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正しいお寿司の食べ方
食事をする時には、その料理別にマナーがあります。お寿司にも、食べる時には箸を使うか手で食べるか、醤油の正しいつけ方、食べるときや注文する時のネタの順番など、より美味しくお寿司をいただける正しい食べ方やマナーがあります。
寿司は箸で食べる?手で食べる?
箸でも手でもよい
お寿司は箸で食べるのも、手で食べるのもどちらも正しい食べ方です。昔は箸で食べることが多かったようですが、現在は箸で食べても問題はありません。
ただし、お寿司に添えてある「ガリ」は必ずお箸で食べましょう。また、箸で食べる際も、手で食べる際も、お寿司はできるだけひと口で一貫を一度に食べる方がスマートで、正しい食べ方とされています。
一口では食べきれない時は、シャリの量を少なくしてもらうオーダーはマナー違反ではないので、「シャリを小さ目にしてください」とオーダーしてください。
手で食べる場合
手で食べる際は、指でつまむようなイメージで、肌の温度が寿司に移るのを防ぐためにも、親指と人差し指と中指の3本の指で食べるようにします。
箸で食べる場合
しょう油のしずくや、崩れたシャリが落ちないように、しょう油小皿を左手で持ちながら食べるとよいでしょう。また、箸で垂直にネタをつかむより、寝かせるかたちでシャリと並行して箸を添えると、シャリが崩れずスマートに口まで運べます。
寿司の食べる順番と注文の順番
にぎり寿司の一皿盛は左から食べる
お寿司が並んで出てくる一皿盛りは、左から順番に食べるのがおすすめです。食べる順番の決まりはありませんが、さっぱりした味わいのものから、味の濃いもの、そして甘味のあるものへ順に食べる食べ方が基本のようです。
そのため、一皿盛りのにぎり寿司は、左側がもっともさっぱりしたネタが置かれ、右側へと順に味が濃くなるように置かれていることが多いそうです。2列に並んでいる時は、左上から右へ進み上列を食べ終えてから、下の列の左側から食べ進めてください。
さっぱりした味のネタから注文する
自分で食べたいものを順番に注文する場合も、決まりはありませんが、色の白い淡泊なネタや、味の薄めのネタから食べ始め、味の濃い甘みのあるものは後のほうに注文する、というのがおすすめです。
大まかにいうと「白身(タイ・ヒラメ・イカ・酢締め)→赤身(マグロ・トロ)→光物(アジ・コハダ)→こってり(ウニ・いくら・アナゴ・玉子)→巻きもの」です。
椀物の味噌汁などは後半に頼むのが望ましいようですが、どの注文も好きな順番でたのんでもマナー違反にはなりませんので、安心してください。また、お酒を楽しみたいときは、お酒とつまみを最初に頼み、その後にお寿司を頼むという食べ方に問題ありません。
しょう油やわさびのつけ方
しょう油は少量をネタにつける
ネタにつけるしょう油の量は、ネタを味わうためにも少量が好ましいです。正しいとされているつけ方は、にぎり寿司の場合は、上下を返すようにしてネタの先のほうに少しだけつけます。
シャリにしょう油がつくと、しょう油で茶色くなったしゃりがボロボロと落ちてしまいますので、しゃりにはしょう油が付かないようにしましょう。箸で食べる時も、ゲタ(皿)の上で、そのままにぎり寿司を横に倒し、裏返しに持ったネタのほうを、少ししょう油につけます。
また、しょう油皿へ入れるしょう油の量も、少なめにいれて無くなったらその都度、必要な量を注ぎ足していきます。一度になみなみのしょう油を注いだり、食べ終わった時にしょう油が皿に残り過ぎているのは好ましくありません。
軍艦巻きにはガリをつかう
ウニやいくらなどの軍艦巻きは、シャリにつかないよう横にすると上のネタが落ちてしまいますので、ガリでしょう油を塗るようにします。箸で適量のガリをつまみ、ガリにしょう油をつけたら、軍艦巻きにガリをはけのようにしてしょう油をつけてください。
