目次
ホワイトボードの文字が消えない原因
重要なのは消えない原因を知ること
ホワイトボードへ書いた文字や、積み重なったインクの汚れが、きれいに消えない時には、最初に、「なぜ落ちないのか」、その原因を知ることが大切です。
ホワイトボードへ書いた文字や汚れが消えないと身近にある洗剤などを使って消そうとするかもしれませんが、それはその場しのぎの一時的なものになってしまいますので、消えない原因に適した方法で消さなくてはいけません。
ホワイトボードの文字や汚れが消えない「原因」を知ったうえで、正しい手入れをおこなうようにしましょう。
ホワイトボードに原因がある
書いた文字や汚れが消えないとき、その原因として一番可能性が高いと思われるのは「ホワイトボード」本体でしょう。
ホワイトボードに傷がついて溝にインクが入り込んでしまったり、また長年使い込んだことによる劣化、そして空気中のチリや手の皮脂などが、ホワイトボードの表面に付着することでも汚れがどんどん溜まっていってしまいます。
ホワイトボードの表面は、ペンで書いたものを消しやすくするためにコーティングでカバーされているのですが、コーティング自体が汚れで覆われてしまい、専用のペンのインクをきれいに拭き取ることができなくなってきます。
そのうえ、繰り返し書いたりイレーザーで消したりしているうちに、ホワイトボードの表面のコーティングが劣化して、徐々に剥がれてしまうのですが、このコーティングが薄くなるほど、文字や汚れはきれいに消すことができなくなってしまうのです。
マーカーに原因がある
ホワイトボードへ書いた文字や汚れが消えない原因として、次に考えられることはマーカーでしょう。
ホワイトボードに使う油性マーカーの成分には、隙間に入り込んで文字を簡単に剥離させる「剥離剤」が含まれています。剥離剤のおかげでホワイトボードについたインクをきれいに落とすことができるのですが、時間が経過するとともに乾燥してしまう剥離剤のバランスが崩れて、きれいに消すのが難しくなってしまうのです。
また、専用マーカーでも各メーカーによって顔料などの調合配分が違うため、ホワイトボードとの相性が悪いと専用マーカーで書いたにも関わらず、上手に消すことができない場合もあります。
当然のことですが、通常のマジックペンではなく、必ず専用マーカーを使うようにして下さいね。
文字をすぐに消してしまうことが原因
ホワイトボードを頻繁に利用している人なら、既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、文字を書いてすぐに消すと、インクをきれいに拭き取るどころか、逆に広げてしまうことがあります。いわゆる「早書き・早消し」をした状態です。
その理由は、ホワイトボードの専用マーカーに含まれている剥離剤が、効果を発揮していないからなのです。インクが乾くには、ホワイトボードに書いてから10~20秒程度かかるのですが、書き間違いをしてしまったと気づいた直後に、イレーザーでサッと拭き取って消そうとしてしまいますよね。
ところが、インクが乾かないことには、剥離剤の効果が現れないので、いつの間にか通常の消し方ではきれいにできなくなってしまうのです。
よって、インクが乾くのを待ってから拭くと、きれいに消すことができるのです。
文字を書いたまま消さずにいるのが原因
先に述べた「文字をすぐに消してしまうことが原因」とは真逆で、ホワイトボードへ書いた文字などを、しばらくそのまま放置した状態で何時間も消さずにいると、インクがコーティングを通過して沈着してしまい、イレーザーではきれいに消えなくなってしまいます。
文字などを書いたままにしておかずに、一日以内に消すよう心がけましょう。イレーザーできれいに拭き取る為には、直ぐに消してもいけないし、だからとしってしばらくそのまま放置していてもいけない・・・けっこう難しいものですね。
イレーザーが汚れているのが原因
ホワイトボードの黒板消しともいうべき重要な道具が「イレーザー」です。
