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トレーナーにつく油染みの特徴
焼肉屋に行くと焼いているお肉の油が服に飛んで油染みができてしまいますよね。油染みはとてもやっかいで、トレーナーなど洗濯機でジャブジャブ洗える衣類でも油染みは簡単には落ちません。
油染みが落ちない理由
トレーナーについた油染みが通常の洗濯で落ちない理由は、油は水になじまず溶けにくい性質だからです。人間関係で相性が合わない・なじまない者同士のことを「水と油」と言いますが、それと同じですね。
ただし、トレーナについた油染みは水では落ちにくいですが、お湯で温めると油が溶けて繊維から浮いてきます。油染みは動物性と植物性があり、それぞれ油を油を浮かす温度は異なります。
- 動物性:40℃
- 植物性:60℃
また、トレーナーなどの衣類以外に、食器についた食品の油染みがありますが、それは食器用洗剤で洗っていますよね?それと同じに、トレーナーの油染みも食器用洗剤で落とせる可能性があります。
油染みにも種類がある
トレーナーなどについた油染みは食品や調味料などの食品の染みばかりではありません。油染みには種類があり、その油染みの種類によって効果的な落とし方が変わります。
- 食品の油染み:お肉やお魚などの動物性の油染みやケチャップやソースなどの植物性の油染み
- 効果的な落とし方:食器用中性洗剤、クレンジングオイル、中性洗剤、おしゃれ着用洗剤
- 化粧品の油染み:クリーム、ファンデーション、口紅などの油染み
- 効果的な落とし方:クレンジングオイル、中性洗剤、おしゃれ着用洗剤
- 皮脂の油染み:皮脂や汗などの油染み
- 効果的な落とし方:固形石鹸、中性洗剤、おしゃれ着用洗剤
- 工業用油:機械油や潤滑油などの油染みなどの油染み
- 効果的な落とし方:作業用洗剤、機械油用洗剤
食器用洗剤やおしゃれ着用洗剤は比較的、ついたばかりの油染みに効果があります。ついてから時間がたつと、トレーナーの繊維の奥に入り込んでしまいますので簡単には落とせません。
《 ポイント 》
- 油は水に溶けない性質のためトレーナーについた油染みが通常の洗濯では落ちない。
- 油を落とす効果がある洗剤は食器用洗剤なのでトレーナーの油染みを落とすのにむいている。
トレーナーについた油染みの落とし方
トレーナーについた油染みは水には溶けにくいためお湯で油を浮かせて食器用洗剤で洗うと効果的です。ここからはトレーナーの油染みを食器用洗剤で洗う方法をご紹介します。
トレーナーの油汚れを落とす前にやっておくこと
まずは、トレーナーの洗濯表示を確認しましょう。温度の限度や洗濯機の可否、使える洗剤の種類などが書かれていますのでそれに従って洗いましょう。
色落ちテスト
トレーナーの裏の目立たない箇所に食器用洗剤を数滴たらし、5分ほど放置して色落ちをしているかを確認しましょう。もし色落ちをしていた場合は食器用洗剤で洗うのはやめましょう。
トレーナーの油染みを食器用洗剤で落とす方法
用意するもの
- 食器用中性洗剤
- ティッシュまたは布巾
- バケツ
- お湯 動物の油染みは40℃程度、植物性の油染みは60℃程度
- 歯ブラシまたは洗濯用ブラシ
手順
- 油染みの上にカスや汚れが残っていたらティッシュなどで拭き取りましょう。
- バケツに入れたお湯(動物性油は40℃、植物性油は60℃)に、油染みの部分を5分ほど浸けます。
- お湯から取り出し、油染みの上に食器用洗剤をかけます。
- 手で優しくもみ洗いや押し洗いをして油を押し出しましょう。
- 歯ブラシまたは洗濯用ブラシで油をかき出します。
- バケツのお湯を捨て、新しいお湯に入れ替えます。
- 手でもみながら食器用洗剤を落とします。
- お湯が汚れたら、きれいになるまでお湯を入れ替えて洗い流しましょう。
- お湯が汚れなくなったらいつも通り洗濯機で洗いましょう。
食器用洗剤で油染みを落とす方法は、ついたばかりの油染みや、少量の油染みに効果があります。古い油染みは簡単には落ちません。ここからは、なかなか落ちない油染みの取り方をご紹介します。
《 ポイント 》
- トレーナーについた油染みは水には溶けにくいため、お湯で油を浮かせて食器用洗剤で洗うと効果的。
なかなか落ちない油染みの取り方
酸化した油染みがトレーナーの繊維の奥に入り込んでしまうと油染みを落とすのは難しくなります。なかなか落ちない油染みを落とす方法としてクレンジングオイルを使う方法や煮沸で落とす方法があります。
クレンジングオイルでトレーナーの油染みを落とす
クレンジングオイルはファンデーションなどの油分を含む化粧品を落とすのに効果的です。毛穴の中の汚れも浮かせて落とすので、トレーナーの繊維の奥の油を落とす効果が期待できます。
