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りんごは冷蔵庫で半年保存できる?
りんごは冷蔵庫で半年持つってホント?
半年ほど前に、冷蔵庫に入れたまま食べ忘れていたりんご(ふじ)がでてきたのですが、割ってみると特に傷んでいるわけでもなく、少々水分が減ってパサパサ感はありましたが食べることができました。
通常、りんご(ふじ)の賞味期限は2ヵ月ほどですが、なぜ半年も保存できたのでしょうか。実は、りんごが冷蔵庫で半年保存できる理由は、りんごの特徴によるものなのです。
りんごはエチレンガスで追熟させる
りんごは大量のエチレンガスを発生させます。エチレンガスは成長ホルモンのような働きがあり、りんごを熟成させる効果があります。エチレンガスにより収穫後も追熟されるため、りんごは早めに収穫されるのです。
ただし、忘れてはいけないのは、りんごのエチレンガスはりんごのそばに置いた他の果物や野菜などにも作用することです。
他の果物や野菜を長期保存したいと思っても、りんごのエチレンガスのせいであっと言う間に熟成してしまい、痛みが早くなる原因になります。
たとえば、キウイが良い例です。熟成前の硬いキウイもりんごと一緒に袋に入れるとあっと言う間に熟成します。キウイの状態によっては、りんごのそばに置くと通常の倍の早さで熟成するようです。
りんごを冷蔵庫で半年保存するための工夫
りんごのエチレンガスが追熟を早めるのであれば、逆に考えると、りんごのエチレンガスを発生させなければ、追熟されず長期保存できることになりますね。りんごを冷蔵庫で半年保存できるのも可能だということになります。
エチレンガスを発生させず、りんごを冷蔵庫で半年保存させるために重量なポイントはりんごの「保存状態」と「温度管理」です。
【リンゴの保存状態】
りんごからエチレンガスを発生させないためには、りんごを密封しなければなりません。りんごを密封した状態で保存するとエチレンガスの発生を抑え、冷蔵庫で半年保存することが可能です。
【温度管理】
りんごからエチレンガスを発生させないためには、りんごを密封することです。りんごは18度以上になると味が落ちていきますので温度管理は大切です。
たとえば、暖房のきいた部屋は室内温度が高いため、どんどん味が落ちてしまいますので暖房のあたらない冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
冷蔵庫で半年保存できる品種
りんごの品種によって賞味期限・保存期間が異なります。私の冷蔵庫で半年保存できたりんごの品種は「ふじ」でしたが、他の品種に比べて「ふじ」は賞味期限の長いりんごです。
【りんごの品種別賞味期限】
りんごの品種は大きく分けて4つあります。収穫時期が早い品種は日持ちしませんが、収穫時期が遅い品種は日持ちするものが多いです。
【収穫時期順】
- 極早生種:恋空など
- 早生種 :つがる、きおうなど
- 中生種 :紅玉、陸王、早生ふじなど
- 晩生種 :サンふじ、ふじ、シナノゴールドなど
蜜入りりんごは長期保存できない
りんごを割った時、実の中に透明な黄色の蜜が入っているものがあります。この蜜があるりんごはみずみずしく甘くて美味しいですよね。
蜜入りのりんごはすでに食べ頃ですので長持ちしません。冷蔵庫で半年保存することは不可能ですので、できるだけ早く食べましょう。
《 ポイント 》
- りんごは収穫後もりんごから発生するエチレンガスによって追熟される。
- りんごを冷蔵庫で半年保存させるために重量なポイントはりんごのエチレンガスを発生させないこと。
- りんごは密封して18度以上の環境で保存すると長期保存できる。
- りんごの品種によって賞味期限は異なる。「ふじ」が一番日持ちする。
りんごを冷蔵庫で半年近く保存する方法
