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たけのこの酸っぱい風味の原因
たけのこの水煮を使って調理したときに、酸っぱさを感じたという人は多くいらっしゃるようです。いったい、この酸っぱい風味の原因は何でしょうか?
たけのこの水煮から酸っぱい風味がする原因は、二つ考えられます。
他の食品と同じく「腐っていたり腐りかけている」こと、そして入れてある「酸味料」によって酸っぱい感じがすることが原因です。
ではなぜ、たけのこの水煮に酸味料が使われているのでしょうか。
酸味料は「たけのこの風味の劣化」や「たけのこの変色」を防ぐために加えられている 「保存料」なのです。
たけのこの水煮についている食品表示ラベルに、「酸味料」もしくは「クエン酸」と記載されているのをご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
《 ポイント 》
- たけのこの水煮から酸っぱい風味がする原因は、腐っていたり腐りかけているか、酸味料を入れてあるから酸っぱい風味がする。
たけのこが酸っぱい風味なのは腐っているから?
食品が腐っているかどうかを判断する基準のひとつに「匂い」がありますが、酸味を加えて酸っぱい匂いがするたけのこを見分けるのは難しいですよね。
水煮をする際に保存のために使う酸味料が原因になっている場合には、新鮮なうちからすでに酸っぱい匂いを出しています。
ですが、腐っていて酸っぱい匂いがする場合、これは明らかにおかしな匂いです。
腐っているたけのこを食べてしまうと食あたりを起こす可能性がありますので、以下に当てはまっているものは食べないようにしてください。
たけのこが腐っているかどうかの見分け方
変なニオイがしていないか
酸っぱい匂いとは別に、腐ってしまうと特有の異臭がします。たけのこを茹でて酸っぱい匂いがとれれば問題はありませんが、匂いが消えない場合は腐っている場合があります。
粘ついていないか
たけのこ自体が酸っぱい匂いとは別に、粘ついている場合は、確実に腐っています。
変色していないか
たけのこが酸っぱい匂いとは別に、腐ると本来の色とは異なる色になってきます。濃い茶色になっているものは腐っているということです。
《 ポイント 》
- たけのこが新鮮なうちからすでに酸っぱい匂いを出しているのは酸味料が原因。
- たけのこから、異臭、粘り気、変色のあるものは腐っている可能性が高い。
たけのこの酸っぱい風味の対処法
では、たけのこの水煮の酸っぱい風味を消す方法をご紹介します。
水煮や真空パックの酸っぱい風味のたけのこを食べても大丈夫だとしても、酸っぱいままでは調理しづらいですよね。
そこで酸っぱい風味の対処法を見ていきましょう。
茹でて酸っぱい風味を消す
たけのこの酸っぱい風味がどうしても気になるという方は多いと思います。また、酸味料が原因なのか腐っているのが原因なのかと不安に思う方もいることでしょう。
そのどちらかを見極めるという意味でも一番有効なのは、小さめに切った後2~3回お湯で茹でるという簡単な方法です。
酸味料は水溶性なので、水につけておくといくらか酸っぱい酸味を軽減することができます。
これで気になる匂いも取れますし、尚且つ腐っていないか確認も出来て安心して食べることができますね。
茹でることでもともとあった酸っぱい酸味が気にならなくなりますが、たけのこ本来のうま味も何も無くなってしまいますので注意してください。
それでもまだたけのこに酸っぱい感覚が残っていると感じたら、その時は腐っている可能性があるので食べない方が良いでしょう。
酸っぱい風味が気にならない調理法
腐っていないたけのこでも、完全に酸っぱい風味が取れない場合もあります。
そういったときは「味付けを濃いめにする」「酸味を生かした料理にする」など、酸っぱい風味を消すような調理をするとよいでしょう。
茹でるのが面倒に感じる方も、同じように調理法を工夫してみましょう。
味付けを濃いめにする
素材の味を楽しむ天ぷらや若竹煮のような薄めに味付けした料理は、たけのこの酸っぱい部分が強調されてしまいますが、中華系の料理のように濃い味付や酸っぱい酸味のある味付けにすると気にならないのでオススメです。
コチュジャンなどを入れて甘辛く炒めてみるのもいいですね。
酸味を生かした料理にする
酢の物や酢豚、酸辣湯など酸味を効かした料理では、たけのこの酸っぱい酸味をそのまま活かすことができるでしょう。
使いやすい食材なので、いろんな味付けにも万能に対応してくれること間違いなしです。
《 ポイント 》
- たけのこの酸っぱい風味を消す一番有効な方法は、2~3回お湯で茹でる。
- たけのこの酸っぱい風味を消す場合は味付けを濃いめにする。
- たけのこの酸っぱい酸味を生かした料理にする。
たけのこの保存方法と賞味期限
春になると、美味しい生のたけのこが収穫され食べる機会が増えてきますが、とてもデリケートな食材なので、保存方法には充分注意していただきたいものです。
茹でてから冷蔵保存する
生のたけのこの場合
生のたけのこは、鮮度が命なので、新鮮なうちにすぐ茹でるようにしてください。
