冷凍あさりが開かないのは自然解凍が原因?失敗しない解凍方法とは

ボールに入れたあさり

冷凍あさりの口が開かない原因は何でしょうか?冷凍あさりが開かないのは、解凍方法に関係があります。解凍方法はいろいろありますが、実はちゃんと開かせるためのコツがあるのです。それを知らずに解凍してしまうと、高い確率で冷凍あさりは開かないことになります。今回は冷凍あさりが開かない時の原因や失敗しない解凍方法について調べてみましたので紹介します。

冷凍あさりが開かない原因

あさり

冷凍あさりの口が開かないのは貝殻の中にあるじん帯と貝柱との関係によるものです。

冷凍あさりの貝殻のじん帯には、開こうとする力が働いていますが、中にある貝柱はコラーゲンなどのタンパク質によって貝殻にピッタリとついています。この構造が冷凍あさりが開かない原因です。

生きたあさりは冷凍した段階で死んでしまいますが、急速冷凍したものであれば、貝柱のタンパク質の構造が変わらないので、加熱することにより生きたあさりと同じ様に貝殻が開きます。

冷凍あさりを調理する際には、冷凍あさりの口が開かないのを防ぐには、冷凍状態まま、強火でいっきに加熱してください。

そうすることにより、タンパク質の変性が 促されて貝柱が縮み、接着力が失われて貝殻から貝柱が剥がれやすくなります。その結果、冷凍あさりが開かないときに開かせることができるというわけです。

ポイントは、ゆっくり加熱するのではなく、水からではなく熱湯になってから冷凍あさりを入れ、強火でいっきに加熱することです。

そうすることにより、急激に貝柱が縮み、その瞬発力で冷凍あさりが開くのですが、その一方で、自然解凍やゆっくりと加熱する方法は、開こうとする力が働くじん帯を損傷させてしまいますので、貝殻 はうまく開かない原因になります。

《 ポイント 》

  • 冷凍あさりのじん帯を損傷させてしまうと口がうまく開かない。
  • 冷凍あさりの口がうまく開かないときは冷凍状態まま、強火でいっきに加熱すると貝柱が縮み開きやすい。

冷凍あさりで開かない時はどうする?

あさり

通常のあさりは火にかけると口を開くものなのですが、解凍した冷凍あさりが開かない場合には二つの原因が考えられます。

それは、冷凍あさりが既に死んでしまって開かない、または冷凍あさりの解凍方法が間違っていたため開かない、のどちらかです。

あさりが既に死んでしまっている場合

加熱する前の下処理である砂抜きしている段階で開かないのであれば、既に死んでいる可能性があります。ぴっちりと口を閉じている冷凍あさりは死んでいると考えられますので、例え砂抜きしても開くことはありません。

また、あさりや貝類は死んでしまうと腐敗が早いので、異臭を放っていたりドロドロした感じになっているのに気づきますので、確認のためにまずは臭いを嗅いでみてください。

そのような異臭を放って口が開かない状態の冷凍あさりを、無理やりこじ開けて食べたとしても食中毒をおこす可能性があるので、リスクを考えて、捨ててしまいましょう。

冷凍あさりの解凍方法を間違った場合

あさりを砂抜きしている間は口を開いていたのにも関わらず、調理したら開かない場合は、死んでしまったのではなく解凍方法に問題があったと思われます。

例え冷凍あさりが死んでいなかったとしても解凍方法を間違って行ってしまうと、調理する時に冷凍あさりが開かないこともあるので、冷凍あさりは正しい方法で解凍するようにしましょう。

《 ポイント 》

  • 冷凍あさりの口が開かない場合は既に死んでいる可能性があるのでリスクを考えて捨てる。
  • 冷凍あさりの口が開かないのを防ぐためには正しい方法で解凍する。

冷凍あさりの失敗しない解凍方法

あさりの味噌汁

冷凍したまま調理する

冷凍あさりの自然解凍は厳禁です。殻付き冷凍あさりの解凍で失敗する口が開かない原因の殆どは、このパターンです。

自然解凍でじっくり解凍する方法や、時間をかけて徐々に加熱していく方法ではなく、凍ったままのあさりを強火で加熱するようにしましょう。

殻付き冷凍あさりを冷凍庫から取り出したら、熱湯や熱々のフライパンにバっと一気に入れることで、100%の確率で冷凍あさりの口が開かないのを防ぎ、開かせることができます。

味噌汁を作る時には沸騰したお湯に、また、酒蒸しやパスタの時にはにアツアツに熱したフライパンに入れるなど、高温状態のところに冷凍あさりを勢いよく投入して口が開かないのを防ぎましょう。

味噌汁を作る時の失敗しない解凍方法

  1. 鍋にお湯を沸かしてグラグラと沸騰させます。
  2. 熱湯の中に冷凍庫から取り出したばかりの冷凍あさりを直ぐに入れます。
  3. 最大火力の強火で加熱し続け、冷凍あさりが開いたのを確認したら火を止めます。

一度に大量の冷凍あさりを投入するとお湯の温度が急激に下がってしまい、口が開かない原因になってしまいますので、くれぐれも入れ過ぎないように注意してください。また、加熱しすぎると身が硬くなってしまいますので、 貝殻が開いたらすぐに火を止めるようにしてください。

酒蒸しやパスタを作る時の失敗しない解凍方法

フライパンを使う方法
  1. 日本酒を適量入れて沸騰させます。
  2. その中に、冷凍庫から取り出した冷凍あさりを手早く入れて蓋をします。
  3. 冷凍あさりが口を開くまでそのまま強火で加熱し続けます。

