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ダニは洗濯機にうつる?!
ダニがついたものを洗濯機で洗うと洗濯の水でダニは溺れ死んでしまいそうですが、残念なことに洗濯機を回した衝撃ぐらいで死滅させることはできません。
ということは、ダニがついている洋服や、布団などを洗濯した場合、洗濯機はもちろんのこと、他の衣類にうつる可能性が十分にあるというわけです。
ダニは生命力が強いうえに、カギ爪で繊維をしっかり引っ掛けながら繊維の奥に入りこんでいるので遠心力や水流だけでは取り除けませんし、洗濯機用の洗濯洗剤や薬剤でも簡単には始末できません。ですが、布製品の種類によっては除去率が違ってきます。
薄手の衣類やカバー、タオルケットなどの布地が薄ければ深くまで潜ることができず、簡単な衝撃で繊維からうつることなく剥がれ落ちるようです。
薄手の衣類やシーツ類の除去率は90%以上、シーツより厚いタオルケット類では、洗濯で50%程度のダニがうつることなく除去できると言われていますが、毛布のような厚手のものからの除去率は、かなり効果が低くなるのでダニの死滅は不可能でしょう。
このようにダニは私たちが思っている以上にしぶとく衣類にうつるので、普通の洗濯機での洗濯方法では死滅させることは難しいのです。
《 ポイント 》
- ダニは洗濯機を回した衝撃ぐらいでは死滅しない。
- 布製品の種類によってダニの除去率は違う。
ダニが洗濯機にうつった時の対処法
洗濯槽を洗浄
洗濯機の洗濯槽の中にいるダニは、いったい何をエサにして生息しているのでしょうか?
その答えは「カビ」です。
このカビが原因でダニは生き抜くことが可能なので、その対策の一つとしておススメなのが塩素系の洗濯槽クリーナーを使用することです。
塩素系の洗濯槽クリーナーは、エサになるカビを分解・除去し、そのうえ殺菌の効果もあるのでダニの繁殖を抑制できうつることを防げます。
塩素系の洗濯槽クリーナー以外にも、塩素系漂白剤、俗にいう「ハイタ―」でも短時間で簡単にカビを除去することができ、カビのカスなどをすくう手間も要りません。
このように定期的にしっかり洗うことによって、綺麗な洗濯機の洗濯槽を保つことができるのです。注意事項として、酸性のものと混ぜると塩素ガスが発生するので絶対に混ぜないようにしましょう。
洗濯槽はしっかり乾燥させる
洗濯機で洗濯した後は、水分が残ってじめじめと湿っているので、ダニにとって快適な環境となってしまいます。
よって、洗濯機を使用した後は常に蓋を開けっ放しにしておく習慣を身に付けておきましょう。
常に洗濯機の蓋を開けて、中に湿気がこもらないように乾燥させておくことで、湿気の多い場所が好きなダニの繁殖を防ぎうつることを防げます。
また、乾燥機能がついている洗濯機であれば、乾燥機能を積極的に活用しましょう。
洗濯機の洗濯槽を高温乾燥させると、一気に湿度が下がりますので、熱と乾燥に弱いダニがうつることなく退治できます。
《 ポイント 》
- ダニがうつる対策は、塩素系の洗濯槽クリーナーで洗濯槽を洗浄する。
- ダニがうつる対策は、常に洗濯機の蓋を開けっ放しにして乾燥させる。
- ダニがうつる対策は、洗濯機の乾燥機能を積極的に活用する。
ダニがついた洗濯物の対策
洗濯機の洗濯槽についたダニを除去してから洗濯を行わないと、そのダニが衣類へうつることになります。
ダニを落すために洗濯にかけていたのに、逆にダニをうつると元も子もありませんよね。そうならない為の対策として、熱と乾燥に弱いダニに60℃の熱を与えて死滅させます。
天日干しすることでダニを死滅させられると思いがちですが、天日干しで60℃以上になることはないので、次にあげる3つの方法でダニ対策をしてみましょう。
乾燥機で高温乾燥する
洗濯機で洗濯した後に乾燥機で高温乾燥するという方法です。
自宅の乾燥機はダニが死滅する温度である60℃なのですが、コインランドリーの乾燥機は、80~120℃の高温で乾燥させる機能がついているので、より確実にダニ退治ができます。
おまけにコインランドリーに設置してある乾燥機は大容量なので、一度にほぼ全ての洗濯物に熱を与えることが可能です。
そして乾燥させた後の衣類は、一度たたいてダニを落としてからたたむようにすると、洗濯物の内部に潜んでいたダニの死がいを駆除することができます。
熱湯につける
熱に弱いダニは通常の洗濯機では退治することはできませんが、60℃以上の熱湯につけることで退治することができます。
「ツメダニ」や「イエダニ」に刺されて、今すぐどうにかしたい時に直ぐに試せる方法です。
バケツなどに60℃以上の熱湯を用意し、ダニを駆除したい布製品をしばらく浸け置きしてから通常通り洗濯するという最も簡単なやり方です。
これでダニの死骸を流すことができますし、たとえ死滅していなくても、弱って動けなくなっているはずなので、通常の洗濯でも流しやすくなります。
熱湯につけるやり方は海外では一般的ですが、日本ではあまり馴染みがないため、熱湯が使用できない洗濯機もありますので、熱湯を使用する場合はバケツや浴槽を利用するようにしてください。
