目次
ステンレスの変色を戻す方法は原因によって異なる
ステンレの変色を戻す方法を説明する前に、なぜステンレスが変色するのか、その原因から解説しますね。
ステンレスが変色する原因は、大きくわけて「水」と「食品」の二つです。この二つの原因の違いによって、変色を戻す方法も変わってきます。
ステンレスが変色する原因は「水」
目で確認することはできませんが、水の中にはイオンや水道管に使われている鉄・銅が含まれています。このイオンや鉄・銅が沸騰すると蒸発して、ステンレスにくっついてしまうのが変色の原因なのです。
そのため、一度変色した部分を元に戻したとしても、水を使っている限りはまた変色する可能性があります。長時間水分と接触させなければある程度の変色は防ぐことができるので、お湯を鍋で沸かした後はすぐに捨てるようにしましょう。
ステンレスが変色する原因は「食品」
水の他に、食品が原因でステンレスを変色させてしまうことがあります。水と同じように食品にもさまざまな成分が含まれています。その成分が複雑に絡み合って、ステンレスを白色や青色などに変色させてしまうのです。
ステンレス製品の中でも特に鍋が変色しやすいのは、「水」と「食品」の両方を入れて頻繁に使うからなのです。よって、鍋に水や食品を入れっぱなしにしないことで変色を防ぐことができるでしょう。
《 ポイント 》
- 変色する原因は、大きくわけて「水」と「食品」の二つ。
- 水を入れて使っている限り、また変色する可能性がある。
- ステンレス製の鍋に水や食品を入れっぱなしにしないことで変色を防ぐ。
ステンレスの変色の戻し方①黒く錆びたとき
ステンレスは錆びに強いというだけで、錆びないわけではありません。
例えば鍋などのステンレス素材は、長く使っていると黒く変色し錆びてしまい、元に戻すためにゴシゴシこすり洗いをしてもなかなか落ちません。
黒色に変色したステンレスをどうやって戻したらいいのか、その対処法をご紹介します。
ステンレスが黒く錆びる原因
もらい錆によるもの
ステンレスシンクの上にヘアピンや空き缶を置いてそのまま放置しておくと茶色の錆が発生し、ヘアピンや空き缶の形どおりの跡がついていることがあります。
これを「もらい錆」と言うのですが、ステンレスが錆びる原因のほとんどがこのもらい錆によるものです。
ヘアピンや空き缶だけでなく、金属製の台所用品を流しに置きっぱなしにしているとサビの原因になりやすいので注意しなければいけません。
塩素系漂白剤や塩分がステンレスにつきっぱなし
酸化皮膜で錆から守られているステンレスですが、塩分によるダメージを受けやすく、塩分によってその酸化被膜が剥がされてしまいます。
塩素系漂白剤や塩分がステンレスのシンクにつきっぱなしだと、コーティングが剝げたり細かいキズが大きな錆につながってしまいます。
黒く錆びたステンレスの戻し方
軽い錆であれば、メラミンスポンジでやさしくこすって落とすなど、思いのほか簡単に対処できます。
「クレンザー」、もしくは「重曹」で錆をこすって落とすか、「クエン酸とクレンザーを混ぜたもの」で磨く方法もあります。
ガンコな錆は、粉末ハイターをつけたメラミンスポンジでこすって錆を落としますが、くれぐれもタワシや金属製のスポンジは使わないでくださいね。
《 ポイント 》
- 錆びに強いというだけで、錆びないわけではない。
- 黒く錆びる原因は「もらい錆」と「塩分」によるもの。
- 軽い錆はメラミンスポンジでやさしくこする。
- 「クレンザー」「重曹」「クエン酸とクレンザーを混ぜたもの」で磨く。
- ガンコな錆は、粉末ハイターをつけたメラミンスポンジでこすって落とす。
ステンレスの変色の戻し方②青や虹色
青色や虹色に変色したステンレスを元に戻す場合、三つの方法があります。
クリームタイプのクレンザーと重曹を使う
青く変色したステンレスを元に戻すのは、思いのほか簡単で、乾いた布にクレンザーや重曹をつけて変色した部分をこするだけです。
ただし、タワシなどの表面の粗いものを使うと表面が削れてしまいますので、必ず柔らかい布を使ってこするようにしましょう。
クエン酸を使う
こちらは酸化皮膜が原因の青や虹色に変色したときのみ有効な方法です。
青色や虹色に変色したステンレス製の容器にクエン酸を小さじ1/2ほど入れます。その上から変色した部分が隠れるくらいの水を入れると、その瞬間に変色が元に戻ります。
長時間浸けすぎると腐食など他の害が出る可能性があるので、変色が取れたらすぐに水で洗い流してください。
シンクの変色を戻したい場合は、シンクに残ってしまっている油汚れをきれいに洗い流してから行うようにしましょう。手元にクエン酸がない場合は、お酢で代用できますので試してみてくださいね。
お酢湯を使ってパックする
