目次
大根が柔らかくならない6つの原因
大根が柔らかくならないのは次のようなことが原因です。
原因1.むいた皮が薄すぎる
基本的には、大根の硬い部分を厚く剥きます。目安は3mm~5mmくらいです。
「ここまで剥く必要があるのか」と思われるかもしれませんが、大根の皮の硬い部分が残っていると味がしみ込みにくくなってしまうので、思い切って厚めにむきましょう。
原因2.下茹でしていない
大根の下茹でとは、料理で味付けをする前に、大根をあらかじめ茹でておくことです。大根が柔らかくならない原因のほとんどは、下茹でしていないからです。
生の大根が硬いのは、大根の周囲が細胞壁で覆われているからですが、この細胞壁は高温で長時間加熱されると壊れます。大根を茹でると、硬い細胞壁が壊れ、柔らかくなるのです。
大根が柔らかくなるまで下茹ですることで、調理時に味がしみ込みやすくなるのです。
大根を下茹でする手間はかかりますが、下茹ですることで柔らかくなり、味がしみ込みやすくなるので、結果的に調理時間の短縮につながります。
原因3.下茹で時間が短い
大根の下茹で時間は大根の大きさによって異なりますが、15分~30分ほど茹でます。
茹で時間が短すぎると大根は柔らかくならないので最低でも15分以上茹でましょう。大根の真ん中に竹串を刺してスーっと入るのが目安です。
原因4.面取りをしていない
輪切りにした大根の角の部分をぐるっと切り取りとることを面取りといいます。
面取りによってお湯に触れる面積が広くなりますので火の通りが早く柔らかくなります。また、角を取ることで煮崩れを防ぐことができます。
原因5.隠し包丁をしていない
大根の切り口を上にして置き、1cmほどの深さで十字に切り込みを入れることを隠し包丁といいます。隠し包丁をすることで大根の中まで火が通り柔らかくなります。
原因6.味付けしたまま煮ている
下茹でせずに味付けした汁で生の大根を煮ると、浸透圧により大根が煮えるまで時間がかかり、大根のまわりだけ煮崩れして中は硬くなったままで柔らかくなりません。
《 ポイント 》
- 剥いた皮が薄すぎる
- 下茹でしていない
- 下茹での時間が短い
- 面取りをしていない
- 隠し包丁をしていない
- 味付けしたまま煮ている
大根を柔らかくする下茹で方法
大根が柔らかくならないのは下茹でをしていないからです。
皮付の生の大根が硬い理由は、まわりが硬い細胞壁に覆われているからですが、皮を厚くむき、高温で長時間下茹ですることで硬い細胞壁が壊れて柔らかくなります。
そして大根が中まで柔らかくなると味が染み込みやすくなるのです。ここでは大根を柔らかくするための正しい下茹での方法を3つご紹介します。
お米やお米のとぎ汁を使って下茹でする方法
お米またはお米のとぎ汁を使って下茹でします。お米やお米のとぎ汁を使うことで、アクや苦みを取りのぞき大根に甘みが増します。
〈材料〉
- 大根:1/3
- お米:大さじ1杯または大根が浸かる程度のお米のとぎ汁
- 大根を横3cm~5cm幅の輪切りにします。
- 皮は硬い部分を3mm~5mmほど厚めにむきます。
- 大根の角に包丁をあて、まわしながら角をそぎ落とします。これを面取りといいます。
- 切り口を上にして置き、1cmほどの深さで十字に切り込みを入れます。これを隠し包丁といいます。
- 鍋に大根を入れます。
お米の場合:大根が浸かるまでたっぷり水を入れ、お米を入れます。
お米のとぎ汁の場合:お米のとぎ汁を大根が浸かるまでたっぷり入れます。 - 中火にかけ、沸騰したらふたをして弱火で15分~30分ほど茹でます。
※茹で時間は大根の厚みに合わせて調整しましょう。 - 大根に竹串を刺して中までスーっと通ったら火を止めておろします。
- 茹で汁を捨て、大根をザルにあけます。
- 流水でぬめりを洗い流したら完了です。
- 大根が透明になっているか確認しましょう。
大根を下茹でした後大根を洗うのは、お米やお米のとぎ汁のニオイやヌメリを取るためです。
下茹でした大根をゆで汁に浸けっぱなしで放置していると、大根がゆで汁を吸収してしまうことがありますのでゆでた後はすぐ洗い流してください。
ニオイが強い場合は流水で洗うより、再度真水で茹でた方がいいでしょう。茹でた後ザルにあげて水気を切ることを陸上げといいます。
お酢を使って下茹でする方法
水に酢を加えて大根を下茹でします。
〈材料〉
- 大根:1/3
