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豚肉の生はなぜ危ない?
牛肉はレアでも大丈夫ですし、鶏肉を生で扱っているお店も少数ですがあります。なぜ豚肉は生で食べると危険なのでしょうか。
1.豚肉は内部まで汚染されている
牛肉は、食中毒の原因となる菌が、食肉の表面のみを汚染していることが判明しています。そのため、内臓を食べる際には注意が必要ですが、ステーキなどは中まで焼けていなくてもあまり心配はいりません。
一方、豚肉は食肉の内部までウイルスや菌に汚染されているといわれており、食肉でもしっかりと火を通して菌を死滅させることが重要とされています。
2.肝障害や食中毒の原因に
豚肉には鶏肉と同様に、サルモネラ菌やカンピロバクターなどの食中毒を引き起こす菌がいる他、E型肝炎ウイルスが繁殖していることが多いとされています。これらの菌やウイルスが、体内に入れば食中毒になるのはもちろん、肝障害を引き起こす可能性も。
3.生焼けを食べてしまったら
豚肉を生焼けで食べてしまったあと、下痢や腹痛、発熱といった症状が出た場合は、食中毒菌や、E型肝炎ウイルスに感染した可能性があります。その場合は早めに医療機関を受診しましょう。
ただし、これらの症状は主に7日以内に出るので、7日経っても何の症状も出なければ大丈夫です。
豚肉が生焼けかどうか確かめよう
豚肉を生焼けの状態で食べないために、生焼けかどうか確認する方法を知っておきましょう。
1.肉汁の色
豚肉自体の色がピンク色になっていると、生焼けだと勘違いしやすいのですが、実は食材との組み合わせによって、ピンクに変色することがあります。
例えば、ハムがピンク色になっているのは「亜硝酸ナトリウム」という成分が要因。亜硝酸ナトリウムは、ホウレンソウや玉ねぎにも含まれており、加熱した豚肉とあわせると、反応して豚肉をピンク色にすることがあるのです。
肉の色だけでは生なのか判別がつきにくいため、生かどうか最も判別しやすいのは肉汁の色です。豚肉にしっかり火が通っているときは、肉汁が透明になります。肉汁が赤っぽいときは加熱不足。肉の色だけでなく、肉汁の色で判断するのが最も正確といえるでしょう。
2.適切な温度
厚労省で発表されている基準によると、豚肉は中心温度75℃以上で加熱するか、63℃で30分以上加熱することで、菌を死滅させられるとされています。これらの基準をしっかり満たしていれば、多少肉に色が残っていても大丈夫。適切な温度で調理しましょう。
3.とんかつは完全に浮くまで
とんかつは、揚げている最中に肉汁を確認することができません。しかし、多めの油で揚げ、とんかつ全体がしっかりと浮いてくるようになれば、中まで火が通っていると見て間違いないでしょう。揚がったら一度カットして、断面の色を確認するものお忘れなく。
豚肉を安全に食べる方法
生焼けを防ぐための豚肉の調理方法をまとめました。
1.煮込みにする
ハンバーグなどの分厚い肉料理は、どうしても中まで火を通すのに時間がかかってしまうため、生焼けになりやすくなります。煮込みハンバーグにすれば、ほぼ確実に生焼けを防ぐことが可能。前述した厚労省の基準をしっかりと満たすことができるからです。
2.余熱の力を借りる
とんかつなどの揚げ物は、揚げたあとの余熱で十分に熱を通すことができます。揚げたあとすぐに食卓に並べずに、3分程度待ってみてください。それから切り分けて断面を確認してから食べれば安全です。
3.レンジでチン
調理し終えても赤身が残る、でももう火から下ろしてしまったし…というときには、レンジで加熱するのもいいでしょう。忙しくて調理に時間をかけられないときや、加熱中に台所を離れたいというときにも便利です。
正しい調理方法で豚肉をおいしく安全に
豚肉を生焼けで食べる危険性と、安全に食べる方法についてまとめました。自分や家族の健康を守るためにも、正しい調理方法でおいしい豚肉を安全に楽しみましょう。