目次
腐った麦茶の見分け方
酸っぱい臭いがする
麦茶が腐ると酸っぱい臭いがします。グラスに注いだ瞬間に感じることがあります。口や鼻に近づけるまで気づけないこともあります。
ペットボトルの麦茶は蓋を開けてから、茶葉は水出しや煮出しをしてから数日が経っている場合には、においを嗅いでから飲むようにしてください。新鮮な麦茶は爽やかなすっきりとした香りがします。ほんのりとでも酸っぱい臭いを感じたら腐っていると判断した方が良いです。
酸っぱい味がする
麦茶が腐ると酸っぱい味がします。口に入れた瞬間に気づきますが、思わず飲み込んでしまうかもしれません。飲みかけのペットボトルに入った麦茶は腐りやすいので、冷蔵庫から取り出した時、慎重に味を確認してください。ほんのりとでも酸っぱい味を感じたら腐っていると判断した方が良いです。
茶葉を水出しや煮出ししたばかりなのに酸っぱい味がすることがあります。腐っているわけではありませんが、茶葉の状態は決してよくありません。茶葉が酸化して古くなると淹れたばかりの麦茶でも酸っぱい味がすることがあります。腐っていなくてもお腹を壊してしまう可能性があるため、新しい茶葉で麦茶を淹れるようにしてください。
甘い味がする
麦茶が腐りかけている時、甘い味がします。腐って酸っぱい味がする少し前、香ばしさがなくなり、甘い味を感じることがあります。麦茶を甘いと表現することってあまりないことですよね。いつもの麦茶の味にはない甘い味を感じた時は腐りかけていると判断した方が良いです。
苦い味がする
麦茶を苦いと感じた時、腐っているとは判断しづらいです。茶葉を水出しや煮出した時、味が濃くなって苦く感じることがあります。
茶葉の種類のよって苦味が違うため、いつも飲んでいる麦茶よりも苦く感じてしまったということがあります。水道水を使って麦茶を作るとカルキが混じることで苦いと感じることがあります。
白い「にごり」が出る
麦茶が腐ると全体的に白いにごりが出ます。新鮮な麦茶は澄んでいて透明感がありますよね。ほんのりとでもにごりを感じたら腐り始めているサインです。全体的に白いにごりを感じた時には腐ってから時間が経っています。ニオイや味を確かめるまでもありません。
とろみが出る
麦茶が腐ると、とろみが出ます。ニオイや味には変化がない場合があります。口に含むまで気づけないことがあります。
ほんのわずかでも口当たりに違和感がある時は腐っていると判断した方が良いです。腐ってから時間が経つとボトルを動かすだけで麦茶にとろみが出ていることがはっきりとわかります。
麦茶が腐りやすい理由
カテキンの含有量が少ない
麦茶には殺菌作用のあるカテキンがあまり含まれていないため腐りやすいです。カテキンはタンニンとも呼ばれ、渋味や苦味を感じる成分です。カテキンの含有量が少ない麦茶は渋味や苦味がなくすっきりとした味わいなのですが、他のお茶と比べると腐りやすいのです。
<お茶100ml当たりに含まれるカテキン(タンニン)の比較>
- 麦茶 :0mg
- 前茶 :16.3mg
- 番茶 :4.6mg
- ほうじ茶:6.2mg
- 玄米茶 :1.5mg
- 紅茶 :27.8mg
- 抹茶 :200mg
- 玉露 :383mg
麦茶100mlからカテキンはほとんど検出されないそうです。殺菌作用のあるカテキンがあまり含まれていない麦茶は身近なお茶の中でも腐りやすいことが分かります。
デンプン質が含まれている
麦茶には細菌のエサとなるデンプン質が含まれているため腐りやすいです。麦茶に使われる麦は主に「二条大麦」と「六条大麦」です。
- 二条大麦はデンプン質が多くタンパク質が少なめで甘い味わい
