目次
漂白剤の種類3つ
漂白剤には、大きくわけて3つの種類があります。それは塩素系漂白剤、酸素系漂白剤、還元系漂白剤の3種類です。
そして、酸素系漂白剤には、液体タイプと粉末タイプの2種類の形状があります。それぞれ用途が違うので特徴を紹介していきます。
漂白剤の種類1:塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は、他の漂白剤の中でもっとも漂白力が強い種類です。殺菌や防カビ効果もあり、衣類のしつこい汚れやお風呂場の黒カビ掃除にも使用でき、1本あれば掃除などで活躍してくれます。
ただその反面、手などに触れると炎症を起こしたり、酸性のものと混ぜると塩素ガスという有毒ガスが発生する危険性があります。
また、洗濯では白い衣類にのみ適しており、色物衣類は脱色してしまったり、繊維自体を傷める可能性もあります。
漂白剤の種類2:酸素系漂白剤
酸素系漂白剤は、塩素系漂白剤より漂白力は劣りますが、色物衣類に使用できる漂白剤です。そして、塩素系漂白剤に比べ刺激も少ないので、使用しやすいでしょう。
他の種類と異なり、形状は粉末タイプと液体タイプの2種類があり、粉末タイプの方が液体タイプより漂白力が高いですが、水に溶けにくいのでつけ置き洗剤として使用するタイプとなります。また、液体タイプは水にすぐに溶けるので利便性があります。
漂白剤の種類3:還元系漂白剤
還元系漂白剤自体は、鉄分による黄ばみの漂白を得意とする漂白剤です。還元系漂白剤は、酸素を奪い取る働きを利用して汚れを漂白します。
塩素系漂白剤、酸素系漂白剤はまとめると酸化型漂白剤といわれ、酸素と汚れを結びつけて漂白する方法です。また、漂白方法が違うため、酸化型漂白剤では落ちなかった汚れが還元系漂白剤は落ちます。
ただし塩素系漂白剤と同じく、色物衣類は脱色してしまいます。
塩素系漂白剤の匂いの原因は塩素ガス
塩素系漂白剤は、漂白剤の中でも漂白力が強く殺菌効果もあるといわれており、洗濯や掃除に便利です。しかし、ツンとした独特な匂いがあり、それが苦手という方も多いでしょう。
その匂いの原因は塩素ガスと呼ばれるガスです。ここでは、匂いの元である塩素ガスの発生原因、使用する際の注意点を紹介していきます。
匂いの原因
匂いの原因は塩素ガスといわれるガスが原因です。塩素ガスは、はじめから塩素系漂白剤のボトル内に入っているものではありません。そのため、塩素系漂白剤自体には、あまり匂いはありません。これは液体内の塩素が安定している状態だからです。
しかし、それが掃除などの際、酸性の物質や汚れと混ざることによって、塩素ガスが噴出されます。それによりツンとした匂いが発生し、気分が悪くなったりといった体調不良が起こります。
塩素系漂白剤の注意点
塩素系漂白剤は強い漂白力を持つため、皮膚に触れると炎症を起こしたり、有毒ガスである塩素ガスが発生したりします。また、塩素ガスは気管に入り込むと気分が悪くなったり、気管自体への腐食性もあり注意が必要です。
使用する際は換気やマスク、皮膚に触れないように手袋をするなどの対策をするとよいでしょう。
さらに、保管する際も赤ちゃんや子供が誤飲しないように手の届かないところに置くなど工夫しなければなりません。
塩素系漂白剤の匂いを抑える方法3つ
塩素系漂白剤は漂白力があり、お風呂のカビ取り掃除や排水口の黒ずみ掃除に役立ちます。ただし、塩素系漂白剤の独特な匂いが苦手な方も少なくありません。
ここからは匂いの原因と匂いを抑える、汚れをあらかじめ落としておく、塩素臭が少ない漂白剤を使う、薄めて使用するの3つの方法を詳しく紹介していきます。
塩素系漂白剤の匂いを抑える方法1:汚れをあらかじめ落としておく
塩素系漂白剤が、酸性物質や汚れに触れることが匂いを発する原因です。そのため、バスクリーナーなどで、あらかじめ皮脂汚れや石鹸カスを掃除しておきましょう。
そのあとに塩素系漂白剤を使用すると、事前に落とし切れなかった黒カビなどの汚れに反応するだけなので、そのまま使用するより汚れへの反応が少なく、匂いが軽減されます。
塩素系漂白剤の匂いを抑える方法2:塩素臭が少ない漂白剤を使う
よく家庭で使用される塩素系漂白剤には、次亜塩素酸ナトリウムという薬品が使用されており、これが酸性物質や汚れに反応し匂う原因となります。
それとは別にジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが使用された漂白剤もあり、こちらは酸性物質や汚れに反応しても匂いが少ないです。匂いが気になる場合は成分を確認してから購入するとよいでしょう。
塩素系漂白剤の匂いを抑える方法3:薄めて使用する
塩素系漂白剤が匂う原因は、液体内に含まれる次亜塩素酸ナトリウムが原因です。そのため、水で液体自体を薄めて使用すれば、反応する次亜塩素酸ナトリウムも薄まるので匂いは抑えられます。
