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どんぐりには虫がいるので煮沸が必要
秋になると木々が色づき、松ぼっくりやどんぐりなどの木の実がよく落ちています。子供のいる家庭の場合、公園などに行くとそれらを拾って持って帰ることがあります。
ところが、どんぐりには高い確率で虫が入っており、そのまま放置しているとどんぐりから虫が出てきてしまいます。したがって、拾ってきたどんぐりを保存する場合は、虫が出てこないように煮沸をする必要があります。
どんぐりにいる虫の正体は?
どんぐりに入っている虫の多くは、「クヌギシギゾウムシ」や「コナラシギゾウムシ」といったゾウムシの幼虫で、小さな白い芋虫です。他にも「ハイイロチョッキリ」や蛾の幼虫が入っていることもあります。
これらの虫はどんぐりの中に高い確率で入っているため、どんぐり虫と呼ばれることもあります。
どんぐりを煮沸する方法5つ
上で述べたように、どんぐりには高い確率で虫が入っているため、処理をしないとどんぐりから虫が出てきてしまいます。虫が出てきたどんぐりには穴が開いてしまうため、拾ってきたものをきれいに保存するためには、正しい方法で処理をする必要があります。
そこで、虫がいるどんぐりへの対処方法である煮沸のやり方について見ていきましょう。
どんぐりを煮沸する方法1:選別する
拾ってきたどんぐりを保存する場合、まずどんぐりの選別をしましょう。殻にヒビが入っているものや割れているもの、へこんでいるものは保存に適さないので取り除きましょう。
また、殻に穴が開いている等、明らかに虫が入っていそうなものも取り除きましょう。他にも、へこんでいたり、中身が腐って柔らかくなっているものは取り除いた方が良いでしょう。
どんぐりを煮沸する方法2:洗う
どんぐりの選別が終わったら、煮沸をする前に水で洗ってきれいにしましょう。この時、どんぐりを水に入れてみると、沈まずに浮かんでくることがあります。浮かんできてしまうものはどのような特徴があるのでしょうか。
中に虫のいるどんぐりは、虫が実を食べている分、空洞ができているため水に浮きます。一方で、中に虫のいないどんぐりの場合、実がしっかり詰まっているため水に沈みます。
このように、水への浮き沈みで虫のいるどんぐりをある程度見分けられます。どんぐりを洗っている時に水に浮くものがあったら、中に虫がいる可能性が高いので取り除きましょう。
どんぐりを煮沸する方法3:煮る
どんぐりがきれいになったら、どんぐりを煮沸します。煮沸をすることで、どんぐりの中の虫を加熱により駆除できます。</strong></mark>大きさにもよりますが、3~5分ほど煮沸をしましょう。加熱により虫が出てくる場合もあるので、料理以外に使用する鍋を用意しておくと良いでしょう。
いきなり熱湯にどんぐりを入れてしまうと殻が割れてしまうことがあるので、どんぐりは水の状態から入れておきましょう。また、煮沸時間が短いと中にいる虫を駆除できません。ただし、煮沸時間が長すぎても殻が割れてしまうので、様子を見ながら煮沸をするようにしましょう。
どんぐりを煮沸する方法4:水気を切る
どんぐりを煮沸した後は、ザルなどにあげてしっかりと水気を切りましょう。水気が切れていないと、乾燥の過程でカビが発生する可能性があるので注意しましょう。
ザルにあげたばかりのどんぐりは、表面がすぐに乾燥するため冷めたように感じます。ですが中まで熱くなっているので、やけどに注意が必要です。また、冷やすために冷水などにあてると殻が割れる場合があるため、そのままの状態で粗熱がとれるのを待ちましょう。
どんぐりを煮沸する方法5:乾燥させる
どんぐりの粗熱がとれたら、新聞紙などを敷いて乾燥させます。
熱風をかけたり、強い日差しに当たったりすると、外側だけが乾燥して殻が割れる原因となるため、日が当たらない風通しの良い場所でゆっくりと乾燥させましょう。しっかりと乾燥させるには3日~1週間ほどかかります。
また、新聞紙に接している面は風通しが悪いため、時々どんぐりをひっくり返すと良いでしょう。
どんぐりを上手に煮沸するコツ3つ
高い確率で虫がいるどんぐりには煮沸処理が有効ですが、煮る時間を間違えてしまうと殻が割れたり、中にいる虫を駆除できなかったりします。また、どんぐりの大きさによって煮沸時間が変わってくるため、上手に煮沸するには少しコツが必要となります。
どんぐりを煮沸するコツ1:煮沸する時の水の量に注意する
どんぐりを煮沸する時は、たっぷりのお湯で煮沸するようにしましょう。どんぐりの量に対して3倍くらいが水の量の目安になります。どんぐりが十分に水に浸かっていないと、火の通りが悪いものが出てきてしまうため、中の虫を完全に駆除できない場合があります。
どんぐりを煮沸するコツ2:煮沸する時間はどのくらい?
