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保冷剤を芳香剤にするのは危険?
冷やすという目的がある保冷剤の中身は、ゲル状の高吸水性ポリマーでできています。
この高吸水性ポリマーは、紙おむつやペット用のトイレシートや生理用ナプキン、災害時用の簡易トイレなど、水分を吸収するために使用されているもので、水に触れると瞬時に吸水して、水全体をゲル状にする性質を持っています。
このゲル状の中身の98%は水分でできているため、手で触ったとしても危険性はありません。有害な成分は含まれていませんので、捨てるはずだった保冷剤を芳香剤として作り替えることができるのです。
手作りの芳香剤は思いのほか簡単に作れるので、お子様と一緒に作って楽しむことができますし、保冷剤に絵の具で色を付けるとオシャレなインテリアとしても活用できます。
では、保冷剤を芳香剤に再利用する時の注意点をいくつかお知らせしましょう。
小さな子供やペットが口にすると危険
保冷剤はキラキラしているため、子供が興味を持って口に入れてしまうかもしれません。小さな子供やペットがいる家庭では手の届かないところに置くなど、注意する必要があります。
最近ではあまり使用されていないとは言え、保冷剤に含まれている「エチレングリコール」という毒性のある成分を誤って食べてしまうと体調を崩してしまう危険性もあるようです。
万が一、誤飲してしまった場合、少量であれば問題ないと思われますが、念のためすぐに病院に行って医師の指示を仰ぎましょう。
成分に「エチレングリコール」と記載されていたら、保冷剤の中身を出して再利用することは絶対に避けてください。
繰り返し使うと危険
保冷剤の中身の高吸水性ポリマーは使っていくうちに乾燥して小さくしぼんでいきますが、水を与えるとまた使えるようになります。
ただし、何度も繰り返し使用していると、環境によってはカビが発生することも。カビが生えてしまうと衛生的にも良くないので、一度再利用して使った保冷剤は新しい保冷剤に交換しましょう。
トイレやシンクに捨てると危険
保冷剤は基本的に「燃えるゴミ」として処分できますが、お住いの自治体によっては「」不燃ごみとして処理しなければいけない地域もあるようです。
また、高吸水性ポリマーでできている保冷剤をトイレやシンクに捨てて水で流してしまうと、水分を吸収して排水管が詰まる原因となりますので、絶対に水に流さないようにして下さい。
《 ポイント 》
- 保冷剤の中身は98%が水分の高吸水性ポリマーでできている
- 最近ではあまり使用されていないが、毒性のある成分が含まれている保冷剤もある
- 誤飲した場合、少量であれば問題ないが、念のため病院に行って指示を仰ぐ
- 繰り返し使用しているとカビが発生する可能性がある
- トイレやシンクに流すと水分を吸収して排水管が詰まる原因になる
保冷剤を芳香剤として利用する方法
ケーキを買ったりした時に入れてもらえる保冷剤って、気が付くとどんどんと家に溜まっていきますよね。実は保冷剤に含まれる高吸収ポリマーには、臭いを吸収するという効果があるのです。たまりがち保冷剤を使って、芳香剤をハンドメイドする正しいやり方をご紹介します。
用意するもの
- 保冷剤
- グラスや空きビンなどの好きな容器
- アロマオイルなど香りのあるもの(香水、柔軟剤でもOK)
- 飾り付けに使用するパーツ(ビーズやリボンなど)
- はさみ
- 割りばしなど混ぜる用の棒
- 水彩絵の具
保冷剤で芳香剤を作る正しいやり方
- はさみを使って常温に戻した保冷剤の中身を取り出します。
- グラスや空きビンなどの容器に、およそ半分まで保冷剤を入れます。
- 割りばしを使って入れた保冷剤を平らにならします。
- 好みの色の絵の具を少量加えてかき混ぜたり、水性ペンで色付けします。
- 同様に繰り返して、保冷剤の量を調節しながら入れ、別の色の絵の具を追加してグラデーションにします。
