牡蠣の正しい洗い方3選!調理の方法で洗い方を変えてみましょう

牡蠣

海のミルクとも呼ばれる程の栄養豊富な美味しい牡蠣(カキ)。積極的に摂りたい食品のひとつですね。そんな「生牡蠣むき身」を、いつもより美味しく楽しむための下処理として、3種類の簡単な方法があります。調理の仕方によって洗い方を選んで、牡蠣(かき)の旨味を逃がすことなく、安心して食べられるように洗い方をマスターしてみましょう。

牡蠣の正しい洗い方3選

牡蠣

「生牡蠣むき身」をご家庭で調理する際、牡蠣の正しい洗い方をご存知でしょうか?牡蠣の洗い方で大切なのは下処理ですが、簡単な下処理として3種類の方法があります。

「塩」「片栗粉」「大根おろし」のいずれかひとつを、調理の仕方によって洗い方を変えて使うことで、牡蠣(かき)の旨味を逃さず、臭みの原因である汚れだけをカンタンに落とせるのです。牡蠣専門店でも活用している『牡蠣の下処理方法』ぜひ参考に、きちんと洗っておいしく戴きましょう。

下処理の基本

「牡蠣を真水で洗うのは避ける」

牡蠣(カキ)の下処理の基本として、まずはきれいに洗うということですが、いくつかの方法がネット上でも入り乱れています。基本的に真水で洗うのは避けていただくとして、あとは3種類の洗い方からケースバイケースで選択するのがベストです。

なぜ、真水を使わないようにするかというと、浸透圧の働きで真水で洗った牡蠣は膨れてしまい、加熱すると縮んでしまいます。この時に水気と一緒に旨みが出てしまうという理由からです。よって「塩を使う」「片栗粉を使う」「大根おろしを汁ごと使う」のいずれかひとつ、各ご家庭に合った方法を選んで実践してみてください。

①塩を使う

一番簡単なのはザルを使って塩水で洗う「ふり洗い」です。塩水で洗うことにより、牡蠣の表面の成分が流出するのを防ぎながら、効率よく汚れやぬめりを取り除くことができます。

水に溶けにくいぬめりですが、塩水には溶けやすい性質があるため、汚れや生臭さを吸着しているぬめりをしっかり取り除くことで、おいしく味わうことができるのです。そして何より、塩は常備しているご家庭が多いので、わざわざ買い揃える必要がなく、簡単にできるという良さがあります。

牡蠣は塩水を吸い込むのでできるだけ手早く行うようにしますが、この洗い方では牡蠣の細部まで汚れを落とすことはできません。

洗う手順

  1. まずは水1リットルに対し塩30gの3%の濃度の塩水を準備します。
  2. 3%の塩分濃度とは海水と同じ程度です。水500㏄(コップおよそ2杯半)に対して塩15㏄(大さじ1杯)です。
  3. 海水と同じ程度の3%の塩水をいれたボウルの中に牡蠣を入れて、その中で優しく洗います。手で揉み込むようにすると汚れやぬめりは落ちやすくなりますが、牡蠣の身を傷つけてしまうことがあるので、ボウルの中で円を描くように回して塩水を行き渡らせる感覚で行ってください。
  4. 汚れやぬめりを取り除いた後は、流水で軽くすすぐ要領で洗い流してもいいですし、ボウルに真水をためてその中で優しく手で洗っても大丈夫です。ポイントは鮮度を落とさず、牡蠣に傷をつけずに、できるだけ「手早く優しく洗う」こと。
  5. 最後にザルの上にあげて水気を切れば完了です。

②大根おろしを使う

和食の下ごしらえの時に最も適している方法です。繊細さを必要とされる日本料理の世界では、昔から使われてきたのが大根おろしです。

ボウルに大根おろしを汁ごと加え、馴染ませるようにして混ぜます。大根にはタンパク質分解酵素であるプロテアーゼが含まれていますので、実際には表面を溶かしながら洗っているのです。片栗粉が物理的に洗浄しているとするなら、こちらは科学的な方法で洗っているといえるでしょう。こうして下処理することで、牡蠣特有の生臭さがなくなり、安心して美味しく楽しめます。

洗う手順

  1. 加熱用牡蠣をザルにあけて水を切ります
  2. 大根おろしを入れたボウルに牡蠣を入れ、やさしくザックリと牡蠣全体になじむように混ぜます。
  3. 牡蠣に付着している黒い汚れで、大根おろしの色が灰色に変わった時が終了の目安です。
  4. 牡蠣の汚れが取れたら大根おろしを落とすために水洗いをします。牡蠣はごしごし洗わず手で牡蠣をすくい上げ軽くこすり水洗いで終了です。

大根おろしで洗うと汚れや生臭さだけでなく、牡蠣に付着している細菌も少なくなるとも言われています。よって牡蠣の臭いが苦手な人や、生食用の牡蠣の下処理には大根おろしで洗う方法をおすすめします。

臭みが強いかも、と思ったら最後の洗う工程で使う塩水にレモンを半分絞り入れてください。臭みの元であるトリメチルアミンはアルカリ性なので酸性の物質であるレモンで中和することができます。生食で召し上がる時のお皿に、レモンが添えてあるのはその為です。