煮沸する時間はどんぐりの大きさによって変わりますが、小さいものであれば3~5分、大きなものであれば8分、長くても10分程度を目安に様子を見ながら煮沸するようにしましょう。
煮沸をする時は火加減も大切なポイントです。火が強すぎるとお湯が激しく対流するため、どんぐり同士がぶつかり合って割れる可能性があります。中火から弱火にして、どんぐり同士がぶつからないように注意しましょう。
どんぐりを煮沸するコツ3:大きいどんぐりや帽子がついている場合
大きいどんぐりを煮沸する場合、煮沸時間が長くなってしまうため殻が割れる可能性が高くなります。また、帽子がついているどんぐりは、煮沸しているうちに帽子がとれてしまうことがほとんどです。
したがって、煮沸時間が長くなりそうな大きいものや帽子がついている場合は、煮沸以外の方法で処理をした方が良いでしょう。
煮沸以外のどんぐりの処理方法とは?
ここまでは、どんぐりの虫への処理方法として煮沸する方法を紹介してきました。しかし、上記のように大きなどんぐりや帽子のついているものは煮沸による処理が向いていません。その場合は煮沸以外の方法で処理をする必要があります。
煮沸以外のどんぐりの処理方法にはどのような方法があるのか、見ていきましょう。
冷凍する
煮沸以外の方法として、やや時間はかかりますがどんぐりを冷凍する方法があります。
やり方は、どんぐりを選別してきれいにしてから、密閉容器や袋に入れて、それを冷凍庫に入れておくだけです。この時、一緒に水を入れてしまうと、凍る時に水が膨張してどんぐりが割れてしまうので気をつけましょう。
冷凍により虫を駆除するため、冷凍期間は最低でも3~4日は必要です。冷凍庫の開閉による温度変化を考慮して、念のために1週間ほど冷凍すると良いでしょう。その後は、新聞紙などの上に広げて煮沸の時と同様にしっかりと乾燥させましょう。
塩水につける
どんぐりを塩水につける方法もあります。
塩を使って虫を駆除する方法で、やや濃い目の塩水を用意してどんぐりを一晩つけておきます。塩水はどんぐりがしっかり浸かるくらい用意しましょう。塩分濃度は海水くらいが目安です。海水は約3%の塩分濃度なので、例えば水1リットルの場合は、塩は大さじ2杯となります。
一晩つけた後は水から出し、煮沸処理と同様にしっかりと乾燥させましょう。
電子レンジでのどんぐりの加熱はNG
電子レンジで加熱をする場合、ワット数や時間配分が難しく、どんぐりが破裂する可能性があり危険です。また、加熱中だけでなく取り出した後に破裂する場合もあるため、電子レンジでどんぐりを処理するのはやめた方が良いでしょう。
煮沸後のどんぐりはどうやって保存する?
どんぐりはきちんと処理ができていれば3年程度は保存できます。そのまま保存しても良いですが、少し手を加えると、よりきれいな状態で保存できます。
ここでは、煮沸後のどんぐりを保存するための工夫をいくつかご紹介いたします。
木工用のニスを塗る
煮沸後のどんぐりをきれいに保存する工夫の1つとして、木工用のニスを塗る方法があります。ニスを塗ることで、ツヤが出て見た目がきれいになるだけではなく、表面がコーティングされるため、どんぐりの色落ちを防げます。また、ニスはどんぐりの表面に強度をもたせます。
木工用のニスは100均などで購入できます。一つひとつ刷毛で塗っても良いですが、どんぐりの数が多い場合は、ビニール袋にどんぐりとニスを入れて振ることで、1度にたくさんのどんぐりにニスを塗れます。
この時、ニスを入れすぎないように注意しましょう。ニスは重ね塗りをして、厚みを出すときれいな仕上がりになります。
インテリアとして飾る
きちんと処理をしたどんぐりは、アレンジによってさまざまな用途に活用できます。
例えば、木工用ボンドやグルーガンなどでリースやフォトフレームにどんぐりを飾り付ければオリジナルの作品ができます。この時、どんぐりだけでなく他の木の実や枝を飾り付けると良いアクセントになるでしょう。
他にもどんぐりそのものを使ってコマややじろべえなどのおもちゃを作ることもできます。顔料ペンで色を付ければカラフルで見た目にも楽しいものになります。このように、煮沸後のどんぐりはフォトフレームなどにして、インテリアとして飾るのもおすすめです。
拾ってきたどんぐりは煮沸をしてきれいに保存しよう
秋になるとよく落ちているどんぐりには高い確率で虫がいるため、そのまま放置していると虫が出てきてしまうことがあります。しかし、これらはきちんと処理をすることで対処できます。せっかく拾ってきたどんぐりですので、煮沸をしてきれいに保存しましょう。