用意するもの
- クレンジングオイル
- タオル
- 洗面器
- お湯
手順
- 油染みの下にタオルを敷きます。
- 油染みの部分にクレンジングオイルをたっぷりかけます。
- 洗面器に入れたお湯につけて、揉み洗いをします。
- そのまま5分程度放置します。
- 40℃程度のお湯に浸けて洗います。
- いつも通り洗濯機で洗濯しましょう。
煮沸してトレーナーの油染みを落とす
この方法は熱湯と粉石鹸で油染みを取る方法です。油は水には溶けませんがお湯には溶けますので、煮沸だけで油染みが落ちることもあります。また、煮沸によって油染みを取るだけでなくトレーナーの殺菌・消毒効果もあります。
用意するもの
- 粉石鹸
- 鍋ステンレスまたはホーロの鍋
手順
- 鍋にお湯を張り、火にかけて沸騰させます。
- 沸騰したらお湯1リットルに対して大さじ1杯程度の粉石鹸を入れます。
- トレーナーを鍋のお湯にしっかり浸します。
- 15~20分、ぐつぐつ煮ます。
- お湯を軽く冷まし、トレーナーを取り出します。
- 油染みが残っている場合は、固形石鹸をつけてもみ洗いします。
- 油染みが落ちたら、いつも通り洗濯機で洗濯しましょう。
注意点
熱に弱いトレーナーは煮沸できません。また、綿であればOKですが、ポリエステルやウールなどにはむきませんので注意しましょう。
煮沸する鍋は、アルミだと化学反応を起こして黒ずむ可能性がありますので、ステンレスやホーローの鍋を使いましょう。
アルカリ性の洗剤も落ちやすい
トレーナーなどについた油染みは酸性ですので、アルカリ性の洗剤で中和すると落としやすくなります。ただし、アルカリ性の洗剤は衣類を痛める可能性がありますので何度も繰り返すのはやめましょう。
《 ポイント 》
- 酸化した油染みがトレーナーの繊維の奥に入り込んでしまった頑固な油染みはクレンジングオイルで落とすことができす。
- 熱湯に粉石鹸を入れ、煮沸して油染みを落とす方法もある。
トレーナー以外の素材についた油染みの取り方
油染みがついてなかなか落とせないのはトレーナーだけではありません。トレーナー以外についた油染みの落とし方を紹介します。
ニット素材の油染みの落とし方
ニットについた油染みを落とすのに活躍するのはおしゃれ着洗いの中性洗剤です。
用意するもの
- おしゃれ着用中性洗剤
- タオル
- 洗濯ネット
手順
- 油染みの下にタオルを敷きます。
- 油染みの部分におしゃれ着用中性洗剤をかけます。
- おしゃれ着用中性洗剤がニットになじむまで優しくもみ込みます。
- 油染みが外にでるようたたみ、洗濯ネットにいれます。
- 洗濯機に入れ、ニットを洗う際に使うコースで洗濯しましょう。
作業着などの機械油染みの落とし方
機械油や潤滑油などの油染みを落とすのは非常に困難です。市販の作業用洗剤を使って洗うことをおすすめします。
作業用洗剤でも落とせない頑固な油染みはベンジンなどの有機溶剤が効果的ですが、取り扱いには注意しましょう。市販の染み抜き用のベンジンをおすすめします。
用意するもの
- ベンジン
- ゴム手袋
- キッチンペーパー、またはティッシュペーパー
- スポイト、または使い捨てスプーン
手順
- 手にベンジンが付かないようゴム手袋を着用します。
- 油染みの下にキッチンペーパーまたはティッシュペーパーを敷きます。
- スポイトかキッチンペーパーを敷く。
- スポイトまたは使い捨てスポーンを使って、油染みの部分にベンジンを少量たらします。
- 新しいキッチンペーパーまたは新しいティッシュペーパーで油染みをトントンたたきます。
- 油を吸い取ったら水で流します。
- いつも通り洗濯機で洗濯しましょう。
機械油染みはとても頑固です。ベンジンは生地を傷める可能性が高いため、トレーナーなど衣類についてしまった場合はクリーニングに出すことをおすすめします。
《 ポイント 》
- ニットはおしゃれ着用洗剤で落とす。
- 機械油がついた作業着などは市販の作業用洗剤を使う。それでも落ちない場合はベンジンを使って落とす。
最後に
トレーナーに染みを見つけたけど「何のシミ?」「いつ付けた?」と分からないこともあるかと思います。特に時間がたった染みは分かりません。
そんな時の染みの見分け方は
- 染みの上に水を数滴(3滴~4滴)落とします。
- 3分ほど放置します。
- 染みがにじんだら水溶性の油。にじまなかったら油染みです。
このテストで油染みだとわかったら、この記事でご紹介した方法で落としてみましょう。染みは「油溶性」「水溶性」「不溶性」の3種類あります。この記事で説明した通り、油染みは油溶性です。