絶対に常温で放置してはいけない『NG食材』5選

生鮮食品や野菜などの食材ストックのイメージ

食材はそれぞれの適温で保存することが長持ちさせる秘訣です。反対に、不適切な温度環境で保存していると、早々に傷んでしまう原因となります。今回は常温で放置してはいけない食材を紹介するので、当てはまる食材を常温で放置している方は、今すぐやめてください。

食材はそれぞれの適温環境下で保存がベスト

冷蔵庫の野菜室

毎日の料理に使う食材は、それぞれ適温が異なります。低い温度環境下で保存した方が長持ちする食材もあれば、常温などの高い温度環境の方が長持ちしたり食感を保てる食材もあります。

適切でない温度環境下で保存してしまうと、低温障害や腐敗の進行、品質の劣化を招く恐れがあり、早々に傷んで食べられなくなってしまう恐れがあります。

そのため、食材を保存する際は、それぞれの食材の適温を正しく理解し、それぞれの食材に合った場所で保存することが求められます。

冷蔵庫は収納場所によって設定温度が異なる

ちなみに、冷蔵庫内は、収納場所によって設定温度が異なることをご存知でしょうか。大まかには、以下のように設定されていることが多いです。

  • 冷蔵室…2〜5℃
  • 冷凍室…-20〜-18℃
  • チルド室…0℃
  • 野菜室…3〜7℃

一般的に野菜は野菜室が適していると考えられがちですが、設定温度を見ると野菜室であっても低温障害を起こしやすい野菜もあれば、冷蔵室の方が適している野菜もあります。このように、冷蔵庫内は場所によって温度が異なるので、それぞれの食材に適した場所に収納しましょう。

絶対に常温で放置してはいけないNG食材5選

鮮魚店の魚

食材によっては、常温で放置してしまうと傷みが早くなってしまったり、雑菌が繁殖してしまう食材があります。こうした食材は絶対に常温で放置してはいけません。ここでは、絶対に常温で放置してはいけないNG食材と、それぞれに適した保存方法を紹介します。

1.生肉、鮮魚

パックに入っている豚バラしゃぶしゃぶ用肉

常温で放置してしまうと最も危険な食材が肉や魚です。特に、生肉や鮮魚などの生鮮食品は、常温で1〜2時間放置するだけでも、サルモネラ菌やカンピロバクターといった食中毒菌が圧倒いう間に繁殖してしまいます。

生肉や鮮魚の食中毒は非常に恐ろしく、発熱や腹痛、下痢、嘔吐といった代表的な症状が比較的重くなりやすい傾向にあります。また、過去にはO157などの腸管出血性大腸菌により、死に至るケースが報告されています。

こうした恐ろしい事態を防ぐためにも、生肉や鮮魚は、家に持ち帰ったらすぐにチルド室に保存するか、冷凍保存用の袋に入れて冷凍保存しましょう。

2.もやし

竹ざるに入ったもやs

もやしは水分量の多い野菜なので、常温で放置してしまうと、数時間で食べられなくなってしまいます。実際、もやしのパッケージには、冷蔵保存であっても消費期限が2〜3日設定されていることが多いです。

もやしは常温で放置してしまうと、サルモネラ菌が繁殖してしまい、腹痛や下痢、嘔吐といった症状を引き起こします。また、過去には牛肉と同様に、大腸菌であるO157を引き起こしたケースもあるため、非常に危険です。

もやしは基本的にパッケージのまま野菜室で保存し、2日以内に食べ切りましょう。どうしても食べきれない場合は、パッケージから出し、水を入れた保存容器に浸して冷蔵保存します。保存期間中、毎日水を取り替えることで、3日〜1週間ほど長持ちさせることができます。

3.牛乳

牛乳をコップに注いでいるところ

飲み物として、料理の材料として、様々な使い方ができる牛乳は、ご家庭にストックしているという人も多いでしょう。牛乳も常温で放置してしまうと、数時間で傷み始め、すぐに飲めなくなってしまう危険性があります。

牛乳は、一度温度が下がってしまうと、そこから徐々に雑菌が繁殖してしまいます。未開封であっても中で雑菌が繁殖する危険性があるため、牛乳は必ず冷蔵室で保存しましょう。未開封の場合は、ドアポケットではなく、冷蔵室の棚に収納すると傷みにくいです。

開封後は、ドアポケットで保存し、2〜3日のうちに飲みきるようにしましょう。もしも牛乳パックの開け口に口をつけて飲んでしまった場合は、その日のうちに飲みきってください。

4.カレー

鍋で作ったカレー

昔は一晩寝かせたカレーが美味しいなどと言われてきましたが、最近の研究結果によると、一晩寝かせたカレーは多くの雑菌が繁殖していることがわかりました。特に常温で放置した場合、半日経たずに雑菌の繁殖が起こります。

カレーはウェルシュ菌と呼ばれる食中毒菌が繁殖しやすく、これは6時間で1gあたり10万個、一晩寝かせたカレーは1000万個にも増えてしまうのです。また、ウェルシュ菌は匂いや見た目に変化をもたらさないため、気づかずに食べてしまい、食中毒を引き起こしやすいです。

したがって、カレーを長時間、あるいは翌日まで持ち越す場合は、1食分ごとに保存容器に入れ、冷蔵保存するようにしましょう。

5.真空パックのレトルト食品

真空パックの肉

通常のレトルト食品は、基本的に常温保存が推奨されています。しかし、真空パックのレトルト食品は、常温で放置してしまうとボツリヌス菌が繁殖してしまいます。

真空パックの中は酸素が少ないため、酸素が少ない環境を好むボツリヌス菌にとって、最高の環境下となってしまうのです。常温で放置してしまうと、比較的早く繁殖が進み、食中毒を引き起こす恐れがあります。

ボツリヌス菌は毒性が強く、麻痺や呼吸困難などの重篤な症状を引き起こすケースも報告されています。真空パックのレトルト食品は、必ず10℃以下の冷蔵室で保存しましょう。

食材はそれぞれに適した温度環境で保存して

肉を冷蔵庫から取り出しているところ

いかがでしたでしょうか。食材には、それぞれ適した温度があります。不適切な温度環境下に置いてしまうと、品質が劣化したり、食中毒菌が繁殖したりする恐れがあります。今回紹介した食材は、常温放置が危険な食材なので、必ずそれぞれに合った方法で冷蔵保存しましょう。

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