正しいみりんの作り方!手作りみりんのメリットデメリットから緊急時の代用品

伝統的な日本料理を作るうえで欠かせない味醂(みりん)。照り・甘み・香りに期待したい料理には欠かすことができない調味料のひとつです。焼酎から作られているみりんですが、実は自分で作ることが出来るんです。手間暇かけておいしいみりんを使いたいときには、自家製みりんに挑戦するのもいいかもしれませんね。

みりんとは?

みりんそそぐ

みりんの作り方をご存知ですか?ほとんどの方は市販のみりんを使っていると思いますので作り方を知らなくても困ることはないかもしれませんが、実はみりんは自分で作ることができるんです。

料理の調味料として日常的に使っているみりん(味醂)の役割は、料理の「照り」「甘み」「香り」をだすことです。みりんよりも価格が安いお砂糖を使っちゃおう、またはみりんをきらしてしまったからお砂糖で代用しようと思ったりしますが、みりんには熟成による味の深みと広がりがありますので、砂糖で調味するよりはるかに美味しい料理ができあがります。

手間暇かけておいしいみりんを使いたいときには、自家製みりんに挑戦してみてはいかがでしょうか。そんな方のために今回は、みりんの役割・使い方について詳しく紹介します。

みりんの作り方

潮を入れる手

自家製のみりんとして、塩を加えた「塩みりん」の作り方をご紹介いたします。

みりんに塩を加える理由

みりんの作り方で忘れてはいけないのは塩を加えることです。みりんの材料に焼酎を使うためアルコール度数が14%ほどあります。そのためみりんは「酒類」に分類されます。ここで1つ問題になるのは「酒税法」です。酒税法ではアルコール度数1%以上の「アルコール飲料」を課税対象とし、製造するには税務署長から製造免許をとる必要があります。

そこで、「アルコール飲料」ではなく、塩を加えることで「飲むことが出来ないお酒」として作れば問題がなくなります。そのために正しいみりんの作り方では塩を加えるのを忘れないでください。

塩みりんの基本となる材料

  • 焼酎35度:600cc
  • 米麹:200g~300g
  • 炊飯用のお酒:大さじ2杯
  • もち米:2合(360cc 約320g)うるち米でも可
  • 塩:出来上がりの分量の2%
  • 炊飯用のお水:炊飯器の目盛りで1.5合

塩みりんの作り方(手順)

  1. お米を炊く
    お米をきれいに研いだ後、水で炊飯します。この時、お米に芯が残らないようにするために、大さじ2のお酒を加えて一晩おいたものを炊飯してください。
  2. もち米を炊く
    もち米を通常通りに炊飯器で炊きます。炊きあがったもち米の粗熱をとり、そこへ焼酎を加えます。焼酎を加えることによって、40度前後まで下がります。
  3. もち米と米麹を混ぜる
    炊いたもち米と米麹をよく混ぜ合わせます。米麹は固まりになっているので、手でもみほぐしながら十分にバラバラにした後、もち米と焼酎を混ぜ合わせたものに、米麹を入れてしっかりと混ぜ合わせておきます。
  4. 塩を加える
    もち米、焼酎、米麹を合わせたものを発酵用の容器に入れ、出来上がりの分量の2%の塩を加えます。
  5. 半年ほど放置する
    発酵用の容器をしっかり密閉し、半年ほど放置して発酵させます。
  6. 発酵したらこす
    半年が経過すると、黄金色のみりんが上澄みになっています。これを、「粗い目のザル」と、「細かい目のザル」そして「さらし布」を用意して、この3段階の流れでこす作業をします。
  7. 2~3日放置
    こした後の液は、乳白色をしていますが、2~3日おくときれいな黄金色にかわります。
    コツ
    この状態で、既にみりんは完成なのですが、なお一層まろやかな風味を味わいたいときは、もう少し寝かせることで、麹がもち米を糖化させより甘さを引き出すことができます。

塩みりんの作り方のポイント

焼酎は25度でもOK

焼酎は35度で作りますが、25度の焼酎を使っても、問題なく美味しいみりんを作ることが出来ます。

塩を加えるのを忘れない

出来上がりの分量の2%の塩を加えることで、塩みりんにする「不可飲処置」を施して「飲むことが出来ないお酒」になります。これで酒税法対策はOKです。塩を加えないと、飲むこともできるアルコール飲料、または完璧な本醸造みりんが出来上がってしまいますので、調味料として使う場合は塩を入れることを、忘れないようにしましょう。

粕づけにする

残った粕は、粕づけとして無駄にすることなくお使い戴けます。

もち米がおすすめ

また、うるち米ではなく、もち米を使うことによって、より甘さを引き出すことが出来ると言われていますので、まろやかなみりんを作りたいときには、もち米をお勧めします。

美味しいみりんは人それぞれなので、材料選びには多少アレンジを加えてみるのも面白いでしょう。

市販のみりんはお酒と同じ

みりんとボウルとアルコール

みりんのラベルをみると、本醸造と書いてありますが、本醸造は焼酎から造られますので「酒類」に分類され、「酒税」がかかります。みりんが他の調味料と比べて値段が高めなのは、みりんの価格には酒税が含まれているからです。みりんの作り方を覚えて自分で塩みりんを作ることでコストをおさえることができるのも手作りするメリットですね。

同じ調味料でも、お酢の場合は酒を造る工程のあとに酢酸発酵させます。甘口ワインの場合はアルコール発酵できる限界を超える糖分を含めておいて造ります。ですが、みりんの糖分は、最初から仕込んだ米の甘さではなく、焼酎にもち米を加えて麹菌で糖化させることで甘さを作り出します。

「みりん風調味料」とは?

