スタッドレスタイヤ(溝がしっかりあるものを使用)
  • 冬用ワイパー(通常のワイパーより凍結しにくい)
  • 凍らないウォッシャー液(氷点下でも使用可能なタイプ)
  • スノーチェーン(スタッドレスタイヤだけでは不安なときの補助)
  • ブースターケーブル(バッテリー上がりに備えて)
  • ジャンプスターター(エンジンがかからないときに使用)
  • 牽引ロープ(雪道で動けなくなったときの救助用)
  • 解氷スプレー(フロントガラスや鍵穴の凍結対策)
  • スコップ(積もった雪を除去するため)
  • 防寒具やブランケット(立ち往生時の寒さ対策)

これらの装備があれば、冬の厳しい環境でも安心して運転することができます。特に、長距離を運転する場合は、必ず携帯しておきましょう。

冬のドライブ前に必ずチェックすべきこと

冬道を安全に走るためには、車の状態を事前にしっかり点検しておくことが大切です。出発前に以下の点をチェックし、万全の状態でドライブに臨みましょう。

  • タイヤの状態(スタッドレスタイヤの溝は十分か?)
  • バッテリーの寿命(3年以上経過していないか?)
  • ウォッシャー液の補充(凍結防止タイプか?)
  • 燃料の残量(半分以上入っているか?)
  • ワイパーの動作確認(凍りついていないか?)
  • エンジンオイルの粘度(寒冷地に適したものか?)

万が一、立ち往生してしまった場合に備えて、スマートフォンの充電や、緊急時の連絡手段も忘れずに準備しておくと安心です。

冬の運転を安全に楽しむために

冬は美しい雪景色や温泉旅行など、ドライブの楽しみが増える季節。しかし、その一方で、いつもとは違うリスクが潜んでいるのも事実です。「慣れている道だから大丈夫」「毎年この時期も運転しているから問題ない」と油断すると、大きな事故やトラブルにつながることもあります。

今回紹介した、冬にやってはいけない車のNG行為を意識するだけで、事故のリスクは大きく減らせます。さらに、冬装備をしっかり準備し、出発前の点検を怠らないことも大切です。

安全な冬のドライブを楽しむために、「焦らず・余裕をもって・慎重に運転する」ことを心がけましょう。万が一に備え、しっかり準備しておけば、冬の道路も安心して走ることができます。

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