目次
畳の張替えの費用
- 下級グレード:~6,000円
- 中級グレード:~8,000円
- 上級グレード:10,000円~
畳の表面が擦り切れてきた、長年家具を置いていたら変色してしまったというような、目に見えるような傷み具合だと張替えのタイミングとしてわかりやすいかもしれません。また、中古住宅をリノベーションしたい時などは、引越し時期に合わせて畳の張替えを依頼することもあります。
新品の畳に交換する場合、最も下のグレードならば約6,000円、中級グレードでは約8,000円、上級になると1万円を超える価格設定となっていることが多いです。
ただしマンションタイプや戸建て住宅用、地域によっても大きさが異なるのが畳です。張替える枚数によっても価格は違ってくるので、張替えを検討する場合はまず見積もりを依頼するといいでしょう。ホームセンターで畳の張替えを受け付けているところもあるので、一度相談してみるといいかもしれません。
畳のグレードや種類によって張替え費用が異なる
畳の違いというと、縁どりされている布柄の違いに気づく人は多いかもしれませんが、畳の違いというのはそれだけではありません。畳は畳床・畳表・畳縁から構成されていて、これらの材質によっても価格は大きく変わってきます。
畳床
畳の内部にある土台部分は畳床と呼ばれていて、その材質は本来稲わらです。稲わらを重ねることで何層もの空気層ができ、断熱性や弾力性が生まれます。そこに稲わらの持つ調湿性が合わさって、畳の心地よさが生まれているのです。
この畳床も時代とともに進化しており、従来の稲わらだけでなく、ポリスチレンフォームやインシュレーションボードといった材質を用いた畳も登場しています。新しい材質を使用した畳は、今までの断熱・弾力・調湿性だけでなく、防カビや防虫といった魅力ある畳になっています。
畳表
畳のグレードを大きく変えるのは、畳表と呼ばれるい草です。
かつて日本には良質ない草が栽培されていましたが、今ではごく限られた場所でしか栽培されていません。い草の産地によって畳のグレードは大きく変わり、特に安価な畳の畳表は中国産のい草が使われていることがほとんどです。
畳表の価格は、数千円から数万円と大きな開きがあります。安価な畳表は中国産のい草を染料で染めたものが使われていて、最高級の国産畳では、日本産のい草の中から良質なものを選んで、天然の泥染めされた畳表が使われているのが特徴です。
畳縁
その昔は、畳の縁取りに使われる布によって身分の違いを表していたとも言われる畳縁ですが、今使われている畳ではそのようなことはありません。色柄は自由に好みで選ぶことも可能で、畳縁によって大きく値段が異なるということはあまり聞かれないでしょう。また琉球畳のように縁なし畳も人気となっています。
畳の張替え方でも変わる費用
- 裏返し 1畳3,500円程度
- 表替え 1畳5,000円~12,000円(グレードにより異なる)
畳の張替えというと、新しく畳を変えることだと考える人も多いですが、実はそうではありません。畳は適切な時期にメンテナンスを行うことで20年以上使い続けることが可能です。
6畳の和室で畳を変える場合、1枚だけというわけにはいきません。敷いているだけでも色の変化があり、6畳間をリフォームする場合は6枚すべてを交換することとなります。
すべての畳を新調するには、古い畳の廃棄費用や工賃なども含めると10万円以上の費用が掛かってくるため、なるべく定期的なメンテナンスをした方が維持費は安くなるのです。そして裏返し・表替えなど、張替えの方法によっても費用は大きく変わります。
畳の張替えにかかる費用は地域によっても違う?
では畳の張替えにかかる費用というのは、地域によって差があるのでしょうか。実は畳自体の価格は全国的に同じように設定されていて、地域によって大きく差があるわけではありません。つまり同程度の畳であれば、地域によってそれほど大きな価格差は出ないと言われています。
しかし古畳の廃棄処分料金というのは自治体によって異なるため、最終的な費用に差が出ることもあります。例えば東京都内の畳1枚の自治体での廃棄処分料は1,200円ほどかかり、名古屋市では1,000円、秋田市では500円と地域によって様々です。
畳の張替えを自分でする場合の費用
畳の張替えは、本来ならば業者に依頼することが望ましいとされています。それは畳表をしっかりと張りのある状態に仕上げるのは難しいからです。
しかし自分でできないというわけではありません。畳縁を縫い付ける縁引き針や畳表を打ち付ける釘、小包丁などが準備できれば、キットを利用してDIYを行うことも可能です。
キットはインターネットやホームセンターなどで手に入れることが出来ますが、畳1枚につき5,000円程度かかります。同じくらい、もしくはもっと安く表替えを行っている業者もあり、6畳の和室であれば1日で張替えが完了します。費用と時間のことを考えると、業者に依頼した方がいい場合も多いのです。
畳を張替えるポイント
では畳を長持ちさせるメンテナンスとは、どのようなものがあるのでしょうか。ポイントを押さえておくことで、長く使い続けることが可能となります。
適切な時期やタイミングは?
畳のメンテナンスは、裏返し・表替え・新畳が一般的です。裏返しとは畳そのものを裏返して使うわけではなく、張ってある畳表を一度はがして、日焼けや傷んでいない裏側を表にして張り直すことを言います。
費用は1畳あたり3,000円程度で、新畳の状態から5年以内に行うことが基本です。裏返しをして3~4年経過すると今度は表替えとなり、畳床はそのまま使用して畳表だけを新しく張替えます。畳表の価格はグレードによって大きく変わるため、費用は1畳あたり5,000~15,000円と幅広いのが特徴です。
正しい張替え方は?
畳の裏返しというと、畳自体を自分で裏返して敷きなおす人がいますが、それは間違いです。裏返しの作業はあくまで畳表だけを裏返すのであって、畳床の向きをかえることではありません。
また、新畳の状態から6年以上裏返しを行っていない場合は畳表の劣化が進んでいるため、裏返しをせずに表替えを行った方がいいでしょう。
凹んだりカビが生えてしまった場合
畳床が凹んだりカビが生えていなかったりする状態であれば、畳表の交換を繰り返すことで、見た目や香りは新品同様に生まれ変わります。使用頻度にもよりますが、40年近く使用することも可能と言われています。
しかし人が頻繁に歩いたり、湿気が多い場所でカビが生えてしまったりすると、畳床自体がダメになってしまうのです。その場合は新畳へ交換するしか方法はありません。
まとめ
フローリングの住宅が増えている日本でも、畳の部屋というのはまだ人気が高いものです。畳は定期的に張替えをすることで、長く使い続けることが可能となります。裏返し・表替えなど時期を見て正しく張替えていけば、土台となる畳床を交換しなくても、20年以上使い続けることが出来るのです。
張替え後は新品同様の見た目や、い草のいい香りを楽しめるだけでなく、費用の面でも抑えることができます。畳にとって張替えの作業はとても大切なものなのです。