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干物の賞味期限はどれぐらい?
干物というと食物から水分を抜いてあるわけですから、賞味期限が長そうなイメージがあります。実際のところどうなのでしょうか。
実は干物の賞味期限は、種類に関わらず長くても1週間ほどであると言われています。きちんと乾燥されたものとはいえ食品です。
また魚など海産物であることが多いため、賞味期限は思ったほど長くありません。よく出回っている干物の中には軽く水を出しただけのものもあるので、それらは2、3日以内に食べた方が良いでしょう。
冷蔵の場合
では冷蔵保存をした場合はどうなのでしょうか。
冷蔵した場合でも、賞味期限の目安は1週間程度です。そもそも干物を購入したら開封前・開封後に関わらず、冷蔵庫に入れることをおすすめします。
パッケージされている干物の食品には「要冷蔵」と記載されているものもあります。干物を購入したら、原則としては冷蔵庫に入れて、保管をするようにしましょう。食品に関する基本の姿勢です。
冷凍の場合
では、冷凍保存をした場合はどうなるのでしょうか。
水抜きなどがきちんとされて乾燥し切ったものであれば、1ヶ月程度が目安になります。冷蔵保存よりもだいぶ長くはなりますが、半年とか1年単位での保存は考えられていないようです。
1週間以内に食べきる予定がなければ、冷凍保存しておきましょう。おいしい状態を長持ちさせるための詳しい保存方法は後述します。
干物は常温保存できない?
干物の保存のイメージはなんとなく常温で良さそうと思いがちですが、あまり推奨はできません。
他の食品と同様、冷蔵庫で冷やして保存するのが基本です。常温で保存したらすぐにダメになるというわけではありませんが、冷凍してもあまり食感の変わらない干物は、常温で保管するメリットもあまりありません。
干物は常温保存ができないわけではないのですが、「干物は冷蔵庫で保管するものだ」と考えておいた方が良いでしょう。
干物のタイプで賞味期限が異なる?
干物と一口に言っても、ホッケやサバ・アジ・メザシなど様々な種類があります。
干すものの種類もそうですが、干し方にも種類があり大きく3つに分類できます。3種類とは、丸干し、開き干し、みりん干しです。
干し方の違いによって、賞味期限にも違いが出てくるのでしょうか。違いが出るとすればどのくらいの期間が変わってくるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。
1:丸干し
丸干しとは、その名の通り丸々そのままの形で干した干物です。開いたり調味料を加えたりせずに、天日干しや機械で乾かしたもののことを言います。
円干しの賞味期限は一般的な干物(丸干しがそもそも一般的ですが)と同じく、冷蔵で1週間程度です。丸干しに関してはごく普通に冷蔵庫で保存すれば問題はありません。
大根などにも丸干しはありますが、賞味期限は同じくらいです。
2:開き干し
開き干しも名前から連想されるように、魚などを開いてから干してある干物のことを指します。
内臓などを取り出してあるので賞味期限が長くなりそうな気がしますが、基本的にはこちらも冷蔵庫の保存で1週間程度と考えた方が良いでしょう。
3:みりん干し
みりん干しは、みりんをベースにした調味液に漬けて干したものです。みりん干しは桜干しとも呼ばれますが、調味料を使った干物の中では一番オーソドックスで有名なものになります。
賞味期限は丸干しなどと同じく、冷蔵庫で1週間程度です。ここまで3種類見てきましたが、いずれも賞味期限に差はありません。
干し方によって賞味期限は変わらないということを覚えておきましょう。
干物の冷凍の仕方
ここからは干物の冷凍保存の仕方を見ていきましょう。
干物の賞味期限は冷凍保存で1ヶ月程度ということは既に紹介しました。ほとんどの食品は冷凍すると食感が失われてしまったり解凍の手間がかかったりしますが、干物の場合はそれがありません。
冷凍庫から出してそのまま火を入れても美味しく食べることができます。干物は冷凍保存に向く食品だといえるでしょう。
空気に触れさせないためフリーザーバッグに入れる
干物を冷凍保存する場合、ラップした上でフリーザーバッグなど密閉できるもので保存します。
冷凍された干物といっても、空気に触れてしまうと酸化は避けられません。タッパーのような固形の容器でなくて袋状のジップロックなどで構いません。
また、数枚セットになっているような干物は、一度に使うのでなければ1枚1枚小分けにラップに包んで保存しましょう。使いやすと言うだけではなく、取り出す時に他の干物への影響を防ぐ意味もあります。
冷気から守るために新聞紙を巻く
より厳重に冷凍保存するなら、ラップの上から新聞紙を巻いてフリーザーバッグに入れましょう。