基本的に、りんごは日持ちする果物です。保存方法にさえ気を付ければ冷蔵庫で半年近く保存することが可能です。
りんごは乾燥と高温に弱い果物です。水分を失うごとに味も落ちていきます。ですので、りんごを美味しく長期保存する場合は温度は0~5度未満、湿度80%以上の環境で保存するのをおすすめします。
それでは、りんごを冷蔵庫で半年保存するための手順をご紹介します。
【用意するもの】
- キッチンペーパー
- ラップ
- 保存用バッグ
【手順】
- りんごの軸を取ります。
- りんごの軸の上に、水で濡らしたキッチンペーパーを被せます。
- りんごをラップでぴったり包みます。
- 保存用バッグに入れます。
- 冷蔵庫の野菜室に入れます。
これでりんごを冷蔵庫で長期保存できます。ただし、りんごの品種や熟成度合によって長期保存できない場合がありますので注意しましょう。
《 りんごを長期保存させる方法 》
- ①りんごの軸を取り、軸の上に水で濡らしたキッチンペーパーを被せる。
- ②りんごをラップで包み、保存用バッグに入れて野菜室で保存する。
りんごを冷蔵庫で保存するときに気を付けること
他の果物や野菜をそばに置かない
りんごが発生するエチレンガスは、近くに置いた他の果物や野菜もあっと言う間に追熟させますので、痛みも早くなります。ですので、りんごのそばには、他の果物や野菜を置かないよう注意しましょう。
紙袋に入れる
りんごを長期保存ではなく短期保存で食べる場合も、りんごの乾燥を防ぐために、りんごを1個ずつキッチンペーパーや新聞紙などで包み、紙袋やビニール袋に入れて保存しましょう。
りんごは温度変化に弱い
りんごは温度管理が重要で、保存温度の変化に弱いくだものです。冷蔵保存しているりんごを、冷蔵庫からいったん取り出し、常温で一日放置したあと翌日冷蔵庫に戻すなど、温度変化がおきるたびに品質や味が落ちてしまいますので食べるまで冷蔵庫から出さないようにしましょう。
りんごは常温だと何日くらい持つ?
常温保存で2週間~1ヵ月
工夫次第でりんごを冷蔵庫で半年近く保存することができますが、通常、常温保存で2週間~1ヵ月ほどです。
りんごの賞味期限は、りんごの種類や収穫時期によって異なりますが、りんごは18度以上になるとどんどん味が落ちていきます。常温保存するなら、たとえ冬でも暖房がある部屋には置かず冷暗所で保存しましょう。
腐ったりんごの見分け方
りんごは腐っていなければ水分が飛んでぱさぱさしても食べることができますが、腐ったらもちろん食べることはできません。りんごが腐るとどうなるのでしょうか?
【腐ったりんごの臭い】
- 酸っぱい臭いがする
- 変な臭いがする
りんごから酸っぱい臭いや変な臭いがする時は腐っていると思って食べずに捨てることをおすすめします。
また、見た目はさほど変わりはなくても、切ったら変な臭いがすることがありますが、それはりんごの中に菌やカビが繁殖している可能性がありますので注意しましょう。
【腐ったりんごの見た目】
- ぶよぶよする
- 皮が茶色や黒に変色している
- カビが生えている
- 指で押すと皮がしわになる
など
このような状態のりんごは腐っていますので食べずに捨てましょう。また、りんごの皮がちょっとだけ茶色に変色しているくらいでも、切ったらカビだらけということがありますので注意しましょう。
最後に
りんごが冷蔵庫で半年もつ保存方法を紹介しましたが、全てのりんごが半年もつわけではありません。
りんごの品種「ふじ」は長期保存がしやすい品種ですが、「恋空」や「つがる」は日持ちしませんので冷蔵庫で半年保存するのはほぼ不可能です。長期保存したい時は「ふじ」を選びましょう。
《 りんご豆知識 》
りんごは冷やした方が美味しいのをご存じですか?
りんごに含まれる果糖はフルクトースという種類で、フルクトースは冷やすと甘みが増すと言う性質がありますので、冷蔵保存しているりんごは食べる直前に出して冷たいうちに食べましょう。