目次
土鍋の最初の洗い方と「目止め」の手順
最初の洗い方
土鍋を使い始めるときは、一番最初に「目止め」というお手入れが必要になります。まずは土鍋の「目止め」の洗い方をご紹介します。
目止めの前にやること
目止めとは、でんぷん質があるもの土鍋で煮て土鍋にでんぷん質を浸透させる作業のことを言います。
土鍋に使用されている粘土はキメが粗いのでひび割れをしてしまいやすかったり、においや汚れが土鍋に染みつきやすいといった特徴があります。目止めを行うことで、でんぷん質が土鍋の細かい気孔を埋めて水漏れを防いでくれます。
使い込んだ土鍋の場合でも、水漏れするなと気になりはじめたら、目止めをすることで水漏れを防ぐことができます。
目止めの手順
- 土鍋をさっと洗う
まずは土鍋をさっと洗い、洗い終えたら乾いた布で拭いて水気を取り、底面を上にして土鍋を乾かします。
この段階でしっかり乾かしていない状態で火にかけてしまうと、急激な温度変化で土鍋にヒビが入ってしまうことがあるので注意してください。 - でんぷん質がある物を煮る
目止めにはでんぷん質があるものを煮るのですが、かんたんなやり方としていくつかあるので、ご自身でやりやすい方法を選んで実施してください。どの場合も弱火~中火でやりましょう。目止め方法①:おかゆを作る(ここで作ったおかゆは食べても問題ありません。)
目止め方法②:米のとぎ汁を土鍋の8〜10分目くらい入れて、10分~20分ほど沸騰させる。
目止め方法③:水を土鍋の8〜10分目くらい入れて、小麦粉又は片栗粉を大さじ2杯入れて溶かし、8分〜10分ほど沸騰させる。 - 土鍋が冷めたら水洗い
煮終えて火を止めたらしばらくの間、中身をそのままの状態にして、土鍋が自然に冷めるのを待ちます。
この段階で土鍋がまだ熱いうちに水洗いをしてしまうと、ひび割れが発生してしまう場合があります。土鍋と中のおかゆやお湯が冷めたら、土鍋を水洗いしましょう。
土鍋の洗い方とポイント
土鍋は使用した後の洗い方にも注意が必要になります。普段のお手入れの方法も確認しておきましょう。
冷ましてから水で洗う
土鍋の洗い方で注意するのは温度変化です。土鍋は使用した後、全体が冷えてから水で洗います。
粘土で作られている土鍋は急激な温度変化にとても弱いので、土鍋がまだ熱い状態で冷たい水につけてしまうと、ひび割れの原因になってしまうので注意しましょう。
長い時間浸けない
土鍋の洗い方において、きれいに洗いたいと思って長時間洗剤液に浸けてしまうと、洗剤が土鍋に染み込んでしまったり、匂いが土鍋に移ってしまうことがあるので控えましょう。
また食べ残しや残り汁も長時間放置してしまうと汁が染みこんでしまったり、匂いが土鍋に残ってしまう場合があります。
これはカビの原因にもなってしまいますので、少量が残った場合には別の容器に移して保存して土鍋をきれいに洗いましょう。
スポンジで優しく洗う
土鍋は金属製のスチールたわしなどで強くこすって洗うと傷がついてしまいます。
土鍋は想像しているよりも、もろくて欠けやすいので小さな傷から劣化が進んでしまいます。土鍋を長持ちさせるためにも、硬い素材のスポンジなどは使わないで、柔らかいスポンジで優しく洗うようにしましょう。
土鍋の焦げ付きの洗い方
土鍋を使用してうっかり焦げつかせてしまった時の洗い方や、においが強い鍋料理を作った際に染み付いてしまったにおいを落とす洗い方や、しばらく使わなかった土鍋にカビが生えてしまった場合の対処の方法を紹介します。
コゲ落としに使えるもの
土鍋が焦げてしまった場合のコゲ落としには重曹や酢が役立ちます。
食べ物には酸性食品とアルカリ性食品があります。酸性食品とは肉類、魚類、砂糖、卵、米などの穀類です。アルカリ性の食品は野菜、果物、きのこ、大豆、海藻などになります。
酸性食品のコゲを落とす時には、アルカリ性の重曹を使い、アルカリ性食品のコゲを落とす時には、酸性のお酢を使うと中和されてコゲが落としやすくなります。
重曹を使う土鍋の洗い方
肉や魚の料理が原因のコゲは、重曹を使って落とすのが効果的です。
用意するもの
- 重曹
- スポンジ
- 水
手順
- 土鍋の8分目程度水を入れる。
- 重曹を大さじ3杯入れて溶かします。
- 重曹を溶かしたら中火で沸騰させます。
- 沸騰したら火を止めて一晩放置します。
- 翌朝スポンジを使ってコゲを落とします。
酢を使う土鍋の洗い方
野菜やお米の料理が原因のコゲは、酢を使って落とすのが効果的です。
用意するもの
- たわし
- 酢
- スポンジ
- 水
手順
- まずはたわしを使って洗剤を使わずに軽くコゲを落とします。金属製のたわしは使用しないでください。
- 土鍋の8分目程度水を入れる。