ステンレス製の鍋が虹色っぽい色になっていることってありますよね。これは空炊き、もしくは火力が強すぎたために発生した色です。
ステンレス表面にある錆を防止する膜(酸化皮膜と言います)の厚さが均一でなくなったことで、反射光によって変色して見えるのです。
そんなときは、酢と水を沸騰させた「お酢湯」を使ってみましょう。お酢湯に浸したキッチンペーパーを、変色部分貼り付けてパックします。ステンレスが元の色に戻った後は中性洗剤で洗い流しましょう。
《 ポイント 》
- 乾いた布にクレンザーや重曹をつけてこする。
- クエン酸を溶いた水に入れた瞬間に変色が元に戻る。
- お酢湯に浸したキッチンペーパーでパックする。
ステンレスの変色の戻し方③黄ばみ
ステンレスが黄ばみで変色したら、クリームクレンザーと重曹を使って元に戻すことができます。
ステンレスの主成分のひとつである「鉄」と「食品」が化学反応を起こすことによって黄ばみが発生しまが、この黄ばみは一般の食器用洗剤では取ることができません。
クリームクレンザーで磨く
洗剤でゴシゴシ洗って表面の皮膜にキズをつけると、錆や劣化の原因になると先にお伝えしました。よって、タワシや金属製のスポンジは避けて、メラミン製のスポンジにクリームクレンザーをつけて磨くと、黄ばみがきれいに落ちるので試してみてください。
重曹を使う
購入した当初はピカピカだったステンレスのスプーンが、いつのまにかくすんで黄ばんでいたことはありませんか?
そんな黄ばみを落とす研磨剤として重曹を使うと効果を発揮します。水を加えてペースト状にした重曹を、スポンジや柔らかい布などにつけてこするだけです。
水を入れ過ぎると重曹の濃度が薄まり汚れが落ちにくくなるので、使いやすい硬さのペースト状になるまで少しずつ行ってください。また、水と重曹を入れた大きな鍋に変色したステンレスを入れ、沸騰させる方法もあります。
10分程度そのまま煮ると黄ばみが取れるのですが、しつこい黄ばみの場合は一晩浸けておくとより効果が期待できるでしょう。
多めに入れる酢と違って、重曹の場合は水100mlに対して小さじ4~5杯を目安にしてください。
歯磨き粉をつけて磨く
ご存じのように、歯磨き粉には研磨剤が含まれています。その研磨剤が作用してステンレスのくすみや黄ばみをキレイにすることができます。
あくまでも「研磨剤」なので、細かいキズがつくこともありますから、大切にしているステンレス製品には使わない方がよさそうです。
《 ポイント 》
- 黄ばみにはクリームクレンザーか重曹を使う。
- タワシや金属製のスポンジは避けてメラミン製のスポンジで磨く。
- 研磨剤が含まれている歯磨き粉で磨く。
ステンレスの変色の戻し方④空焚きで茶色く変色
ステンレス製の鍋を誤って空焚きしてしまった場合、茶色く変色することがあります。それを戻す方法について二つ紹介します。
酢を使う
アルカリ性を中和する酢を使って、空焚きで変色したステンレスを元に戻すことができます。
先ほど、青色や虹色に変色したステンレスを戻すときも酢を使うことをおすすめしましたが、空焚きで変色したステンレスも同じく酢で簡単に元に戻すことができます。
やり方は、変色した鍋に水:1に対し酢:2の割合で入れ、弱火にかけて5分ほど待つだけという簡単さ。水を足して鍋を冷ました後、柔らかいスポンジで軽くこすってみましょう。
水と酢が蒸発しないように、強火ではなく弱火で行ってくださいね。
ステンレス専用のクリーナーを使う
ステンレス専用のクリーナーが市販されています。空焚きして変色したステンレスは、このステンレス専用のクリーナーで磨いて元に戻すことができます。
できることなら手軽な酢と水で落としたいものですが、鍋によっては何度も酢と水で試しても元に戻せないことがあります。そういったときは、ステンレス専用のクリーナーを使うことをおすすめします。
《 ポイント 》
- 水:1に対し酢:2の割合で入れ、弱火にかけて5分ほど待つ。
- 市販されているステンレス専用のクリーナーを使用する。
最後に
ステンレスの変色を戻す方法は意外と簡単でしたね。ステンレスは変色が起きやすく、錆まで発生してしまいます。それに対して、黒ずみや黄ばみ、青色や虹色など、色別に異なる対処法があったのですね。
これらは、酢や重曹、歯みがき粉、専用のクリーナーを使って元に戻すことができますが、タワシや金属製のスポンジは避けてメラミン製のスポンジでこすらないといけません。
どの方法も手軽で簡単に落とすことができるとはいえ、ステンレスに細かいキズがつくとそのキズの隙間に菌が入り込んでしまい清潔さを保てなくなってしまいます。
ステンレスの変色で悩んでいる方は、その点に注意しながら試してみてくださいね!