目次
鉄フライパンの茶色い汚れ
鉄フライパンに染み込んでいる茶色いシミのような汚れの原因は「使い始めの鉄フライパンの茶色い汚れ」と「使い込んだ鉄フライパンの茶色い汚れ」では原因が異なります。
使い始めの鉄フライパンの茶色い汚れ
鉄フライパンは使い込むほど油がなじんで油膜が形成されていきます。その油膜によって焦げ付きにくくなり使いやすくなります。
鉄フライパンの茶色いシミのような汚れは使用した油の油膜ですが、使い始めのころは油のなじみがまばらで茶色い部分とそうでない部分が出てきてしまいますのでシミのように見えるのです。
茶色いシミ汚れは使い込んでいくうちに鉄フライパン全体に油膜ができて茶色から黒っぽくなり、艶も出てきます。
使い始めの時に出る茶色いシミ汚れが気になる時は、鉄フライパンを使う前に「油ならし」という下準備をしておくと防止することができます。
「油ならし」をしたのに茶色いシミ汚れが出たという場合は、「油ならし」の下処理が不十分だった可能性があります。
使い込んだ鉄フライパンの茶色い汚れ
使い込んだ鉄フライパンついている茶色い汚れは、調理で使用した油汚れや煮汁の吹きこぼれなどが焦げついてできたものです。この焦げ付きを防止する方法として「油返し」というものがあります。
《 ポイント 》
- 鉄フライパンの茶色い汚れの原因は、使い始めの鉄フライパンについた油膜が原因の場合と調理で使用した油や調味料が焦げ付いてこびりつたのが原因の場合がある。
- 鉄フライパンが茶色くなるのを防ぐ方法として「油ならし」と「油返し」がある。
鉄フライパンの茶色の汚れの落とし方
鉄フライパンに焦げ付いた油や煮汁などの茶色い汚れを取る方法を3つご紹介します。
加熱して鉄フライパンの茶色い汚れを落とす方法
鉄フライパンを洗う時は、お湯とたわしでこすり洗いしますが、こびり付いて取れないガンコな汚れは沸騰させて汚れを浮かせましょう。
〈用意するもの〉
- たわし
- ヘラ
〈手順〉
- 鉄フライパンの汚れや焦げが隠れるほどの水をいれます。
- 中火で加熱し15分程沸騰させて汚れをふやかします。
- 汚れが浮いてきたら火を止めて30分程放置します。
- たわしやへらを使って焦げ付きをこすり落とします。
- 水を流しながらしっかり汚れをすすぎます。
- キッチンペーパーで水滴を拭き取ります。
- 中火で加熱し水分を飛ばしたら完了です。
重曹で鉄フライパンの茶色い汚れを落とす方法
〈用意するもの〉
- 重曹
- 鉄フライパンが入る鍋
- スチールウールまたは硬いスポンジ
〈手順〉
- 水1リットルに対し、重曹を大さじ5杯入れて重曹水を作ります。
- 鉄フライパンが入る鍋に重曹水と鉄フライパンを入れます。
- 鍋を火にかけて15分ほど沸騰させます。
- 鉄フライパンを取り出して冷まします。
- 鉄フライパンが冷めたらスチールウールまたは硬いスポンジで汚れを擦って洗います。
- 汚れが残っている場合は、重曹を少々ふりかけます。
- 重曹を水で溶かしながら汚れを擦り落とします。
- 汚れが落ちたら水洗いしましょう。
- 中火で加熱し水分を飛ばしたら完了です。
食器用洗剤で鉄フライパンの茶色い汚れを落とす方法
〈用意するもの〉
- 食器用洗剤(スプレー)
- ラップ
- スチールウールまたは硬いスポンジ
〈手順〉
- フライパン全体に食器用洗剤をまんべんなくスプレーします。
※スプレータイプの食器用洗剤が無い場合は、スプレーボトルに食器洗い用洗剤と水を溶かして使いましょう。 - 食器洗い用洗剤をしっかりスプレーしたらラップをピッタリかけて密封状態にします。
- 1時間ほど放置します。
- ラップを外し、水を流しながらスチールウールまたは硬いスポンジで汚れを擦って洗います。
この方法で鉄フライパンの茶色い汚れを落としましょう。
《 ポイント 》
- 鉄フライパンに焦げ付いた油や煮汁などの茶色い汚れを取るには重曹や食器用洗剤を使う。
鉄フライパンが赤茶色になった時の対処法
鉄フライパンが赤茶色になった場合、タンパク質汚れが焦げてこびり付いた可能性があります。
