目次
水の賞味期限とは
「賞味期限」は美味しく飲める期間という意味
賞味期限とは簡単に言うと「美味しく食べる(飲む)ことができる期限」です。
ミネラルウォーターを含む水は、保存の状態によっては劣化することもありますが、未開封であれば中身の水が腐るということは考えられないとのことです。
ほとんどのメーカーのペットボトルのミネラルウォーターはろ過や加熱の工程を行い雑菌は取り除かれています。雑菌が入り込んだ水は腐敗していきますが、雑菌が入っていない水は異物が入らない限りは劣化する心配はないでしょう。
賞味期限が切れた水を飲んでしまったからといって、すぐに具合が悪くなるなどといった体調の変化もないと言われています。
「賞味期限」が設定されている理由
それではなぜ賞味期限が設定されているのでしょうか?
その理由は、中に入っている水ではなくペットボトルなどの保存容器の問題です。ペットボトルにはわずかに通気性があるため、長い期間保管していると容器を通じて水が蒸発していくのと、周囲の「におい」が移る可能性があると言われています。
このことで、衛生上の問題はなくても風味や味わいが損なわれることも考えられるため、賞味期限が設定されています。
開封後の「賞味期限」はある
一方で開封後のミネラルウォーターは、開封した瞬間から空気中の雑菌が入り劣化が始まります。特にコップに注がず直接口をつけて飲むと、唾液に含まれる雑菌が多く混入して劣化・腐敗の速度が速くなります。
開封後、常温保存の場合は1日、沸騰させながら使えば1週間程度保存ができると言われています。冷蔵庫で保存することで、雑菌の繁殖は抑えられ保存期間も2、3日と長くなりますが、それでもできるだけ早く飲み切るようにしましょう。
「賞味期限」と「消費期限」の違い
「美味しく食べる(飲む)ことができる期限」の賞味期限に対して、消費期限は「期限を過ぎたら食べない(飲まない)ほうがいい」というものです。
品質が保持できる期限のため、期限を過ぎると腐敗や劣化が進みます。記載されている年月日までに「安全に食べられる(飲める)」期限なので、お弁当屋ケーキ、生鮮類などいたみやすい食品に表示されています。
水の賞味期限は容量や容器の素材で変わる
未開封の500mlのペットボトルの賞味期限はだいたい1年程度、1.5~2リットルのもので2~3年程度が一般的です。備蓄用の水はさらに長く5年くらいです。
サイズによって賞味期限が違うのは、外部から受ける影響が違うためです。
1.5~2リットルなどサイズが大きいほうが外部からの影響は分散されます。表面積の小さな500mlの小さなサイズは、外部からの影響が受けやすいため、前述した通り周囲の「におい」が移ったり、蒸発する量も多くなる可能性があるためです。
未開封で冷蔵保存していても、同じ条件になるでしょう。
また、ペットボトルの素材も」メーカーによってさまざまです。ペットボトルにはエコを意識した柔らかい素材のものや、しっかりとしたタイプのものなどあります。
賞味期限の点からみると薄い柔らかい素材よりも厚くしっかりしたペットボトルのほうが周囲からのにおいもシャットアウトでき、賞味期限は長く設定されています。
災害のときの備蓄用の水も、長く保管できるよう硬い素材のボトルが使われているものが多いです。
ミネラルウォーター以外の賞味期限
水道水の場合
市販されているミネラルウォーターではなく家庭の蛇口から出る水道水の場合の賞味期限はどのくらいでしょうか。
水道水は塩素消毒されているため、体に影響がない程度の塩素が含まれています。そのため、塩素の殺菌作用もあり、直射日光の当たらない涼しい場所で保存すれば3日程度は品質を維持できるといわれています。
保存する際の注意点は、塩素は空気に触れることで揮発していくため、コップなどに入れたままで保存するのではなく、蓋がついてしっかりと密閉できる容器に入れて保存しましょう。
ペットボトルなどしっかりと密閉できる容器に入れた水道水を冷蔵庫で保存する場合は、1週間程度は保存できます。ポイントは空気に触れさせず低温で保存することなので、水道水を容器に入れたら素早く蓋で密閉して冷蔵庫に入れましょう。
浄水器の水の場合
水道水に浄水器をつけている場合は、塩素が除去されているため雑菌が繁殖しやすい状態となっています。浄水器を通した水の保存や煮沸消毒した水は、その日のうちに使い切るようにしましょう。
ウォーターサーバーの場合
開封前のウォーターサーバーの賞味期限はメーカーによって異なりますが、ペットボトルと同じで開封前と開封後では異なります。開封前では多くのメーカーが約6カ月を賞味期限と設定していますが、短いものもあれば1年くらいの賞味期限のメーカーもあります。
水の種類によって賞味期限の長さが変わることはなく、取り扱っている原水の質やろ過のシステム、使われているボトルの素材などで変わってくるようです。開封後の賞味期限はできるだけ早く飲み切ることが推奨され、明確な日数が記載されていないメーカーが多いです。
だいたい10~30日以内に使い切るのがよいそうですが、この目安はウォーターサーバーにセットした場合です。サーバーにセットすることで、空気に触れにくくなり長持ちします。備蓄水としてボトルからそのまま飲む場合の賞味期限は1日程度と覚えておきましょう。
正しい保管方法
未開封の水を保存する際は、直射日光が当たる場所、温度や湿度が高い場所は避けましょう。
ペットボトルに入っている水は周囲のにおいが移る可能性もあるため、近くに強いにおいを持つようなものも置かないほうが良いでしょう。
開封後はできるだけ空気に触れないよう直ぐに蓋やキャップで密閉して冷蔵庫での保管がおすすめです。
賞味期限切れの水を有効に使う方法
災害時の備蓄用
賞味期限の切れた水は、災害時の生活用水に使うことができます。飲み水には適していなくても、断水になってしまったときの生活用水として利用できます。
日常で使う生活用水
飲むことには抵抗があっても、食器洗いや手洗いなどには使うことでができますね。泡立ちもよく、節水対策にもつながりますので試してみましょう。
水やりや屋外の掃除
ミネラルウォーターは水道水よりもミネラルが豊富なため、花や植物の水やりにはおすすめです。ペットボトルにじょうろの口を付けて使えるじょうろもあります。
また、玄関やベランダの掃除に利用するのもよいでしょう。特に近くに蛇口がないところの屋外の掃除では、ペットボトルのまま持って行って流すことができるので便利です。
アウトドアやレジャー
キャンプなどのアウトドアやレジャーの時にも重宝します。手洗いや食器洗いに使いたい量で利用できます。ペットボトルのまま持っていけば、キャップ付きのため倒れてもこぼれてしまう心配もありませんので安心です。
洗濯やお風呂
賞味期限が切れていても衛生面に問題があるわけでありませんので、大量にある場合は洗濯やお風呂に使うこともおすすめです。
特に軟水の場合は、肌にも優しく洗いあがりの肌がすべすべに感じることもあるでしょう。また、軟水は石鹸との相性も良く、金属イオンが少ないため石鹸カスが出にくいというメリットもあります。
最後に
賞味期限の切れた水の中でも炭酸水は掃除に使うのがおすすめです。シュワシュワはじける泡が、汚れと汚れの間に入り込み浮かせてくれる役割と、油汚れにも強いというメリットがあります。
炭酸が完全に抜けてしまった場合の効果は弱まりますが、弱酸性の成分には変わりはなく油汚れには強いという性質は保てますので、期限切れの炭酸水は掃除に利用してみましょう!