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肉じゃがの味が薄い原因
皆さんが大好きなおかずのひとつに、ほっくりした食感が美味しい「肉じゃが」があげられます。じゃがいもに味が染みわたった日本人ならではの風味は、食卓に並べられる機会が多いのではないでしょうか?
そんな肉じゃがの味が薄かったら残念ですよね。肉じゃがの味が薄い理由はいくつか考えられます。
めんつゆの濃縮度の違いによるもの
肉じゃがの調味料にめんつゆを採用している方は、希釈濃度を失敗している可能性があります。
同じ濃縮めんつゆでも「〇倍濃縮」や「〇倍濃厚」などさまな濃さのめんつゆが販売されています。つゆと水の比率によって以下のように濃縮度がかわってきます。
- 2倍濃縮 つゆ1:水1
- 3倍濃縮 つゆ1:水2
- 4倍濃縮 つゆ1:水3
作る料理や量によって分量が変わってくるため、美味しい料理を作りたいのであれば、めんつゆの濃さに注意しなければいけません。
レシピに書いてあるめんつゆの濃さと、手元にあるめんつゆの濃さが違うと味のなじみ方が変わってきますので、濃縮度を確認してから料理に活かすようにします。
めんつゆの濃縮度は料理の味を大きく左右しますので、料理やレシピの使い方にあった濃縮度のめんつゆを選びましょう。
煮汁の味付けが薄い
肉じゃがを煮る時、水に対して調味料の分量が少なければいくら煮ても味が薄い肉じゃがになってしまいます。
また、基本的な調味料の比率は、「酒1:みりん1:しょう油1:砂糖1」ですので、それより大幅に少ない場合は薄い味に仕上がってしまいます。そして調味料を入れる順番も大切なポイントです。
どのような順番で入れるかによって、同じ量の調味料を入れても味が変わってしまいます。「料理のさしすせそ」と呼ばれることもありますが、最初に醤油などしょっぱい調味料を入れてしまうと、後に入れた甘い調味料は具材に染み込みにくくなってしまいます。
酒・みりんは料理の初めに加え、砂糖・醤油という順番で調味料を加えていくと、肉じゃがの味が引き締まりますよ。
出汁が少なかった
そもそも具材が煮汁に浸かっていないと味は染み込んでくれません。例え具材がちょうど良く煮汁に浸っていても、出汁が少なければ味が上手に染みていくことはありません。
他の調味料が適量であっても出汁の量が足りなければ、味の薄い肉じゃがになってしまいます。
時間が足りていない
煮汁の濃さはちょうど良いはずなのに、味が染みていないことがあります。肉じゃがは煮物なので、味を具材に煮含める時間が必要です。
時間がないからと強火で煮汁を飛ばしても、味が程よく染みていきません。煮物の味は冷めていく時に徐々に具材に染み込むので、火を止めたらゆっくりと冷ます時間が必要なのです。
薄いと思っていても、一晩冷蔵庫で寝かしたら丁度いい味付けになっていることも珍しくありません。薄い肉じゃがになってしまったときは、少し時間を置いてから味見をしてみるのも有効です。
《 ポイント 》
- めんつゆの濃縮度は料理の味を大きく左右する。
- 水に対して調味料の分量が少なければいくら煮ても味が薄い。
- 他の調味料が適量であっても出汁の量が少ないと味が浸染み込まない。
- 煮物はゆっくりと冷ます時間が必要。
肉じゃがの味が薄いときに濃くする方法
肉じゃがの味が薄くなってしまったとき、ちょっとした工夫で味を整え直すことができます。ここでは薄くしてしまった肉じゃがの味付けを濃く調整し直す方法を紹介します。
粉末出汁を入れる
味が薄いのは醤油や砂糖が足りないからではなく、出汁が効いていないことも大いに考えられるので、粉末だしを加えてみてください。
出汁が効いていると、それ程味が薄く感じません。ちょっと物足りないと思ったら、「ほんだし」などの粉末だしを小さじ一杯程度加えることで、多少薄味でも美味しくなることもあります。
粉末だしを入れて味見をした後でも足りないと感じるようでしたら、他の調味料を追加する方法を考えてもいいかもしれません。
醤油・砂糖・みりんを加え煮詰める
