目次
テフロン加工で揚げ物はNG?OK?
テフロン加工ってそもそも何?
テフロン加工とは、フッ素樹脂というものをコーティングしたのもです。
フッ素樹脂はこびりつきにくい、焦げにくいという特徴があり、鉄やスチールやアルミなどの金属のフライパンや鍋にコーティングすることで、こびりつきやこげつきが少ないフライパンや鍋ができました。
ちょっとまぎらわしいですが、テフロン加工とフッ素樹脂加工は同じものですが、テフロンという名前はアメリカのデュポン社の商標登録です。一般的には「フッ素樹脂」と呼ばれています。
テフロン加工で揚げ物をしても大丈夫なの?
結論を先に言いますと、テフロン加工の鍋で揚げ物をすることができます。
揚げ物するのに、テフロン加工された鍋を使うと、テフロン加工が溶けたり、剝がれたりして体に害を及ぼすのでは…?といった声が多く聞かれますが、そんなことはありませんので大丈夫です。
テフロン加工に限らず揚げ物をするには、揚げ物に適した油の『適温』はあります。適温は、美味しくカラッと上げるための目安であり、安全に調理するための目安でもあります。
『適正な温度』でテフロン加工の鍋を使用して、揚げ物をする分には問題はありません。
テフロン加工の鍋での揚げ物が危険と思われている理由
テフロン加工の鍋で揚げ物すると、その加工部分がはがれて成分が溶け出し、それが人体に有害なのでは?というところからの不安が多いようです。
テフロンの成分が溶けだしてしまうなら、確かに危険だと思います。では、このテフロンが溶けて液体になって流出する温度、融点は何度なのでしょうか?
テフロン加工の耐熱温度は高温!揚げ物の加熱に問題は無し
テフロン加工の耐熱温度は250度~270度で、長時間の使用に耐えることができるそうです。加工面の表面温度が260度を超えると劣化し始め、400度近に到達すると溶解が始まるといわれています。
揚げ物を含め、普通に安全な環境で調理をしている最中であれば、テフロン加工が融解することも有害なガが発生することはありません。
高熱によりテフロンの融解や分解が起きてしまう、という部分だけが先行して、テフロン加工の鍋での揚げ物は危険というイメージができてしまったようです。
テフロン加工とは、鉄やスチールやアルミなどの金属の上にフッ素樹脂をコーティングしたもので、そのコーティングにより、こびりつきにくい、こげにくいフライパンや鍋ができる。
《 ポイント 》
- テフロン加工=フッ素樹脂加工である。
- テフロン加工の鍋で揚げ物はできる。
- 一般な揚げ物に適した温度なら問題はない。
- テフロン加工の耐熱温度は250度~270度。
テフロン加工の鍋やフライパンを揚げ物に使う際の注意点
空焚きはNG!
テフロン加工の耐熱温度は250度~270度ですが、フライパンを強火で1分空焚きするとあっという間に250度を超えます。また、5分ほどで400度近くなりテフロン加工は破損します。空焚きは絶対やめましょう。
調理前の予熱は1分程度
調理前にフライパンを予熱する場合、中火で1分以内にしましょう。強火で1分加熱するとあっという間に250度を超えてしまいますので注意しましょう。
揚げ物にフライパンは使わない
フライパンは底が浅く油が外に飛び散り引火する可能性がありますので、フライパンでは揚げないようにしましょう。
中火で調理する
テフロン加工の耐熱温度は250度~270度ですので、それを超えないよう中火で調理しましょう。ただし、たとえ中火でも空焚きだけはしないでください。
金属製の調理器具は使わない
金属製のお玉、フライパン返し、泡だて器、トングなどを使って、うっかりテフロンに傷をつけると、そこから劣化してひび割れや変形する可能性もありますので、直接鍋に触れる調理器具はシリコン製や木製を使いましょう。
急激に冷やすのはNG
使用した熱々のフライパンや鍋に冷水をかけて急激に冷やのはやめましょう。ひび割れや変形など破損する可能性があります。しっかり冷ましてから洗いましょう。
料理の入れっぱなしはNG
テフロン加工は表面に小さな穴が無数にあり、油や料理を入れっぱなしにしているとその小さな穴に油や料理の汁などが染み込み、その穴から傷がついてサビやすくなります。
テフロン加工のフライパンで調理したあとは、すぐ外の器にうつして、残った油や水分をキッチンペーパーなどで拭き取りましょう。
テフロン加工は揚げ物以外の調理向き?