ドアを開け閉めする度に、庫内の温度は変動します。冷凍庫の中でも「少し溶けてまた凍って」という状態が続き、いずれは冷凍ヤケを起こしてしまいます。
ラップの上から新聞紙を巻いておけば、冷たい空気の流出を防げます。
干物は解凍せずにそのまま調理したほうが良い理由
冷凍保存をした干物を調理するときは、解凍した方が良いのでしょうか。
実は、干物は解凍の手順を踏まずにそのまま調理を行った方が良いのです。この理由は、味と形、2つの面から解説できます。
冷凍しても常温と同じような味が楽しめるのが干物の魅力です。干物は解凍せずにそのまま調理するようにしましょう。
うまみと一緒にドリップが出てしまう
電子レンジなどで解凍してみると気づきますが、干物を解凍すると汁(ドリップ)が出てきます。このドリップには旨味が詰まっています。
つまり、冷凍した干物を解凍してしまうと、旨味を逃してしまうことになるのです。旨味を逃した干物はどうしても苦味の主張が強くなってしまいます。人によっては美味しくないと感じる方も多いでしょう。
身くずれしにくくなる
干物を解凍せずにそのまま調理した方がいいのは、その方が身くずれが防げるからです。干物に限らず、冷凍した食品を完全に解凍すると身くずれがおきやすくなります
解凍せずにそのまま調理をすると、もちろん状態変化は起こっているのですが、とても短時間で行われるため、身くずれを防ぐことができます。ドリップで旨味を逃さないことと一生に覚えておきましょう。
干物に適した海産物5選
さてここからは、干物に適した海産物をご紹介していきます。
干物は旨味が詰まっているためとてもおいしいです。新鮮な魚は言うまでもなくおいしいですが、日が経っても美味しく魚介類を食べるために先人が生み出したこの方法は伊達ではありません。
干物にはたくさんの種類がありますが、今回はその中でもよりすぐりのおいしい干物たちをご紹介します。どれもメインとしてもおつまみとしても輝く食材ばかりです。
1:ホッケ
干物に適した海産物といえば、まずはホッケです。ホッケは北海道で盛んに取れる魚です。
油が乗っていてそれはそれは美味しい魚なのですが、保存にはあまりむきません。鮮度がすぐに落ちてしまいますそこで、干物という手段がとられます。大抵の場合は塩気などを加えて干物にしてあります。
家で熱して醤油やポン酢をかけたりすると、簡単に居酒屋の人気メニューが再現できます。干物の王様と言ってもいいのがホッケの干物です。
2:サバ
サバは本当に魅力に富んだ食品です。栄養価が高く安価に手に入ります。味噌煮や塩焼きなど、手間がかからずとても美味しい料理がたくさんあります。
その中でもサバの干物は高い人気を誇ります。サバも他の魚と同じく開き干しになっていることがほとんどでしょう。サバ中に潜んでいた旨味たちが乾かす時間を設けることでどんどん姿を表してきます。
干物を食べるならやっぱりサバという方がたくさんいるでしょう。
3:アジ
開きといえばアジ、アジといえば開きというくらいに開き干しの干物といえばアジでしょう。説明がいらないほどその魅力は日本に住む人全員が知るところです。
味もまた比較的手に入りやすく、安価な魚です。よりアジの開きのうまさにこだわるのならば、天日干しの干物を探しましょう。機械での低温乾燥と比べると、天日干しの方がうまみ成分が凝縮されるとも言われています。
4:イカ
丸干しの代表格といえば、イカです。目にするいかは、刺身か、魚屋の生のイカか干物のイカの三択でしょう。
イカの干物は旨味のほかに甘味を感じることができます。お酒の当てとしてこれ以上ない食材です。そのまま素焼きとして食べても美味しいし、天ぷらにしてもこれまた美味です。
サキイカなども干物の一種と言えます。お酒との相性がとにかくいいのがイカの干物の特徴です。
5:メザシ
最後に紹介するおすすめの海産物の干物は、メザシです。これはあまり知られていない事実なのですが、メザシという魚はありません。
イワシ類を干物にしたものを、イワシから名前が変わってメザシと呼びます。他の干物たちと比べると少し小柄で、何匹かくっついた状態で出てくることが多いでしょう。
メザシは春の季語になっているくらい日本と馴染み深い食材です。メザシを焼くととてもいい匂いがします。食卓を彩る大切な匂いです。
冷凍保存で干物の賞味期限を延ばそう!
干物の賞味期限、冷蔵や冷凍との違い、そして正しい冷凍保存の仕方を見てきました。
干物がレパートリーに加わると、グッと食卓の幅が広がります。そして干物は栄養価が高く、旨味も詰まっています。魚が好きでないお子さんも、干物であれば食べられることも多いです。
魚を食べる手段の一つとして、積極的に干物を取り入れていきましょう。その際、保存方法はこの記事で紹介してたものを参考にしていただければ幸いです。