出汁を入れてもまだ物足りないようであれば調味料を加えてみましょう。具材を入れたまま、汁の味を濃くするには、調味料を入れて加熱してから味を確認してみてください。
砂糖1・みりん1:醤油1の割合で追加するとバランスの良い味に仕上がります。煮詰めているうちに煮汁がなくなってきたら、具材に水がかぶるくらい水を足して、数分加熱して煮詰めましょう。
フタをして一晩寝かせる
火からおろした直後に、味が薄い!と焦ることはありません。煮物の味は冷えるときに染み込むという特徴があるため、冷めると味が濃くなっています。
フタをして冷めるまで放置することで、味がよく染み込み濃い味の肉じゃがに仕上がります。煮汁がほど良い味になっていたら、具材の味が薄くてもそのまま置いておくとじゃがいもや玉ねぎ、お肉にも味が染み込みますよ。
調味料を追加した後に2分~3分沸騰させたら火を止めてフタをします。その後2~3時間、できれば半日以上放置すると濃い味に変わりとても美味しくなっています。
また、急激に冷ますのではなく、時間をかけてゆっくり冷ますとそのぶん味が深く染み込んでいきますので、鍋を包むようにタオルをかけておくと良いでしょう。
すき焼きのタレを加える
市販されている「すき焼きのタレ」を入れると簡単に濃い味に仕上げられます。すき焼きのタレの原材料は「出汁」「砂糖」「醤油」「みりん」「塩」などで、めんつゆと似ていますが、砂糖の他にみりんが入っているので甘めに味付けされています。
そういう意味では、肉じゃがの味付けにはめんつゆよりも適しているので、手元にあれば加えてみてください。肉じゃが以外にも、牛丼やそぼろ丼、きんぴらの味付けなどにも使えまので、ご家庭に1本あると便利ですよ。
《 ポイント 》
- 出汁がきいていると多少薄味でも美味しい。
- 砂糖1・みりん1:醤油1の割合で追加するとバランスの良い味になる。
- 火を止めたら2~3時間、できれば半日以上放置すると味が濃くなる。
- すき焼きのタレを入れると簡単に濃い味になる。
味の薄い肉じゃがを濃くするときに気を付けるポイント
薄く作ってしまった肉じゃがの味を整えるには、調味料を加えることで改善します。しかし、このとき注意点を把握していないと、せっかく作った肉じゃがを台無しにしてしまう恐れもあります。
調味料を加えるときは慎重に
極端なことを言えば、肉じゃがの味が薄いと感じたときは調味料を加えることで改善させることも可能です。しかし、一度調味料を加えて濃くし過ぎると、反対に薄める微調整が難しいです。勢い余って調味料を入れ過ぎてしまうと、せっかく作った肉じゃがを台無しにしてしまいます。
味が薄い肉じゃがを調整するときは、調味料をしっかり計量してから慎重に加えていきましょう。
汁を捨てた後に調味料を入れる
水に対して調味料の部分量が少なければ、当然いくら煮ても肉じゃがの味は薄いままですよね。煮汁が多過ぎて全体的にバランスが崩れている場合、そこに調味料を足すと煮汁の量が増えるだけで味が定まりません。
そうならないためには、調味料を追加する前に煮汁をお玉ですくって捨てる必要があります。具材の頭が出るか出ないかくらいが適量ですので、煮汁が具材より数センチ上の方まであれば多すぎます。捨てた後に、調味料を足すことで濃度が増して味が濃くなりますよ。
煮崩れしないように具材を取り出す
煮崩れしないように、具材を取り出してから味付けをする方法もおすすめです。必要以上に長い時間煮込むと、じゃがいもが煮崩れたり玉ねぎが溶けてしまうので、ちょっと手間がかかりますが見た目重視の方にはおすすめの方法です。
まず肉じゃがの具材をすべて取り出し、鍋の中に煮汁だけにします。調味料を加えて汁だけを煮詰めながら少しずつ味を調整して、ちょうど良い味になったら火を止めて、取り出しておいた具材を鍋に戻します。
鍋にフタをして鍋ごとタオルでくるみ、余熱で味を浸み込ませます。その2~3時間後には味が落ち着き、見た目もキレイな肉じゃがの完成です!ていねいに仕上げたいなら、こちらの方法を試してみてくださいね。
調味料を入れる順番を守る
先にご紹介したように、調味料は甘いものから順に入れていきます。和食の定番である煮物料理の「さしすせそ」という言葉を聞いたことはありませんか?
