目次
寝る前のりんごは太るの?
夜は太りやすい時間帯である理由
りんごを寝る前に食べるのはおすすめしません。理由は、寝る前にりんごを食べると太りやすいからです。
睡眠中は代謝が下がり、エネルギー消費量も少なくなりますので、健康に良いはずの果糖が中性脂肪になり、脂肪細胞に蓄積されてしまうからです。
りんごには、美容や健康に欠かせない栄養素がギュッと詰まった体に良いイメージがありますが、意外にも夜のリンゴは夜食向きではなく、「寝る前にりんごを食べると太る」と言われるのは、当たっていると言えるでしょう。
りんごのカロリー
りんご100gあたりのカロリーは54kcalです。大きさにもよりますが、りんご1個分の重さが250~300gだとして約150 kcalになります。
ちなみに、バナナ1本あたりのカロリーは86kcalなので、りんごはバナナの2倍弱のカロリーがあることになります。
りんごの成分
りんごには、以下のような様々な栄養素が豊富に含まれています。
- 水分
- 炭水化物
- ビタミンC
- ビタミンE
- ペクチン
- ポリフェノール
- クエン酸
- カリウム
- 食物繊維
全体の約80%が水分であるりんごは、カロリーが低いにも関わらず、夜リンゴを食べると太ると言われているはなぜでしょうか?
それは今回のタイトル深く関係がある果糖やショ糖などの「糖分」、そしてペクチンなどの「食物繊維」が関係してくるからです。
りんごには、1個あたり約35.6gの糖分が含まれています。普通の砂糖と比較して血糖値が上がりにくいものの、この豊富な糖分が「夜食に適さない」と言われる主な原因です。
また、美容や健康に欠かせない食物繊維は、寝る前に摂り過ぎると、りんごに含まれている有機酸によって、胃のPHが高くなり、消化不良を引き起こしやすいなど、身体に悪い影響を及ぼす可能性があります。
夜食べるなら火を通したりんごがおすすめ!
「ホットりんご」って耳にしたことありませんか?
「1日1個のりんごは医者いらず」ということわざがどおり、りんごにはたくさんの栄養素が含まれています。意外にもそのまま生で食べるより火を通して温めることで、より栄養価がアップすることが分かっています。
火を通すことで、朝のお通じやダイエットサポートにつながるといわれているペクチンの抗酸化力が、数倍にもなるという研究結果が報告されています。なので、夜に食べるとしたら生のりんごを新鮮なうちに食べるよりも、火を通したりんごのほうがおすすめです。
手軽にできる、スライスしてレンジでチンした暖かいりんごはどうでしょう?
《 ポイント 》
- 寝る前にりんごを食べると、りんごの果糖が中性脂肪になり、脂肪細胞に蓄積される。
- りんごの豊富な糖分が「夜食に適さない」と言われる主な原因。
- りんごに火を通すことでペクチンの抗酸化力が数倍にもなる。
りんごを食べるおすすめの時間帯や量
りんごは寝る前ではなく夕食時に食べる
寝る前にりんごを食べると太りやすいというのは、りんごだけに原因があるわけではないようです。皆さんご存知のように、「22時以降に飲食をすると太る」ということが近年の研究で明らかになっています。
では、りんごを食べるおすすめの時間帯とはいつなのでしょうか?
