目次
ご飯の正しい並べ方
和食の献立の基本は「一汁三菜」
「一汁三菜」は主食のご飯(お米)の他に、汁物が1つ、おかずが3つある献立です。ご飯の並べ方はこの「一汁三菜」を置く位置が配膳の基本となります。
ご飯の基本的な並べ方は、主食のご飯は左手前、汁物(お味噌汁など)は右手前、メインのおかずは右奥、副菜は左奥、副副菜は中央、と言う配置になります。
「一汁三菜」ご飯の並べ方
①主食
置く位置は「左手前」。白いご飯や炊き込みご飯など。
②汁物
置く位置は「右手前」。お味噌汁やお吸い物など。
③主菜
置く位置は「右奥」。お刺身、焼き物、揚げ物、蒸し物、煮物など。
④副菜
置く位置は「左奥」。煮物、蒸し物、和え物、焼き物など。
⑤副副菜
置く位置は「中央」。和え物、煮物など。
一汁三菜の置き方を覚えておけば、後はこれをベースに他のおかずを追加しておいて置けば綺麗に並べることができます。
ご飯の並べ方の注意点
お漬物や梅干の並べ方
お漬物や梅干は一汁三菜には含まれませんのでおかずとしてカウントされません。ご飯と汁物の間の真ん中に置きましょう。
デザートの並べ方
デザートをご飯と一緒に出すときは、一般的に左側の奥に置きます。
お箸の並べ方
お箸は持ち手を右側にして一番手前に横向きに置きます。また箸置きを添えるのはマナーです。
お茶の並べ方
正式なマナーですと、お茶を最初から食事と一緒に置くことはしません。食事が終わった後、お茶だけを持ってくるのがマナーです。とは言え、私もそうですが実際には食事と一緒にお茶を飲む方が多いと思います。その場合はお膳から離れた右奥に置くのが良いでしょう。
お醤油さしやお塩などの並べ方
お料理に含まれないお醤油さしや塩は、一汁三菜のお膳には入れずお膳から離れた右奥に置きます。右奥に置く理由は取りやすい位置だからですが、一般的に右奥は下位の位置になります。
お酒の並べ方
ご飯を食べる前におかずをつまみにお酒を飲む場合、ご飯の位置にお酒を置きます。お酒を飲んだ後、ご飯は別に持ってきます。
魚の並べ方
主菜に並べる焼き魚の置き方にもルールがあります。
- しゃけなどの切り身の場合は皮を上向きで奥にして盛り付けます。
- アジなどの干物の場合は身を表にくるよう盛り付けます。
- タラの粕漬けや煮魚など大きさが左右で違う魚は身が大きい方が左、小さい方を右に盛り付けます。
- さんまなどの頭つきの魚の場合は左に頭、手前に腹、右に尾がくるように盛り付けます。この並べ方は「左上位」の伝統からきています。
- 尚、魚の食べ方のマナーは頭のほうから尾に向けて食べるのが正しい食べ方とされています。一般的に背からお箸を入れて身を取りますが、焼き魚を食べるときは魚をひっくり返すのはNGです。
ご飯の並べ方が決まっている理由
和食の一汁三菜の基本は幕末以降に統一されたマナーのようです。一汁三菜の配膳は、ご飯、汁物、おかずをバランス良く食べることができる並び方でもあります。
ご飯(お米)が左で汁物(お味噌汁)を右に置く意味
汁物(お味噌汁)を「右手前」に置く理由は、右利きの人が最も食べやすい位置だからです。
また、昔の日本では左右で比べると左が尊い(「左上位」)という考えがありました。お米は貴重な食料なので、左に置く文化になったという説もあります。つまりお米が一番偉いということですね。
他の理由としては、神様へのお供えの際、お米が左側にくるからという説もあります。逆にご仏壇にお供えする際のご飯は右側に置きます。
おそばやうどんなどの麺類とご飯がセットになっているものもご飯は左に置きます。例えば、おそばと炊き込みご飯のセットの場合、炊き込みご飯は左、おそばは右になっています。
洋食のご飯の並べ方
洋食のご飯の並べ方は料理によって主食の種類もさまざまですし、スープやサラダやライス・パンがあるかないかで並べ方に違いがありますので和食のようにはっきりしたルールはありませんが、一般的に汁物(スープ)は右側、ライスは左側に置きます。和食のご飯と汁物の置く位置と同じですね。
