目次
カーテンの洗濯前にすること
カーテンを洗濯する前に、いくつかチェックしてほしいことがあります。
洗濯表示の確認
カーテンの洗濯を始める前に必ず確認してほしいことがあります。それは、そのカーテンが自宅での洗濯に「対応しているかどうか」です。対応していないものを無理に洗濯しようとすると色落ちしたり、生地が傷んだり、もしくは縮んでしまいます。
ではどうやって洗濯ができるかどうかわかるのでしょうか?カーテンについている洗濯の表示を見れば確認できます。表示には「洗濯機」と「手洗い」のマークがあります。これらのマークが書いてあれば自宅で洗濯できます。
逆に、「洗濯機」「手洗い」のマークとは別に「水洗い」のマークであるバケツマークがあります。このバケツマークに「✖」がついていれば自宅での洗濯は諦め、クリーニング店に依頼しましょう。
落とせる汚れは先に落とす
カーテンを洗濯する前に、カーテンについたほこりやカビなどの汚れを先に落としてから洗濯しましょう。ほこりは特に多いと思うので、ベランダや外でパンパンとカーテンをはたいて落としてください。落とさずに洗濯すると洗濯槽にほこりがたまってしまいます。
カーテンはカビも繁殖しやすいです。窓と常に接触しているので、窓が結露した時に水分を吸収してカビが発生します。カビを落とす場合は
- 漂白剤
- ブラシ
- タオル2枚
以上の3つを使って落としましょう。
やり方
- 乾いたタオルを床に敷きます。(お風呂でもOK)タオルの上にカビになっている部分を重ねてください。
- カビになっている部分に漂白剤を直付けします。
- その上からブラシで優しくたたけば、カビが流れ落ちタオルに吸収されていくでしょう。
- 最後にもう一枚のタオルを濡らしてカーテン表面に付いた漂白剤や汚れを拭き取ってください。
ちなみに使用する漂白剤は、色の付いていないカーテンなら「塩素系」、色落ちしやすいカーテンなら「酸素系」もしくは「洗濯洗剤」を使用しましょう。
カーテンフックは外しておく
意外と忘れがちですが、カーテンの洗濯に取り掛かる前に、カーテンフックは外しておきましょう。面倒だからと言って一緒に洗濯すると、フックがカーテンに引っかかって破損する場合があります。
すべてまとめて一か所に閉まっておけば、なくす心配もありません。またカーテンフックも意外と汚れやすいので、洗剤に漬けるなどして一緒に洗っておくといいでしょう。
カーテンフックが生地に縫い付けてある場合は、以下の方法でカーテンをぐるぐる巻きにして、フックが出ないようにして対処します。
- カーテンフック部分を内側にして2~3回折り畳む
- カーテンを片側からくるくる巻く
- カーテンフックにあたる部分をゴムで留める
《 ポイント 》
- 洗濯表示を確認し、水洗いできるかをチェックする
- ほこりやカビなどの汚れを先に落としておく
- カビに染み込んだ部分に直接漂白剤を塗布し、ブラシで摩擦して汚れを落とす
- カーテンフックは外しておき、汚れも落としておく
- フックが縫い付けの場合は巻き込んでおく
カーテンの洗濯方法
それでは、いよいよカーテンを洗濯機で洗う時の方法に移ります。
洗濯の頻度と季節
カーテンの洗濯の頻度は、厚手のドレープカーテンの場合は年に1回程度がベターとされています。あまり頻繁に洗いすぎると生地が傷んでしまうので、大掃除のときなどに行うのがおすすめです。
レースカーテンは薄手なのでそれより頻度が多く、年に2~3回行うのがいいです。一般的にレースカーテンの方が外気に触れることも多いので、季節の終わりに洗濯するといいでしょう。
またカーテンを洗濯するのに、ちょうどいい季節というのも存在します。最も洗濯の効率が良いのは、梅雨入り前と秋中です。この季節は気温もちょうどよく、生活する上でも非常に快適な時期ですよね。カーテンを洗うときも、このような快適な気温の季節で、なおかつ晴れている日がベストとされています。
とくにじっとりと湿気の多い日や寒い季節に洗うと、乾くまでに時間がかかります。乾かしている間にカビが増殖する可能性があるので、湿度の低い快適な気温が続いているタイミングで洗いましょう。
ネットに入れる
カーテンを洗濯する時は、折りたたんでからネットに入れましょう。たたみ方は、びょうぶ状に折ります。もともとカーテンはびょうぶ状に折り目が付いているので、プリーツ(ひだ)に合わせて折っていけば自然とびょうぶ状になります。
プリーツを全て折って細長くなったら、それを縦に二つ折りしてください。この時、汚れている面が表面になるよう折り込むのが理想です。
洗剤は中性洗剤
カーテンを洗濯する時は「中性洗剤」を使って洗うことをおすすめします。なぜならカーテンの生地はとてもデリケートで、強い洗剤を使うと縮んでしまったり色落ちの原因になるのです。
ですが、中性洗剤は「酸性」「アルカリ性」よりも刺激の弱い洗剤なのでカーテンにダメージを与えることなく汚れを落とします。中性洗剤は俗にいう「おしゃれ着用洗剤」のことです。
洗剤メーカーのライオンの「アクロン」や、花王の「エマール」はカーテンをふっくらと柔らかく仕上げます。爽やかな香りもプラスしてくれるのでおすすめ!
