目次
羽毛布団が臭い原因は「油脂」にある
羽毛布団の臭いがきつくなる原因は、羽毛に元々付着している油脂分が高い温度や湿度によって徐々に溶け出してくるためです。
羽毛布団の製造過程で余分な油脂分の大半は洗浄によって取り除かれますが、洗浄が不十分なまま出荷された羽毛が使われている布団は、高温多湿によって臭いが発生しやすくなると考えられています。
油脂分を完全に除去すると羽毛が割れて保温力が低下してしまうため、ある程度は致し方ない面があります。羽毛布団は温度の高い密封されたトラックなどで運ばれてますので、油脂分が多く溶け出し、よけいに臭いが増している可能性があります。
洗うタイプの羽毛布団が臭いのは油脂が多いから
洗えるタイプの羽毛布団の場合はきれいに洗って干すため、臭いの心配がないという印象があります。しかし洗濯後に特に臭いがきつくなるというケースもあり、メーカーへのクレームも多いと言われています。
洗濯後に臭う原因も羽毛に付着している油脂分にあり、洗濯後の乾燥が不十分なままで湿気によって臭いが増してしまうためです。
洗えるタイプの羽毛布団は、あらかじめ何度か洗浄されることを想定して羽毛の油脂分を多めに残して製造されている物もあるため、そういった配慮が裏目に出て洗濯後の臭いの元になっていることもあります。
羽毛布団の種類によって臭いが違う
「ダック」の羽毛は臭いやすい
臭いに敏感な人の場合、羽毛布団を購入する際に臭いが出やすい製品なのかどうかをチェックしておく必要があります。
羽毛の種類には大きく分けて「グース」と「ダック」の2種類があり、臭いがきつくなりやすいのはダックから採取された羽毛とされ、ニオイが少ない羽毛布団を購入したい場合はグースが使われた製品を選んでおけば安心です。
水鳥の飼育期間も臭いの原因に少なからず関わっているとされ、一般的に若鳥から採取された羽毛の羽軸には栄養成分が多く残っているため、それを洗浄し切れず臭いの元になってしまう可能性が高まります。
羽毛の採取時期によっても臭いに違いがある
羽毛の採取時期も大事で、梅雨時など湿気の多い時期に採られた羽毛は油脂分が多く、洗浄し切れないまま製品化され臭いやすくなってしまうことも指摘されています。
根本から臭い対策をしたい人は信頼できるメーカーの質の高い羽毛布団を購入する必要があり、洗えるタイプの羽毛布団は洗濯後に臭いが出るリスクが高いことを認識しておくことが大事です。
《 ポイント 》
- 飼育期間が短い若鳥から採取された羽毛ほど独特なニオイが発生しやすくなる。
- 飼育期間が長いマザーグース、マザーダックはしっかり成熟し、かさ高のあるダウンを持ち、ニオイも少ない最高級羽毛布団にふさわしいダウン。
羽毛布団の臭いを抑える取り方
コインランドリーの乾燥機を使う
洗えるタイプの羽毛布団を使用中で臭いに困っている場合は、コインランドリーの乾燥機で内部までしっかりと乾燥させることで臭いの発生を抑えることができます。
高温多湿を避けて保管する
高温多湿が臭いの元ということで保管方法にも気を遣う必要があり、ビニール等で密封せず通気性の良い専用ケースや風呂敷に入れ、すのこの上などに載せて保管することが大事です。
消臭スプレーは逆効果!
臭いが強いからと消臭スプレーを多用するのは逆効果で、どうしても利用したい場合は本体にかけず布団カバーにスプレーしておきます。
天日干しをする
できるだけ天日干しの際には布団カバーをかけるようにしてください。
そのまま直射日光に当ててしまうとがわ生地が日焼けして傷んでしまいます。
梅雨時期は雨も多くてなかなか外に干せませんが、その場合は布団乾燥機を使うと良いです。
また、干し終わって取り込む時は表面のホコリを手で払ってください。
強く叩くと中のダウンがちぎれたり、がわ生地が傷んで羽毛が吹き出してしまうので、間違っても布団叩きを使用しないでください。
《天日干し ポイント 》
- 月に1〜2回が目安
- 片面1時間程度がベスト(長時間の天日干しはNG)
- 湿度の低い晴れの日の午前10時から午後3時ころがベスト
臭う羽毛布団は乾燥させるのが一番の対策!
洗えるタイプの羽毛布団が臭いからと何度も洗うと羽毛本来の保温力が低下して、せっかくの羽毛の良さが損なわれてしまうこともあり、どうしても気になる場合は面倒でもコインランドリーを利用し、しっかり乾燥させることが大事です。
湿気が臭いの最大の原因ということで、羽毛を傷めないようカバーをして定期的に天日干しをすることが最良の対策です。