目次
喪中は身内の不幸を悼み喪に服する期間のこと
日本の風習として古くから受け継がれてきている『喪中』。喪中とは、身内に不幸が起きた時、その死を悼み喪に服する期間を指します。忌中という言葉もありますが、これは神道において死による穢れを他人に移さないようにするために自宅にこもる期間を指します。
喪中は故人との関係性によって期間が異なりますが、一般的に故人が亡くなってから最大1年の期間を喪中とすることが多いです。忌中は四十九日法要までを忌中と呼ぶため、喪中は忌中を含む期間となります。
喪中にやってはいけない『NG行為』5選
身内に不幸があった際に喪に服する期間を指す『喪中』。この喪中の期間には、一般的にやってはいけない行動があることをご存知でしょうか。ここでは喪中にやってはいけないNG行為について紹介するので、喪中の方は注意しましょう。
1.年賀状を送る
有名な作法ですが、喪中に年賀状を送る行為は控えるべきとされています。喪中は喪に服する期間であるため、年が明けたことを祝い、新年の挨拶を伝える年賀状は適していないと考えられているからです。
喪中の場合は、11月〜12月上旬(12月15日まで)に、新年の挨拶を控えさせていただく旨を知らせる『喪中はがき』を送りましょう。
また、喪中では新年の挨拶である「あけましておめでとうございます」という言葉も慎むべきと考えられています。お正月に関わるお祝い事は基本的に控えましょう。
2.初詣などの神社への参拝
初詣はもちろん、喪中の期間に人事への参拝は控えるべきとされています。神道において「死は穢れ」という考えがあるため、身内に不幸があり喪に服している期間は、神様の元へ穢れを持ち込んではいけないと考えられているのです。
通常の参拝や初詣はもちろん、基本的にはお宮参りや七五三も避けたほうが無難と言われています。ただし、お宮参りや七五三は、年齢に制限がありそのタイミングでしか執り行うことができません。
そのため、あらかじめ神社側にお伺いを立て、許可を得た場合にのみ参拝や祈祷を行ってもらいましょう。その際、神社へ参拝する前にお寺で厄払いを行うと良いでしょう。
3.入籍や結婚式を挙げる
喪に服している期間は死を悼むためにあります。そのため、お祝い事を自分から執り行う行為は基本的に控えるべきだと考えられています。
「身内に不幸があったのに、お祝い事をするなんて」という考えを持つ人は現在でもとても多いです。また一般的な常識として、やはりお祝いする前に、まずは故人の死を悼み安らかに眠れるよう祈ることが優先です。
しかし、故人が結婚式を待ち望んでいた場合や、両家の都合でこの年に挙式しなければいけないという場合は、忌中が明けてから執り行うケースもあります。
4.知人の結婚式などお祝いの席への出席
自身でお祝い事を執り行うことはもちろん、知人の結婚式などお祝いの席への出席も控えるべきと考えられています。
これは、身内に不幸があったため行動を慎むべきという意味もありますが、相手のお祝いの席に「死」という穢れを持ち込んでしまうのは良くないという考えも投影されています。
ただし、結婚式というのは一生に一度です。とても親しい知人の結婚式などは、ぜひ出席してお祝いしたいという気持ちもあるでしょう。近年は、喪中であることを事前に相手に伝え、それでも出席して大丈夫かというお伺いを立てた上で出席する人も多いです。
5.自宅の神棚の扉を開ける
自宅に神棚がある場合、喪中の間は神棚の扉を開ける行為は禁止されています。これは、神棚には神様が祀られているため、穢れを神様の元へと持ち込まないようにするという意味合いがあります。
しかし、何も伝えず神様を放置することもできません。そのため、喪に服する際に「身内が亡くなったので一度閉じさせていただきます」と神様に報告した上で扉を閉めます。最後に扉の上から半紙を掛けてください。
喪中期間はお祝い事や神事は避けて行動しよう
喪中期間は故人の死を悼むこと、そして神様やお祝いの席へ穢れを持ち込まないようにするという2点を重視します。現代では「気持ちの問題」と考えられることも多いですが、やはり身内に不幸があった期間は、できる限り「控えるべき」とされている行為は避けるべきでしょう。