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ホッケの旬は初夏から冬(5月~12月)までの時期
基本的にホッケの旬は初夏から冬の季節の5月~12月です。
北海道に桜が咲き始める5月から7月にかけて餌をたくさん食べて栄養豊富になって身が大きく脂ののりが良くなるためです。そして秋には産卵に備えて丸々と太って脂のノリがピークを迎えるので旬の中でも秋が一番おいしいと言われています。
ホッケと呼ばれる2種類の魚とそれぞれの旬
ホッケに種類があることはあまり知られていないと思いますが、実はマホッケとシマホッケの2種類がいます。
- マホッケ(真ホッケ)の旬
- 羅臼産:秋の10~11月
- 礼文産:夏の7~8月
- 日高産:冬の11~12月
- シマホッケ(キタノホッケ)の旬
- ロシア産:秋の10~11月
マホッケ(真ホッケ)
日本海や茨城県以北の太平洋側、オホーツク海に生息していますが、国内で水揚されているホッケの9割以上が北海道で水揚げされています。よって国産のホッケは全て北海道産と考えて問題ありません。
そんな北海道産のホッケの中でも「三大ほっけ」と呼ばれるホッケの産地(羅臼、礼文、日高の3か所)があり、漁場別に旬の時期も違っています。
羅臼産のホッケ
羅臼産のホッケの旬は秋の10~11月になります。
良質なプランクトンを餌に、大型サイズで脂ののりが良いのが特徴です。ホッケの腹の部分が赤くなっている「赤腹ほっけ」赤腹になるのは体全体に脂が行き届いたほっけだけに見られる現象で、脂ののりが良く、特に美味い最高級のホッケとされています。
赤腹ほっけスーパーなどで売られることは無いので、北海道の現地で買うか通販でお取り寄せしないと手に入りません。
礼文産のホッケ
礼文産のホッケの旬は夏の7~8月になります。身が厚く脂がのって、こちらも大型サイズになります。珍味として「礼文名物ヌカホッケ」塩分控えめで燻製され、加熱しないでもホッケのうま味と、燻製の香りでおいしく頂けます。
日高産のホッケ
日高産のホッケの旬は冬の11~12月になります。水温が低くなって脂ののりが良く甘みとうま味が凝縮しています。
マホッケは出世魚
マホッケは成長にあわせて呼び名が変わる出世魚です。稚魚の時はアオボッケ、1歳になるまではロウソクボッケ(20cmくらい)、マホッケ(30cmくらい)、ネホッケ(40cm以上)と変わっていきます。
ネホッケとは本来、群れで回遊するホッケですが、中には近海の岩棚などに定着するホッケが出てきます。根が生えたように定着するホッケをネホッケ(根ホッケ)といい回遊して体力を使わない分、大きく育ち身に栄養がたっぷり詰まって脂ののりが良く極上ものとなるのです。
ホッケは鮮度が落ちやすい魚なので北海道のお店でしか生の刺身を食べることしかできませんでしたが、近年輸送技術が向上したため関東でも鮮度の良い生のホッケを提供するお店も出てきました。さすがにこちらは近海もので旬の時期にしか出回らないようです。
シマホッケ
オホーツク海やベーリング海で獲れるホッケで主にロシアから輸入されています。名前の通り身体に縞模様があり、脂ののりが良くとってもジューシーで安価で取引されています。
このシマホッケの中でも肉厚でさらに脂ののりが良いものを「トロホッケ」といいます。トロホッケはそのしっかりとした味で人気もあることから国産マホッケに近い値段で取引されています。
美味しい旬のホッケの選び方
ホッケを選ぶと言ってもほとんどが干物の状態で買うことになります。干物のホッケの選び方のコツは下記の通りです。
- 身が厚くふっくらしている干物
- 透明感があってテカりすぎていない程度につやがある干物
鮮魚の鮮度の良さを見るのと違って判別が難しいと思いますが、じっくり良く見ると違いはわかると思います。
旬のホッケを楽しむ料理レシピ
ホイルでチーズ焼き
材料(2人前)
- ほっけ干物の切身:2枚
- ミニトマト:2個
- ピザ用チーズ:大さじ2
- オリーブ油:適量
- 塩:少々
- こしょう:少々
作り方
- 縞ほっけの干物の切身の骨をそぎ切ります
- ミニトマトは4等分にして、バジルはみじん切りにします
- アルミホイルにオリーブオイルを薄く塗ります
- オリーブオイルを塗ったアルミホイルにほっけを乗せ、塩、こしょう、ピザ用チーズ、ミニトマト、バジルをのせます
- アルミホイルを包み両端を絞って止めます
- フライパンに具材を入れたアルミホイルを入れ、強火にかけて焼けている音が聞こえてきたら、水をアルミホイルの半分くらいの高さまで加えて蒸し焼きにします
- 水が蒸発して、そのまま2分ほど放置すれば完成です!