お酢を使って洗うという話もありますが、香りまで消えてしまうのでおすすめしません。

③片栗粉を使う

さらさらした粉状の片栗粉は粒子が細かいので、汚れの取りにくいヒダの部分にまでしっかりと入り込み、汚れやぬめりを吸着してくれるので、それを洗い流すことにより綺麗にしてくれる効果があります。片栗粉は中華料理での下ごしらえの方法と同じです。

洗う手順

牡蠣のむき身をボウルに入れて、片栗粉を適量振りかけ、やさしくザックリと牡蠣全体になじむようにからめ合わせます。強く揉むようにすると身に傷がついてしまうので、優しく混ぜるようにしましょう。この時に少々のお塩も一緒にまぶすとさらにぬめりが落ちやすくなります。

牡蠣の汚れで片栗粉が灰色に濁ってきたら、牡蠣から汚れを吸着させた片栗粉を洗い落とします。ボウルの中の水を何度か換えながら、濁りがなくなるまでぬめりと汚れを落とします。ごしごし洗わずに、手で牡蠣をすくい上げるようにし、ヒダの部分に入り込んだ片栗粉までしっかり落とすようにしましょう。

真水で注ぐ時はできるだけ手早く済ませるようにします。ゆっくり丁寧に洗いたい場合は 真水ではなく、塩水を使うと味が落ちにくくなります。その場合は、海水と同じ塩分濃度の塩水をボウルに入れ、その中で片栗粉を洗い落すことにより、牡蠣を揚げ料理にしても身が縮んだりせず、ふっくらと仕上がります。塩水をつかって片栗粉を洗い落した後は、最後に一度、真水で手早く水洗いしザルの上にあげて水気を切れば完了です。

片栗粉も大根おろし同様に汚れをからめ取る作用があります。汚れを落とす効果としての期待は出来そうですが、大根おろしのように臭いを中和するような作用があるわけではないので、純粋に汚れを取るという事にのみ向いています。手軽に洗えるので加熱調理をするときの洗い方と考えましょう。

片栗粉の代わりに小麦粉でもOK!というような情報もありますが、小麦粉だとダマになりやすかったり、粘りが出てしまったりと、牡蠣にねばりついて身に残ってしまい、すすぎにくくなるので避けた方が無難です。

調理法によって牡蠣の洗い方を変えよう

牡蠣

牡蠣の洗い方として、調理法によって牡蠣の洗い方を変えることをおすすめします。

ご家庭にある物で簡単に下処理したい時。加熱調理におすすめ。
片栗粉 臭いはともかく丁寧に汚れを取り除きたい時。加熱調理におすすめ。
大根おろし 繊細な日本料理のなどの生臭さを消したい時に。生食・加熱調理どちらも。

全ての洗い方で共通することは、牡蠣を傷をつけることなく優しく洗うこと。そして、水洗いをするときには風味を損なわないようにできるだけ手早くすすぐことです。

生食用と加熱用の牡蠣の洗い方の違い

牡蠣鍋

スーパーなどの鮮魚売り場には、二種類の牡蠣が並んでいます。パッケージに「加熱用」と「生食用」と記載されていますが、加熱用は鍋やカキフライなど加熱調理しますので、ザルを使って塩水で洗う「ふり洗い」でOKです。

尚、「加熱用」牡蠣のほとんどは、沿岸部など人の生活に近い海で育ちます。ここはとてもエサが多く、カキがぷっくりとおいしく育つのですが、一方で菌やウイルスを取り込むリスクがあります。ですから必ず火を通す調理方法で料理を作って食べるように「加熱用」として売られます。塩水で振り洗いした後はできるだけ早く加熱しましょう。

殻から牡蠣を上手に剥いてみよう

牡蠣の殻剥き

パール金属 オイスター ナイフ 大 牡蠣 ナイフ 業務用 日本製 C-7260

冬の時期は、殻付き牡蠣を思いっきり味わえる牡蠣好きにはたまらない季節です。海から水揚げした牡蠣を殻付きのままいただくのは、まさに牡蠣の醍醐味と言えます。手慣れている方はササッとむくことができますが、初めての方でも2〜3個むけば、コツをつかんで簡単にできるようになります。

牡蠣の殻が汚れている場合はタワシで汚れを洗い落します。タオルを敷いてその上に牡蠣をのせ、ふくらみのある上殻を下にしておきます。牡蠣の平らな面は上にします。牡蠣専用ナイフ(洋食用のナイフでも可能です)の刃先を牡蠣の隙間から差し込みます。

牡蠣の殻に隙間がない場合は、硬いもので殻の先の薄い部分を叩いて割る方法をオススメします。貝柱を殻から上手に外せば、以外と簡単に牡蠣をむくことができます。牡蠣むきのコツは、手にケガを負わないように注意しながら、いかにナイフを殻の中に入れるかです。

旬の生牡蠣の身を傷つけないように、ナイフの刃先を上殻の内側に添って進めます。牡蠣の中央にある貝柱さえ外せばあとは簡単にむくことができます。

上手に牡蠣の身が殻から外れたら、再度殻に牡蠣をのせたまま器に盛り付けて「生牡蠣の完成」です。殻から剥きたての生牡蠣を食べる味は格別のうまさがあります。ぜひ剥きたての牡蠣のつるん!とした食感を思う存分味わってみてくださいね。

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