目次
布団の正しい干し方
天日干し
布団干すのに適した時間帯
布団を干す時間帯は、天気のよい日の10時から15時の間が最も適しています。
だいたい14時を過ぎたあたりから空気の湿度が高くなってきますので、布団を干すなら日の光が強い、10時~15時の時間帯にしましょう。
それ以降も干し続けていると、せっかく干して乾燥させた布団が湿気を吸い込んでしまいますので、そうなる前に取り込むようにしてください。
干す時間と頻度
布団を干す頻度は、1週間に1回くらいのが理想です。
時間は朝から夜まで干す必要はなく、基本的には片面各1〜2時間で十分です。ただし、敷布団は寝汗で湿気がこもりやすいので、掛け布団よりも頻繁に干す必要があります。
また、季節によって、湿度や汗のかき方もちがうので、夏は1週間に1回、冬は2〜3週間に1回を目安にしながら、その時の状態に合わせて無理のない範囲で取り組んでみてください。
また、湿気が溜まりにくい羽毛布団や、湿気を吸うと臭いが出る羊毛布団など、布団の素材によって干し方が若干変わってきます。
カバーやシーツは外さない
空気中を漂っている花粉や排気ガスが付着したり、直射日光で布団が日焼けを起こしてしまうのを防ぐためにも、干す時は布団のカバーやシーツはつけたまま干しましょう。
それだけでなく、布団を干すのに適した良く晴れた日には、空を飛び回っている鳥に空中からフンを落とされる可能性があります。
これらの有害物質が布団についてしまったとしても、シーツやカバーを取り外して洗うことで解決できます。
両面を干す
身体が当たる面だけではなく、1時間ごとに裏返し、しっかりと両面を乾燥させてください。特に汗などで湿気をため込みやすい敷布団は、床と布団の間で結露が発生しやすくなります。敷きっぱなしの状態ではカビの原因になってしまいますので、表面だけでなく裏面も乾燥させるようにしましょう。
綿の布団の場合は、裏表各1時間、直射日光に当てることによりある程度殺菌できますが、羽毛布団はデリケートなので中の素材がダメージを受けないように陰干しにします。洗濯表示などを確認してから乾かすと間違いないでしょう。
強くたたかない
布団のホコリやダニを落とすために、干しながら布団をたたいている方はいませんか?その光景はひと昔前の風物詩でしたが、現在ではほとんど目にしなくなりました。
布団についた花粉やチリをたたいて落としているように見えて、実は千切れた繊維が舞い上がっているだけで、傷みの原因になり、布団の寿命が短くなってしまいます。
また、布団をたたく刺激でダニやダニの糞が内部から出てきて、表面に集まってしまうという調査結果もあります。手で軽く払うか、洋服用のブラシで表面をなでるように使って、ホコリやダニの死骸を払うようにしましょう。
取り込んだ後は掃除機をかける
掃除機を使うことで、布団のほこりやダニを取り除くことができます。効果的にたくさんのほこりやダニを除去するには、掃除機のかけ方にコツがあります。
掃除機のヘッド部分を何度も往復させるより、掃除機のヘッドをゆっくりと動かすようにして同じ場所に掃除機をあてる時間を長くします。
《 ポイント 》
- 布団を干す時間帯は、10時~15時の間
- 週に1回、片面各1〜2時間で十分
- 布団のカバーやシーツはつけたままで干す
- 1時間ごとに裏返してしっかりと両面を乾燥させる
- 布団を強くたたかない
室内干し
イスにかけて窓際で干す
天日干しをする時間がなかったり、マンション住まいやベランダで干せないなどの場合は、陽の光が入る窓際にイスを持ってきて布団を掛けましょう。また、黄砂・花粉がひどい時期や、風が強くて外干しできない日、短時間でも日が差しているときは窓際に干すのがおすすめです。
ちなみに室内でも太陽の光が当たれば、天日干しの80%ほどの効果があると言われています。
扇風機やドライ運転を使って乾かす
布団の室内干しは、効率良く風を通すことが最も重要です。イスやソファに布団を掛けたら、扇風機を当てて風を送りましょう。扇風機がないときは、エアコンのドライ運転でもかまいません。こうすることで乾きが速くなり、短時間で多くの湿気を取り払えます。