簡単ホッケの竜田揚げ香味だれ添え
材料 (2人分)
- 一夜干しホッケ:1尾
下味
- 酒:小さじ2
- 塩:適量
- こしょう:適量
- 片栗粉:50g
香味だれ
- ポン酢:大さじ3
- スウィートチリソース:大さし2
- 水:大さじ1
- 万能ネギ(輪切り):3本
作り方
- ホッケを食べやすい大きさに切ります
- 切ったホッケに、下味の材料をまぶして混ぜて、冷蔵庫に15分ほど入れておきます
- 冷蔵庫で下味をなじませたら、ビニール袋に入れ片栗粉を加え軽くもんだり振ったりします
- 熱した脂でカラッとキツネ色になるまで揚げます
- 香味だれの材用を混ぜておきます
- 油をよく切りお皿に盛り付け香味だれを添えれば完成です!
ホッケの栄養と効能
ホッケの主な栄養成分とその効能について紹介します。
DHA・EPAが豊富
不飽和脂肪酸の一種であるDHA、EPAが含まれています。DHAは、ドコサヘキサエン酸の略で、血管の柔軟性を高め、血栓を溶かしたり、血中の中性脂肪を抑制したりするなど、血液をサラサラに保つ働きがあります。脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化の予防効果があります。
EPAは、エイコサペンタ塩酸の略で、血液をサラサラにするほか、アトピー性皮膚炎や花粉症などの症状の緩和に効能があります。DHA・EPAは必須脂肪酸となり、体内でほとんど合成することできません。不足してしまうと様々な身体のトラブル原因となってしまいます。
ビタミン類が豊富
ビタミンA、B1、Dなどのビタミン類、カルシウムのようなミネラル分が豊富に含まれています。ビタミンAの含有量が多いため、抗酸化作用により、様々な生活習慣病予防に効果があるだけでなく、眼精疲労の改善や皮膚病の予防にも十分な効果が期待されています。
カルシウムが魚の中でもトップクラス
魚にはカルシウムが豊富に含まれているのは有名ですが、ホッケのカルシウムは魚の中でもトップクラスです。その量はサンマの2倍以上、アジの4倍以上にも相当するといわれています。
ビタミンDも含んでいますので、より効果的にカルシウムを身体に取り入れることができるため、骨粗鬆症予防や、骨や歯の強化におすすめの食材です。
ホッケの頭部には、肌に良いヒアルロン酸が含まれています。ヒアルロン酸はお肌の水分を保持して潤いを保ったり、関節部分の軟骨の中で潤滑作用があったりするといわれています。
まとめ
脂ののりが良くおいしく食べられているホッケ。日本で食べられるホッケは主に2種類いて国産品のほとんどがマホッケで、主にロシアから輸入されてスーパーでいつでも買えて安価で取引されているのがシマホッケと呼ばれています。
調べてみると栄養素も高く美容と健康に役立つこともわかりました。冷凍や加工技術もどんどん進化しておいしくいただけるので積極的に食卓にのせたいお魚ですね。
管理栄養士取得後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」思いから独立しセミナーや個別サポートを行っている。その他、事業立ち上げ、商品開発、記事監修、特定保健指導、講師活動などを行っている。