目次
アスパラガスの種類
普段何気なく食べているアスパラガスには色々な種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
グリーンアスパラガス
「アスパラガス」と言えば、大体がこのグリーンアスパラガスを指すと思います。穂先から茎まで緑色に覆われており、様々なお料理に活用されますよね。アスパラガスはキジカクシ科の植物で、穂先が開く前の柔らかい芽の段階で収穫します。
ちょっと青臭さや苦みがありますが、正しく下ごしらえすれば気にならないでしょう。ベーコンを巻いて焼く、スープやおひたしにするなど、さまざまな調理ができるなじみの食材です。
アミノ酸の一種「アスパラギン酸」を多く含むことでも知られていますが、90%は水分で低カロリーな野菜でもあります。旬のものは栄養が豊富で甘味が多く含まれており、しっかりした食感を味わえます!
ホワイトアスパラガス
グリーンアスパラガスに日光を当てず育てた白いアスパラガスです。グリーンアスパラガスと同じ品種に該当しますが、育て方の違いだけで味わいは全く異なります。青臭さはほとんどなく、ほのかに甘味を含んでいて、食感は柔らかいのでお子様でも食べやすいです。
ただし、「ルチン」や「βカロテン」の含有量はグリーンにちょっと劣ります。代わりとして免疫力アップを期待できる「サポニン」がたっぷり含まれているので、元気がないときや風邪気味のときに食べてもいいでしょう。
ミニアスパラガス
グリーンアスパラガスがそのまま小さくなったような、可愛らしいアスパラガスです。栄養価はグリーンと大差ないですが、小さな分食感は柔らかく、一度にたくさん束ねて食べるなど、グリーンとは一味違ったお料理に仕上げることができます。
パープルアスパラガス
珍しい紫色のアスパラガスです。「バーガンディ」「さぬきのめざめビオレッタ」などの品種があり、「さぬきのめざめビオレッタ」に関しては2017年に登録されたかなり新しい品種です。紫色なのはアントシアニンの影響で、過多な日照を受けた際に植物が紫外線から身を守るため編syくするとされています。
パープルアスパラガスは火を通すと緑色に変色してしまう性質があり、綺麗な紫色を保ったまま仕上げるのが難しい上級者向けの食材です。酢やレモンと一緒に加熱すると、変色せずに仕上がりますよ。
生産量がとても少なく、市場にはあまり出回りません。ですがなかなかお目にかかることができない物!売っているのを見かけたら試しに買ってみるのはいかがでしょう?
アスパラガスの旬の時期と主な産地
アスパラガスの主な産地と旬の時期を見ていきましょう!
旬の時期は春から初夏
食卓で人気のグリーンアスパラガスの収穫時期は春先から秋口まで、栽培方法によっては冬でも少量収穫できます。ほとんど一年間スーパーなどで販売されているグリーンアスパラガスですが、最も旬な食べごろの時期は、3月から6月中です。
3月から6月まで収穫できるグリーンアスパラは「春芽」といわれ糖分をたっぷり含んでおり、甘くて瑞々しい食感を楽しめます。非常に栄養が豊富で、疲労回復効果のある「アスパラギン酸」や動脈硬化と貧血を防ぐ「グルタチオン」「葉酸」も摂取できます。
7月以降に収穫するアスパラガスは「夏芽」といい、春芽の茎だけを残して新たに生えてきた物。なぜ夏芽は食べごろではないのかというと、冬に蓄えた栄養は全て春芽に含まれているので、短い期間しか栄養を蓄えていない夏芽は糖分も栄養価も春芽に劣るのです。
主な産地は北海道
アスパラガスは全国各地で収穫できる野菜ですが、主な産地は北海道で全国一位の収穫量とシェア率を誇っています。なぜ、北海道が主な産地なのかというと、他県と比べてアスパラガスの栽培面積が圧倒的に広いからです。
全国で2番目に収穫量が多いのは長野県で3,450トン。3番目に佐賀県で3,250トンです。しかし、北海道の収穫量は5,500トン。圧倒的ですね。
北海道産アスパラガスは収穫量もさることながら、北海道の気温による影響で、非常に糖分を多く含んでいます。美味しいアスパラガスを手に入れるなら、北海道産アスパラガスの購入をお勧めします。
ちなみに、北海道は気温が暖かくなるのが遅いので、北海道産アスパラガスが市場に出回るのは6月頃からです。