また、あく抜きが不十分だと腐りやすくなって、酸っぱいニオイを発するようになることもありますので注意してくださいね。
たけのこを茹でたら茹で汁につけたまま冷やし、冷めてから皮をむいて密閉容器に入れて冷蔵庫で保管します。
この保存方法で約1週間持ちますが、その間、毎日水を入れ替えてください。
水煮たけのこの場合
水煮にしたたけのこは、一般的に水に浸けて冷蔵保存しますが、賞味期限は大体1週間が目安になります。毎日水を入れ替えて保存しておくようにしましょう。
スーパーなどで購入したたけのこの水煮は真空パックを開けてから、これも同様に水は毎日入れ替えながらだと1週間が目安です。
たけのこは水煮にしても酸っぱい酸味やアクが出続けるので、早めに食べるようにしてください。期限が過ぎても放置しておくと、水が濁ったり、たけのこ自体が茶色く周りが溶けてきたりします。
この状態になると、たけのこが腐っている可能性が高いので食べないようにしましょう。
塩水にさらす
たけのこをもう少し賞味期限を延ばしたい場合には、濃い塩水を使って保存します。
そのまま使用すると塩辛くなってしまうので、呼び塩をしてから調理してください。この方法でのたけのこの賞味期限は約1か月ですが、できるだけ早めに使うようにしてください。
冷凍保存
水煮たけのこは冷凍保存することもできます。
やり方
- たけのこの水煮を細切りにします。
- 大きな平皿に広げて、上からキッチンペーパーで押さえて水気を拭き取ります。水分が残ったまま冷凍すると塊になってしまいますので、できるだけ水分をとるようにしてください。
- 水分を拭き取ったたけのこの水煮をジップロックに入れます。
- 風味が落ちないように、平らにして短時間で一気に冷凍させます。固まり始めた時に一旦取り出してパラパラとほぐしておくと、使う時に使いやすいです。
冷凍保存での賞味期限は約1年ですが、できるだけ早めに食べるようにしましょう。
冷凍したたけのこの解凍方法は、水の中に入れて自然解凍にしますが、時間に余裕がない場合にはレンジで解凍し、水気を切ってから料理してください。
《 ポイント 》
- 生のたけのこは新鮮なうちにすぐに茹で、冷蔵庫で1週間。
- 購入したたけのこの水煮は真空パックを開けてから1週間。
- 濃い塩水を使ったたけのこの保存期間1か月。
- 冷凍保存でのたけのこの賞味期限は約1年。
たけのこの白い粉は何?
たけのこの水煮の酸っぱい風味とは別に、たけのこの水煮についている白い粉を見て、腐ってしまったのでは?と、疑問に感じたことはありませんか?
このまま調理していいものかどうか、不安になりますよね。
たけのこの白い粉はアミノ酸の一種
たけのこの水煮についている白い粉の正体は「アミノ酸の一種」で、この成分が多くつくたけのこほど美味しいたけのこという証拠だと思ってください。
見た目に違和感を感じて水で洗い流したくなるのですが、その必要はなさそうですね。
このチロシンは、生のたけのを加熱する過程で発生する物質で、たけのこから溶け出したチロシンの粉末が、冷めることで結晶になりたけのこに付着します。
色が白いだけに、一見カビのように見えるかもしれませんが、たけのこを茹でる時に発生するものなので問題ありません。
店頭で購入した水煮たけのこのパッケージにも、「食べても問題ありません」ということがきちんと記載されています。
ですが、購入賞味期限がとうに過ぎたたけのこにはカビが発生するわけですから、しっかりと見分けられるようにしてくださいね。
チロシンという物質は食べてもよいもので、むしろうま味のもとになっている成分である、という以外にも、効果が期待できるのは、以下のとおりです。
- 集中力のアップ
- 記憶力のアップ
- うつ病の改善
- 疲労回復
- ストレスの軽減
- 睡眠障害の改善
- 白髪予防
- 性機能向上
- 甲状腺機能の向上
たけのこの白い粉を取り除く方法
それでも見た目に抵抗があって、どうしてもチロシンを取り除きたいと思われる方には、白い粉を綺麗に取り除く方法を紹介します。
簡単にできますので、たけのこを使った料理をしようと思った時は試してみて下さい。
- たっぷりの水を入れたボウルの中に、たけのこを入れます。
- 5~10分程、水にさらしておきます。
- まだ白い粉が残っていて気になるようでしたら、軽く水洗いをして落とします。
《 ポイント 》
- たけのこの白い粉はアミノ酸の一種で、うま味のもとになる成分。
- たけのこは水にさらして白い粉を取り除く。
最後に
今回のたけのこの酸っぱい風味の原因と、腐った時の見分け方について、いかがでしたでしょうか?
食べ物が酸っぱかったり匂いを発していたりしていると、腐っていると思いがちですが、保存料によって酸っぱい風味を出しているだけなので、たけのこに問題はないようです。
水煮たけのこの酸っぱい風味の他に、たけのこ自体に付着しているチロシンという白い粉は、体に無害のものでこちらも食べて問題ありません。
たけのこの成分であるアミノ酸が水煮をした際に溶け出したものが固まっているだけなのです。
このようなことがわかれば、いろんな料理に使える便利なたけのこを、一年中安心して戴くことができるでしょう。
みなさんもぜひ今回の記事を参考にしておいしく食べてくださいね。