- 容器にビーズやリボンなどの飾りをつけてデコレーションします。
- アロマオイルを投入したら完成です。
- 子どもやペットなどの手が届かない場所、嫌な臭いがこもりやすい場所に置きましょう。
アロマオイルは好みの香りでもいいですが、置く場所によって変えるのもおすすめです。臭いの気になるトイレには、それ自体に消臭効果のあるユーカリやペパーミントが向いています。レモングラスやシトロネラ、レモンユーカリは虫を寄せ付けない効果も期待できるので、窓の近くや玄関にいいでしょう。
《 ポイント 》
- いつの間にか家にたまっていた保冷剤を利用して芳香剤を作る
- アロマオイル、香水、柔軟剤などで香りをつける
- 子どもやペットなどの手が届かない場所に置く
園芸用の保冷剤として利用する方法
園芸用の保水ゲルというものが販売されています。このような商品のほとんどは保冷剤と同じ高吸水性ポリマーが成分なので、保冷剤の中身を植物の根元にまき、土に混ぜて使うことで保湿性を高めてくれます。
植物に対して安定した水の供給ができたり、土の乾燥を防いだりすることができるので、園芸用の保水剤として使うことができるというわけです。
農家の方も行っている方法なのでおすすめなのですが、高吸水性ポリマーに防腐剤が入っているような保冷剤を使うと、植物を傷めてしまう恐れがあるので注意してくださいね。
徐々に土となじんで保水力の高い土になるので、雨が降らない時の畑などに活用できます。
切り花の保水材になる
保冷剤を大さじ1程度花瓶に入れれば、切り花を長く楽しむことができます。とくに水の蒸発が速い夏場は、高吸水性ポリマーから水分が溶けだすので、花の水をからさずにすみます。旅行に出掛けるなど長期不在で家を空ける時などに活躍しますよ。
保冷剤がたくさんあるなら、水の代用として保冷剤を使うのもおすすめです。ぷるんとした質感なので、フラワーアレンジメントのオアシスのような感覚で使えます。茎が安定しやすいので、水よりもキレイな状態を保てますよ。乾いたら水を少し足せば、保水力が戻ります。
植木の保水材になる
鉢植えに入れた植物は水やりが欠かせませんが、保冷剤があれば2~3日は家を空けられます。土の上に保冷剤を置いておくと徐々に水が染み出し、保水できるというわけです。少量なので長期間の旅行は無理ですが、小旅行程度であれば保冷剤の再利用で乗り切れます。
《 ポイント 》
- 園芸用の保水ゲルは保冷剤と同じ高吸収ポリマーが成分
- 保冷剤の中身を植物の土に混ぜて使うと保湿性を高める
保冷材の正しい再利用方法
冷やすために使われている保冷剤ですので、もちろん冷やすためとしての再利用方法もありますが、芳香剤以外にもおもちゃや美容用など意外な使い道もあるんです。
では、保冷剤の再利用方法として便利の正しい使い道についてご紹介していきます。冷凍庫に使っていない保冷剤がたまっているという方は、再利用する際、解凍した状態のものを使ってくださいね。
消臭剤として活用
保冷剤の中身に使われている高吸水性ポリマーはオムツにも使われているくらいですから、当然消臭効果を発揮します。ですので、お好みの容器に保冷剤の中身を出して、靴箱やトイレに置いておくだけで消臭剤になるのです。
容器の中にビーズやビー玉を入れて、かわいくデコレーションするとすてきなインテリアにもなる消臭剤が完成しますよ。
虫除け効果のある芳香剤として活用
保冷剤で芳香剤を作るやり方を紹介しましたが、垂らすアロマオイルの種類によっては虫除け効果がある芳香剤を作ることができます。
例えば、レモングラス・レモンユーカリ・シロトネラなどの柑橘系やハッカ油は、虫が苦手とする香りなので、虫除けに効果を発揮してくれます。
玄関や窓際に置いておくと、虫除け効果のある芳香剤として良い香りを放ってくれるでしょう。
水アカ落としの洗剤として活用
保冷剤の中身は水アカを落とす洗剤としても再利用できます。保冷剤の中身をスポンジに付けて擦るだけで、シンクやお風呂場についた水アカ汚れを落としてくれます。