アイロンをあてる
ご家庭にあるアイロンの熱でもダニを死滅させることが出来ます。
衣類ひとつひとつにアイロンをかけるのはとても手間がかかる作業ですが、確実にダニを駆除出来るでしょう。
不特定多数の方が利用するコインランドリーで洗濯するのが嫌だと思われている方にとって、最高で200℃以上の熱を出せるアイロンはおすすめの方法です。
ただ、衣類の素材によっては、アイロンの使用が不可と表示されているものもあるので、注意してくださいね。
ダニ駆除効果を搭載した洗濯機が販売されている。
洗濯機で洗濯をする前に温風加熱をして死滅・衰退させる機能が搭載された洗濯機があります。
はじめに温風加熱をしてダニを死滅・衰退させてから、洗浄で洗い流すことで、ダニの死滅率99%以上、アレルギー原因物質(ダニのフンや死骸)除去率99%以上という効果が実証されています。
一例をあげると、「ダニバスターコース」や「ダニ駆除コース」などが搭載されている洗濯機では、洗濯の前にまずは65℃以上の温風で約90分間の熱風を洗濯物に当てます。
そうすることでダニを死滅、または衰退させ、それから洗濯に移行し、衣類からダニを引き剥がすように洗います。
その後は流水により、死骸などのアレルゲンまでもしっかりと洗い流せるので、理想的な工程でダニの除去ができる仕組みになっています。
《 ポイント 》
- ダニは60℃以上の熱を与えると死滅する。
- 天日干しで60℃以上になることはない。
- ダニ退治には乾燥機やアイロンを活用する。
- ダニ退治には60℃以上の熱湯にしばらく浸け置きする。
- ダニ駆除を搭載した洗濯機がある。
ダニを増やさないためのポイント
洗濯機で洗濯をすることだけでダニを退治しようとするのではなく、ダニが発生しない仕組みを日頃から心がけることがとても重要になります。
洗濯機に頼らないダニが衣類にうつる対策の効果的な方法として、以下のようなものがあげられますので参考にしてみて下さい。
- 衣類はこまめに洗濯して繁殖を防ぐ。
- カーテンやカーペット、布団などは家で丸洗い出来るものを選ぶ。
- 家の洗濯機で洗えない場合はコインランドリーを定期的に利用する。
- ダニはじめじめとした湿度の高い場所を好むため、部屋の換気はできるだけ毎日する。
- 起床後は掛け布団をめくって湿気を取り、布団の敷きっぱなしを避けるようにする。
- 布団シーツや寝具カバーをこまめに取り換えて洗濯する。
- マットレスは床に直接置かないようにして、壁に立てかけて頻繁に風を通す。
- 防ダニシーツや防ダニ布団など、特殊なダニ加工がされているアイテムを購入する。
- 畳やカーペットをこまめに掃除してほこりを溜めこまない。
- 衣類を長期保管する時には、きれいに洗濯してしっかり乾燥させてから防虫シートや防虫剤などのダニ駆除剤を入れたケースに収納する。
- 服を保管しておくクローゼットには、除湿剤を置くなどして湿気対策をする。
《 ポイント 》
- ダニが発生し衣類にうつることを防ぐ仕組みを日頃から心がける。
ダニによる被害
ダニは洗濯機にうつるとは別に、ここではダニによる被害を紹介します。
生きているダニは、私たち生き物の身体を刺しますが、死骸やフン、抜け殻などでもアレルゲンとなって体に直接的な害を及ぼすのでとても厄介です。
肌にかゆみやかぶれが現れる
ダニの中でも「ツメダニ」と「イエダニ」は人を刺すダニとして名が知られており、刺されると皮膚が赤く腫れ、激しいかゆみを伴います。
かゆみがなくなるまでに1週間~10日程かかるので、蚊などの害虫に刺された時よりも長引くようです。
さらにネズミに寄生する種類の「イエダニ」は、刺すだけでなく、血を吸うこともあるので感染症の危険性が伴います。
また、直接ダニに刺されなくても、敏感肌の方はダニやダニの排泄物に触れるだけでもアレルギー反応が出て、かゆみを起こすことがありますので注意が必要です。
アレルギー性の疾患を発症する。
「ヒョウダニ」は人を刺すことはないのですが、死骸やフンを吸い込むだけでも気管支喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎といったアレルギー性の疾患を合併してしまうことがあります。
《 ポイント 》
- ダニの死骸やフン、抜け殻などもアレルゲンになる。
- ダニは刺すだけでなく、血を吸うので感染症の危険性が伴う。
最後に
ダニが洗濯機にうつる場合の対処法や増やさないためのポイント、洗濯機に頼らないダニ対策を解説していきましたが、お役に立ちましたでしょうか?
ダニはオスとメスが1匹ずついれば、2ヵ月後にはおよそ3,000匹まで繁殖するといわれているくらい、ダニの生命力は強いので、普通に洗濯をするだけでは洗濯槽や他の衣類にうつります。
なので、確実にダニを退治するには、高温乾燥や熱湯、アイロンなどを使って60℃以上の熱を加えて死滅させること、そして洗濯槽をしっかり洗浄し乾燥させることが大切ということでした。
ダニが発生しない対策をしっかりと行い、ストレスのない快適な生活が送れるよう心がけましょう!