目次
ホンビノス貝とは
ホンビノス貝が開かない原因を知る前に、ホンビノス貝はどのような貝なのか理解しましょう。
ホンビノス貝はあさりやはまぐりと同じ海に生息する二枚貝で、もともとアメリカでよく食べられている貝で外来種の貝です。
ホンビノス貝は原産地である北米大陸からの船舶の船体に付着していた、もしくは船のバラスト水に混ざって日本に運ばれて定着したと考えられています。
ホンビノス貝に似た形のはまぐりは日本に古くから生息している在来種となります。
ホンビノス貝は2000年前後から日本でも繁殖していることが確認されていて、現在では千葉県の船橋市や市川市などで多く採取されています。
またホンビノス貝は成長過程で名前も異なるので、出世魚ならぬ出世貝としても知られています。
ホンビノス貝はあさりをの水揚げしているときに中に混ざっていたところ、地元の漁師が試しに食べてみるととても美味しかったので、仲買で取り入れてみたらどうかという提案したことが日本で広まったきっかけとなったとされています。
ホンビノス貝の見た目が日本で古くから食べられているはまぐりとよく似ているので、間違えてしまいやすいのですが、ホンビノス貝は大きく開かないなどの異なる点があるのでおぼえて、購入時や潮干狩りに出かけたときなどに参考にしてください。
貝殻の色
個体差はありますがホンビノス貝とはまぐりを比較するとはまぐりの方が、貝殻部分が赤みがかった色をしているものが多くなっています。
ホンビノス貝の貝殻は水揚げした直後は黒っぽい色をしていますが、時間の経過と共に黒みが抜けて白くなっていきます。
貝殻の形
はまぐりとの違いで分かりやすい点では貝殻の形が異なります。
ホンビノス貝は貝の蝶番になる部分が片側だけ少し凹んでいるので左右非対称の形になっていますが、はまぐりは左右対称に近い形をしています。
貝殻の大きさ
はまぐりと大きさを比較するとホンビノス貝は5cm程度~最大で約10cmを超えるサイズまで大きくなる貝で、アメリカでは出世魚ならぬ出世貝として知られていて成長段階によって呼び名も変わります。
ちなみにはまぐりは7cmを超える程度までしか成長しません。
貝殻の厚み
はまぐりと厚みを比較すると、ホンビノス貝は貝殻にふっくらした厚みがありずんぐりとしています。はまぐりは貝殻に厚みがありませんが、ふちの部分はホンビノス貝よりも厚くなっています。
《 ポイント 》
- ホンビノス貝はあさりやはまぐりと同じ海に生息する二枚貝で外来種です。
- ホンビノス貝は日本で古くから食べられているはまぐりとよく似ていますが、比較すると貝の色や形、大きさや厚みに違いがあるので区別することができます。
ホンビノス貝が開かない時の対処法
ホンビノス貝はあさりやはまぐりと比較しても加熱調理をしてもなかなか貝が開かないことがあります。
ホンビノス貝は基本的に調理時間は長くかかってしまうので、ホンビノス貝が開かないからと言っても貝が死んでいると確定することはできません。
あさりやはまぐりよりも長い時間加熱することでホンビノス貝もちゃんと開きます。
《 ポイント 》
- ホンビノス貝はなかなか開かないので、加熱調理をしてもあさりやはまぐりよりも開くまでに長い時間がかかるので、ゆっくり長時間かけて加熱調理をするようにしてください。
ホンビノス貝が開かない場合は食べてはいけない?
