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じゃがいもがぶよぶよになる原因
コロッケや肉じゃがを始め、日常的な料理に欠かすことができないじゃがいもですが、触るとぶよぶよした感触になっていることがあります。
なぜぶよぶよになってしまうのか、その原因を紹介します。
保管中に水分が抜けていくから
じゃがいもの成分のおよそ60~80%は水分です。長く保存しているとどんどん水分が抜けていくため、細胞内がスカスカしたような状態になってしまいます。放置しておくだけで自然と水分が抜け、皮に張りがなくなりぶよぶよと柔らかくなるのです。
出た芽のほうに水分や栄養がとられるから
じゃがいもに芽が生えてくると、水分や栄養が芽のほうにとられてしまいます。そうなると表面にシワが出てきます。柔らかい感じになって押すとぶよぶよしてくるのはそのためです。
柔らかい品種のじゃがいももある
ぶよぶよしてきたと言うより、もともと柔らかい品種のじゃがいももあります。中でも春出しのメークインは採れたてだと柔らく、保存している一般のじゃがいもと比べるとみずみずしく、かなり柔らかく感じるでしょう。
このようなみずみずしい柔らかさは、水分が抜けてぶよぶよになった柔らかさとは違いますので、古くなって傷んでいると判断するのは間違いです。
電子レンジで加熱しすぎると水分がなくなる
じゃがいもを電子レンジで加熱すると、水分が抜けてしなびた状態になってしまいます。電子レンジは食材に含まれている水分を振動させて熱を発生させますが、同時に水分が蒸発するので食材から水分が抜けやすくなってしまいます。
冷凍保存したから
実はじゃがいもはあまり冷凍には適していません。じゃがいもを常温で保存すると芽が出やすいからと言って、生のまま冷凍保存するとどうなるのでしょうか?
水分が凍結するときに中の組織を壊してしまうので、解凍すると一緒に水分が抜けてしまいます。その結果、ぶよぶよになっておいしくないうという残念な結果になってしまうのです。
《 ポイント 》
- 長く保存しているとどんどん水分が抜けていく。
- 水分や栄養が生えてきた芽のほうにとられてしまう。
- 採れたてのメークインなど、もともと柔らかい品種のじゃがいももある。
- 電子レンジで加熱すると食材から水分が蒸発する。
- 凍結すると組織が壊れてしまい、解凍後に水分が抜けてしまう。
じゃがいもがぶよぶよでも食べて大丈夫?
上記の理由により、ぶよぶよになったじゃがいもは食べられるのかどうかを解説しましょう。
断面が変色していないか、芽が伸びていないかをチェックする
それを確認するためには、じゃがいもを半分に切ってみて断面が黒かったり茶色く変色していないかをチェックします。
断面が変色していないか、芽が伸びていないかの2点をクリアできていれば、単に水分が抜けただけなので、ぶよぶよしていたとしても問題なく食べることができます。
ただし、芽が伸びていたら、ていねいにえぐって完全に取り除くようにしましょう。
電子レンジで加熱して柔らかくなった
電子レンジで加熱したことによって水分が抜けてぶよぶよになったじゃがいもの場合、食べることはできますが、食感がかなり損なわれているため、調理方法を工夫することをおすすめします。
皮がついた状態のじゃがいもラップで包み、一個につき3分ほど加熱します。加熱によるムラや水分の蒸発を防ぐためには、加熱後のじゃがいもをラップごと布巾で包んでしばらく置いておくと良いでしょう。
腐って食べないほうがいいじゃがいもの特徴
こちらは、ぶよぶよになったじゃがいもが食べられるかどうかを判断するときの参考にして下さい。
緑色になっている
じゃがいもの皮が緑色に変色している部分は、「ソラニン」という有毒な成分が生成されている状態です。このソラニンを過剰に摂取すると食中毒の症状が出ることがあるので、緑色に変色した部分は食べないように注意してください。
芽がたくさん出ている
じゃがいもから芽が出ると芽に水分が吸い取られるため、じゃがいもがぶよぶよに変化します。芽にも緑に変色した部分と同じようにソラニンが含まれるため、芽の根元部分までしっかり除去しなくてはいけません。
このようにぶよぶよになったじゃがいもでも、芽の部分をていねいに取り除けば食べられますが、大きな芽がいくつも出ている場合は食べない方が良いでしょう。
腐っているじゃがいもは処分する
食べ物ですので、腐っているからこそぶよぶよになっている場合もあります。「カビが生えている」「酸っぱい臭いがする」「茶色の汁が出ている」などの特徴が見られる場合は、じゃがいもを食べずに処分しなければいけません。
なお、ほんの少しのカビが皮にだけ生えている場合は、その部分を取り除けば食べることができます。
《 ポイント 》
- 断面が変色していないか、芽が伸びていないかをチェックする。
- 電子レンジで加熱する場合調理方法を工夫する。
- 緑色の部分や芽がたくさん出ているものは食べない方が良い。
- 腐ってぶよぶよになっているじゃがいもは処分する。
ぶよぶよのじゃがいものしわの取り方と使い方
ソラニンの毒性が心配な場合
ぶよぶよしているじゃがいもは、ソラニンの中毒を防ぐためにも調理する際に芽の部分は必ず取り除き、緑色に変色している皮は厚めに剥くようにします。
この天然毒素を、特に子どもやお年寄りが食べると、嘔吐、めまい、腹痛などを起こすことがあるので要注意です。皮を厚めに剥いて調理すれば、普通のじゃがいもと同様に使うことができますよ。
水に浸けるとしわしわが取れる
ぶよぶよのじゃがいもは水分が抜けた状態なので、数時間、できれば一晩くらい水に漬けておきます。そうすると、しわしわが取れ使いやすくなります。
じゃがいもの毒の成分は水に溶けやすいという性質を持っているので、しわを取るだけでなく、ソラニンを減らすためにも皮を剥いてから水にさらしておくと良いでしょう。何となく行っていたじゃがいも調理の下処理は、毒性を取り除くためでもあったのですね。
マッシュポテトにしてポテトサラダやコロッケにする
では、ぶよぶよしてしまったじゃがいもは、どのように調理したらよいのでしょうか?
