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帯祝いとは
「帯祝い」とは、安定期に入った妊娠5ヶ月目(16週目~19週目頃)の戌(いぬ)の日に岩田帯(いわたおび)と呼ばれる腹帯を巻いて安産祈願をする行事です。帯祝いの岩田帯は妊婦の両親が準備します。
帯祝いを戌の日にする理由は、犬は子沢山でお産が軽いとされていますので、帯祝いの時にそのご利益をいただこうという安産への願いがこめられています。帯祝いは神社で安産祈願をした後、親戚などの内輪だけで祝宴を行います。一般的に帯祝いの腹帯は夫や妊婦の母親や姑が巻きます。
昔は子宝に恵まれた夫婦の妻が妊婦に腹帯を巻いていました。また最近では戌の日にこだわらずお母さんの体調や希望などを第一優先に帯祝いをする人が多いようです。
帯祝いの歴史は古く、平安時代にはあったようですが、正確な起源や由来は分からないそうです。古事記(712年)には、神功皇后(じんぐうこうごう)が懐妊した時に巻いたことが書かれておりそれが起源になったのではないかといわれています。
現在の皇室にも「着帯の儀」と呼ばれる宮中儀式があるそうで、一般の帯祝いと同様に行われているようです。
「岩田帯」はさらし木綿を七五三にちなんで七尺五寸三分(約3.2m)の長さに切り、生地の端に赤色の「寿」の字を書きます。その帯を半分に折り、折り目を下にして妊婦の下腹にまきます。
その際、その年の恵方に向かって帯を巻くと良いそうです。
帯祝いは地域によって風習に違いがあるようです。地方によっては戌の日ではなく酉の日におこなうところがあります。また、5ヶ月ではなく、3ヶ月目・6ヶ月目・7ヶ月目・9ヶ月目に帯祝いを行うところもあるようです。
帯祝いの変わった風習として、腹帯は夫のふんどしが良いとされている地域がありますが、さすがに今ふんどしをしている方はいないようで、一度夫が腹帯を腰に締めてから帯祝いをするそうです。風習の差って大きいですよね。
帯祝いの流れ
「帯祝い」の流れはとても簡単です。神社で参拝、またはご祈祷を受けた後、いただいた腹帯をまくだけです。
帯祝いの前日までに準備しておくもの
初穂料(はつほりょう):5,000~10,000円程度
帯祝いに安産祈願でお参りする時は、謝礼として初穂料(はつほりょう)を持っていきます。基本的に紅白の「蝶結びの水引」ののし袋に入れます。表書きには「祝の帯」「御祝」「帯祝」などが良いでしょう。もし、のし袋が無い場合は白い封筒でも大丈夫です。
服装
一般的にはシンプルなワンピースやスーツ。なるべくフォーマルな服装で行きましょう。ただし、正装である必要はありません。身体に楽な普段着でも良いそうです。
一般的な祈祷の進行と作法
- お清めをする
- 祈祷の申し込みをする・初穂料を納める
- 呼び出しがきたら本殿へ上がる
- ご祈祷・お祓いを受ける
- 祝詞を受ける
- 二拝、二拍手、一拝をする
帯祝いで腹帯など授与品を受け取る腹帯は巻いていくか、持参するか、神社で購入するか、どれがいいのか分からない場合は、ご両親やお姑さんにご相談ください。また、神社やお寺によっては腹帯をもらえたり、購入することもできますので、事前に確認してみてください。
水天宮
「安産祈願」は安産にご利益のある神社に行くことをおすすめします。神社によっては帯祝いの流れが異なる場所もあるそうです。参考までに水天宮の帯祝いをご紹介します。
ご祈祷について
- 受付用紙の必要事項を記入する。
- 受付に受付用紙を出し、初穂料を納める。
- 待合室で整理券などを受け取りご祈祷の順番が来るまで待つ。
- 本殿でご祈祷を受ける。
※受付から祈祷するまでの間、案内してくれる方がいますので大丈夫です。
料金
ご祈祷料金(初穂料):5,000円
御子守帯(みすずおび):4,000円
小布御守(こぎれおまもり):3,000円
※昔ながらのさらしの腹帯である「御子守帯」が4,000円。
※小さい布を自前の腹帯に縫い付ける「小布御守」が3,000円。
住所:東京都中央区日本橋蛎殻町2丁目4−1
電話番号:03-3666-7195
受付時間:8時00分~15時00分(ご祈祷は9時00分から)
アクセス:東京メトロ半蔵門線「水天宮前」駅5番出口から徒歩1分
東京メトロ日比谷線「人形町」駅A1出口から徒歩6分
帯祝いのお祝いを贈る場合
現金の場合
お祝いを贈る時期は、帯祝いをする妊娠5ヶ月目の戌の日の半月前頃から、当日までに贈ります。
帯祝いの目安金額と相場
- 妊婦の親:10,000円~30,000円
- 親、兄弟:5,000円~10,000円
- 親戚:3,000円~10,000円
- 友人:3,000円~5,000円
- 同僚:3,000円~5,000円
帯祝いにお祝い金を贈る場合は表書きに「御帯祝」「御祝」「御着帯お祝」「寿」などにします。金封は「紅白あわび結び」「紅白花結び」にしましょう。
カタログギフトの場合
カタログギフトは好きな時に好きな商品を選べるので、誰にでも喜ばれる帯祝いと言えます。またカタログにはマタニティグッズがある方が帯祝いとして喜ばれると思います。のし袋の使用については、紅白蝶結び水引で、表書きは「御帯」「御祝」などにします。
マタニティグッズの場合
- 岩田帯
- 妊婦帯
- サーポートベルト
- 骨盤ベルト
- マタニティウェア
この段階では、万が一の場合の心配りとして、ベビー服やおむつなどのベビーグッズではなくマタニティグッズを贈ります。ベビーグッズは出産後に贈りましょう。
帯祝いのお返し
帯祝いは身内で行う祝い事なのでお祝いを贈るのはごく親しい身内のみで、基本的に帯祝いのお返しは必要ないとされていますが、「赤飯」や「紅白餅」などでお返しする地域があります。家族以外の方へは「内祝」として、いただいた金額の5分の1から3分の1程度の贈りものでお返しをします。
体調を最優先に!
戌の日の帯祝いの祈祷は水天宮などの有名な神社で行う場合は行列になるほど混雑する場合があります。安定期に入っているといっても、腰や背中に負担が出てくる時期でもありますし、つわりで体調不良が続いている人もいるでしょう。帯祝いは何よりも妊婦さんの体調が大切です。無理をせず体調を最優先にしてください。
まとめ
帯祝いにはお腹の中の赤ちゃんやお母さんを守ろうという意図も込められています。腹帯は妊娠5ヶ月の戌の日から身につけるものですが、安産祈願の目的以外に、腹帯を巻くことで妊婦さんのお腹を冷えや衝撃から守る効果もあります。帯祝いで安産祈願をして出産に備えましょう。