テフロン加工が揚げ物以外にどのような調理に向いているかは、テフロン加工の特徴でわかります。テフロン加工の大きな特徴といえば「くっつきにくい」「焦げにくい」ですが、他の特徴も見てみましょう。
テフロン加工の特徴
- くっつきにくい
- 焦げにくい
- 熱ムラが少ない
- 熱伝達が良い
料理の失敗で多いのは焦げつきですよね。フライパンや鍋にくっつくから焦げるし、熱にムラがあるから焦げる…ですので、基本的にテフロン加工はいろいろな料理に使うことができます。
「熱ムラが少ない=焼きムラが少ない」なので、平均的に火をあてることができます。ただし、強火で焼いて焦げめをつける料理などには不向きですので中火で調理しましょう。
〈テフロン加工のフライパンに向いている料理〉
- 肉や魚のソテー
- ぎょうざ
- 目玉焼き
- 野菜炒め
- お好み焼き
- ホットケーキ など
熱伝達が早いので、短時間で全体に火を通すことができます。
〈テフロン加工の鍋に向いている料理〉
- 煮込み料理全般
- 煮びたし
- 煮魚
- 野菜をゆでる
- パスタを茹でる など
テフロン加工は揚げ物は適している?
テフロン加工の特徴を生かした料理が適しているとしたら、揚げ物はどうなのでしょうか?
くっつきにくい、焦げにくい特徴を考えると…そもそも揚げ物は油を使いますので食材がフライパンにくっつくことはありません。
また、フライパンだから焦げるということもありませんよね。揚げ物が焦げるのは油の温度や揚げる時間が影響するので、テフロン加工だから、焦げないというのも当てはまりません。
つまり、わざわざテフロン加工で揚げ物をする必要はないということですね。
揚げ物にはテフロン加工より鉄フライパンや揚げ物専用の鍋がおすすめ?
鉄のフライパンは高温調理に最適
鉄のフライパンは1600度の超高温に耐えることができます。テフロン加工の耐熱温度は250度~270度ですので、比較になりませんね。
中華料理には鉄のフライパンや鍋が使われていますが、中華料理は強火で短時間にさっと調理する料理が多く、鉄鍋に向いています。
たとえば、超強火の鉄鍋で揚げ物や肉料理や魚介料理を作ると、表面は適度な焼き焦げがついてカリッとしていますが、中は肉や魚の汁や旨味が閉じ込められて美味しく調理できます。
また、チャーハンは水分が強火で飛ばされ、パラパラ口当たり良く仕上がります。
揚げ物専用の鍋はカラッと揚げる
揚げ物専用鍋の特徴は、耐熱温度が高く、美味しく揚げやすい、使いやすい、劣化しにくい、後処理が楽、などがあります。
揚げ物専用の鍋は保温性が良く、一定温度でムラなく熱することができますので、カラっと揚げることができます。冷凍の食材を入れて油の温度が下がってもすぐに元の温度に戻ります。
これらのことから、テフロン加工より鉄のフライパンや揚げ物専用の鍋の方が揚げ物料理に向いているといえます。
最後に
テフロン加工で揚げ物ができるというお話をしましたが、常識範囲の温度で揚げれば何にも問題はありませんでしたね。
テフロン加工のフライパンはすべりが良いので私は目玉焼きを作る回数が増えました。また焦げつきがないので、肉を焼いた後そのまま煮物にも使っています。
くっつきにくいので、洗い物もとっても楽で、キッチンペーパーでさっと拭くだけでも汚れが落ちて洗い物が楽になります。
美味しい料理が作れて後片付けも簡単なテフロン加工のフライパンは一度使ったら手放せませんね!