- 「さ」…砂糖
- 「し」…塩
- 「す」…酢
- 「せ」…醤油(昔の仮名使いで「しょうゆ」を「せいゆ」と表記)
- 「そ」…味噌
この中で、肉じゃがのレシピに使用するのは、「さ」砂糖、「し」塩、「せ」醤油です。他に、和食に欠かせない調味料として忘れてはならないのが、「酒」と「みりん」です。食材の臭みを消す働きをする「酒」は、早めに入れることで風味豊かに仕上がります。
肉や魚などのたんぱく質をかたくする「みりん」は、煮崩れしやすい食材を煮る際は、早めに加えることで煮崩れを防いでくれます。一方、柔らかい食感に仕上げたい場合には、みりんを最後に加えてサッと煮て照りやコクを上手に出しましょう。
煮汁が濁らないようにすると美味しそうに見える
なぜ肉じゃがの煮汁が濁るかというと、煮崩れたじゃがいもが煮汁に溶けだしているからです。ということは、じゃがいもが煮崩れなければ、濁りのないキレイな煮汁で肉じゃがを作ることができるのです。
煮崩れないようにするためには、切ったじゃがいもを水に5分くらいさらしてアク抜きをすることと、そして具材をしっかりと炒めてから煮る方法の二つです。調味料を入れて落しぶたをしたら、できるだけかき混ぜないようにしましょう。
他にも、じゃがいもの角を面取りすることで煮崩れを減らすことが期待できます。より濁らないように調理したい方は、じゃがいもの面取りも意識してみてください。
火が強すぎると具材同士が動いて崩してしまうので、ふつふつするくらいの火加減にします。ちょっとしたひと手間をかけることで、食欲をそそるきれいな色の肉じゃがに仕上がりますよ!
《 ポイント 》
- 多過ぎた煮汁は調味料を追加する前に捨てる。
- 煮崩れしないように具材を取り出してから味付けをする。
- 調味料を入れる順番は甘いものから。
- 煮崩れしなければ、煮汁が濁らず、きれいな肉じゃがが作れる。
肉じゃがの味が薄い時のアレンジレシピ
味が薄くなってしまった肉じゃがは、他の料理にアレンジすることで美味しく食べることができます。ここでは味が薄い肉じゃがを美味しく変身させられるレシピを紹介します。
肉じゃがおむれつ
油をしいたフライパンに割りほぐした卵を入れて箸で軽く混ぜます。卵が半熟状になったら火を止め、味が薄い肉じゃがをのせて手早くまとめるとあっという間に肉じゃがおむれつのできあがり!
肉じゃがグラタン
余った肉じゃがにホワイトソース缶を混ぜ合わせると手軽に肉じゃがグラタンが作れます。それにピザ用チーズをのせてトースターで焼くだけで完成です。クリーミーなホワイトソースが肉じゃがにからまって、家族が喜ぶ美味しい一品に!
肉じゃがカレー
味が薄い肉じゃがを使っていつもと違う味わいのカレーを作ってみましょう。カレールウに肉じゃがを追加するだけで簡単に作れるので、忙しいときにもアレンジできます。肉じゃがの煮汁は調節してくださいね。
肉じゃがコロッケ
味が薄い肉じゃがを使ってコロッケを作ってみましょう。肉じゃがの汁気をしっかり切ることが成形しやすくするためのポイントです。コロッケのたねになる肉じゃがを丸めてにマヨネーズをつけてからパン粉をまぶすだけで、手軽に衣がつくれますよ。
《 ポイント 》
- 卵に肉じゃがをのせて手早くまとめた「肉じゃがおむれつ」
- ホワイトソース缶を混ぜた「肉じゃがグラタン」
- カレールウに肉じゃがを加えた「肉じゃがカレー」
- 肉じゃがをたねにした「肉じゃがコロッケ」
最後に
肉じゃがの味が薄い原因と、味を濃くする方法、煮崩れしないコツをご紹介しました。
肉じゃがの味が薄くなってしまっても調味料を足したり、時間を置いたりすることで修正できることがわかりましたね。また、煮物は冷めるときに具材に味が浸み込んでいくので、味が薄いと感じても冷めてから味見をするとちょうど良い濃さになっていることもあるようです。
このようにちょっとしたコツで美味しくキレイに仕上げられます。少し味が薄いかな?と思った時には、この記事を参考にして試してみてくださいね!