ホワイトアスパラガスの旬の時期と産地
ホワイトアスパラガスの産地は主に北海道・長野県・佐賀県の3つです。ホワイトアスパラガスは軟白栽培と言う、太陽光を通さないビニールハウスの中で育てる方法で大切に、時間をかけて栽培し春先から収穫が始まります。
天気に左右されない栽培方法なので、ほぼ1年中スーパーで購入することができますが、中でも絶品なのが、やはり収穫時期である5~6月に収穫されたホワイトアスパラガスです。
旬のアスパラガスの選び方と保存方法
旬のアスパラガスの特徴や、長く美味しく食べるための保存方法を見ていきましょう。
アスパラガスの選び方
美味しいアスパラガスの選び方には、「穂先が閉じているかどうか」「切り口のみずみずしさ」「茎部分の太さ」の3つのチェックポイントがあります。細かく見ていきましょう。
穂先が閉じているかどうか
アスパラガスの穂に注目してください。穂先が固く閉まっているアスパラガスは、芽がギュッと詰まっており、新鮮で食べごろだという証拠です。逆に、穂先がしなしなと元気のない様子なら、あまり栄養が蓄えられていないという事になります。
切り口のみずみずしさ
アスパラガスをカットして、旬かどうかを見分ける方法です。あらかじめカットされたアスパラガスの場合も、切り口に注目してください。切り口部分にみずみずしさがあり、色も鮮やかなら新鮮な証拠です。しわがあったり、乾燥して茶色に変色しているようなら避けましょう。
茎部分の太さ
アスパラガスは茎が固くて、太ければ太いほど栄養豊富で美味しいといわれます。アスパラガスは時間が立つと、どんどん糖質が抜けて、茎が柔らかくなってしまい美味しくありません。美味しいアスパラガスを選ぶなら、茎部分を軽くつまんで固さをチェックしてください。
アスパラガスの保存方法
アスパラガスの効果的な保存方法は「手間のいらない冷蔵保存」と「下ゆではいるけど長期保存できる冷凍保存」の2パターンがあります。それぞれのやり方を見ていきましょう
手間のいらない冷蔵保存
アスパラガスを冷蔵庫で長く保存するには、「冷蔵室に立てた状態にする」のが有効です。
- アスパラガスを少し湿らせたキッチンペーパーや新聞紙で包み込み、ラップで包んでください。
- 保存する場所は、野菜室よりも温度が低く設定された「冷蔵室」にしましょう。温度が高いほど、アスパラガスは栄養素を失いやすいからです。
- アスパラガスは穂先を上に向けて、立てた状態で冷蔵室に保存してください。
横に寝かせてしまうと、アスパラガスは穂先を起こそうとします。穂先を起こすことにエネルギーを使ってしまうので、味も鮮度もどんどん落ちてしまうのです。ちなみに、この方法で保存した場合の期限は約3~4日です。
下ゆではいるが、長期保存できる冷凍保存
次に冷凍保存する場合の方法を紹介します。
- アスパラガスを塩ゆでします。解凍後に少し茹でることを考えて、あえて硬めに茹でると良いでしょう。
- 硬めに茹でたアスパラガスを、一口大にカットしてラップしてください。水分が逃げ出さないように、ピッチリと隙間なく包むのがコツです。
- あとは冷凍するだけですが、茹でて温度の高いアスパラガスは冷凍に時間がかかります。時間がかかると、水分と共に栄養が抜け出してしまうため、ある程度粗熱が取れたら、茹でて包んだアスパラガスをステンレス製のバットに乗せて、急速冷凍しましょう。
- 完全に凍ったら、冷凍やけを防ぐためにジップロックなどに入れて冷凍庫で保存しましょう。約1ヶ月は使用できます。
アスパラガスの正しい下ごしらえ
アスパラガスを美味しく食べるには、正しい下ごしらえをする必要があります。皮を剥く際、確実に取り除きたいのが、アスパラガスの「ハカマ」と呼ばれる皮部分です。
ハカマとは、アスパラガスの茎部分に浮き出た、黒味がかかった茶色の三角形の部分を指します。ハカマの数が少ないほど新鮮で栄養豊富な証拠です。しかし、このハカマは苦みが強いので、取り除いた方が良いでしょう。
乗り除くにはピーラーを使用します。三角形の先端にピーラーを当てて、そぎ取ってください。
旬の春アスパラガスの美味しい食べ方
食べごろのアスパラガスを、更に美味しく召し上がるための方法を見ていきましょう!