みりんとボウルと原料

一般的にみりんと言われているものには、「本みりん」と「みりん風調味料」の2種類があります。味を追求するなら、みりんを使うべきなのですが、コスト面で考えると、「みりん風調味料」よりも「みりん」の方が若干高くつきます。

「本みりん」と「みりん風調味料」このふたつの違いはアルコール度数と、主成分の違いです。本みりんはアルコールを含みますが、みりん風調味料はアルコールを含んでいません。そのため、用途に合わせた使い分けがおすすめです。

では、価格の安い「みりん風調味料」を日常的に使うのはどうでしょうか?

例えば、臭みを取りたい時には「本みりん」を、みりんを加熱せずに使いたい時には「みりん風調味料」という具合に使い分けます。ただし、みりん風調味料は、砂糖や水あめ、化学調味料を上手に配合して、「みりんのような風味」を再現しているものなので、みりんとは別物と考えてください。砂糖と同じくらいの価格帯なのでお求めやすいものの、あまり美味しいとは言えないでしょう。

みりんが無い時の代用品

日本酒一升瓶

みりんを切らしてしまった場合、何で代用したらいいのでしょうか?そんな緊急時には「日本酒」と「砂糖」で代用できますので、慌てて買いに行かなくても大丈夫です。

「日本酒」と「砂糖」みりんの代用を作る方法

日本酒3:砂糖1の割合で混ぜ合わせます。わかりやすい分量でいうと、みりん大さじ1を作りたい場合、日本酒大さじ1と砂糖小さじ1を混ぜればそれで完成です。

これは、みりんの成分であるアルコールを日本酒で代用し、砂糖を使って甘みを出すという理にかなった作り方です。みりんではなくあえてこちらの作り方を、その都度取り入れている料理人もいるくらいですので、しっかりした仕上がりになるのでしょう。

日本酒がない場合には料理酒でも代用できますが、料理酒は酢や塩分を含んでいるので、多少の味の違い、若干違う仕上がりになる可能性があります。

みりんを作るにはみりんの特徴を知ろう

煮物照り出し

みりんの作り方をマスターするには、まずみりんの特徴を知る必要があります。みりんは煮物だけでなく煮魚や照り焼き料理に照りをつけたり、そばつゆ・和え物の甘みや香りをより引き出すのにも使える幅広い調味料です。

では、どのような役割があるかを見ていきましょう。

自然な甘みを出します

みりんはご存じのように、甘さを出すための調味料です。米を発酵して作られるため、砂糖と比べると甘さがまろやかでなじみがとても良く、自然な甘さを出すことが出来ます。お砂糖の主成分がショ糖なのに対して、みりんは9種類以上の糖分を含むため、風味豊かでまろやかな甘みを出すことができるのです。

魚の臭みを消します

みりんに含まれるアルコールによって、魚の臭みを取り除くことができます。また、みりんの甘味は臭みを目立たなくさせます。この方法は臭みの強い肉にも効果があり、豚肉・モツ・獣肉などの臭みの強い肉にみりんを使うことによって、臭みを目立たなくすることができます。

煮崩れを防ぎます

みりんには煮崩れを防ぐ役目があります。ジャガイモは熱が加わると「ペクチン」という細胞をつなぐ組織が溶け出します。みりんに含まれるアルコールはペクチンを溶けにくくする性質がありますので、特にジャガイモには煮崩れを防ぐ効果があります。

照りを出します

みりんに含まれている糖は、材料の表面に皮膜を作る作用があるので、その皮膜により、料理に美味しそうな照りをつけることが出来るのです。

作ったみりんを早速使おう!

みりん煮る

みりんの作り方の通りに作った塩みりんで調理・味付けする際は砂糖と一緒に使います。みりん・砂糖の両方を使用することで美味しさが引き立たせることが出来るからです。

砂糖の主成分はショ糖ですが、みりんは発酵して作るため9種類以上の糖分が入っているというように、砂糖とみりんでは甘さの種類が違います。ですので、砂糖単体だと甘さに角が出てしまいますし、みりん単体だと甘さが少しぼやけてしまうため、両方使用すると角のない自然な甘さが引き立つ料理が出来上がります。

みりんは砂糖のあとに入れます

みりんには、料理を煮しめる働きがありますので、砂糖を入れてからみりんを入れることで、両方の甘さを引き立たせることが出来ます。

みりんのアルコールをしっかり飛ばすようにします

酢の物やそばつゆのように、火を通さない料理に加える場合には、みりんだけを一度軽く火にかける「煮切り」という作業を行いましょう。

煮魚の場合は先に煮汁を温めます

煮魚の場合は、醤油・砂糖・みりんなどを加えた煮汁を煮立てた後に、魚を入れるようにしましょう。魚は水から煮ると臭みが汁に溶け出して、せっかくの料理が台無しになってしまいます。熱い煮汁に魚を入れることで、たんぱく質を手早く固められ、臭みのない美味しい魚料理が出来上がります。

最後に

みりんをボウルそそぐ

みりんは、伝調的な食文化である和食を語るうえでは欠かせない調味料です。みりんの作り方では発酵と醸造に数か月間を要しますが、食品添加物による食心配がないうえに、各種アミノ酸も含まれて健康にも良いとされています。

みりんは甘みとアルコールを両方含むため、使い方に少しコツがいりますが、上手に使えば自然な甘さ・煮崩れ防止・臭みを消す・照りを出す効果がありますので、段違いに美味しい料理が出来る万能調味料です。

ぜひ自家製みりんに挑戦して、普段の料理で積極的に活用してみてください。

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