このイレーザーがインクを拭き取って消していくたびに、インクがどんどん付着し、汚れの付着量が増えるにつれ消す能力が劣ってきます。長期間、同じイレーザーを使っているとしたら、イレーザーが原因の可能性が高いと思ってください。
反対に、使い始めたばかりのイレーザーなのに、ホワイトボードの文字や汚れがきれいに消せない場合には、上項で解説してきた、ホワイトボードやマーカーが原因と思われます。
《 ポイント 》
- インクが落ちない原因を知ることが大切。
- 一番の原因はホワイトボード自体にある。
- 剥離剤が効果を発揮するのには10~20秒程度かかる。
- 長期間同じイレーザーを使い続けない。
ホワイトボードの文字が消えない時の対処法
水拭きで掃除をする
書いた文字が消えない場合の一番簡単な対処法は「水拭き」です。
これは、ホワイトボードメーカーが推奨している方法でもあり、シンプルでも効果は絶大なのです。固く絞った布でホワイトボードの表面を水拭きした後は、乾いたきれいな布で水分を完全にふきとってください。
いっそうのこと、最初からイレーザーを使わずに、簡単に汚れを落とせる水拭きで文字を消せばいいように思うのですが、ホワイトボードのコーティングまで剥がしてしまう危険性があります。
常に水拭きをするのではなく、定期的におこなうくらいにとどめておいた方がよいでしょう。
専用クリーナーを使う
ホワイトボードの表面にこびりついてしまった汚れのために、書いた文字を消すのが難しい場合には、ホワイトボード専用のクリーナーを使ってきれいにする方法があります。
手順
- ホワイトボード専用クリーナーをホワイトボードに吹きかけます。
- ホワイトボードに残っている消えない文字をティッシュなどで軽くこすり汚れを落とします。
- ホワイトボート専用クリーナーが乾いたら、きれいな布を使って表面を拭きましょう。
コーティング剤を使う
先にお知らせしたように、ホワイトボードの消えない文字や汚れは水拭きによるお手入れで落とせますが、ホワイトボードのコーティングまでとれてしまいます。
だからと言って、コーティングが失われるのを恐れて、お手入れをしないでいるのもよくありません。その為には、専用の「再生コーティング剤」を使用することで、ホワイトボードのコーティングを簡単に復活させることが可能になります。
コーティングを復活させることで、安心して水拭き掃除をおこなえるようになるでしょう。
手順
- コーティング剤を布につけます。つける量の目安はコーティング剤の注意書きや使用方法に書かれています。
- コーティング剤をつけた布を使ってホワイトボード全体にコーティング剤を伸ばします。
- しっかり乾くまで待ちましょう。
- 別のきれいな布で、ホワイトボードの表面をふき取ります。
- 表面が乾燥したら完了です。
表面がきちんと乾燥するまで、何も書かないようにしてくださいね。
落ちない汚れは無水エタノールを使う
これまでの方法、水拭きや専用クリーナーでも消せないということは、油が関係していますので、「無水エタノール」を使うという、最終手段があります。
「無水エタノール」をきれいな布にしみこませてホワイトボードの消えない汚れを拭きとるだけという、使い方が簡単なうえに揮発性が高いので、すぐに乾いてしまうという利点もあります。
ホワイトボード以外に原因がある場合
ホワイトボード以外に原因がある場合の対処法は、ただ1つ。マーカーやイレーザーを買い替えて新調することです。
マーカーに原因がある場合
使い始めて1年以上経っているマーカーは、成分が変化して消えにくくなっている可能性があります。
処分して新しいものに買い替えるようにしますが、インクの溶剤が「アルコール性」になっている製品を選ぶようにしてください。
ホワイトボードマーカーに使われる溶剤の種類には
- 水性
- ケトン性
- アルコール
の3種類ありますが、アルコール性のものが一番消えやすいという性質を持っているからです。
イレーザーに原因がある場合
使用中のイレーザーの表面がゴワゴワになっていたり、汚れていたりしませんか?