洗濯機で洗う
カーテンを洗う時の洗濯コースは、カーテンに刺激を与えないコースを選びましょう。洗濯機の機種によって呼び名は違いますが
- ソフトコース
- 手洗いコース
- おしゃれ着コース
などが該当します。先にも説明した通り、カーテンは生地がデリケートです。強い衝撃を与えるとすぐに生地がボロボロになってしまいます。なので、優しく洗うコースを選ぶ必要があるんですね。
また、洗濯コースを使用せずに自分で設定することもできます。おすすめの洗濯モードは、水量マックス・水流弱め・水温40℃です。たっぷりの水でじっくり洗うことでカーテンの汚れをキレイに落とせます。
また、冷たい水だと汚れは落ちにくいですが温水なら汚れも浮きやすい!洗濯機の水温を調整できるなら40℃のお湯で洗いましょう。カーテンの汚れがひどい場合は一度の洗濯では汚れが落ちきれません。汚れが残っていたら2~3回繰り返して洗ってみましょう。
脱水は30秒くらい
カーテンの汚れをキレイさっぱり落としたら次に脱水を行います。脱水は長くても30秒以下で終わらせてください。「カーテンって大きいからしっかり脱水したほうがいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はカーテンってすぐシワになる上に型崩れを起こしやすいのです。
大きなカーテンほど、シワを伸ばすのは大変ですから、シワがなるべくつかない様に脱水時間は短めにしましょう。また、乾燥機の使用は絶対に避けてください。乾燥機に入れると熱風でカーテンは縮み、シワがたくさんできてしまいます。干して乾かしましょう。
干し方は2種類
カーテンの脱水が終わったら干す作業に移ります。すぐに干すのではなく、洗濯機から出したらまずシワになった部分を手でひっぱってシワを伸ばしてください。カーテンの干し方は2種類「レールに干す方法」と「物干し竿に干す方法」です。
薄いレースカーテンは天日干ししなくても乾きが早いので、脱水後カーテンレールに取り付けてそのまま乾燥させましょう。
厚手のカーテンは乾きが遅いのでレールにひっかけると生乾きになるし水の重みでレールが壊れてしまいます。厚手のカーテンを干す時は物干し竿を2本用意し、「M」の字を描くように干してください。
自然素材のカーテンの洗濯方法
カーテンにはリネンやコットンなどの自然素材も多く使われています。これらの素材は洗濯の際に縮みやすいなどの特徴があるので、洗い方には細心の注意が必要です。自然素材のカーテンを洗う際のポイントをご紹介します。
リネンカーテン
リネンは非常に縮みやすい素材なので、脱水や乾燥はなるべく使わないようにしましょう。とくに乾燥器にかけるとあっという間に縮むので、自然乾燥させるようにします。
またシワが気になるときは、霧吹きで部分的に水をかけるのがおすすめです。それでもシワが目立つ場合は、あて布をしてアイロンをかけるとキレイになります。なおアイロンをかける場合は、洗濯表示を確認しましょう。
コットンカーテン
コットンもリネンと同じく縮みやすいので、脱水や乾燥機の使用は控えるのがおすすめです。また縮んでもいいように、あらかじめ長めのカーテンを買っておくのもひとつの手です。
コットンカーテンは日差しによって黄ばみやすいという特徴もあるため、干すときは直射日光を避けて吊り下げます。日光や差し込みにくい時間帯に洗濯するといいでしょう。
ただコットンは乾きにくい素材でもあるので、直射日光を避けながらも風通しよくする必要があります。窓を開ける、扇風機を当てるなどして、湿度が上がり過ぎないようにしましょう。
《 ポイント 》
- 洗濯の頻度は年1回程度が適切、レースカーテンは2~3回
- 湿度の低い気候の良い時期が洗濯に適している
- 折り畳んでネットに入れるのが基本
- 中性洗剤を使う
- 洗濯機は弱いコースを選ぶ、脱水は30秒以内
- リネンは縮みやすいので脱水、乾燥機は使わない
- コットンは日光にあてないようにする
カーテンを手洗いで洗濯する方法
カーテンが洗濯機に対応していないタイプの場合は自宅の浴槽を使って手洗いしましょう。手洗いする時の手順は以下です。
- ほこりや黒カビを落とす
- 大きめの容器(または浴槽)に水を溜める
- 中性洗剤を入れる
- 押し洗いする
- 洗濯機で脱水する
- 干す
