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女性の社会進出と少子化でPTAのなり手が減っている
平日の昼間に開催されるPTAは、専業主婦が当たり前であった時代には子育てや家事の延長として、多くの母親が積極的に参加していました。PTAは母親同士の情報交換や、教師とのコミュニケーションの場となり、わが子が通っている学校内の日常風景を目で見ることができる貴重なものでもあります。
しかし、女性の社会進出が大きく進んでいる現在、PTAのなり手が少なくなり、少子化によって学校の規模が縮小されているため、役員一人一人の負担が大きくなっているという問題が生まれています。
専業主婦が困惑している点
兼業主婦より何度も委員になる
時代が変わっても、専業主婦が当たり前の時代であった頃と同じ構成になっているPTAの活動内容です。そのため、「結局、仕事を持っていない専業主婦が選ばれやすくなっている」「候補に挙がった人が、当日仕事で休むため、真面目に参加した人が選ばれるのは不公平だ」という声が専業主婦からあがっています。
人間関係にストレスを感じる
PTAは、職場やおけいこ事と違って、趣味や生活環境、年代も異なる共通点が少ない、さまざまな人たちが多く集まります。そのため、適度な人間関係を築くことが難しいこともあります。専業主婦は、兼業主婦に比べて委員になる回数が多いという点から、PTA委員によって人間関係にストレスを感じる人が多いようです。
また、仕事をしている兼業主婦との間に壁を感じるという専業主婦もいますが、実際に関わってみると、同じ地域に住み、同じ学校に通わせる保護者なので、思ったより「壁は無い」と気づくこともあるようです。
兼業主婦が困惑している点
仕事とPTAの両立は難しい
フルタイムやパートタイムで働いている兼業主婦は、仕事や家事などとの時間の調整が難しいという悩みを持っている人が多いです。職場の環境や仕事の内容によっては、有給休暇をPTAの日程に合わせて取得できないケースもあります。
また、役員を免除してもらうには、自身を含め家族の介護や病気、シングルマザーであることなど、役員をできない事情をつまびらかに告白して、免除をしてもらえるか話し合う「免除の儀式」と呼ばれているものがあり、このことに強くストレスを感じている人もいるようです。
効率的でないと感じることが多い
PTAの活動内容や、連絡の方法、運営のやり方などに効率的でないと感じている割合も、専業主婦より兼業主婦の方が多いというアンケート結果があります。
何回も集まる会合のほとんどは、連絡プリントやアンケートなどで済む内容であったという意見など、無駄に時間を使っていると感じている人が多いようです。忙しい時間を割いて、効率の悪い運営をすすめるより、PTA費用が上がっても構わないので外注にして、効率的に行ってほしいという声もあります。
和解対策は思いやりの心とIT活用化?!
専業主婦と兼業主婦には、それぞれの言い分がありどちらも理解ができますね。現状は、PTAは、兼業主婦より時間のある専業主婦のフォローというのは必須のようです。
仕事をしていてPTA委員が難しくても、やる気があるという態度を見せることや、お互いを思いやる心が大切のようです。また、ITをより活用して掲示板やメールでの連絡方法を使うことや、ネット会議などにすることで、それぞれの負担が少なくなるでしょう。