夜にりんごを食べるとしたら、夜食ではなく「夕食時」に食べるのがおすすめです。
りんごに含まれている糖分が、穀物や魚肉類などを消化する時に役立つのだそうです。食後のデザートというイメージが強いのですが、ダイエット効果を期待するのであれば、夕飯前の空腹時に食べるのがベストでしょう。
特に、夕ご飯をついつい食べ過ぎてしまうという方は、食前にりんごを食べておくと、食べ過ぎや消化を助けてくれるでしょう。
寝る前のりんごは避ける
糖分やペクチンが脂肪として吸収されることは、先にお伝えしましたが、その他にも腸内活動を促し、便意を感じやすくする作用もあります。
特に睡眠中は、副交感神経が優位になり、腸の活動が活発化しますが、そこにペクチンが加わると、下痢になる可能性もあるようです。
そう考えると、りんごを朝食べることで、排便活動を手助けしてくれる「朝」が、ペクチンの作用を最も発揮させたい時間帯なのではないでしょうか。
りんごを食べる量
りんごは健康と美容に効果的な成分を多く含む、「身体に良い果物」である事は立証されていて、1日1個を目安に、朝食や日中に食べると健康維持に役立つと言われています。
ただし、「朝のリンゴは金、夜のリンゴは毒」という言葉があるように、夜にりんごを食べるなら1切れ~2切れ程度にしておきましょう。
夕ご飯をりんごだけで済ます「置き換えダイエット」が一時流行しましたが、りんごでお腹いっぱいにしても、すぐにお腹が空いてします。いくら栄養価が高いりんごでも、栄養面のバランスが崩れてしまいますので、ダイエットをしている時こそ、栄養バランスを考えた食事を心がけるようにして下さい。
《 ポイント 》
- りんごを寝る前の夜に食べるとしたら、夜食ではなく夕食時に。
- りんごにペクチンが加わると腸が活発化する睡眠中に下痢になる可能性もある。
- りんごを寝る前の夜に食べるなら1切れ~2切れ程度にしておく。
りんごの効果効能
寝る前にりんごを食べると、りんごの果糖が中性脂肪になるというお話をしましたが、りんごにはたくさんの栄養素がギュっと詰まっています。
次はりんごの効果や効能を紹介します。
コレステロール値や血糖値を下げる
ペクチンという食物繊維には、コレステロールの吸収を抑制して、その数値を下げる効果があります。また、糖分の吸収も抑制するため、血糖値の上昇をゆるやかにできるようです。
美肌効果
りんごのペクチンが腸内の善玉菌に作用し便秘解消が期待できます。腸内環境が整い体の内側からきれいになることで、お肌の調子も整います。また、シミやそばかすを防いでくれるビタミンCも含まれています。
老化防止
りんごの皮に多く含まれているポリフェノールは、抗酸化作用がありますので、血流が改善され、老化防止の作用が期待できます。
疲労回復
りんごに含まれるクエン酸は、体内の疲労物質を緩和してくれます。また、ポリフェノールも、疲労回復に一役買ってくれます。
整腸作用
りんごには整腸作用がありますので、朝の時間帯に摂取することで、体にたまった老廃物を体外へ排出するのを促してくれます。さらに腸内環境が整うことにより、免疫力のアップにも繋がります。
むくみ予防
りんごに含まれているカリウムは利尿作用があるので、むくみ予防に効果を発揮します。また、余分な水分が排出されると、血圧の調整もスムーズに行われ、高血圧の予防に役立ちます。
《 ポイント 》
- りんごの食物繊維やペクチンが腸内環境を良くして免疫力や美肌効果がアップする。
- りんごのポリフェノールの抗酸化作用で老化防止。
- りんごのクエン酸とポリフェノールは、疲労回復に役立つ。
- りんごの利尿作用があるカリウムは、むくみや高血圧の予防になる。
りんご酢の効果や飲むタイミング
りんごは、寝る前に食べるには適さない食べ物ですが、りんご酢はどうでしょうか?