アスパラガスを茹でる
沸騰したお湯に少量の塩を加え、アスパラガスを茹でます。この際、均等に茹でるコツとして硬い茎部分からお湯に入れてください。穂先は柔らかいので、始めに入れてしまうと柔らかくなりすぎてしまいます。
1~2分ほど茹でたら、竹串などで茹で具合を調べてください。スッと串が通るようならOKです。茹でた後は氷水で入れて粗熱を取り、ざるで水を切ります。最後に、キッチンペーパーで表面の水気を拭き取ったら完成!
ちなみに、アスパラガスを茹でて食べるのに向いている種類は、「グリーンアスパラガス」「ミニアスパラガス」「ホワイトアスパラガス」の3つです。
ただし、ミニとホワイトは栽培方法によって元々身が柔らかいので、あまり茹ですぎないように注意しましょう。また、パープルアスパラは茹でると変色してしまうので、生食が向いています。
アスパラのおひたし
茹でたアスパラを使った簡単レシピをご紹介します!晩御飯のそえ菜やお酒のつまみにいかがでしょうか。
材料
- 茹でたアスパラガス
- めんつゆ:150ml
- 水:100ml
- かつお節:少量
作り方はとても簡単です。めんつゆと水を混ぜ、容器に持った茹でたアスパラガスに約30秒浸すだけです。アスパラガスにめんつゆが染み込んだら完成です。味の好みは、めんつゆの濃さや水の配合量、付ける時間で変えましょう。
アスパラガスを焼く
下茹でをせず、アスパラガスを直接焼いて調理するレシピをご紹介します!
グリーンアスパラガスのグリル
材料
- グリーンアスパラガス:5本
- オリーブオイル:大さじ1
- 塩:少々
作り方
- アスパラガスの皮をむく
苦みのあるハカマは向いておきましょう。 - アスパラガスに味付けする
アルミホイルの上にアスパラガスを並べて、オリーブオイル大さじ1杯かけて、塩を少々振りかけます。 - グリル網でアスパラガスを焼く
コンロの上にグリル網を敷き、その上にアルミホイルに包んだアスパラガスを置いて2~3分焼きます。アスパラガスの太さによって火の通り具合が変わるので、小まめに状態チェックしてください。アスパラガスから水分が出始めたらすぐに火を止めましょう。 - 直接焼いて焦げ目を付ける
最後に、アルミホイルからアスパラガスをおろし、グリル網の上で直火を当てて焼き目を付ければ完成です。
アスパラガスを生のまま食べる
新鮮で旬のアスパラガスなら糖度も高く、火を通していなくても美味しく食べることができます!
特に生食に向いているアスパラガスは「パープルアスパラ」と「ミニアスパラガス」の2つです。パープルアスパラガスの穂先は柔らかいので、生の状態でサラダに加えて食べることができます。
また、ミニアスパラガスは小ぶりなので、調理せずに生で食べるのに向いているので、生ハムを巻きつけて一緒に食べるのもいいでしょう!
しかし、いくら生食に向いているとはいえ、状態によっては美味しく食べられないので、以下の条件が揃った物を選んでください。
- 糖度の高い春芽
- 見た目の鮮度が高い
以上の2点です。生で食べる際は、苦みのあるハカマをピーラーで処理するのをお忘れなく!
最後に
アスパラガスは、ホワイトやミニなどたくさん種類があります。食卓でよく見かけるグリーンアスパラガスの食べごろは、3月から6月に採れた「春芽」です!その中でも、北海道の厳しい環境で育った6月のアスパラガスは最高の甘味とみずみずしさを持っています。
旬のアスパラガスは栄養価が非常に豊富で幅広い料理に使えます。下茹でやソテー、生でも召し上がれ、バリエーション豊かですね。また、下ごしらえと下茹でさえすれば、長期保存することもできます。本当は採れたてをすぐに食べるのがベストですが、正しい保存方法で美味しく食べられる期間を維持すると良いでしょう。
正しい選び方と調理方法で、いつものお料理をもっと美味しくグレードアップさせましょう!