石けんと洗剤、どっちを使うべき？それぞれの違いや用途別の使い方とは？

石けんと洗剤は「洗う」という用途が同じ生活用品

日常的に何かを洗う時に使う「石けん」と「洗剤」。洗うという用途は同じですが、違う製品として販売されています。皆さんはこの2つの商品にどのような違いがあるかご存じでしょうか。

一般的に、体以外のもの（衣類や食器など）を洗うのが洗剤、体や髪の毛を洗うのが石けんと認識している人が多く、石けんと洗剤の違いを聞かれると、前述したように洗う対象で呼称を分けていると考える人が多いと思います。

しかし、商品をよく見渡してみると、物を洗う用途で販売されている中にも「石けん」と表記されている商品は多く見かけます。つまり、単純に物を洗う商品が洗剤であるとは一概に言い切れないのです。

では、石けんと洗剤は何が違うのでしょうか。ここでは、改めて「石けん」と「洗剤」について紹介し、それぞれの違いを解説していきます。

石けんは動物や植物などの自然界に由来した原材料を使っている界面活性剤です。天然油脂、または脂肪酸を主原料として作られており、苛性ソーダや苛性カリなどと反応させることで製造されています。

自然由来の成分のみが含まれているため、肌にも優しい商品が多く、体や頭、髪の毛などを洗う時には石けんと表記されている商品が大半です。実際、シャンプーやボディソープの成分表を見ると、「石けん」という文字が含まれています。

一般的に洗剤と呼ばれている商品の多くは、合成洗剤であることが多いです。こちらは天然油脂が使われることもありますが、その他にも石油やアルキルベンゼン、アルファオレフィン、アルコールなどの材料が含まれています。

この原材料にさまざまな化学合成を加えることで、洗剤が作り上げられているため、石けんよりも肌に対して刺激が強い商品が多い傾向にあります。反面、洗浄力は高く、衣類の汚れや食器の油汚れなどは洗剤が使われることが多いです。

ただし、近年は天然素材を意識し、肌にも優しい洗剤が販売されるようになっています。化学合成によって作られていますが、一昔前に比べて肌にも環境にも優しい成分が積極的に取り入れられるなど進化を続けています。

上記で紹介したように、石けんと洗剤は使われている原料はもちろん、製法の過程や含まれている成分などが違います。

例えば、石油やアルコールなどが使われ、化学合成によって作られている「洗剤」を、体を洗ったり顔を洗ったりするために使ってしまうと、肌が荒れたり痒みが生じたりとトラブルを引き起こす恐れがあります。

反対に、自然由来の石けんを頑固な汚れに使っても、なかなか汚れが落ちないなどの使い勝手の悪さが目立つでしょう。したがって、石けんと洗剤はそれぞれ用途にあった商品を選ぶことが大切です。

先にも少し触れましたが、石けんと洗剤はどのような状況でどちらを選ぶべきなのでしょうか。それぞれ特徴や性質が異なるため、用途にあった商品を使い、より正しい方法で使うことをオススメします。

石けんに適した用途としては、以下のような状況が当てはまります。

石けんは肌や環境にやさしい成分が多く含まれますが、一方で洗浄力は洗剤と比較して弱いです。柔軟剤を使わなくてもふわふわとした感触を取り戻すことができるなどのメリットもあるため、衣類の軽い汚れを洗い落とす際などは石けんによる手洗いが適しているでしょう。

また、アルコールなどの化学物質に肌が反応しやすいという場合は、やさしい成分の多い石けんを使った方が肌荒れや痒みに悩まされずに済むという声も多いです。

以下のような状況では、洗浄力の高い洗剤が適しています。

基本的に物についた汚れを落とす時は、石けんよりも洗剤の方が使い勝手の良い商品が多く、また洗浄力が高いので洗う時間を短縮できるなどのメリットがあります。

また、洗剤は液体上の商品が多く、コスパも良いため、洗濯や食器洗いなどには洗剤を選ぶご家庭が多いでしょう。

洗濯機で洗濯する場合ですが、石けんを使ってしまうと洗濯槽に石けんカスが残りやすいため、カビ繁殖の原因となる恐れがあります。したがって、洗濯用洗剤を使った方が衛生的にも安心して洗濯することができるでしょう。

いかがでしたか。石けんと洗剤は、製法や使われている原材料など、あらゆる基準をもとに分けられています。今まであまり意識していなかったという方は、普段ご自身が使われている商品のパッケージをぜひ確認してみてください。