目次
常温放置でお肉が腐り始める時間の目安
お肉を常温で30分以上放置することは避けてください。
お肉の種類は鶏肉・豚肉・牛肉の順に傷みやすいです。お肉の形状は挽き肉・細切れ・スライス・ブロックの順に傷みやすいです。
常温で放置した「鶏肉」
常温で放置した鶏肉が腐り始める時間の目安は、夏場で30分くらい、冬場で1時間くらいです。鶏肉は水分を多く含んでいるため傷みやすく腐りやすいです。
鶏肉には、サルモネラ菌やカンピロバクターなどの食中毒菌、マンソンンソン裂頭条虫やブタ回虫などの寄生虫が付着しています。鮮度に関係なく付着していますので、常温で放置すると急激に繁殖します。
常温で放置した「豚肉」
常温で放置した豚肉が腐り始める時間の目安は、夏場で30分~1時間くらい、冬場で1時間~2時間くらいです。
豚肉の内臓や血液には、サルモネラ菌やE型肝炎ウイルスなどの食中毒菌、トキソプラズマやサルコシスティスなどの寄生虫が付着しています。鮮度の良い豚肉であっても常温で放置すると急激に繁殖します。
常温で放置した「牛肉」
常温で放置した牛肉が腐り始める時間の目安は、夏場で30分~1時間くらい、冬場で1時間~2時間くらいです。
牛肉の表面には、サルモネラ菌や腸管出血性大腸菌などの食中毒菌が付着しています。牛肉の内臓や消化器官には、サルコシスティスや無鉤条虫などの寄生虫が付着しています。鮮度に関係なく付着していますので、常温で放置すると急激に繁殖します。
冷凍のお肉を常温で放置して解凍
冷凍のお肉を常温で放置して解凍した場合、腐り始める時間の目安は30分~1時間くらいです。
お肉の種類・形状・鮮度・季節に関係なく、冷凍のお肉を常温で放置して解凍するのは絶対にやめてください。解凍された頃には傷んで腐っている可能性が非常に高いです。
お肉には食中毒菌や寄生虫が付着していますが、冷凍したからといって死滅するわけではありません。15℃以上の常温で放置して解凍している間、食中毒菌や寄生虫は盛んに繁殖します。食中毒を避けるためチルド室や冷蔵室で解凍してください。
早く解凍したい場合には、お肉を密閉できる袋に入れて氷水に浸ける方法もおすすめです。氷が解けて温度が上がってしまわないよう、氷を足しながら解凍してください。
冷蔵のお肉を常温で放置して調理
冷蔵のお肉を常温で放置した場合、腐り始める時間の目安は30分~1時間くらいです。
例えば「ステーキ肉は15分~30分前に冷蔵庫から出して常温に戻してから焼くと美味しい」とされています。冷蔵庫から出したばかりで焼くと表面だけが加熱され、中が冷たいままになってしまうことがあるためです。
常温で放置してから調理したい場合、夏場は30分以上放置しないこと、冬場は1時間以上放置しないようにしてください。
常温放置したお肉が食べられるかの判断基準
お肉の「色」から判断できるNGポイント
【 鶏肉の場合 】
- 灰色っぽくなった
- 白っぽくなった
【 豚肉の場合 】
- 緑っぽくなった
- 灰色っぽくなった
- 茶色っぽくなった
【 牛肉の場合 】
- 白っぽくなった
- 茶色っぽくなったら
お肉の「ニオイ」から判断できるNGポイント
【 鶏肉の場合 】
- 酸っぱいニオイがした
- アンモニアのようなニオイがした
- 硫黄のようなニオイがした
- 生ゴミのようなニオイがした
【 豚肉の場合 】
- 酸っぱいニオイがした
- アンモニアのようなニオイがした
- 生ゴミのようなニオイがした
- ヨーグルトが発酵したニオイがした
【 牛肉の場合 】
- 酸っぱいニオイがした
- アンモニアのようなニオイがした
- 硫黄のようなニオイがした
- 生ゴミのようなニオイがした
お肉の「表面の状態」から判断できるNGポイント
【 鶏肉の場合 】
- ぬめりが出た
- 白い点(白カビ)ができた
【 豚肉の場合 】
- ぬめりが出た
- ブヨブヨしていた(張りがない)
【 牛肉の場合 】
- ぬめりが出た
トレイの中に血や水分が出ている場合
トレイの中に血や水分が出ている場合は「傷みが進んでいる」と判断すると良いです。お店に並んでいる時から水っぽいお肉がありますが、鮮度が落ちて傷みやすい状態です。まだ腐ってはいませんが、調理する前に「色」「におい」「表面の状態」から判断してください。
お肉の正しい保存方法
空気に触れないようにして保存する
お肉をパックから取り出してラップに包み、密閉できる袋や容器に入れて保存してください。
お肉に含まれる油脂は空気に触れると酸化します。酸化したお肉は変色しやすく、傷みやすく腐りやすいです。買ってき来た時のパックされた状態のまま保存しないでください。必ずパックから取り出してラップに包み、密閉して保存してください。
水分を拭き取ってから保存する
お肉をパックから取り出し、余分な水分をキッチンペーパーで拭き取ってから保存してください。
買って来たばかりのお肉のパックの中に赤い血が混じったような水分が出ていることがあります。お肉の水分・タンパク質・旨味成分が含まれたドリップと呼ばれるものです。栄養・味・品質・鮮度が落ちてしまっていると考えて良いです。
保存するためのお肉を買いたい時は、お店で手に取った時点でドリップが出ている場合には買わない方が良いです。パックから取り出す時に少しのドリップが付着していることがありますが、必ず拭き取ってから保存してください。
下ごしらえをして保存する
下ごしらえをしてから保存するとお肉の保存性を高めることができます。下味をつけてから保存する、加熱してから保存する、醤油や味噌やワインに漬けこんでから保存するなどです。下ごしらえをしたお肉は密閉できる袋や容器に入れて保存してください。
冷蔵で保存する
買って来た当日に調理する場合、調理するまでの間は冷蔵で保存することができます。当日中に使い切る分はパックされた状態のまま保存しても構いません。余ってしまう分のお肉はラップに包み、密閉して保存してください。
チルド室で保存する
消費期限内に調理する場合、チルド室で保存することができます。必ず冷蔵室よりも温度が低いチルド室で保存してください。お肉の鮮度を保ちながら保存するためにパックから取り出してラップに包み、密閉して保存してください。
冷凍で保存する
お肉を冷凍で保存する時は必ず新鮮なうちにパックから取り出してラップに包み、密閉して保存してください。鮮度が落ちてしまったお肉を冷凍で保存すると解凍した時に美味しくなくなってしまいます。
買って来たらすぐに保存してください。解凍しやすく調理しやすくするためには、使う分ずつ小分けにして保存すると良いです。
最後に
お肉を常温で放置するのは絶対にやめてください。30分以上常温で放置すると食中毒菌や寄生虫が繁殖し、傷みやすく腐りやすくなります。1時間も放置していると栄養・味・品質・鮮度が落ちてしまいます。
夏場で30分以上、冬場で1時間以上放置してしまったお肉は、色・におい・表面の状態などで腐っていないか確認してください。
常温で放置したお肉の状態を確認して異常なしと判断した場合、調理後に必ず味見をしてください。