目次
ゼラチンとは
ゼラチンの代用をご紹介する前に、まずはゼラチンとは何かをご説明します。
ゼラチンは牛や豚の骨や皮からコラーゲンを抽出して作る動物性のたんぱく質です。動物からとれるたんぱく質なのでベジタリアンやヴィーガンの方は口にすることができません。
ゼラチンは他の食材と混ぜ合わせても味を変えずに、ゼリーなどを作るときに固める目的の凝固剤として使用されていますので、ゼラチンの代用品も凝固力があるものを選びます。
食用のゼラチンは顆粒タイプと粉タイプと板タイプと3種類があり、常温でも簡単に溶かすことができる粒タイプが使いやすいので広く流通しています。
ゼラチンは飲み物やスープに加えた場合にはコクが出て、粉物に加えた場合にはしっとりさせたりふっくら仕上げるといった効果があります。
ゼラチンの代用品6選!使い方と食感の違い
ゼラチンの代用品のそれぞれの特徴と、ゼラチンの代用として向いている料理や食感の違いなどをご紹介いたします。
寒天
ゼラチンの代用品としてまず挙げるのは寒天です。
ゼラチンの代用に寒天を使用するとゼラチンと比べると硬めのしっかりとした食感に仕上がりますので、レシピ通りのゼラチンと同じ分量で使用すると全く別物の食感になるので注意が必要です。
凝固力はゼラチンの5倍とも言われて常温でも凝固を保てます。
またゼリーなどで使用した場合には少し濁ったような色になるので、透明感のあるゼリーを作ろうとしている場合には向いていません。
しっかりとした形をキープさせたい羊羹や杏仁豆腐をつくる場合には寒天を使用しましょう。
寒天の原材料はテングサやオゴノリという海草から抽出され作られているので食物繊維が豊富です。海草が原材料なのでベジタリアンやヴィーガンの方が口にしても問題ありません。
アガー
出典:https://www.cuoca.com/articles/agar/
ゼラチンの代用品の2つ目はアガーです。
アガーってなに?とご存知ない方も多いと思いますが、アガーの原材料はカラギーナンという海藻から抽出されるものとローカストビーンガムという豆類の種から抽出されるものの混合物なのでベジタリアンやヴィーガンの方が口にしても問題ありません。
アガーも寒天と同様ゼラチンよりも硬めに仕上がるので、代用として使用する場合にはゼラチンを使用する場合よりも分量は少し少なめの量を使用してください。
常温で固まり、冷蔵庫に入れて冷やした後で外に出して置いても溶けないので夏の熱い季節のお菓子作りで活躍できます。
常温でも固まってしまうということは、お菓子作りにおいても手早く効率的に作業をしないといけません。使い方やレシピを確認しながらといった場合には途中で固まり始めてしまいます。
また、溶かす際にはだまになりやすいので溶かす前に砂糖と混ぜて一箇所にまとまって入れないように振りながら入れて溶かしてください。
色や香りもないので素材の味の邪魔をしません。透明感のあるゼリーを作る場合には寒天よりもアガーを代用することをおすすめします。
片栗粉
ゼラチンの代用品の3つ目は片栗粉です。
料理でとろみをつけるときに使うのでキッチンに常備している家庭も多く、ゼラチンの代用品として使いやすいものです。片栗粉は加熱すると固まっていくので、加熱してとろみがでたものを冷やして使うことになります。
ゼラチンと比較すると食感はもちもちとした食感に変わってしまいます。さっぱりとした味わいのゼリーを作るときには向いていません。和菓子やプリンを作るときにはおすすめとなります。
片栗粉の原材料は本来はカタクリという植物でしたが、最近ではほとんどのものがじゃがいもを原料としているのでベジタリアンやヴィーガンの方が口にしても問題ありません。
ペクチン
ゼラチンの代用品の4つ目はペクチンです。
アガーと同じにペクチンも聞きなれない方が多いと思いますが、ペクチンは柑橘類やりんごから抽出される物でジャムなどのとろみの素となっています。