- 酢を50cc(1/4カップ)土鍋に入れます。
- 土鍋に酢を入れたら中火で沸騰させます。
- 沸騰したら火を止めて冷めるまで放置します。
- しっかり冷めたらスポンジを使ってコゲを落とします。
どちらの方法も1度沸騰させてからコゲを落とします。1回でコゲを落としきることができなかった場合には何度か繰り返してください。
コゲを落とす前に土鍋を乾燥させておくとコゲも剥がれて落としやすくなるので、どうしても落ちないと言う場合に試してみてください。
土鍋の焦げ付きを防ぐコツ
土鍋の焦げ付きを防ぐためには以下のことに注意しましょう。
火加減をしっかり調整する
土鍋が焦げ付いてしまう原因のひとつは火が強すぎてしまったことです。
レシピ通りにやっているつもりでも焦げてしまうこともあります。コンロの火力はコンロによって違います。火加減の感覚をしっかり習得しましょう。
料理中もこまめにかき混ぜる
土鍋の底の部分で食材が動かずに置いたままになっていると、その部分は焦げやすくなってしまいます。土鍋で料理をするときはこまめにかき混ぜて一定の場所に食材が留まらないようにしましょう。
土鍋の近くを離れない
土鍋で料理をしているときは土鍋の近くにいましょう。土鍋の近くにいることでにおいの変化で焦げていることに気がつけます。料理中は目を離すことがないようにしましょう。
土鍋の焦げ付き以外の洗い方
土鍋は焦げ付き以外にもにおいが移ってしまったり、カビが生えてしまうことがあります。そのような場合の対処の方法を紹介します。
においが気になってしまったら
土鍋についたにおいが気になった場合は、お茶の葉で消臭することができます。
用意するもの
- お茶の葉(飲んだあとの出がらしで問題ありません。)
- 水
手順
- 土鍋の8分目程度水を入れる。
- お茶の葉を一掴み入れます。このときのお茶の葉はお茶を入れて飲んだ後のものでも問題ありません。
- お茶の葉を入れたら中火にかけて10分間煮立たせます。
- 火を止めたら冷めるのを待って、水洗いをした後しっかり乾かします。冷まさずに土鍋を洗うと急激な温度変化によって土鍋にヒビが入ることがあるので注意してください。
- しっかり乾いたら完了です。お茶の葉の消臭効果によって、土鍋の臭いが消えます。
カビが生えてしまった場合
土鍋は保管の状態によってカビが生えてしまうことがあります。酢を使って殺菌することができます。方法はコゲを落とすときと同じ手順です。
カビを落とす場合の酢の量は大さじ2〜3杯です。酢を使って落としても、カビがきれいに落とせるとは限りません、色が残ってしまうことがあります。
色が残っていても殺菌はしっかりできているので、土鍋は安心して使用してください。
土鍋の洗い方でよくあるQ&A
A.キッチンでの収納は食器棚の一番下がおすすめです。シンクの下は湿度が高く土鍋は湿気を吸収してしまうので避けましょう。戸棚とか納戸があればそちらに保管しておきましょう。
A.洗ってしっかり乾燥させた後、新聞紙に包んで置きましょう。新聞紙が湿気を吸収してくれるので、包んでから保管場所に収納しましょう。
A.土鍋は衝撃に弱く、欠けてしまったり割れてしまうこともあるので、しばらく使用しない場合はよく乾燥させてからエアーキャップで包んで保管しましょう。
土鍋を使う時や洗う時の注意点
「使う時」の注意点
土鍋を使う時の注意点は、空焚きをしないこと、火にかけるときは弱火から徐々に火力を上げること、鍋底が濡れている状態で火にかけないことです。これらは最悪の場合土鍋が割れてしまいます。
「洗う時」の注意点
また土鍋を洗う時の注意点は、揚げ物をしないこと、土鍋が熱いまま水をかけて冷まさないこと、食べ物を入れっぱなしの状態にしないこと、なるべく洗剤を使わず洗うことです。
土鍋は揚げ物を作るために使用するのは向いていません。熱い状態で水をかけてしまうと急激な温度変化により割れてしまうことがあります。
食べ物を入れっぱなしにしてしまうと、においや色が土鍋に移ってしまいます。洗剤も成分が土鍋に吸収されてしまうので水洗いで洗ってください。
「保管する時」の注意点
保管する場合も、保管する前には水洗いをした後ひっくり返して鍋底を上にして風通しのよい場所でしっかり乾燥させましょう。乾燥中は鍋を立てかけたり、何か挟んで内側や側面もしっかり乾燥させましょう。
最後に
今回は土鍋の洗い方のコツやコゲやカビの落とし方について紹介しました。
土鍋は使い始め前に目止めをして使い方に気をつけることでコゲやひび割れを防止することができます。定期的に目止めをすれば土鍋を長持ちさせることもできます。
長く愛用できるように保管の方法にも気をつけましょう。