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年間住宅火災件数は1万超え…建物火災の中でも高い割合に
日本全国で毎年住宅火災がどのくらい発生しているかご存知ですか。令和5年の総出火件数は約39,000件、そのうち建物火災は約2万件です。さらに建物火災のうち、住宅火災は約11,000件と建物火災の半分異常を占めていました。
建物火災に多かった原因は、1位がコンロ、2位がタバコの不始末、3位4位が電気機器や配線器具だったということで、日常生活の中にボヤの危険が潜んでいることがわかります。
家の中でボヤが発生した時にやってはいけない行動
どのご家庭でも起こりうるボヤ。自宅でボヤが発生した際、対処方法を間違えるとさらに状況が悪化する危険性もあります。ここではボヤが発生した時に絶対にやってはいけない行動を紹介するので把握しておきましょう。
1.高温油によるボヤに水をかける
天ぷらや揚げ物を調理しているときにボヤが発生するケースは非常に多く報告されています。コンロ付近で出火した時、咄嗟にシンクから水を汲んでかけて消火しようとする人がいますが、これは非常に危険な行為です。
油に水をかけてしまうと炎が爆発するように燃え広がってしまうため、側にいる本人も火傷を負ってしまいますし、壁を伝って部屋中に炎が広がってしまう危険性もあります。
石油ストーブも同様に石油が使用されているため、水をかけると火が燃え広がる恐れがあるので気をつけましょう。
2.通電しているプラグやコンセントに水をかける
プラグやコンセントなどの配線機器から出火する事例も多く報告されています。プラグやコンセント部分から出火していると、咄嗟に水をかけて消火を試みる人が多いですが、電気が通っているプラグやコンセントに水をかけると感電の危険性が懸念されます。
水をかけて消火できたとしても、プラグやコンセントにかかった水が辺りに散らばり、その水を踏んづけてしまったために感電してしまうことがあるのです。
通電しているプラグやコンセントから出火した場合は、まずブレーカーを落として電気を止め、プラグをコンセントから抜いて消火しましょう。
3.電子レンジ出火時、咄嗟に扉を開ける
電子レンジで食品を温めている際、加熱しすぎや電子レンジで温めてはいけないものを温めてしまい、出火の原因となるケースは後を絶ちません。
もしも電子レンジから出火した場合、中が気になる方が多いと思いますが、すぐに扉を開けることは控えてください。突然空気(酸素)に触れることで炎が燃え広がる危険性があります。
電子レンジから出火した時は、まず扉を開けずにプラグを抜き、その後しばらく様子を見てください。火が収まらないようならば、消化器などを準備し、扉をゆっくり開けて消火活動に移りましょう。
4.窓や扉を開けて空気と炎を触れさせる
ボヤや火災が発生した時、自分が家から脱出するための避難経路を確保することは重要です。しかし、出火元に最も近い窓や扉を勢いよく開けてしまうと、空気が入り込み、炎と酸素が触れ合って爆発的に燃え広がってしまう恐れがあります。
まずは自分の避難経路となる窓や扉を開けておき、その後、すぐに正しい対処方法で消火活動に移りましょう。
もしも鎮火できずに火が燃え広がってしまった場合は、速やかに消火を諦めて家の外へと避難してください。
家の中でボヤが発生…正しい対応は?
もしも家の中でボヤが発生した場合、どのような手順で行動すべきなのでしょうか。
- まずは小さなボヤでも119番通報をする
- 初期消火活動を行う
- 危険を感じたら避難経路以外の扉や窓を閉めて速やかに脱出する
大事にしたくないという気持ちから119番通報が遅れる人がいますが、非常に危険です。もしも炎が燃え広がってしまった時のために、初期段階で119番通報し、自宅へと向かってもらいましょう。
その後、それぞれの状況別に正しい初期消火活動を行い、火が鎮火できずに燃え広がってしまった場合は、あらかじめ確保しておいた避難経路から脱出してください。この時、余裕があるならば、出火元の扉や窓を閉めて、火がなるべく燃え広がらないように対策しましょう。
状況別の初期消火活動
初期の消化活動は、出火元となる原因によって異なります。以下の参考にそれぞれの状況に合った正しい消化方法で鎮火を試みてください。
- 揚げ油や石油ストーブ…濡らしたシーツやバスタオルを手前から被せて酸素を遮断
- 電気機器やコンセント…ブレーカーを切ってプラグを抜く。その後、水をかけて消火する
- カーテン…火がついている部分を引きちぎり水をかけて消火する
- ふすまや障子…蹴り倒して足で踏んだり水をかけて消火する
必ずしも水をかければ良いというわけではありません。場合によっては、水をかけることで炎が燃え広がるケースもあるので、上記を参考に家にある家電や備品の消火方法を把握しておきましょう。
ボヤが起きたら正しい対処で速やかに消化して
いかがでしたか。ボヤが起きた時、間違った方法で消火を試みると、状況が悪化して大火災につながったり、大火傷を負ってしまう危険性があります。今回紹介したように正しい対処方法で消化し、危険を感じたら速やかに逃げてください。