特徴としてペクチンは酸がなければ固まることはできません。ペクチンにはHMペクチンとLMペクチンの2種類あり、用途が違うので酸度や糖度によって使い分ける必要があります。
HMペクチンは酸度の高いジャムや柑橘系のマーマレードを作ることができます。LMペクチンはカルシウムなどのミネラルによって固まるペクチンなので、低糖度のジャムにとろみをつけるときなどに使用します。
ゼラチンや寒天やアガーと違い酸度の強いものや乳製品を固めることができます。ペクチンの原材料は柑橘類やりんごになるのでベジタリアンやヴィーガンの方が口にしても問題ありません。
葛粉(くずこ)
ゼラチンの代用品の5つ目は葛粉です。
葛粉はクズという多年草の植物の根のでんぷん精製したものです。
ゼラチンと比較した場合は、食感がもちっとしたものになりますが、葛粉は分量で食感を変えることができます。多く入れるともちっとした食感になり、少なめで使用すると緩くつるっとした食感を楽しむことができます。
お好みで硬さを調整するだけではなく、味にもクセは無いので様々な料理でゼラチンの代用として使用する事ができます。
葛粉の原材料はクズという植物の根なのでベジタリアンやヴィーガンの方が口にしても問題ありません。
マシュマロ
ゼラチンの代用品の6つ目はマシュマロです。
ここまではゼラチンが含まれない代用品を紹介してきましたが、マシュマロをゼラチンの代用として使えるのはマシュマロにはゼラチンが含まれているからです。
ジュースなどにマシュマロを溶かして冷蔵庫に入れて固めるだけで簡単にゼリーを作ることができます。
マシュマロをゼラチンの代用として使用する方法は、マシュマロをまず水洗いして表面の粉を落とします。その後鍋に適量の水とマシュマロを入れて煮て溶かします。溶かした液体を材料に加えて使用するか、冷まして粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やしゼリー状にしてから使用します。
マシュマロ自体が甘いので、お菓子作りに使用する際は砂糖の量を少なめに調整してください。マシュマロにはコラーゲンも含まれているので美容にもうれしい効果を期待することができます。
マシュマロには原材料にゼラチンを含んでいます。ゼラチンは動物性のたんぱく質なのでベジタリアンやヴィーガンの方が口にしないようにしましょう。
ゼラチンで固まらない食材を代用品なら固めることが可能?
ゼラチンでは固まらない食材もあります。
パイナップルやキウイにはたんぱく質を分解する酵素が含まれています。ゼラチンは牛や豚の骨や皮からコラーゲンを抽出して作る動物性のたんぱく質ですので固めることができません。
パイナップルやキウイを使用する場合にはゼラチンの代用品が活躍します。代用品の寒天やアガーを使用すれば固めることが可能です。
ダイエットに向いているゼラチンの代用品
ゼラチンの代用品の中にはゼラチンよりもダイエット効果のある代用品があります。
それは「寒天」です。
ゼラチンのカロリーは10gあたり36kcalとなりますが、それに対してゼラチンの代用品の寒天のカロリーはほぼ0kcalです。
カロリー的にはどちらも少ないのでそんなに違いはないのでは?と考えてしまうかもしれませんが、寒天には糖質の吸収を抑えてくれる効果もあり、食物繊維も含んでいる寒天をゼラチンの代用にすることでダイエット効果が期待できると言えます。
ゼラチンの代用品はベジタリアン向き!
ゼラチンは成分を見ると動物性のたんぱく質なので、ベジタリアンでは口にする事ができませんが、ゼラチンの代用品を使うことでベジタリアンでも口にすることが可能な料理やお菓子を作ることができます。
代用品の場合は完全にゼラチンを使用した場合と同じ味に仕上げることは難しいですが、作るものによってはより美味しく作ることも可能です。
またゼラチンには微量ながらカロリーがあるので少しでも健康のために代用品を使ってみましょう。