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メロンは切ったら追熟できない?
メロンを切ったら固かったことはありませんか?それは「追熟(ついじゅく)」していないのが原因です。
<追熟とは>
皆さんは追熟という言葉をご存知でしょうか。「メロンの追熟が進む」といった言い方がありますが、メロンの追熟とは収穫後に一定期間置くことで甘さが増したり果肉が柔らかくなるように完熟させる工程のことを言います。
市販されているメロンは出荷時は殆どが追熟しておらず、一定期間自宅の室温で追熟させることで、甘くて美味しい食べごろのメロンになります。
メロンの底の中心付近が柔らかくなり、押したときに凹むくらいになったら追熟が進み完熟した食べごろのサインになります。
メロンの食べごろの目安のおおよその時期については、貼付のシールや同梱されたチラシなどに記載されていることが多いですので、購入の際やいただきもののメロンにそれらがあるかどうか確認してみると良いでしょう。
切ったメロンは追熟はできない
一度冷蔵庫に入れてから数時間以上経過した上に、すでに切ってしまった固いメロンは残念なが らここから自然に追熟させることはできません。ただし、切ったら固くて甘くなかったメロンを、 美味しくさせる方法はあります。(後述します)
切ったメロンの賞味期限
切ってしまったメロンは、冷蔵保存で2~3日程度になります。それを超えると傷み始めますの で、切ったメロンは早めに食べきってしまった方が良いでしょう。水分の多いメロンは、切ってし まってからあまり日持ちはしませんん。
メロンを切ったら固かった時に甘くする方法
追熟が進まず、切ったら固かったメロンは、家庭にあるもので甘く追熟を進めることが可能なようです。自然に追熟することはできませんが、以下のような方法だと切ったら固かったメロンも甘く柔らかくすることが可能なようです。
こちらでは切ったら固かったメロンを人工的にご自宅で甘く追熟させる方法についてご紹介いたします。
メロンを電子レンジで追熟させる
メロンの種を取り除いて4~8等分程度に切った後、お皿に並べてラップはせずにそのまま電子レンジに入れて500~600ワットで30秒以上加熱します。
電子レンジで加熱している際に、メロンの甘い香りがしてきたら出来上がりのサインになります。追熟が進んだメロンは、粗熱が取れたらラップをかけて冷蔵庫で冷やし、当日中~翌日までにはお召し上がりください。
メロンをリンゴとバナナと一緒に冷蔵庫に入れる
切ったら固かったメロンは、冷蔵庫で追熟させましょう。メロンは冷蔵庫で追熟しないといわれていますが、りんごやバナナを一緒にメロンの横に置いておくと、りんごやバナナから放出されるエチレンガスの作用で追熟が進むことがあるそうです。
エチレンガスは野菜や果物が分泌する植物ホルモンの一種で、自らの熟成を促す作用があります。リンゴが赤く色づいたり、バナナが徐々に柔らかくなり皮が黒くなる過程は、エチレンガスの作用によるものです。
放出されたエチレンガスは、分泌した果物そのもの以外に周囲にある果物や野菜にも影響を与えるため、バナナやリンゴを完熟していない切ってしまったメロンの隣に置いておくと、メロンの追熟を進めてくれることがあります。
しかし、熟成が進むとともに劣化も進みますので、翌日には食べてしまう事をお勧めします。なお、エチレンガスの生成量が多いのはリンゴや桃、西洋梨などの果物だそうです。
切ったら固かったメロンの使い方
電子レンジや果物のエチレンガスの作用を使って、切ったら固かった未熟のメロンの追熟についてご紹介してきました。こちらでは、切ったら固かったメロンを使ったレシピをご紹介いたします。
固いメロンを使ったコンポート
<材料>
- 切ったら固かった甘くないメロン全部
- 砂糖:お好みの量で1カップ~2カップ
- レモン汁:大さじ2杯
<作り方>
- みじん切りにしたメロンを鍋に入れ、上から砂糖をまぶすように入れる。
- 木べらなどで、1を混ぜ合わせたら15分~20分程度なじませるために寝かせておく。
- 2を中火にかけ火が通り、メロンの色が鮮やかなうちにレモン汁を入れ、すぐに火を止める。
- 粗熱が取れたら保存容器に入れて、冷蔵又は冷凍で保存する。
コンポートはゼリーにしたり、ミキサーやジューサーでスムージーにしたり、冷凍にしたメロン でシャーベットにしたり、アイスに添えたり、炭酸水で割ったメロンソーダなど、汎用性があり とても便利です。
固いメロンを使ったハチミツヨーグルト
<材料>
- 切ったら固かった甘くないメロン全部
- はしみつまたはオリゴ糖など:適量
- りんごやなしなどの季節の甘い果物:1個
- 塩:ほんの一つまみ
- ナチュラルヨーグルト:1カップ~1カップ半程度(お好みで)
<作り方>
- メロンと果物を一口大サイズに同じような大きさに切る。
- 1をボウルに入れ、上から塩を振り入れて木べらで軽く混ぜ合わせる。
- はちみつまたはオリゴ糖を2に入れ、木べらでよく混ぜ合わせ、ラップをして20分程度冷蔵庫で寝かせる。
- 冷蔵庫から3を取り出し、最後にナチュラルヨーグルトを混ぜ合わせる。ここで味をみて、甘みがたりなければ、ハチミツかオリゴ糖を少し加えて味整える。
- 4にラップを被せ、冷蔵庫で2時間~3時間冷やして出来上がり。
メロンの食べごろのサイン
メロンが完熟したかどうか、食べごろになっているかどうかは、香りとツルの部分とメロンの弾力の状態で確認できるようです。
このようなメロンが、食べごろメロンの特徴になります。
- メロンの甘い香りが強くなってきた
- メロンの色合いが黄色っぽくなってきた
- メロンのツルがしなびてきかけれど、つけ根は青い
- メロンの底の中心の部分を押してみると、やわらかい
まだ食べごろではない未熟なメロンは、底の中心付近の部分はかたい状態ですが、追熟が進むと、底の中心あたりの部分がやわらかくなってきます。
メロンの底の中心あたりを押したとき、柔らかく、軽く凹むようになっていたら、完熟状態で食べごろになります。
美味しいメロンの見分け方
完熟したメロンの状態は分かりましたが、こちらでは、美味しいメロンを見分けるにはどのようなポイントを押さえて選べばよいか、ご紹介いたします。
網目があるメロンの場合
マスクメロンなど、高級メロンには網目があります。このような網メロンを選ぶ場合、網が緻密で盛り上がって成長しているものを選ぶようにしましょう。
この網がしっかり盛り上がっているメロンは肉厚で良いメロンだそうです。また、表面に傷や変色の無いものを選ぶことがポイントになります。
網目のないメロンの場合
プリンスメロンなど表面に網がないメロンを選ぶ場合は、黒っぽい斑点やスジが入っていないものを選ぶようにしましょう。
また、表皮がきれいでサイズは大きめなものを選びます。表面の色は均一で部分的に変色しているようなものは選ばないようにしましょう。
すべてのタイプのメロンに共通
メロンの種類を問わず、メロンの底の部分が飛び出していないものを選んでください。全体的に 形が良く、バランスのよい形のメロンを選んでください。
最後に
うっかりまだ追熟が進んでいない、固いメロンを切ってしまった際は、美味しく食べるための 救済処置があることが分かりましたね。
捨てることなく美味しく頂くことが出来ますが、メロンの状態をよく観察し、食べごろになっているかどうか確認をしてから切るようにしましょう。メロンの追熟の進み具合に気を付けてみてください。