このようなイレーザーを使うと、ホワイトボードの表面が傷つき、そのためにできた溝の中にインクが入り込んでしまいます。
対処法としては、イレーザーのスポンジ部分を洗うか、買い替えることです。古いイレーザーを使い続けている場合や、イレーザーの汚れが気になってきたら買い替えるようにしましょう。
《 ポイント 》
- 一番簡単な対処法は「水拭き」すること。
- 汚れ方によっては「専用クリーナー」「コーティング剤」を活用する。
- 最終手段として「無水エタノール」を使う。
- マーカーやイレーザーを新調する。
ホワイトボードの文字が消えない時にやってはいけないこと
中性洗剤は使わないほうがいい
通常、「皮脂」「油汚れ」「タバコのヤニ」などのひどい汚れは、中性洗剤を使うときれいにできるのですが、ホワイトボードで中性洗剤を使うのはあまりおすすめできません。
その理由は、中性洗剤に含まれている界面活性剤が、ホワイトボードの表面に残ってしまうと、文字をイレーザーで消しても汚れが残ってしまうからです。
ウェットティッシュやシンナーはNG
ホワイトボードに残った消えない汚れをアルコールが入っているウェットティッシュやシンナーを使って落とすことは控えましょう。ホワイトボードの表面のコーティングを落としてしまいます。
無水エタノールを大量に使わない
油分を溶かす無水エタノールで汚れを拭くと、あっという間にきれいにできますが、大量に使用せずに、汚れのひどい箇所にピンポイントで使用してください。アルコールなので火気厳禁、そして換気を十分に行ってください。
《 ポイント 》
- 界面活性剤が入っている中性洗剤は使用しない。
- ウェットティッシュやシンナーは表面のコーティングを落としてしまうので要注意。
- 無水エタノールはピンポイントで使用する。
- 無水エタノールを使用するときは火気厳禁、換気を十分にする。
ホワイトボードに関するQ&A
A.至る所で使われているホワイトボードには、製法上の特長により「スチールホワイトボード」と「ホーローホワイトボード」の2種類があります。
A.耐久性があり、傷や経年による変色や色あせに強く、長期間の使用ができるので、書き消しの頻度が多いセミナールームや学習塾での使用に向いています。
A.ホーロー製と比べて耐久性は劣りますが、軽量で価格が安いので、書き消しの頻度が少ない掲示板などの普段使いによいでしょう。
A.専用マーカーではなく、油性ペンで書いてしまうミスをしてしまった場合、上からホワイトボード専用マーカーで塗りつぶすという裏ワザで、簡単に消す方法があります。
塗りつぶしたものが乾いたら、イレーザーできれいさっぱりと消すことができます。1番の対策は、油性ペンをホワイトボードの近くに置かないことです。
《 ポイント 》
- ホーローホワイトボードは耐久性がある。セミナールームや学習塾に向いている。
- スチールホワイトボードは軽量で価格が安い。掲示板などに向いている。
- 油性ペンの汚れは上から専用マーカーで塗りつぶしてから消す。
ホワイトボードをキレイに使うためのコツ
汚さないための対策も大切です。ホワイトボードを汚さず、長くきれいに使うためのポイントを3つご紹介します。
イレーザーの定期的な掃除
繰り返し掃除してスポンジ部分が劣化したイレーザーは長く使わず、常にきれいな状態で使うようにしましょう。
書いたまま長時間放置しない
長時間の放置によりイレーザーでは消えなくなった汚れは、水拭きや専用クリーナーで消してください。
傷や汚れが付きにくいホワイトボードを使う
ホーローホワイトボードの方が傷や汚れが付きにくい点が特徴です。最初初からホーローホワイトボードを購入すれば、長くきれいに使用可能です。
《 ポイント 》
- イレーザーの掃除、専用クリーナーの使用がきれいに使う為のコツ。
- ホーローホワイトボードを活用する。
最後に
いかがでしたか?ホワイトボードの文字が消えない場合、「ホワイトボード」「マーカー」「イレーザー」それぞれに原因があることはおわかりいただけましたか?
文字が消えやすい、消えにくいという現象は、ホワイトボード表面の状態やイレーザー、マーカーの使用頻度などの原因が考えられます。
お知らせした対処法で定期的なお手入れを心がけ、真っ白で清潔感のあるホワイトボードを維持するようにしてくださいね。