文旦(ブンタン)の栄養と効果!ビタミンCで免疫力UP

2個の文旦(ブンタン)

黄色く大きな文旦(ブンタン)は栄養満点のフルーツでザボンやボンタンとも呼ばれています。特に文旦の栄養素「ビタミンC」の含有量は柑橘類でトップクラス!文旦を半分食べただけで一日に必要なビタミンCが十分とれちゃいます! 今回は文旦に秘められた栄養や効果効能などをお伝えいたします。

記事の監修
管理栄養士、野菜ソムリエプロ

管理栄養士取得後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」思いから独立しセミナーや個別サポートを行っている。その他、事業立ち上げ、商品開発、記事監修、特定保健指導、講師活動などを行っている。

カンキツ属の中でも最も果実が大きく成長するブンタンは、鹿児島沖で遭難していた清国の通商船を薩摩藩が助けた際、船長の謝文旦が礼として伝わったのが始まりと言われています。酸味もあますが、果肉には独特の甘みを感じられ、果汁はほかの柑橘類よりも少ないのが特徴です。ショ糖、果糖、ブドウ糖などの糖類が主成分で、ビタミンなどの栄養素も豊富です。生で食べる以外にも、ジュースとしてや砂糖と煮てブンタン漬けにして食されることが多くなっています。お好みの食べ方を見つけられて、栄養たっぷりのブンタンを楽しまれてはいかがでしょうか?

文旦(ブンタン)に含まれる栄養の効果や効能

文旦(ブンタン)の栄養成分別に効果効能を見てみましょう。

①ビタミンCで血液さらさら老化防止!
②クエン酸で代謝を高めて疲労回復!
③シネフィリンで風邪の予防!
④ペクチンの整腸作用で便秘解消!
⑤ナリンギンで生活習慣病を予防!
⑥GABA(ギャバ)で脳を元気にイライラ解消!

①ビタミンCで血液さらさら老化防止!

文旦に含まれる栄養素「ビタミンC」には、免疫力UP、美肌効果、肌荒れ防止、シミやソバカスやシワの予防、老化防止、抗酸化作用、脂肪燃焼、疲労回復、ストレス解消・鉄分の吸収促進、動脈硬化や心疾患の予防、免疫力の活性化、発がん物質の生成を抑制などがあります。

②クエン酸で代謝を高めて疲労回復!

文旦の栄養の一つ「クエン酸」には、糖質、脂質、タンパク質などの栄養素からエネルギーを生成し代謝を高める作用があります。疲労回復効果、体内の酸性物質を減少させる効果、抗酸化作用、血液さらさら効果、栄養の吸収を高める効果などがあります。また、クエン酸は柑橘系に含まれている酸味成分です。

③シネフィリンで風邪の予防!

文旦の栄養「シネフィリン」は、ビタミンCと一緒に風邪の予防効果を高めますので、風邪予防に大きな効果があります。体内の酸性物質を減少させる効果、脂肪燃焼効果や食欲抑制作用、疲労回復と血液をきれいにする働きがあります。

文旦は脂肪燃焼や食欲制御はダイエットにむいていますが、大量に食べ過ぎると糖分の摂取で太る可能性があるので食べ過ぎには注意が必要です。

④ペクチンの整腸作用で便秘解消!

文旦の栄養成分のペクチンは水溶性食物繊維の一つで、整腸作用があり便秘、腹痛、下痢などを改善します。また、コレステロールを下げる効果(コレステロール正常化作用)、食物アレルギーの抑制作用、がん肝転移の抑制作用 、抗腫瘍活性などもあります。

⑤ナリンギンで生活習慣病を予防!

文旦の果実を包む薄皮に含まれる栄養素「ナリンギン」は、抗酸化作用、血流改善、アレルギー抑制、食欲抑制、生活習慣病の予防などの効果があります。

ナリンギンは、文旦などの柑橘類に含まれるポリフェノールの一種でグレープフルーツにも多く含まれている苦味成分です。グレープフルーツを食べると舌がピリピリするのはナリギリンの影響です。

⑥GABA(ギャバ)で脳を元気にイライラ解消!