水分のある食材と一緒に調理する
グラタンの具やポテトサラダ、マッシュポテトにすると、水分を吸い込んでいい感じに仕上がります。
皮ごと茹でてコロッケにして揚げる
しおれたじゃがいもは皮を剥くのがたいへんですよね。そんな時には丸ごと茹でて「コロッケ」にするのがおすすめです。
煮込み料理に
シチューやカレー、肉じゃがなどの煮物に適しているので料理がきれいに仕上がります。
ハッシュドポテト
ふにゃふにゃ柔らかくなってしまったじゃがいもでも、ハッシュドポテトにしてしまえば、シャキシャキ感を味わうことができます。皮を6mmくらいの厚さに切り落とし、細切りにして多めの油で両面を焼くだけで完成です。
《 ポイント 》
- 皮を厚めに剥けば、普通のじゃがいもと同じように使える。
- 一晩くらい水に漬けておくとしわしわが取れる。
- ポテトサラダやコロッケ、シチューやカレー、肉じゃが、ハッシュドポテトがおすすめ。
じゃがいもがぶよぶよにならない保存方法
これまで、じゃがいもがぶよぶよする原因や食べるためにどうするかについて解説してきました。では、じゃがいもをぶよぶにしない保存方法で良いアイデアはあるのでしょうか?
実際にお店ではどのように管理しているのか知りたいですよね。
販売するじゃがいもは4℃以下で保管している
私たちがお店で買うものは、4℃以下で保管されていたじゃがいもです。ということは、ご家庭でも4℃以下で冷蔵保存することができれば、長期間芽を出さずに保存できるというわけです。
確かに、夏場などは冷蔵庫の野菜室にいれておいた方が長持ちして安心だと実感したことがあるのではないでしょうか。ご家庭でそのようにして保管するのが難しい場合は、じゃがいもを新聞紙で包み日光に当たらない冷暗所で保存しましょう。
りんごと一緒に冷蔵庫で保管する
乾燥防止や芽が出ないようにするには、エチレンガスを発生させるりんごと一緒に冷蔵庫で保管するのがおすすめです。
じゃがいもは発芽するとソラニンという毒性物質を発生させるとお伝えしましたが、りんごのエチレンガスはじゃがいもの発芽を抑える働きを持っているのです。
りんごをそのまま冷蔵庫に入れておくと、ほかの食材の成長を進促させ腐りやすくなるのですが、じゃがいもとりんごと合わせた場合、それと正反対の現象が起こり、上手に保管できるのです。
マッシュポテトにして冷凍保存する
じゃがいもを生のまま冷凍保存すると、水分が凍結するときに組織を壊してしまいます。上手に保存するためには必ず茹でてマッシュポテトにしてから冷凍保存しましょう。こうして保存しておけば、冷凍庫で1ヶ月くらいは保存できますよ。
《 ポイント 》
- 販売するじゃがいもは4℃以下で保管されている。
- 新聞紙で包み日光に当たらない冷暗所で保存する。
- エチレンガスを発生させるりんごと一緒に冷蔵庫で保管するのがおすすめ。
- マッシュポテトにして冷凍すると1ヶ月くらい保存できる。
最後に
じゃがいもがぶよぶよになる原因としわの取り方について解説しました。いかがでしたでしょうか?
普段よく使うじゃがいもがぶよぶよになっていたとしても、必ずしも腐ったからというわけではありません。水分が抜けただけなら問題ないので、食べられるかどうかを正しくチェックしてみましょう。
- ぶよぶよになっても、変色していない、腐っていないじゃがいもは食べられる
- 緑色になっているじゃがいもは厚めに皮を剥く。
- ソラニンが心配な場合は芽が出たものを食べないようにする。
- ソラニンやぶよぶよ感を無くすためには一晩水にさらしておく。
など、なんとなく料理するのではなく、水分が抜けて風味や食感が落ちたじゃがいもでも無駄なく食べられるよう工夫してみましょう。野菜は新鮮なうちに調理して使い切る!じゃがいもでも同じことが言えるでしょう。