- 六条大麦はデンプン質が少なくタンパク質が多めでやや苦い味わい
含まれている量に関係なく、細菌のエサとなるデンプン質が含まれている以上、麦茶は腐りやすいです。デンプン質そのものにも腐りやすいという特徴があります。
大量に作り置きしてしまう
大量に作り置きしてしまうということも麦茶が腐りやすい理由のひとつです。
暑い季節には1L~2Lのボトルに麦茶を作り、冷蔵庫で保存しますよね。大量に作り置きしておかなければ、家族で飲むとあっという間に無くなってしまうからです。
しかし、大量の麦茶は冷蔵庫から出し入れを繰り返すうちに細菌が繁殖し、腐りやすい状態になります。家族の誰かが出しっぱなしに…なんてこともあります。大量ではなく少量ずつこまめに作る方が腐りにくいです。
麦茶の保存方法と保存期間の目安
麦茶の保存温度
麦茶の保存温度は「10℃以下」が適しています。一般家庭の冷蔵室の設定温度は2℃~5℃くらいです。麦茶は冷蔵室で保存してください。設定温度が3℃~7℃くらいの野菜室でも保存できます。
ペットボトルの麦茶には次のように表示されています。
- 直射日光や高温多湿の場所を避けて保存してください
- 未開封の場合は常温で保存できます
- 開封後はすぐにお飲みください
紙パックの麦茶には次のように表示されています。
- 要冷蔵(10℃以下)
- 開封後は賞味期限にかかわらずできるだけ早くお召し上がりください
麦茶の保存期間の目安
水出しや煮出した麦茶を冷蔵室で保存した場合、保存期間の目安は「当日中~2日程度」です。ペットボトルや紙パックの麦茶も開封後は当日中~2日程度で飲み終えてください。
ペットボトルに口をつけて直接飲む場合には細菌が繁殖しやすく、当日中に飲み終えた方が良いです。
麦茶の作り方による保存期間の目安の違い
水出し・煮出しに関係なく、麦茶を冷蔵室で保存した場合、保存期間の目安は「当日中~2日程度」です。
水出しの麦茶はボトルに水とパックを入れ、すぐに冷蔵室で保存します。煮出しの麦茶は粗熱を取ってから冷蔵室に入れますが、冷めるまでに数時間かかります。
暑い季節にはボトルごと冷水や氷水に浸けて早く冷ますと良いです。冷房の効いた涼しい室内であれば一晩置いてから冷蔵庫に入れても良いと思います。
腐った麦茶を飲んだ時の症状とリスク
腐った麦茶を飲むと、腹痛・軟便・下痢・吐き気・嘔吐などの症状が起こることがあります。食中毒を起こすと、体のしびれ・発熱・呼吸困難・悪寒などの症状が起こることがあります。症状は1日~3日ほど続くことがあります。
酸っぱい味がするなど明らかに腐った麦茶を飲んでしまった時は症状が起こる前に病院へ行き、医師にご相談ください。ほんの一口飲み込んでしまった程度でも重い症状が起こる可能性がありますのでご注意ください。
最後に
腐った麦茶には次のような変化があります。
- 酸っぱい臭いがする
- 酸っぱい味がする
- 甘い味がする
- 苦い味がする
- 白いにごりが出る
- とろみが出る
水出し・煮出し・紙パックの麦茶は冷蔵室(10℃以下)で保存し、当日中~2日程度で飲み終えてください。ペットボトルの麦茶は未開封であれば常温で保存できます。
開封後は冷蔵室で保存し、当日中~2日程度で飲み終えてください。ボトルやグラスに口をつけて直接飲んだ麦茶は当日中に飲み終えてください。腐った麦茶を飲むと体調不良や食中毒のリスクがあります。症状が起こる前に病院へ行きましょう。
水出しや煮出した麦茶を腐らせないコツは「洗いやすい容器に作ること」です。洗いにくい容器は汚れが落ちにくく、細菌が繁殖します。容器そのものだけではなく、蓋やゴムパッキンの洗いやすさも大事です。