〈用意するもの〉
- 食器用洗剤
- 大きめのたわし
〈手順〉
- 鉄フライパンを中火で加熱し5分程加熱します。
- 赤茶色の部分が黒っぽくなったら火を止めます。
- 食器用洗剤を付けたたわしで鉄フライパンをゴシゴシ洗います。
- 食器用洗剤を水で洗い流します。
- 鉄フライパンを中火にかけて水分を飛ばしながら3分程加熱します。
- 弱火にしてから油を大さじ3杯入れ、5分ほどなじませます。
- 火を止め、菜箸でキッチンペーパーを使って油を塗り込むようにしながら拭き取ります。
- 洗剤をつけないたわしで軽く擦りながら油を洗い流します。
- 中火で加熱し水分を飛ばしたら完了です。
これで赤茶色の汚れが落ちて黒光りします。
鉄フライパンの茶色い汚れを防ぐ方法
鉄フライパンを初めて使う前にする作業や茶色い汚れが付くのを防ぐ方法を紹介します。鉄フライパンを初めて使う前に、「空焼き」→「油ならし」の順に作業しましょう。
使う前にする作業1:空焼き
鉄フライパンを使う前に「空焼き」を行います。一般的に販売されている鉄フライパンはサビを防ぐ薬剤(防錆剤・ぼうせいざい)が加工されています。
この防錆加工を鉄フライパンから取り除く作業が「空焼き」です。
〈用意するもの〉
- 濡れた布巾
〈空焼きの手順〉
- 鉄フライパンの取っ手に濡れ布巾を巻きます。
- 鉄フライパンを中火で加熱し、温かくなったら強火にします。
- 鉄フライパンの色が灰色に変わるまでひたすら強火で焼き続けます。
※煙が出ますがそのまま続けてください。 - 1時間ほど加熱すると鉄フライパンの底面が焼けて灰色になります。
- 鉄フライパンの外側も色が灰色になるまで位置を動かしながら焼き続けます。
- 1時間ほど加熱すると鉄フライパンの外側が焼けて灰色になります。
- 鉄フライパン全体が灰色になったら空焼きの完成です!
引き続き「油ならし」の作業をします。
使う前にする作業2:油ならし
〈用意するもの〉
- 油:1/2~1カップ
〈手順〉
- 鉄フライパンを食器用洗剤で洗います。
- 鉄フライパンを中火で加熱し水分を飛ばします。
- 火を止めて1/2~1カップの多めの油を鉄フライパンに入れます。
- 弱火で3分程加熱します。
- 火を止めて油をオイルペットなどに移します。
- 菜箸でキッチンペーパーを使って油を塗り込むようにしながら拭き取ります。
引き続き「臭いを取る」作業をします。
鉄フライパンには独特な金属の臭いがします。鉄フライパンの鉄の臭いが気になる場合は野菜くずを炒めると臭いが取れます。
- 野菜くず:人参の皮やヘタ、キャベツの芯、玉ねぎの皮や芯、ネギの青い部分など
ここまでで、使用前の作業は完了です。
茶色い汚れや焦げ付きを防ぐ方法:油返し
「油返し」とは、鉄フライパンが茶色に汚れるのを防ぎ、焦げ付きにくくするためにプロが調理前に行っている作業です。
〈用意するもの〉
- 油:大さじ3杯程度
〈手順〉
- 鉄フライパンを中火で加熱します。
- 煙が出始める直前に火を弱火にします。
- 大さじ3杯程度の油を鉄フライパンに入れます。
- 弱火のまま3分程度加熱します。
- 火を止めて油をオイルポットなどに移します。
- 調理に必要な油を入れて調理を始めましょう!
調理人のプロは、この「油返し」を調理する前に必ずします。
《 ポイント 》
- 鉄フライパンを使う前に「油ならし」をして茶色に汚れるのを防ぐ。
- 調理の前に毎回「油かえし」をして焦げ付きにくくする。
最後に
鉄フライパンの茶色い汚れのほとんどは油や調味料や煮汁が焦げ付いたものですので、調理後は汚れを残さないようしっかり焦げ付きを洗い流しましょう。
焦げ付きをキレイに落としたらしっかり水分を飛ばしてください。水分が残っているとサビの原因になりますので注意しましょう。
鉄フライパンは正しい使い方・お手入れ方法をすれば100年持つと言われています。使い続けている内に愛着がわいてくると思いますので一生ものとして大切に使いましょう。