文旦の注目の栄養素「GABA(ギャバ)」は、脳内の血行を活発にする作用、酸素供給量を増加させる作用、脳細胞の代謝機能を高める作用があります。

文旦には肝臓・じん蔵の機能向上、利尿作用促進、高血圧防止、肥満防止(中性脂肪を下げる)、老化防止などに効果があります。また、GABAは脳内で抑制系の神経伝達物質として働く成分なのでイライラ解消や不眠改善になります。

その他の栄養素

「葉酸」「ビタミンE」「カルシウム」「マグネシウム」「カリウム」「リン」「鉄」なども文旦には含んでいます。「葉酸」は妊婦さんには必要な成分ですね。

文旦(ブンタン)の栄養を活かす効果的な食べ方

文旦は外皮(黄色)もわた(外皮の内側の白い部分)も食べることができます!果肉より皮の方がビタミンCを多く含んでいますので、皮もわたも食べる調理法を覚えてまるまる食べてくださいね。

皮とわたの調理方法

マーマレード

材料
  • わた付の皮1個分
  • 砂糖(お好みの量)
  • レモン汁
  • はちみつ(お好みに応じて準備する。入れなくてもOK)
手順
  1. わた付の皮を包丁でスライス状に切る
  2. たっぷりの水に①を入れて一日おく。3回程水を取り換える
  3. ②をたっぷり水の入った鍋にいれて、沸騰させる。沸騰したらざるでお湯をきる。この②
  4. の作業を4回~5回繰り返して苦さの味見をする(苦さが気になるようなら③を繰り返す)
  5. ③を鍋に入れて水をひたひたになるくらい入れて沸騰させる
  6. ④に砂糖をお好みの量入れる(皮の重さの80%くらいが通常の甘さの目安)
  7. コトコト弱火で水分が無くなるまで煮詰める。お好みではちみつを入れる
  8. 水分が全て無くなったらレモン汁を小さじ一杯くらい入れる
  9. 完成!

他にもサラダや、ゼリー、スウィーツ、ピールなどの調理法がありますのでぜひ試してみてください。ブンタンは日持ちがよくて賞味期限は約一ヶ月です。

文旦(ブンタン)を食べる時の注意

薬の同時服用を避ける

成分の「ナリンギン」が含まれている文旦と薬を同時に服用することは避けた方が良いと言われています。特に「ナリンギン」が豊富に含まれているグレープフルーツと薬を同時に服用することを禁止している薬もあります。

例えば、高血圧の治療薬と一緒に服用すると薬の効能を強くして血圧が下がりすぎたり、心拍数が上がりすぎたりするなどの副作用がおきる可能性があります。

ブンタンやグレープフルーツなどと一緒に摂取してはいけない薬は多数ありますので、事前に医師に相談することをすすめます。

文旦(ブンタン)の栄養成分

文旦(砂じょう・生)の100gあたりの栄養成分をみてみましょう。

[ 成分表 ]単位:/100g

エネルギー 38kcal
水分 89.0g
たんぱく質 0.7g
アミノ酸組成によるたんぱく質 (0.4)g
脂質 0.1g
コレステロール (0)mg
炭水化物 9.8g
水溶性食物繊維 0.3g
不溶性食物繊維 0.6g
< 食物繊維総量 > 0.9g
灰分 0.4g
ナトリウム 1mg
カリウム 180mg
カルシウム 13mg
マグネシウム 7mg
リン 19mg
0.1mg
亜鉛 0.1mg
0.04mg
マンガン 0.02mg
ビタミンA(β-カロテン) 15μg
ビタミンA(β-カロテン当量) 15μg
ビタミンA(レチノール活性当量) 1μg
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.04mg
ナイアシン(ビタミンB3) 0.3mg
葉酸(ビタミンB9) 16μg
パントテン酸(ビタミンB5) 0.32mg
ビタミンC 45mg
ビタミンE(α-トコフェロール) 0.5mg
ビタミンE(β-トコフェロール) 0mg
ビタミンE(γ-トコフェロール) 0mg
ビタミンE(δ-トコフェロール) 0mg

まとめ

文旦に含まれる豊富な栄養成分と効果効能をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?免疫力のアップ、疲労回復・動脈硬化の予防・整腸作用、アンチエイジングに美肌効果・・本当に多くの効果があるフルーツですね。ブンタンを皮ごと食べて全ての栄養を吸収しましょう!

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