- お酢:50cc程度
- 大根を横3cm~5cm幅の輪切りにします。
- 皮は硬い部分を3mm~5mmほど厚めにむきます。
- 大根の角に包丁をあて、まわしながら角をそぎ落とします。
- 切り口を上にして置き、1cmほどの深さで十字に切り込みを入れます。
- 鍋に大根を入れ、大根が浸かるまでたっぷり水を入れます。
- お酢を50ccほど入れ、中火にかけます。
- 沸騰したらふたをして弱火で15分~30分ほど茹でます。
※茹で時間は大根の厚みに合わせて調整しましょう。 - 大根に竹串を刺して中までスーっと通ったら火を止めておろします。
- 茹で汁を捨て、大根をザルにあけます。
- 流水で酢を洗い流したら完了です。
砂糖を使って下茹でする方法
砂糖を加えて下茹でする方法です。砂糖は素材を柔らかくする性質があります。また茹でた後調味料を加えて一晩寝かせるとシンプルな大根の煮物になります。
〈材料〉
- 大根:1/3
- 砂糖:大さじ1杯
- 昆布:10cm程度、なければ顆粒のだしの素を適量
- 大根を横3cm~5cm幅の輪切りにします。
- 皮は硬い部分を3mm~5mmほど厚めにむきます。
- 切り口を上にして置き、大根の中心部まで十字に切り込みを入れます。
- 鍋に大根を入れ、大根が浸かるまでたっぷり水を入れます。
- 砂糖大さじ1杯、昆布またはだしの素を入れ、強火にかけます。
- 沸騰したら中火にして30分ほど茹でます。
- 大根に竹串を刺して中までスーっと通ったら火を止めておろします。
これでOKです!この方法の嬉しいのはこのまま簡単に煮物が作れることです。
方法は簡単!下茹でした鍋に酒・醤油・塩を少量入れ、ひと煮たちさせて一晩おくと大根に味が染み込んでいます。
《 ポイント 》
- 下茹でする方法として、お米またはお米のとぎ汁で茹でる、お酢を使って茹でる、砂糖を使って茹でる方法がある。
茹でた大根が柔らかくならない時の対処法
おでんや煮物などで茹でた大根が柔らかくならない時の対処法をご紹介します。
やり方は簡単!電子レンジで加熱するだけです。
おでんの場合
- 深めの耐熱皿に大根とおでんの汁を大根が浸るくらい入れます。
- ラップをして電子レンジで2分ほど加熱します。
- 大根の柔らかさを確認し、まだ硬いようなら再度電子レンジで1分程加熱します。
- 柔らかくなるまで1分程度加熱を繰り返しましょう。
煮物の場合
- 耐熱皿に大根と大根が浸かるくらいの煮汁を入れます。煮汁が足りず大根が浸からない場合は砂糖を一つまみ入れた水を足しましょう。
※砂糖の量はお好みでOKです。 - ラップをして電子レンジで2分ほど加熱します。
- 大根の柔らかさを確認し、まだ硬いようなら再度電子レンジで1分程加熱します。
- 柔らかくなるまで1分程度加熱を繰り返しましょう。
電子レンジで大根に素早く味を染み込ませる方法
大根料理の悩みで多いのが「大根が柔らかくならない」「大根に味が染み込まない」の2つですが、大根が柔らかくならないという方のほとんどは下茹でしていなかったのが原因です。
では、大根に味が染み込まない場合はどうしたらいいのでしょうか?ここでは大根に素早く味が染み込むコツをご紹介します。
〈材料〉
- 大根:1/2
- つゆ
水:200cc
だしの素:小さじ1杯程度
醤油:10cc~お好みで
みりん:10cc~お好みで
- 沸騰させたお湯の中に、だしの素、醤油、みりんを加えてつゆを作り、ボウルに移して冷蔵庫で冷やしておきます。
- 大根を3~4cm程度の輪切りにします。
- 大根の皮を厚めにむきます。
- 大根の角に包丁をあて、まわしながら角をそぎ落とします。
- 切り口を上にして置き、1cmほどの深さで十字に切り込みを入れます。
- 耐熱皿に大根を並べて水を50ccほど入れます。
- ラップをしてレンジで加熱します。加熱時間は600Wで約10分程度。
- 熱い大根を冷ましたつゆに漬け込みます。
- 5分程放置すると味が染み込みます。
コツは熱い大根を冷たいつゆに入れることで、大根がつゆを吸い取ります。
最後に
大根が柔らかくならない時の原因をご紹介しましたが、大根を下茹でしたかしないかで味や仕上げが違います。少々面倒に感じても大根は下茹でしましょう。
大根を下茹ですると、大根が柔らかくなるだけでなくアクを取ってくれますので味が良くなります。また、透明感がでますので見た目も綺麗に仕上がります。