加熱調理をしていても他のホンビノス貝が開いたのに1つ2つ開かないホンビノス貝がある場合は、その貝はあまり生きが良くなかった考えるようにしましょう。
加熱調理しても開かずに残ってしまったホンビノス貝は食べるのを止めましょう。死んでしまっているホンビノス貝は開かない以前に強烈な臭いがします。
ホンビノス貝が開かないで死んでしまうと腐敗菌が非常に早く増殖してしまいます。
また死んでしまっている開かないホンビノス貝は毒素も発生させてしまうので、生きているホンビノス貝と同じ鍋で調理した場合には他の生きているホンビノス貝にも臭いが移ってしまい食べられなくなってしまうので、調理をする前に必ずいやな臭いがしないか確認してから調理をするようにしましょう。
ホンビノス貝の毒素は加熱調理しても無くなることはないので、お腹を壊してしまう原因になるので注意してください。
《 ポイント 》
- 長い時間調理をしても開かないホンビノス貝は生きが良くなかったと考えて食べるのは止めておきましょう。
- ホンビノス貝が死んでしまって開かない場合には腐敗菌が非常に早く繁殖してしまうので、強烈な臭いがします。
- 開かない死んだホンビノス貝を同じ鍋で調理してしまうと他の生きているホンビノス貝もその臭いから食べられなくなってしまうので、調理する前に必ず臭いを確認しましょう。
ホンビノス貝の下処理方法
ここではホンビノス貝の下処理方法を紹介します。
ホンビノス貝は砂抜きが不要なので調理にそのまま使うことができます。しかし調理をする前には塩抜きと同じように3%の濃度の塩水に浸けてモヤ抜きをしましょう。
モヤ抜きとはホンビノス貝が体内に貯めている体液や泥を吐き出させる作業です。
スーパーで購入したホンビノス貝でしたらモヤ抜きをする必要はありませんが、潮干狩りで採ってきたホンビノス貝の場合は数時間~ひと晩3%の塩水に浸けておくことで、ホンビノス貝の体内に残る排泄物や泥を吐き出します。
こうすることでホンビノス貝の臭みも消すことができるのでより美味しく食べることができます。
また、ホンビノス貝は基本的に塩気が多いので調理をするときには塩抜きをして塩気を和らげておくと調理の際の塩加減の調整もやりやすくなります。
塩抜きの方法はモヤ抜きをした後で水からあげて1時間放置しておきましょう。
ホンビノス貝はモヤ抜きと塩抜きが終わったら最後に流水で洗ってホンビノス貝の表面の汚れを洗い流してから調理してください。
《 ポイント 》
- ホンビノス貝は基本的に塩抜きが不要な貝ですが、潮干狩りで採ってきた場合にはモヤ抜きをすることで美味しく食べることができます。
- ホンビノス貝のモヤ抜きは貝の体内に残る泥と排泄物を排出させます。またはまぐりと比較すると塩気が多いので塩抜きをするようにしましょう。
ホンビノス貝の美味しい食べ方
簡単調理でホンビノス貝を美味しく食べる方法を紹介します。
ホンビノス貝の酒蒸し
材料
- ホンビノス貝:10~15個
- キャベツ:1/4玉
- 酒:大さじ3
- バター:大さじ1
作り方
- キャベツを大き目のざく切りにします。
- フライパンに作り方①のキャベツを敷きます。
- きれいに洗ったホンビノス貝をキャベツの上に並べます。
- 酒とバターを入れてふたをして中火で加熱します。
- 時折フライパンを揺すってホンビノス貝が開いたら完成です。
酒蒸し調理のコツはお酒が蒸発して水分が足りなくなってしまったら追加して焦げつかないようにすることと、しっかりふたをして蒸すことです。
チューブのニンニクを追加すれば美味しさもアップします。
ホンビノス貝のお吸い物
材料(3人分)
- ホンビノス貝:6個
- 細葱:5本程度
- 白だし:大さじ1
- 水:500cc
作り方
- ホンビノス貝をモヤ抜きして流水で汚れを洗い流します。
- 鍋に水を入れて火にかけます。
- ホンビノス貝が開いたら実が硬くならないように1、2分そのまま加熱して白だしを加えます。
- 細葱を刻んで加えたら完成です。
お吸い物調理のコツはしっかりモヤ抜きをして臭いをとっておくことと、貝が開いてからも1、2分そのまま加熱することです。
ホンビノス貝からも塩気が出るので白だしだけの味付けでも美味しく出来上がります。
最後に
ホンビノス貝ははまぐりによく似た貝ですが、特徴を覚えればその違いはすぐわかります。
ホンビノス貝を加熱調理をするときは、はまぐりよりも貝の口が開かないので、ホンビノス貝の口が開かない場合はゆっくり長い時間加熱して開かせるようにしましょう。
またホンビノス貝は基本的に砂抜きが必要ありませんが、ホンビノス貝を美味しく食べるためにはモヤ抜きをする必要があります。
ホンビノス貝は安価で美味しい貝なので上手に調理して食べましょう。