洗濯機で洗う時と同じ方法で、カーテンについたほこりやカビを落とします。大きな容器か浴槽に、カーテンがしっかり浸かるくらいの水と洗剤を入れます。洗剤の希釈度は洗剤容器の表記を確認してください。
次に「押し洗い」です。「もみ洗い」ではありません。違いは生地同士をこするかこすらないかです。押し洗いは生地同士でこすりません。カーテンを両手で押して、離してを繰り返して洗います。この方法は生地に与えるダメージが少ないのでカーテンには最適です。
反対にもみ洗いは生地を強く握って生地同士をこすりあわせるので汚れは落としやすいですが、生地へのダメージが大きいのでカーテンを洗うのには向いていません。押し洗いが終わったら後は「洗濯機で洗う方法」と同じ脱水と干し方に移ります。
おさらいですが、カーテンをびょうぶ状に折り洗濯ネットにいれて脱水(30秒以下)。レースカーテンならレールにひっかけ、厚みのあるカーテンは物干し竿で干します。以上がカーテンを手洗いする時の方法でした。
《 ポイント 》
- 大きめの容器か浴槽に水と中性洗剤を入れる
- カーテンを押し洗いする(もみ洗いはNG)
- 洗濯機を使用して短時間で脱水する
- 厚手のカーテンは物干し竿で干す
- リネンは霧吹きで部分的に水をかけ、アイロンができる場合はアイロンをかける
カーテンを自宅で洗濯できない場合
カーテンの表記が「水洗い不可」になっている場合やそれ以外の理由から自宅でカーテンを洗えない場合はどうお手入れしたらよいのでしょうか?
- クリーニング店に任せる
- コインランドリーを使用する
自宅で洗えないのなら、一番はクリーニング店のプロに任せるのが安心です。素材に合わせて仕上げてくれるでしょう。また、クリーニング店が近くにないならコインランドリーの業務用洗濯機を使用するのもおすすめです。業務用はサイズが大きいので、ワイドサイズのカーテンでも一発でキレイにしてくれます。
カーテンをキレイに保つコツ
ここまでカーテンをキレイに洗うコツを紹介してきましたが、一番は「汚れにくい状態」を保つのがベストですよね。カーテンは洗うたびに劣化が進むので、洗う頻度を減らす方法を紹介します。
洗濯時に柔軟剤を使う
カーテンを洗濯する時は洗剤と一緒に柔軟剤も加えるのがおすすめです。柔軟剤を使用すればホコリや花粉が付着することを防げます。秘密は柔軟剤に含まれる「静電気防止」の効果です。
これによって汚れを引き寄せなくなります。それだけではありません。柔軟剤を使用すればふっくら柔らかに仕上がるので脱水後にできてしまうシワをある程度抑える効果があります。
消臭・防菌スプレーをかける
「カーテンを洗濯する時間がない…」「クリーニング店やコインランドリーにいくタイミングがない…」という時は、消臭効果・抗菌作用のあるスプレーをカーテンに噴きかけておきましょう。
カビの繁殖を防止できるので、洗えない日が続いても少しは安心ですね。(もちろん洗った方がいいですが)特にジメジメした時期はクリーニングもコインランドリーも混雑するので、雨が続く時期や湿度の高い日が連日続くようならスプレーをマメにかけることをおすすめします。
《 ポイント 》
- 洗濯時に柔軟剤を入れるとホコリが付着しにくくなる
- 柔軟剤を使うとふっくら柔らかく仕上がり、シワが抑えられる
- 消臭・抗菌スプレーを定期的に噴霧する
- スプレーを使うとカビの繁殖を防げる
- ジメジメした時期はスプレーをマメに使用する
最後に
以上が自宅でできるカーテンの洗濯方法と、洗う時の注意点でした。カーテンは素材がデリケートなので、使う洗剤・洗い方・脱水方法に注意して洗濯しましょう。
少しでも刺激の強い洗い方をするとすぐに型崩れするしシワができてしまいます。そうすると部屋の見た目もちょっとみずぼらしくなってしまいますよね。キレイなプリーツのかかったカーテンはお部屋に爽やかな印象を持たせるうえでとても大事です。
しかし、中には自宅で洗濯できないカーテンもあります。そのまま放っておくとゴミがたまるだけでなく、カビが発生し人体に悪い影響も出てしまいます。生活臭を吸収し、部屋全体が臭くなる可能性もあります。そんな時は、洗濯のプロ「クリーニング店」に頼ってください。
カーテンは部屋に欠かせないアイテム兼インテリアです。正しいお手入れを覚えて、常にキレイで整ったカーテンを心がけましょう。