ただし、薄めるということは漂白力も弱くなってしまうので、本来落としたい黒カビなどの汚れが落ちきらなくなる可能性もあります。
塩素系漂白剤を使う際の注意点4つ
塩素系漂白剤は強い漂白剤です。皮膚についた場合は炎症を起こしたり、塩素ガスが発生し吸い込むと気分が悪くなったりします。
ここでは、使用する際に気をつける4つの注意点を記載します。注意点に気をつけながら、しっかりと対策をしていきましょう。
また、赤ちゃんや子供の近くで使用すると誤飲の元となったり、予期せぬ事態になったりしますので、使用する際は周りの状況をよく確認しましょう。
塩素系漂白剤を使う際の注意点1:ゴム手袋をはめる
素手で使用していると手に塩素系漂白剤が付着し炎症を起こしてしまったり、塩素系漂白剤の塩素の力により皮膚のタンパク質が溶かれさてしまう恐れがあります。
そのため、ゴム手袋も袖が短いものでなく長いものを使用し、服とゴム手袋の間に隙間ができないようにゴムなどでバンドをするとよいでしょう。
塩素系漂白剤を使う際の注意点2:マスクする
塩素系漂白剤は酸性物質や汚れと混ざると塩素ガスが発生します。その塩素ガスを吸引すると、鼻や食道に腐食作用があり、肺水腫などになる可能性もあります。
そのため、布マスクや不織布のマスクをして気管などに吸い込むのを防ぎましょう。また、口だけでなく鼻もしっかりと覆い使用し、マスクがなければバンダナなどを当てておくだけでも違います。
その他、目に入る可能性もあるため、ゴーグルなどで目を保護するとよいでしょう。
塩素系漂白剤を使う際の注意点3:換気をする
塩素ガスは、有毒ガスなので換気をしながら使用しましょう。とくに床掃除など低いところで使用する場合は、塩素ガス自体が空気より重く、低い位置にガスが流れますので、換気を充分に行ってください。
また、お風呂場など換気をしても風が流れにくい所の掃除をする際は、サーキュレーターや扇風機、換気扇などを利用して効果的に換気をする方法がおすすめです。
塩素系漂白剤を使う際の注意点4:気分が悪くなったらすぐに使用を止める
ゴム手袋やマスクの対策をしても塩素ガスの吸いすぎで、匂いが臭いと感じたり、気持ち悪くなったり、頭が痛くなったりします。
体調がすぐれない場合は、すぐに使用を止めその場所から離れて下さい。もし、離れて時間がたっても症状の改善がない場合は、病院に行きみてもらいましょう。
塩素系漂白剤の匂いが手についた場合の対処法3つ
塩素系漂白剤は服の漂白や掃除には便利ですが、塩素系漂白剤が手につくと漂白剤の匂いが消えないことや、手にぬるぬる感が発生することがあります。
ここからは匂いやぬるぬる感の原因と取り方の方法である、流水でよく洗い流す、酢水で中和させる、病院を受診するの3つを紹介していきます。
塩素系漂白剤を使うことがある人は、この対処法をしっかりと読んでぜひ参考にしてみてください。
匂いが手についた場合の対処法1:流水でよく洗い流す
手が匂うのは、皮膚に塩素系漂白剤が付着しているのが原因です。まずは流水でよく洗い流します。ただ、塩素系漂白剤は強い洗剤ですので、流水だけでは落としきれない可能性もあります。
流水だけで流れた際は、流水で流れた漂白剤がシンクに溜まっている可能性があります。これはサビの原因にもなるので、流水後はシンクもよく掃除しましょう。
匂いが手についた場合の対処法2:酢水で中和させる
流水でよく洗ってもぬめりなどが取れない場合は、酢水を使用してみましょう。塩素系漂白剤は強いアルカリ性をもつので、酢の酸性を用いて中和させるのです。
作り方は簡単です。ボウルなどに水と酢を入れ、混ぜます。酢と水の割合は水2カップに酢が小さじ1です。
酢水に手を浸し、ぬめりや匂いを感じなくなるまで浸し続けます。ぬめりが消えたら手を出し水道水でよく洗い流します。もし酢がなければ、レモンでも代用できます。
匂いが手についた場合の対処法3:病院を受診する
流水や酢水はあくまでも軽症時の対処方法です。皮膚が炎症を起こしたり、痛みを強く感じたなどの軽症ではない場合や、どうしたらいいか迷った場合は、まず各メーカーの対処方法を確認して下さい。応急処置がとれる場合もあります。
それでも医師への受診が必要だと判断した場合は、すぐに最寄りの病院に行き、医師にみてもらいましょう。また病院に行く際は、どの塩素系漂白剤を使用したかわかるようにすると、適切な処置をしてもらえるでしょう。
塩素系漂白剤の匂いを抑えて活用しよう!
塩素系漂白剤は匂いが原因で、使用するのに二の足を踏む方もいるかもしれません。しかし漂白力は強いので掃除洗濯と多岐に利用できて便利です。
塩素系漂白剤の匂いの原因や、ぬめりの対処法などをしっかりと把握して、用途にあったものを見つけ活用しましょう。