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お米のカビは洗えば食べても大丈夫?
お米にカビが生えても洗えば大丈夫だと思っていませんか?そう思っていたとしたら、カビの性質を知らないからでしょう。
結論から言うと、一度カビが生えたお米は洗ってもカビは残りますので食べずに処分することをおすすめします。
カビは洗っても無くならない
お米に生えたカビを洗えば、目に見える表面のカビは落ちますが、いくらきれいに洗ったとしても、目に見えないカビの糸のような根っこ(菌糸)が米粒の奥深くに入り込み成長を続けています。また、カビが作り出す毒素の「カビ毒」はそのままお米に残ります。
加熱してもカビ毒は除去できない
一度カビが生えるとカビ毒が発生します。カビ菌は加熱すると消滅しますが、カビ毒は加熱しても取り除くことはできません。お米を焚くのに加熱するのでカビを洗えば問題ない思うのは間違いです。
一緒に保管していたお米もNG
カビは人間の目には見えないほどの小さな胞子を周囲にまき散らして増殖します。また、カビの根っこ(菌糸)はお米の奥深くに入り込んでいます。
カビが生えたお米と一緒に保管していたお米にもカビの胞子や菌糸はついていますので、食べるのはやめましょう。
人体への影響
国内産のお米についたカビには、発がん性のある毒は無いと言われています。国内産のお米のカビを誤って食べてしまっても少量であれば人体に悪影響をおよぼすことはないようですが、摂取した量によってはアレルギーをおこしたり、中毒症状を起こす可能性もあるようです。
《 ポイント 》
- お米の表面についているカビを洗っても、根っこ(菌糸)は米粒の奥深くに入り込み成長を続けている。
- 一緒に保管していたお米にもカビの胞子や根っこは付着しているので食べてはいけない。
お米にカビが生える原因
カビが発生する環境
カビは温度と湿度が高い環境が好きです。カビが活発に繁殖する環境は、温度が20~25℃、湿度が70%以上、お米の水分含有量17%以上です。また、お米にはカビのエサになるデンプンがたっぷりあります。
お米に含まれる水分
生米は乾燥して水分が無いように見えますが、ほんの少し水分を含んでいます。また、吸湿性もありますので、湿気が多い場所で保管しているとお米の水分含有量が増えていきます。お米の湿気やお米の栄養分でカビは増殖していきます。
カビは空中を漂っている
人間の目には見えませんが、カビの胞子は常に空気中をただよっています。カビの胞子がお米につくと根っこ(菌糸)が奥までのばして栄養を蓄えて繁殖を繰り返します。
《 ポイント 》
- カビが発生する環境は温度が20~25℃、湿度が70%以上、お米の水分含有量17%以上。
- 生米にも若干水分が含まれており。吸湿性もあるので湿気が高い環境になる可能性がある。
- カビの胞子は空気中を漂っている。
お米のカビの見分け方
お米のカビの特徴をご紹介します。次のような状態になったお米はカビが生えていますので食べずに処分することをおすすめします。
お米の見た目
- お米の表面に緑色・黒色・茶色・グレー・ピンクなどの細かい粉がついている。
- 変色している米粒がある。
※一粒でもあった場合は食べてはいけない。 - お米のとぎ汁が黒色や茶色に濁る。
- 胚芽米で胚芽部分が茶色に変色している
お米にカビが生えると表面にさまざまな色の細かい粉が付着しています。緑色、黒色、茶色。グレー、ピンク色、など変色しているお米が一粒でもあったら食べずに処分しましょう。
お米のニオイ
- かび臭い。
- 酸っぱい。
- 焚き上がりに異臭がする。
お米にカビが生えているか見た目で判断できない時は、お米のニオイでカビを確認することができます。お米のニオイを嗅ぎ、カビ臭かったらカビが生えていますので捨てましょう。
また、焚きあがった炊飯器の蓋を開けると異臭がしますのですぐ分かります。
お米の手触り
- 触るとしっとり湿気が多い
通常お米はサラサラしているものですが、カビが生えると湿った手触りになります。湿ってくるとニオイもカビ臭くなっているでしょう。
お米のカビを防ぐ保存方法
お米は冷蔵保存が最適
お米は買った時の袋のまま保存せずに、密封できる容器や保存袋に移して冷蔵保存しましょう。
お米にカビが生えない条件は
- 温度は15℃以下
- 湿度は70%
- 直射日光が当たらない
- 空気に触れない
この環境を一定に保つことができる場所と言えば、冷蔵庫または冷蔵庫の野菜室です。また、15℃以下で保存することでお米に虫が侵入したり繁殖するのを防ぐことができます。
お米を冷蔵庫に保存する方法
- お米を一回に炊く量ごとに小分けにし、チャック付きのフリーザーバッグまたは蓋つきのタッパーに入れます。
- フリーザーバッグの場合、できるだけお米を平らにしましょう。
- フリーザーバッグやタッパーの空気をしっかり抜いて密封します。
- 冷蔵庫または野菜室の底に並べましょう。
お米は購入後、できるだけ早くフリーザーバッグやタッパーに移して冷蔵庫に入れましょう。
逆に、お米のカビが活発になる環境は「温度20~25℃程度」「湿度80%以上」「お米の水分含有量17%以上」です。また、お米は湿気やニオイを吸収しやすい性質です。
キッチンの流し台の下にお米を置いておく方も多いようですが、湿度が高く、熱がこもる場所ですので保存場所としてはNGです。
また、お米が湿気を吸収しますので水分含有量も増えてしまいます。このような場所にお米をおかないよう注意しましょう。
ペットボトルもおすすめ
お米を保存する容器として、タッパーやフリーザーバッグ以外に、ペットボトルもおすすめです。
ペットボトルは密封性が高く、ペットボトルには500ml、1,000mlなどのサイズがありますので、お米の量によって使い分けることができるので便利です。
ペットボトルにニオイが残っているとお米に移ってしまいますので、無味無臭の水のペットボトルがおすすめです。
結露に注意する
冷蔵庫と室内では温度差がありますが、結露の原因は温度差です。結露ができるとカビが発生する可能性があります。タッパーを出したらすぐ冷蔵庫に戻す、冷蔵庫を開けっぱなしにしない、など温度差に気を付けましょう。
風通しの良い場所で保存
冷蔵庫にお米を保存するのが一番おすすめですが、冷蔵庫の中にお米を保存するスペースが無い場合は、風通しの良い明るい場所で保存しましょう。
米虫は乾燥と光が苦手です。高温多湿の環境は米虫の繁殖を助けます。また、高温多湿で保存したお米は味が落ちますので避けましょう。
お米の賞味期限
お米は生鮮食品になりますので賞味期限は記載されていません。目安としては精米日から夏は2週間~1ヵ月以内、冬は2ヶ月以内、春秋は1ヵ月以内に食べましょう。
《 ポイント 》
- お米は袋から出して容器に移し、冷蔵庫または冷蔵庫の野菜室で保存する。
- 結露ができるとカビが発生する可能性があるので注意する。
最後に
お米にカビがついても洗えば食べてもいいというのは間違いです。カビは一度生えたら完全には消えません。
空気中にカビの胞子をばらまき、付着したものに根をはって増え続けますのでお米に限らずカビの生えた食品はすぐ捨てましょう。
お米を作っている農家では、お米は冷蔵庫で保管しています。また、保存環境は「温度13℃~15℃」「湿度70%」「水分含有量15~15.5%」を一年中保っているそうです。
自宅で同じ環境に保つのは難しいかもしれませんが、お米は冷蔵庫で保存して新鮮なうちに美味しく食べましょう。