パスタなどの主食にスープやライスが付いていない場合はメイン料理を中央に置きます。パンやライスはメイン料理の左側(または左上)に置きます。スープ皿はメイン料理の右側(または右上)に置きます。
洋食の並べ方に困ったら一汁三菜のご飯の並べ方をベースにしましょう。
パスタの並べ方
- パスタは中央に置く
- スープはパスタの右側
- 付け合せのサラダなどはパスタの左側上に置く
パスタにスープやサラダが付いていない場合はパスタを中央に置きます。パンはパスタの左側(または左上)に置き、スープ皿はパスタのの右側(または右上)に置きます。洋食の並べ方に困ったら一汁三菜のご飯の並べ方をベースにしましょう。
パスタのフォークとスプーンの並べ方
パスタの場合、一般的にフォークとスプーンがある場合はパスタの右側にフォーク、左側にスプーンを縦向きに置きます。と言っても特に置く位置にルールはありませんので、お店によって違う位置に置いてあることもありますね。パスタの右側にスプーンとフォークを並べて縦向きに置いたり、フォークだけですと下に置いているお店もありますね。
カレーライスの並べ方
ライスとカレーが別々になっている場合、ライスは中央、カレーは右上に置きます。
プレートのご飯の並べ方
1つの大きなプレートに綺麗にご飯が盛り付けられているものがありますが、料理内容がバラバラなものが多く特にルールはありませんが一般的にライスやパスタを左側、スープはプレートとは別に右側に置きます。これも一汁三菜の並べ方と同じですね。
プレートの左手前にピラフやパスタ、右奥に主菜、左奥に副菜や副副菜などを置きます。スープはプレートの右側におきましょう。
フォーク・ナイフ・スプーンの並べ方
フォークは左側に縦向きに置き、ナイフは右側に刃を内側に向けて縦向きに置きます。スプーンはナイフの外側に並べ、グラスはお皿の右側に置きます。料理の種類によって使用するフォークとナイフの種類が変わる場合は外側から使うよう並べます。
中華のご飯の並べ方
中華料理の並べ方に厳密なルールはありませんが、箸を置く位置は和食とは違って右横に縦向きに置きます。レンゲも同じく持つほうを下にむけて縦に置きます。もしご飯の並べ方に困ったら料理は日本の一汁三菜の置き方と同じでOKです。
地域によってご飯の並べ方が違う
ご飯の並べ方のマナーとして、ご飯は左、お味噌汁は右が基本ですが、地域によってご飯の並べ方のルールやお味噌汁を置く位置が違います。
- 東京など関東の場合はご飯は左、お味噌汁は右
- 大阪など関西の場合はご飯は左手前、お味噌汁はご飯の後ろ(左奥)
- 中国地方はお味噌汁はご飯は左手前、お味噌汁はご飯の後ろ(左奥)
その他に「ご飯は左、お味噌汁は右奥」や「お味噌汁は左手前、ご飯は左奥」などの地域もあります。地域にあったご飯の並べ方をしましょう。
ご飯の並べ方でやってはいけないこと
ご飯を右側に置くのはNG
ご仏壇に供える際、ご飯は右側に置きますので、食卓で右側にご飯を並べるのはマナー違反だとい
われています。
左利きの方はご飯が左側にあると食べにくいので、ご飯を右側に置いてもOKという意見も多いようですが、ご飯を食べ始めてから自分で位置を変えるのは自由ですので、お客様と一緒に食事をする場合は「ご飯が左、お味噌汁が右」に並べましょう。ご家族だけの場合はどちらに置いても気にしなくて良いと思います。
テーブルセッティングでアロマキャンドルはNG
ご飯を並べ終わった後、食卓の飾りに物足りなさを感じてアロマキャンドルなど香りがついているものをつけるとアロマの香りが料理の香りを無くしてしまいますので注意しましょう。
まとめ
ご飯の並べ方をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?ご飯の並べ方にはいろいろルールがありましたが、結局のところ、一汁三菜がそれぞれ食べやすい位置にあるということですね。
マナーにとらわれず自由に食べた方が美味しいと思われる方も、伝統やマナーを身につけておいて損はありません。今回ご紹介した一汁三菜の並べ方を実践してみてくださいね。いつもと違う食卓の雰囲気が味わえますよ。