目次
1.缶詰
缶詰はそのまま冷凍すると、破裂まではいかなくても中身が膨張し缶が変形しやすくなります。食材によっては缶が破損して外にあふれてしまうこともあるので注意しましょう。また、開封後の缶詰も缶のまま冷凍することはおすすめできません。
果物などの缶詰は、中身の変質を防ぐため缶の内側に金属スズを露出させたブリキ缶が使用されています。開封して空気に触れることで、スズが中身の食品に溶けやすくなるものもあります。開封前も後も缶詰の冷凍はそのまま冷凍せずに、別の保存容器に移して冷凍するようにしましょう。
2.殻付きの卵
まれですが、卵は食中毒を引き起こすサルモネラ菌が入ったものが紛れていることがあります。また、殻が割れて空気に触れることで菌がどんどん増えていきます。冷凍した場合、菌の増殖は止まりますが死滅しているわけではないため、常温で解凍しているうちに増えてしまいます。
このようなことから、一般社団法人卵業協会のホームページでも、殻付卵の冷凍はお勧めできない、と書かれてあります。卵を保存する場合は殻を割り、加熱したものだけにしましょう。
ただ、ゆで卵は加熱されていますが、冷凍するとゴムのような食感になるので、そのような理由からおすすめできません。
3.炭酸飲料やビール、未開封のペットボトル
炭酸飲料やビールなどを凍らせると、二酸化炭素が分離して気体となり、容器内に圧力がかかって破裂する可能性があります。ミネラルウォーターなどの入った未開封のペットボトルも、凍らせると水が氷になって体積が増え、パンパンになってしまうことがあります。
ボトルなどは軽量化がどんどん進んでいて、耐久性の面では凍らせることを想定して作られていません。炭酸飲料のラベルには「凍らせないように」という注意書きがあります。もし、ペットボトルの水を凍らせるときは一度開封して中の水を少し減らしてから冷凍するようにしましょう。
4.常温で解凍した肉や魚の再冷凍
一度冷凍した肉や魚を再冷凍すると、風味が損なわれることが多いです。しかし、解凍方法によっては風味が落ちるだけでなく、菌の増殖の危険もあるのです。
一度冷凍した肉や魚を冷蔵庫で解凍していれば菌の増殖の可能性は低いのですが、常温で解凍した場合は外側は溶けてきても中身は凍っているため、表面が冷えていない状態で放置されることで腐敗が進みやすくなります。
このような状態で冷凍、解凍を繰り返すと食中毒になるリスクが高まりますので、気を付けてください。
5.冷凍に向かない野菜
ジャガイモ
大きく食感が変わります。カレーなど冷凍する際もジャガイモだけ取り出しましょう。冷凍したい場合はマッシュにして冷凍するのがおすすめです。
きゅうり、大根、レタス等の水分が多い野菜
水分が多い野菜は解凍後、水が出て野菜のシャキシャキした食感もなくなります。他にもキャベツ、セロリ、かぶなども同様です。水分の多い野菜は冷蔵保存のみにしましょう。
ごぼうやたけのこ等の繊維が多い野菜
繊維が多い野菜は冷凍すると筋っぽくなったりスカスカになります。冷凍保存したい場合は、ごぼうであればささがきにして水にさらしてから、たけのこであれば調味料などで味つけをしてからにしましょう。
フレッシュハーブ
ハーブはフレッシュのまま冷凍すると解凍したとき変色したり、ドロドロした状態になったりします。ハーブの香りや新鮮な色が台無しになりますので気を付けて下さい。
6.乳製品や油分の多い調味料
ヨーグルト、牛乳、クリームチーズなどの乳製品や、油分の多いマヨネーズは冷凍することで、脂肪と水分が分離して解凍後は大きく食感が変わります。
パルメザンチーズやハードタイプのチーズは冷凍しても食感が変わらない場合もあります。また、加熱して使うとろけるチーズなどは冷凍しても食感は大きく変わらないため、冷凍保存も可能です。
7.豆腐
水分が多い豆腐は冷凍して解凍することで、水分が抜けパサパサの食感になり美味しくありません。豆腐を冷凍する場合は、つぶして和え物にしてからがおすすめです。
補足:こんにゃくは別の食感として楽しめる
こんにゃくは冷凍すると弾力はなくなり食感は変わるため冷凍には向きません。ですが、冷凍することで氷こんにゃく(凍みこんにゃく)という別の食感で楽しめます。
冷凍により水分が抜けスカスカになりますが、味がしみ込みやすくなり食感が肉のようになります。適当な大きさにこんにゃくを切って、保存容器に入れて冷凍庫で一晩以上凍らせると、氷こんにゃく(凍みこんにゃく)ができます。