巻き寿司も同様にガリを使ってもよいですが、一般的には巻き寿司は、そのまま少し斜めにして海苔とシャリの境目や海苔にだけ少ししょう油をつけます。
また、海鮮丼など魚介類が上に乗っている場合は、上からしょう油を回しかけるのはやめましょう。お刺身のように箸でつまんで、しょう油皿でしょう油をつけてから、もう一度戻して寿司飯と一緒に食べます。
わさびのつけ方
わさびの入っていないお寿司は、わさびをネタの上につけて食べるのが正しい食べ方です。また、わさびが苦手な場合は、わさび抜きを頼むことはマナー違反でも恥ずかしいことでもないので、わさび抜きで注文してください。
わさびはしょう油と溶かさない
わさびをしょう油と溶かして使うのは、しょう油皿が汚れてしまうためマナーとしてよくありません。また、わさびの辛味成分は揮発性のため、しょう油に溶かすことで、全体的に薄まり本来のわさびの風味が失われるという理由もあるそうです。お寿司を食べる時に限らず、和食全般のマナーとして、わさびはしょう油と溶かさないのがよいそうです。
ガリの食べ方
ガリとは寿司の付け合せで出る、生姜の甘酢漬けでで、殺菌効果や魚の臭みを消す効果があると言われています。そして、口の中をさっぱりとさせてくれるため、寿司と寿司の間に口直しとして食べるのに適しています。
味の濃いものを食べた時などは特に、ガリを間に食べると、次のネタの味の邪魔になりませんので、ネタ本来の味が美味しくいただけます。
寿司の食べ方NGマナー
握られた寿司をすぐに食べないのはダメ
握ってもらったお寿司はすぐ食べるのが正しいマナーです。置いたままにしておくと、新鮮なネタが乾いてしまいます。
カウンター席のゲタ(皿)は下さない
カウンター席では、1段上がったスペースにゲタ(皿)が置かれ、その上にお寿司が並べられますが、食べる時にはゲタ(皿)はそのままにしてお寿司を食べるようにします。
自分側の手前におろすのではなく、手を伸ばしてお寿司を取り、そこから手元のしょう油皿でしょう油を少量つけ、口まで運びましょう。
ネタとシャリを分けて食べるのはNG
お寿司のネタだけを食べる食べ方を業界では「追い剥ぎ」と呼んでいるそうで、この食べ方はマナーに反していますのでNGです。
箸はゲタ(皿)などには置かない
箸置きが用意されているはずですので、ゲタ(皿)の上や汁ものの椀の上に置くのはやめましょう。これは「渡し箸」と呼ばれマナー違反となります。もし箸置きが無い場合は、しょう油皿にのせてください。
ただし、箸ぜんたいが浮くような置きかたはやめて、先端の部分のみを乗せるようにします。割りばしの場合は、割りばしの入っていた袋を箸置きにしても良いでしょう。
「おあいそ」や「あがり」とは言わない
お会計、支払のことを「おあいそ」と言うのは、本来はお店側が使う言葉で、お客側が使うべき言葉ではないそうです。同様に、お茶のことを「あがり」というのも間違った使い方です。
シャリやネタ、ガリというは、一般に使われるようになってきているそうですが、「おあいそ」と「あがり」は使わないようにしましょう。
大声や過度なおしゃべり
特にカウンターでは大きな声でしゃべったり、職人さんを独り占めするような過度なおしゃべりはやめましょう。
喫煙や強い香水はNG
寿司屋に限らず、飲食店では強い香水の匂いや喫煙は控えるのがマナーです。特に、お寿司は繊細な日本料理の香りが楽しめる空間です。自分も楽しめませんし、何より他のお客さんに迷惑となります。
まとめ
お寿司は手で食べても、お箸を使ってもどちらでも良いのですね。手で食べるほうが、シャリが崩れにくく食べやすいですが、お箸を使ったほうがネタの温度に影響も出ないので、どちらにもメリットがあるようです。
シャリにしょう油がつくと食べにくくなるので、しょう油はネタの先の部分に少しだけつけて、口まで運ぶようにしましょう。正しくキレイな食べかたを覚えれば、お寿司もより美味しく頂けますね!