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赤飯やおもち作りに使われることの多い『もち米』
日本人である私たちは、毎日お米を食べる習慣が文化として根付いています。毎日私たちが家庭や飲食店などで食べている白米は、基本的に『うるち米』と呼ばれるお米が使用されています。最近では、栄養を第一に考え、『雑穀米』を使用する家庭も徐々に増えてきています。
しかし、今回紹介する『もち米』は、一般的に家庭で見られることが少ない種類のお米です。なぜならば、一般的に白米に使われることがなく、家庭料理として使う頻度が少ないからです。
もち米は、お祝い事に出されることの多い赤飯や、お正月などに餅つきを行う際に使われることが多いです。しかし、おこわなどにも使用されるため、頻繁におこわを食卓に出しているご家庭では、うるち米と一緒に保管している家庭もあるでしょう。
もち米とうるち米…何が違うの?
そもそももち米とうるち米は何が違うのでしょうか。まず、見た目の色が違います。うるち米は炊飯する前、皆さんご存知の通り半透明色をしています。それに対し、もち米は不透明な白色なので、この時点で異なります。
また、通常うるち米には、アミロースというでんぷんが2割、アミロペクチンというでんぷんが8割含まれています。アミロースの割合が多ければ多いほど、ぱらぱらとした食感のタイ米になります。
一方、もち米はこのアミロースが含まれておらず、でんぷんはアミロペクチンのみです。アミロペクチンこそ、もちもちとした食感の要素を持つでんぷんです。このようにでんぷんの割合で区別されています。
『もち米』にしてはいけないNG行為5選
赤飯やおこわ、おもち作りに最適なもち米ですが、もち米を使って炊飯したり、もち米を保管する際には、してはいけないNG行為があります。意外と知らない人も多いので、NG行為を知り、間違った扱いをしないよう気を付けましょう。
1.洗米する際に強い力でとぐ
他のお米に比べて、もち米は割れやすいお米です。そのため、洗米する際に力を入れてといでしまうと、強い力に耐えられず、割れてしまったり欠けてしまったりすることがあります。
割れたり欠けたりすることで、炊きあがった際の食感が悪くなる原因にもなるので、もち米をとぐときは、力を入れず、素早くといでとぎ汁を捨てるようにしましょう。ちなみに、もち米の洗米回数は、通常3~4回が一般的です。
2.炊飯前に長時間水に浸けない
一般的なうるち米の場合、炊飯前に炊飯器に洗米したお米と規定量の水を入れ、1時間ほど浸けておくことで適度に水を吸収し、炊きあがりがふっくらとより美味しくなると言われています。
しかし、もち米はうるち米よりも吸水しやすいため、同じように1時間もの間、水に浸けっぱなしにしてしまうと吸水しすぎてしまいます。すると、炊飯する際に水が足りなくなってしまうトラブルが発生することも。
もち米を水に浸けておく場合は、うるち米ほど長時間浸けず、30分程度に止めましょう。
3.均等にならさずに炊飯する
うるち米を炊く際にも行いたい工程ですが、炊飯する際に炊きムラが出ないよう、均等にならして炊飯することはとても重要です。特にもち米は炊きムラが出やすいので、炊飯前にきちんと平らにならしておきましょう。
炊きムラができてしまうと、食感や炊き加減に悪影響を及ぼすことがあり、通常よりも美味しく食べられなくなってしまうことがあります。非常に勿体ないので、面倒くさがらず、炊飯前は均等にならすようにしてください。
4.高温多湿の場所に保管する
続いて保管方法です。もち米もうるち米と同様に、冷暗所などで保管することが推奨されています。高温多湿の場所に保管してしまうと、カビの原因となってしまったり、お米が傷んでしまい、消費期限を短くしてしまう原因となったりします。
また、直射日光の当たる場所に置くこともNGです。こちらもお米が傷みやすくなってしまうので、暗く涼しい場所で保管してください。
5.カビなどの異常が生じているのに食べる
もち米はうるち米に比べて減りが遅いため、長期保存しがちな食材です。そのため、正しく保管し、なるべく早く食べきることを意識しなければ、なかなか減らず、ついには数年経ってしまった…ということも珍しくありません。
しかし、もち米の賞味期限は1年です。消費期限は、一般的に2~3年が目安と言われています。正しく保管できていなければ、この期限よりも短縮してしまうでしょう。
そのため、炊飯する前にもち米の状態を確認し、カビや異臭、異色など、なんらかの原因が発見された場合には、炊いて食べることを諦め、正しい方法で破棄しましょう。
もち米は冷暗所で保管することが重要
最後に、もち米の正しい保管方法を紹介します。基本的に保管方法は、うるち米と同じです。以下のポイントを抑えることで、賞味期限は1年、消費期限は平均して2~3年は長持ちすると言われています。
- 10~15℃がベスト
- 湿度が低い場所
- 日光などの光が当たらない場所
上記にもある通り、もち米を保存するのに適した温度は、10~15℃です。そのため、通常であれば暗く涼しい場所を選び、常温保存が可能です。
しかし、夏場はキッチン周辺はどこも高温になりやすいです。15℃を優に超えてくることも多いので、冷蔵庫で保管することをおすすめします。
もち米の正しい扱い方を実践して美味しく食べよう
いかがでしたでしょうか。普段からあまりもち米を使わないというご家庭も多いと思いますが、うるち米と混ぜて炊飯することで、ちょうど良いもちもち感を楽しむことができますよ。今回紹介したNG行為を避け、正しく扱いもち米を美味しく食べましょう。