冷凍あさりの口が開いたかどうかを確認しやすいように、フライパンの蓋は中が見えるガラス製のものを使用するとよいでしょう。

レンジを使う方法

  1. 深めの耐熱皿に冷凍あさりのせてラップをかけ、すぐに加熱します。
  2. ワット数の切替えを「最強」にして、口が開くまで加熱し続けます。
  3. 加熱し過ぎると身が固くなって美味しさが半減してしまいますので、冷凍あさりの口が開いたらすぐにレンジをストップします。

ポイントは、冷凍あさりの口が開くのを確認できるようにレンジの中の様子をじっと見ていることです。味噌汁を作ると同じように、加熱し過ぎによって身が硬くなってしまうので、 貝殻が開いたらすぐにレンジをストップさせます。

むき身の冷凍あさりの解凍方法

殻付きのあさりのように口が開かない心配がないので、自然解凍でもOKです。急ぎの場合は、フリーザーバックのまま流水で解凍したり、レンジを使って解凍します。

ポイントは、旨味が逃げてしまわないように、冷凍あさりは完全に解凍せずに半解凍で調理することです。

《 ポイント 》

  • 冷凍あさりの自然解凍は口が開かない原因になるので厳禁。
  • 最大火力の「強火」で冷凍あさりの口が開かないときは、開くまで加熱し続ける。
  • 冷凍あさりは加熱し過ぎると身が固くなって美味しさが半減する。
  • 口が開かない心配がない、むき身の冷凍あさりは自然解凍でもOK。

あさりの正しい冷凍方法

あさりをザルで洗う
冷凍あさりの口が開かないのを防ぐには、正しい冷凍方法が必要です、ここではその冷凍方法を教えます。

あさりの砂抜き方法

あさりを冷凍する前には、「砂抜き」と「塩抜き」の二つの下処理をする必要があります。一度冷凍してしまうとあさりは死んでしまいますので、生きているあさりの呼吸を利用して砂と塩を冷凍前に抜いてしまいます。

砂抜き

食べた時に口の中でジャリッと砂を噛む嫌な感覚があると、美味しい料理も無しになってしまいます。潮干狩りで取ってきたあさりはもちろんのこと、スーパーで買ってきたものもしっかり砂抜きをしておきましょう。

砂抜きをするときは、元々住んでいた海水と同じ濃度の3%(1ℓの水道水に対し塩大さじ2杯)の塩水を入れたバッドに、あさりを重ならないように置き、新聞紙などで包み暗くします。水温変化の少ない冷暗に3時間ほど置いて砂抜きをしたら、最後に洗い流して砂抜き終了です。

濃度を3%以上にしてしまうと、あさりは海水と感じず、じょうずに砂抜きができません。また、ミネラルウォーターやアルカリイオン水を使うと砂を吐きませんので、水道水を使うようにしてください。

塩抜き

砂抜きしたあさりは、貝殻の中に塩水が残っていますので、そのまま調理するととても塩辛く出来上がってしまいます。砂抜きをしたバットの塩水を捨て、水がない状態の中に、砂抜きと同様に貝を並べます。砂抜きで使った新聞紙でフタをして、そのまま室温で1時間程度放置するだけで塩抜きは完了です。砂抜き後に、そのまま続けてできますので、忘れずに行って下さいね。

あさりの冷凍方法

殻付きで冷凍する方法

  1. 砂抜きと塩抜きをしたら、殻についた汚れを流水でよく洗い流します。
  2. 貝殻についた水気をよく拭き取ってから、使う時に便利なように小分けにしてフリーザーバックなどの密閉袋に入れます。袋の中の空気をできるだけ抜くようにして真空に近い状態にすると、新鮮さが長持ちします。
  3. 「急速冷凍」機能を活用するか、なければ他の冷凍物の下に入れることで、早く凍らせることが可能です。

むき身にしてから冷凍する方法

  1. 殻つきのあさりを皿に並べてラップをして、レンジで加熱します。
  2. 早いものは2分程度で口が開くので、熱くない程度に冷めてからスプーンを使って身を取り出します。
  3. 滲み出した出汁ごと、フリーザーバックなどの密閉袋に入れます。この出汁はとても美味しいので、一緒に料理に使うとよいでしょう。
  4. 速く凍らせるために「急速冷凍」機能を使うか、冷凍庫の下の方に入れるようにします。

冷凍保存期間

冷凍あさりの冷凍保存できる期間は半年程度ですが、冷凍庫内は乾燥しやすいのでどうしてもパサパサした感じになってしまいます。美味しく食べたいのであれば、殻付きで1ヶ月、むき身で2~3週間程度を目安に食べるようにした方がよいでしょう。

《 ポイント 》

  • 冷凍あさりは冷凍する前に、「砂抜き」と「塩抜き」の二つの下処理が必要。
  • フリーザーバックを真空に近い状態にすると、冷凍あさりの新鮮さが長持ちする。
  • 冷凍あさりを美味しく食べるための冷凍保存期間は、殻付きで1ヶ月、むき身で2~3週間程度。

最後に

フライパンに入れたあさり

冷凍あさりが開かない原因や失敗しない解凍方法について、いかがだったでしょうか?

殻付きの冷凍あさりは、解凍に失敗すると口が開かないので、必ず冷凍庫から取り出したら熱々になっている熱湯やフライパンに入れ、一気に加熱する!これが重要なポイントです。それを知らずにただ解凍してしまうと、高い確率で美味しく食べることができなくなってしまいます。

解凍方法を間違えなければ、ほとんどの冷凍あさりの口が開かないのを防ぎ、口を開くことができるはずなので、この記事を参考にして美味しい冷凍あさりを無駄なく味わってくださいね。

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