また布団の室内干しを行うときは、窓を開けて換気をしたり濡れた洗濯物を別の部屋にするなどして、部屋の湿度を下げることも大切です。
布団乾燥器を活用する
長雨が続く梅雨の時期や、冬場などの湿気が多い季節では、天日干しをするよりもむしろ乾燥機を使う方が効果が高くなります。
布団乾燥機は天日干しよりも高温にすることが可能なので、ダニ対策としても有効です。また短時間で乾燥させられるので、干したい布団の枚数が多いときも便利でしょう。ただし羽毛布団は高温に弱いので、使用の際には注意が必要です。
これらの家電を上手に使えば、天気や環境に左右されることなくいつでも布団をカラッとした状態に保てますよ。
除湿器を活用する
除湿器を活用すると、天日干しまでとはいかなくてもある程度の効果を発揮します。
布団をイスやソファに掛けて除湿器を作動させておけば、簡単に乾燥させることができるのです。狭いマンションや一人暮らしの場合、布団を干すためだけに乾燥機を使うのは少しおっくうですが、この方法であれば労力をあまり使わずに干せます。
また、市販の除湿シートを日常的に使用してみるのも一つの手です。布団の下に敷いて湿気を取り払うことができるので、布団が多湿状態になるのを最小限にとどめてくれます。普段フローリングや畳に布団を直置きしている方にはとくにおすすめです。
このように除湿器や除湿シートをうまく利用することで、布団を干す手間を減らせるでしょう。
《 ポイント 》
- 布団乾燥機や除湿器を活用する
- 窓際干しでも太陽の光があれば天日干しの80%ほどの効果がある
素材別!布団の干し方のポイント
綿の敷布団
敷布団は寝汗で湿りやすいので掛け布団よりも頻繁に干す必要があります。そして、中の材質により干し方が若干変わってきます。
綿素材の敷布団は、保湿性や保水性に優れているため、こまめに天日干しを行いましょう。
強い日差しに長時間あてていると、殺菌力やダニの殺虫力の効果は高まりますが、中の綿を痛めてしまう可能性があるので、夏と冬で干す時間帯を変える必要があります。
そのため、夏の時期には日差しがまだあまり強くない午前中に1~ 2時間程度干すようにします。
羽毛布団
羽毛布団は、内部に湿気がたまりにくいため、綿の布団のように頻繁に干す必要はありません。干す時には、日差しの弱い午前中のうちに、1~2時間ほど風通しの良い日陰に干すのが良いでしょう。
マンション住まいで日陰を作るのが難しい場合は、市販の布団干し袋を活用するのがおすすめです。直接日差しが当たらないので、天日干しによる布団の傷みを最小限に抑えられます。
また、天日干しをする時間がない時には、窓を開けて、風通しの良い窓際に置いてもよいでしょう。
羊毛布団
羊毛布団とは、名前のとおりヒツジの毛で作った布団です。
羊毛が湿度に合わせて吸湿と発散を繰り返すので、他の繊維から作られた布団と比べてじめっとすることがなく、さらさらとした肌触りが特徴です。
ただし、羊毛布団は、湿気を吸うと臭いが出てくるので、他の布団に比べて頻繁に干す必要があります。デリケートなので日陰から布団干し袋を使うのが基本ですが、定期的に天日干しすることで、臭いだけでなくへたりの予防にもなります。夏は1時間、冬は2時間を目安にしてください。
ポリエステル布団
ポリエステル布団とは、軽くて丸洗いできる布団です。
基本的にあまり湿気がたまらないので、夏は1時間、冬は2時間干すだけで十分です。羽毛や羊毛ほどデリケートな素材でもないので、日陰に干す必要もありません。
《 ポイント 》
- 寝汗で湿りやすい敷布団は頻繁に干す
- 羽毛布団は午前中のうちに1~2時間ほど日陰干しにする
- 羊毛布団は天日干しで臭いとへたりの予防ができる
- ポリエステル布団は短時間でも可
布団を干す理由と効果
布団を干す理由
では、なぜ布団を干したほうがいいのでしょうか。