ここでは、りんご酢の効果や飲むタイミングを紹介します。
りんご酢の効果
りんごの酢は、りんごの本来の甘みがお酢の酸味を和らげてくれるので、お酢が苦手な人でも飲みやすい果実酢です。飲むだけでなく、ドレッシングやピクルスなどにも使いやすいリンゴ酢ですが、疲労回復など体調を整えたり病気を予防する成分が含まれています。
また、お酢に含まれる酢酸が血糖値の上昇を緩やかにし、内臓脂肪を減少させる効果もあります。
このように、りんごとお酢で作られたりんごの酢を毎日続けて摂取することは、身体にとって嬉しいことばかりのようです。
酢には乳酸を分解し疲れを回復させる働きがありますので、りんご酢、はちみつ、水を混ぜ合わせたバーモントドリンクを作り、朝晩カップに一杯ずつ飲むことで高血圧予防に役立ててみましょう。
りんご酢を飲む量
一般的なお酢と同様に、りんごの酢は酢酸を含んでいるため、そのまま飲むと胃を痛めてしまう可能性がありますので、水や牛乳で割って飲むのがいいかもしれませんね。
水割り、牛乳割りにすることで、お酢の酸味が程よく抑えられ、マイルドな仕上がりになり美味しく戴けるのですが、かといって飲み過ぎは禁物です。
飲む量は1回あたり大さじ2杯程度、1日に飲む回数は1~2回が適量でしょう。
りんご酢を飲むタイミング
血糖値の上昇を抑えるのが目的であれば、食事と一緒に摂るのがベストです。
食前に飲んでも効果を発揮しますが、空腹時だと胃へ負担をかけてしまうことになりかねないので、胃の調子とのバランスを上手く取りながら、自分に合ったりんご酢の飲み方を見つけてみてください。
《 ポイント 》
- りんご酢を毎日続けて摂取することは身体に嬉しいことばかり。
- りんご酢は1回あたり大さじ2杯程度、1日に飲む回数は1~2回が適量。
- りんご酢は空腹時は胃へ負担をかける為、食事と一緒に摂るのがベスト。
寝る前に何か食べたいときの対処法
りんごの代わりに、寝る前に食べても良い物を紹介します。
体の緊張をほぐすものを食べる
寝る前の貴重なリラックスタイムには、精神面だけでなく、体の緊張もゆるめてくれる食べ物がおすすめです。手軽に食べられるバナナは、カリウムとマグネシウムが豊富で、その日の疲れを癒してくれます。
低カロリーな食べ物
1日の総摂取カロリー自体を下げるのではなく、配分バランスを調整するようにします。1日の食事のメインを朝食と昼食に置き、夜は軽めにするとよいでしょう。
その日に食べたものを思い出し、それに合わせてあと何kcal摂取しても大丈夫かを考えて、食べるメニューを決めるようにしましょう。糖質制限をしている人は、1日の糖質量を計算したうえで夜食メニューを決めてください。
暖かい物
温かい食べ物や飲み物には、満腹効果があり心を落ち着かせてくれます。
夜食でおすすめなのは、体温を上昇させて眠気を誘ってくれる、うどんや雑炊などの温かい食べ物です。中でも安眠効果がある牛乳は、寝る前に飲んでも睡眠の邪魔をすることがありません。
暖かい牛乳で体を温めてから布団に入ると入眠しやすくなりますので、眠れないときの対処法としてオススメします。
消化の良い物をよく噛んで食べる
就寝前は消化に時間のかからないおかゆのようなやわらかいものが良いでしょう。おかゆは水を含んでいるため、少量でも満足感が得られます。
消化のよいものでないと、消化不良を起こして翌朝の食欲を低下させてしまうので、注意する必要があります。できればお就寝前の食欲をコントロールできるようになるとよいですね。
《 ポイント 》
- カロリーの配分バランスを調整する。
- 安眠効果がある牛乳は、眠れないときにおすすめ。
- おかゆは水を含んでいるため、少量でも満足感が得られる。
最後に
寝る前にりんごを食べると太ってしまうのか?そして食べる時間帯や量についていかがでしたでしょうか?
りんごが美味しいのは糖分が多いからですが、美味しいからと言って食べすぎては太る原因になってしまいます。
体が活動を始める朝に食べるのと、就寝前の夜に食べるのとでは、体への影響は違ってきます。特に果糖は夜に食べるのを控えたほうが良いので、食べるなら朝や日中にした方が無難ですね。
栄養価も高く、食物繊維も豊富なりんごですが、「寝る前にりんごを食べると太る」というウワサは、本当だと言えるでしょう。