擦った後にそのまま流してしまうと排水管が詰まってしまうかもしれませんので、水で洗い流すのではなく、キッチンペーパーなどでていねいに拭き取るようにしましょう。
簡易トイレとして活用する
災害時などの非常時に簡易トイレとしても再利用することができます。保冷剤の中身の成分である高吸水性ポリマーは、吸水や消臭効果があるため紙おむつにも使われているので、水が流せない非常時には簡易的なトイレとして役立ちます。ちなみに、小さめの保冷剤4個で1回分のトイレに使用できます。
簡易トイレの作り方と使い方
- 保冷剤の中身を容器に移す。
- 塩をかけて5分程放置すると液体状になる。
- この液体をキッチンペーパーでろ過し、水分と高吸水性ポリマーに分離する。
- 高吸水性ポリマーを1日程度乾燥させる。
- 便器にゴミ袋をかぶせ、保冷剤から抽出した高吸水性ポリマーをゴミ袋に入れる。
- 排せつ後はゴミ袋を外し処分します。
知育おもちゃ「センサリーバッグ」として活用
「センサリーバッグ」とは、赤ちゃんの五感を刺激しながら楽しく遊べる知育おもちゃです。
保冷剤の中身をジップロックなどの密閉できる袋に入れて、キラキラ輝くパウダーやお好きなフィギュア、ジェルボールなどを一緒に入れます。
目で見ても手で触っても楽しく、お子様にとって良い刺激になるように作るのがポイントです。中身がもれないように袋を二重にして、テープで周りをしっかり留めます。
毛穴の引き締めに
冷たい保冷剤は美容アイテムとしても再利用できます。お肌を冷やすことで開いた毛穴を簡単に引き締めることができるのです。
ただし、保冷剤をそのまま肌に当てるのではなく、必ずタオルやガーゼで包み冷やし過ぎないように注意しながら行いましょう。
また、お肌に長い時間当てていると赤くなったり肌を痛めてしまいますので、洗顔直後などに数秒程度使用するくらいがちょうど良いでしょう。化粧水の入りもよくなるのでオススメですよ。
ホットアイマスクとして活用
保冷剤は冷やすだけではなく、温めることもできるとご存じですか?
程よく温めた保冷剤をタオルで包んでから目に充てると、じんわりと温かさが伝わって気持ち良いホットアイマスクとして使用できます。
目元周りの血行を良くすると、眼精疲労の改善にも効果的です。熱いお湯ではなく、人肌よりほんのり温かい41℃程度のお湯に保冷剤を2~3分入れて温めましょう。
電子レンジで温める方法だと、保冷剤が破裂してしまう危険があるので、お湯で程よく温めるようにしてくださいね。
カイロとして再利用する
ホットアイマスクと同じように保冷剤を41℃くらいのお湯に入れて温めます。保温時間は20~30分程度なのですが、一時的なカイロとしてポケットの中に入れておくと、ほんのりと体が温まりますよ。
寄付する
保冷剤を海外支援の一環として寄付することもできます。海外の暑い地域や発展途上国では食材や体を冷やすだけではなく、医療現場などで薬剤を保管するのに利用しています。
不要となった保冷剤がたくさんある場合は、寄付をするという再利用術もあるので活用してみてはいかがでしょうか。
《 ポイント 》
- 玄関や窓際に置いておくと消臭剤としても虫除けとしても効果がある
- 赤ちゃんの五感を刺激しながら楽しく遊べるセンサリーバッグに
- お肌を冷やして開いた毛穴を引き締める
- お湯で程よく温めてホットアイマスクやカイロとして使う
- 海外支援の一環として寄付する
最後に
保冷剤を芳香剤にするのは危険なのか?捨て方や再利用方法についてご紹介しました。
保冷剤は冷やすだけではなく、お気に入りの香りをつけて芳香剤を作ったり、消臭剤、虫除けとして再利用できることがわかりました。
また、赤ちゃんの知育おもちゃやホットアイマスクなど、さらには海外支援の一環として寄付するという活用方法もあります。
ご家庭に保冷剤がたくさんたまっているという方は、捨てる前に再利用してみてはいかがでしょうか!