布団を干す一番の目的は、布団を乾燥させて清潔さを保つためです。毎日、布団に寝るたびにコップ一杯分(およそ200ml)の汗をかいていることは、皆さんご存知でしょう。ということは、その汗を吸収している布団は、かなり湿度が高い状態になっています。
よって、乾燥させるためには定期的に通気性をよくしたり、日光にあてて除菌したりすることで、布団を清潔な状態に保つ必要性があるのです。
布団を干す効果
雑菌やカビ対策になる
布団を干して乾燥状態にすると、雑菌やカビの繁殖を抑えられる効果があります。
高温多湿な布団には雑菌やカビが発生しやすく、アレルギーや咳の要因になりえます。湿度のない状態は雑菌やカビにとって生きにくいので、そのような環境を作るために布団を干すのです。
布団を干すことで雑菌やカビ対策になり、清潔な状態をキープできます。
臭いが軽減される
いやな臭いが取れることも、布団を干すことで得られる効果の一つです。湿度が高く汚い布団は雑菌が繁殖し、独特のいやな臭いを発します。日差しによる紫外線には殺菌効果があるので、そのような臭いを軽減させることができるのです。
天日干しをして布団を乾燥させること、そして紫外線による殺効果で、雑菌由来の臭いを抑えることができるのです。
ダニ対策になる
布団を干すことで、ダニ対策にもなります。ただしダニは50度以上の熱を20分以上あてないと死滅しないので、ただ干すだけではあまり効果的ではありません。
ダニ対策のために布団を干す場合は、黒い布団干し袋を使うという方法があります。黒には熱を吸収する性質があるため、そのまま干すよりも高温状態にすることができるからです。取り込んだあとに布団に掃除機をかけるとダニの死骸が落とせるので、より効果的です。
アレルギー要因ともなりえるダニを退治できるのも、布団を干すことで得られる効果といえるでしょう。
布団が柔らかくなる
定期的に布団を干すと、布団が柔らかくなって寝心地が良くなります。布団を干すと濡れて縮んだ繊維が伸び、空気を取り込む空間が広くなるからです。清潔で柔らかい布団は衛生上好ましいというだけでなく、睡眠の質を上げます。
そのため、汚いと感じなくても定期的に干すことが大切です。
《 ポイント 》
- 干す目的は布団を乾燥させて清潔さを保つこと
- 雑菌やカビの繫殖を抑えられる
- イヤな臭いを退治できる
- ダニの繁殖を防ぐ
- 乾燥させるとふわふわになる
布団の干し方に関するQ&A
A.定期的に年1回、もしくは季節の変わり目に年2回が理想的です。家庭で洗える布団だと気軽に取り組めます。
A.クリーニング業者によってお値段は異なりますので、依頼できるお店に前もって確認しておきましょう。尚、おおよその相場は次の通りです。
- クリーニング店の相場(シングルサイズ1枚あたり)
綿・化繊:1枚¥4,300~
羽毛掛け:1枚¥4,100~ - 宅配クリーニングの相場(シングルサイズ1枚あたり)
綿・化繊:1枚¥8,500程度/2枚¥5,900程度/3枚¥5,000程度
羽毛掛け:1枚¥8,000 程度/2枚¥5,700程度/3枚¥5,000程度
《 ポイント 》
- 布団の丸洗いは年1~2回が理想
- 丸洗いは業者によって価格が異なるので事前に確認する
布団の干し方で気を付けること
- 干しすぎは布団への負担が大きいので長時間干しすぎない。
- 敷布団は汗による湿気を多く含んでいるため裏返して両面をよく乾かす。
- デリケートな羽毛布団は、ダメージを防ぐために陰干しにする。
- 晴天であっても前日の深夜に雨が降った場合は、湿度が高いので天日干しを控える。
- 繊維が千切れて傷むので、布団をパンパンと叩かない。
最後に
いかがでしたでしょうか。布団の正しい干し方とポイントをおわかりいただけましたか?
掛け布団・敷き布団、布団の素材によっても、干す時間や頻度が変わってきますが、それほど難しく考える必要はありません。日光が強い時間帯に、短めに両面干すようにすれば問題ありません。
必要以上に行う必要はありませんが、毎日の睡眠に欠かせない布団なので、きちんとした干し方を実践して、家族が喜ぶふかふかな気持ちのよい布団にしてみましょう。